転勤や離婚、あるいは家族構成の変化など、住まいを手放す理由は人それぞれですが、多くの方が直面するのが「住宅ローンが残っているマンションを本当に売れるのか?」という壁です。

結論から申し上げますと、ローン残債がある物件でも問題なく売却を進めることができます。

ただし、取引を完了させるためには、買主へ名義を移す前に「住宅ローンの全額完済」と、銀行の担保権である「抵当権」の抹消を同時に行わなければなりません。
この「完済」という条件をクリアするために不可欠なのが、正確な現状把握です。
まずは現在のローン残高をスマホや書類で確認し、並行して不動産会社へ査定を依頼しましょう。

こちらの記事では、住宅ローンの残債があるマンションの売却方法や流れ、オーバーローンの場合の対処法、さらには後悔しないための注意点まで徹底解説します。

住宅ローンの残債があるマンションは売却可能?

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住宅ローンの残債がある状況でも、マンションの売却は可能です。

ただし、売却と同時にローンを全額返済し、銀行が設定している「抵当権(家を担保にする権利)」を外すことが絶対条件となります。

売却にあたっては、自分の状況が「アンダーローン」か「オーバーローン」かを確認しましょう。

自分の家はどっち?「完済できるか」の判断基準のイメージ画像

  • アンダーローン
    マンションの売却額(から諸費用を引いた額)が、ローンの残債を上回ること。この場合は、売却代金でローンを一括返済できるため、スムーズに売却が進みます。
     
  • オーバーローン
    マンションの売却額よりも、ローンの残債の方が多い状態のこと。売却代金だけではローンを完済できないため、「自己資金(貯金)を持ち出す」、あるいは「住み替えローン」や「任意売却」といった特別な対応が必要になります。

ここで注意したいのが、「売却代金のすべてを返済に回せるわけではない」という点です。
売却時には仲介手数料などの諸費用(売却額の約5%が目安)がかかるため、それらを差し引いた「手残り」で完済できるかを冷静に見極める必要があります。

オーバーローンの具体的な対処法については後ほど詳しく解説しますので、まずは「自分の家がどちらに当てはまりそうか」をイメージしながら読み進めてみてくださいね。

マンション査定をしてローン残債を返済できるか確認しよう

マンション査定をしてローン残債を返済できるか確認しようのイメージ

まずは、住宅ローンの残債を一括返済できるか把握する必要があります。
そのためには、「住宅ローンがどれくらい残っているか」の確認と「マンションがどれくらいの価格で売却できるか」を確認し比較しましょう。

① 住宅ローン残高を確認する
ローンの残債は、以下の方法で確認できます。

  • ネットバンキング
    契約者専用ページからリアルタイムで確認可能(最もスピーディー)
  • 返済予定表
    毎年金融機関から送られてくる書類
  • 残高証明書
    金融機関に依頼して発行してもらう正式な書類

② マンションの査定を依頼する
マンションの売却額を確認するには、不動産会社に査定を依頼する必要があります。
マンションの査定方法には、「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」の2種類があり、それぞれの特徴は以下になります。

査定方法 特徴 かかる期間 精度 おすすめのタイミング
簡易査定(机上査定) 物件情報を元に過去の近隣取引事例、市場動向などを考慮して査定する方法 最短即日~数日 おおよその価格 まずは相場を知りたい時
訪問査定 不動産会社が現地調査をおこない、外観や内観、立地条件、周辺環境などを総合的に判断して査定する方法 約1〜2週間ほど より正確な価格 完済できるか判断する時

ローン残債がある場合、より正確な価格を把握する必要があるため「訪問査定」が欠かせません。

もしくは、いきなり不動産会社の訪問を受けるのは抵抗があるという方は、まずは「簡易査定(机上査定)」でおおよその価格を把握してから不動産会社に訪問査定の依頼をしても良いでしょう。

複数社への依頼が「完済」への近道
不動産会社によって査定額には数十万〜数百万円の差が出ることがあります。
これは、各社が持つ販売ルートや、そのエリアでの売却実績によって得意不得意が分かれるためです。

特にローン残債がある場合、1円でも高く売ることが完済を実現するための重要なポイントとなります。
そのため、1社だけの査定で判断せず、複数社を比較して「自分のマンションを最も高く売ってくれるパートナー」を見極めるのが得策です。

株式会社じげんが運営する「イエイ」の一括査定は、安心して取引ができる多くの不動産会社から査定を受けることができます。
ぜひご活用ください。

査定結果が出たらここを見る!ローン完済可否の判定ポイント

不動産会社から査定結果が届いたら、単に「価格が高いか低いか」を比べるだけでは不十分です。
ローン残債がある場合、「その価格で確実にローンを完済できるのか」という視点で、以下の3点を厳しくチェックしましょう。

  1. 「成約見込み価格」をベースに計算しているか
    査定書には、チャレンジ価格としての「売り出し推奨価格」と、実際に売れると予想される「成約見込み価格」の2つが記載されていることが一般的です。
    ローン完済の計画を立てる際は、必ず低い方の「成約見込み価格」を基準にしてください。
    高い方の価格で計画を立ててしまうと、売れ残った際に大幅な値下げを迫られ、最終的にローンが返せないという事態を招きかねません。
     
  2. 「手残り額」がローン残高を上回っているか
    査定額がローン残高と同じであれば良いわけではありません。
    売却には仲介手数料や税金などの諸費用(目安として売却価格の約5%)がかかります。「査定額 - 諸費用(5%) > ローン残高」
    この計算式が成り立つかどうかが、自己資金を持ち出さずに売却できるかどうかの実質的な境界線です。
    査定を依頼する際は、不動産会社に「諸費用を差し引いた手残り額のシミュレーション」も併せて依頼すると確実です。
     
  3. 査定額の「根拠」に納得感があるか
    複数社の査定を比較した際、1社だけ極端に高い価格を提示する会社には注意が必要です。
    それは「媒介契約を取りたいがための、根拠のない高値」である可能性があります。
    ローン残債がある売却では、「高値で売る努力」と同時に「確実に売る戦略」が求められます。
    周辺の成約事例や市場動向に基づいた、納得感のある根拠を示してくれる会社こそが、完済を実現するための良きパートナーとなります。

住宅ローンの残債があるマンションの売却方法

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住宅ローンの残債があるマンションを売却するには、以下の手順が必要になります。

  1. 住宅ローンを完済する
  2. 抵当権を抹消する

マンションを売却するには、抵当権を抹消する必要があり、抵当権を抹消するにはローンの完済が必要条件になります。
抵当権」とは、住宅ローンを借りる際に、債務者(ローン契約者)に対して債権者(金融機関・保証会社)が不動産を担保として設定し、債務不履行時には債権者が優先的に弁済を受けられる権利のことです。

先述した「アンダーローン」の場合は、売却額でローンの完済ができるため、マンションの売却が可能になります。

また、売却額がローン残債に足りなかった場合も、自己資金によって「完済(全額繰上返済)」ができればマンションの売却は可能です。
なお、全額返済の際には金融機関への「繰上返済手数料(数千円〜数万円程度)」が発生する場合があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

また、ローンの完済後に金融機関が自動的に抹消してくれるものではないので、自分で「抵当権抹消登記」の申請が必要になります。

抵当権の抹消は以下の手順で行います。

  1. 金融機関から完済書類を受け取る
  2. 管轄の法務局を調べる
  3. 抵当権抹消申請書をダウンロードし、記入する
  4. 法務局で抵当権抹消登記の申請を行う
  5. 法務局から登記完了証を受け取る

抵当権抹消の手続きは司法書士や専門家に依頼することが一般的になります。

司法書士への報酬は、代行を依頼する司法書士によって異なりますが、おおよそ1.5万円前後かかるでしょう。

ローン残債のあるマンション売却の流れ

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こちらでは、アンダーローンの場合におけるマンション売却の流れについてご紹介していきます。
アンダーローンの場合、マンション売却には以下の手順が必要になります。

  1. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  2. 金融機関に一括返済の連絡をする
  3. 売却活動を行う
  4. 買主と売買契約を結ぶ
  5. 金融機関に決済日を連絡する
  6. ローン残債の清算手続きと抵当権抹消登記を行う
  7. 物件の引き渡しと所有権移転を行う
  8. 利益が出た場合は翌年に確定申告する

不動産会社と媒介契約を結ぶ

まずは、査定結果を比較し、信頼できるパートナーが見つかったら、正式に売却を依頼するための「媒介契約」を交わします。
媒介契約には大きく分けて、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つの形態があり、それぞれ売却戦略や不動産会社との関わり方が異なります。
自身のライフスタイルや物件の特性に合わせて、最適なものを選びましょう。

種類 特徴
一般媒介契約 ・複数の不動産会社と媒介契約を結べる
・自分で購入希望者を見つけて売買することもできる
専任媒介契約 ・1社の不動産会社とのみ媒介契約を結ぶ
・7営業日以内のREINS TOWERへの登録義務がある
・2週間に1回以上、売主へ販売活動報告書の提出義務がある
・自分で購入希望者を見つけて売買することもできる
専属専任媒介契約 ・1社の不動産会社とのみ媒介契約を結ぶ
・5営業日以内のREINS TOWERへの登録義務がある
・1週間に1回以上、売主へ販売活動報告書の提出義務がある
・自分で購入希望者を見つけても直接売買契約を結ぶことはできず、媒介契約を結んだ不動産会社を通す必要がある

立地が良く、すぐに買い手が見つかりそうな人気物件であれば、複数社が競い合う「一般媒介契約」が有利に働くケースが多いでしょう。
しかし、不動産会社は売主へ販売活動を報告する義務がなく活動の様子が見えにくいため、こちらから積極的にコミュニケーションを取る必要があります。

一方で、築年数が経過している物件や、担当者と二人三脚でじっくりと成約を目指したい場合は、販売責任が明確な「専任媒介」または「専属専任媒介」を選ぶのが賢明です。
また、媒介契約を結ぶ際には、売り出し価格や広告手法、手数料の取り決めなどを行います。

ここで最も重視すべきは、手数料の安さではなく、「その会社がどれだけ真剣に売却活動にリソースを割いてくれるか」という点です。
過去の売却実績や担当者の熱意、具体的な販売プランをしっかりと見極め、納得感を持って契約に臨みましょう。

金融機関に一括返済の連絡をする

マンションの売却を行うことが決まったら、住宅ローンを借り入れている金融機関に一括返済する予定であることを連絡しておきましょう。

この際、金融機関に必要な書類手続きなどを事前に確認しておくと良いでしょう。

実際に手続きを行うのは、買主と売買契約を結んだ後になりますが、あらかじめ必要事項を把握しておくとスムーズに進めることができます。

売却活動を行う

媒介契約の締結後、いよいよ市場への公開が始まります。
不動産会社は自社サイトや大手ポータルサイトへの掲載に加え、住宅街への直接的な案内配布や配布員による各家庭へのチラシ投函、現地の看板設置など、オンライン・オフライン両面から物件に関心を持つ層を掘り起こしていきます。

購入検討者が現れると、実際に室内を確認する「内覧」が行われます。
その際、購入希望者の問い合わせに応じ、内覧日時を調整、質問対応や購入意向の確認、条件面の交渉などの対応が必要になるので、あらかじめ質問に答えられるようにしておくなど準備をしておきましょう。

また、できるだけ高く売却するには、清掃や不良品の処分など行い、購入希望者に少しでも好印象を持ってもらえるよう工夫しておくと良いでしょう。

なお、マンションは共用部分の状態もチェックされるため、内覧当日はエントランスから住戸まで一通り歩きゴミが落ちていないかなど、清潔な状態でゲストを迎えられるよう最終点検を行いましょう。

買主と売買契約を結ぶ

購入希望者との条件交渉がまとまれば、正式に売買契約を締結します。
この際、売主は買主から売却価格の5〜10%程度を「手付金」として受領するのが通例です。
また、多くのケースではこのタイミングで、不動産会社へ仲介手数料の半額を支払います。

売買契約書は非常に強力な法的拘束力を持つ書類です。
一度捺印すると、安易な解約は違約金の対象となるため、内容の細部まで精査することが欠かせません。
特に金銭の授受や引渡しスケジュールに食い違いがないか、契約の直前まで入念に読み合わせを行いましょう。

契約書に盛り込まれる主な記載事項は、以下の通りです。

  • 売買価格
  • 物件の引渡し期日
  • ローン残債の精算方法
  • 物件の現状に関する覚書(契約時における物件の状態を確認)
  • 瑕疵担保責任(契約後に重大な物件の欠陥が見つかった場合の処置)
  • その他、各種条件の取り決め

金融機関に決済日を連絡する

買主との契約が無事に完了し、物件の引き渡し日(決済日)が確定したら、速やかに住宅ローンを借り入れている金融機関へ連絡を入れましょう。
ここで行うのは、「住宅ローンの一括返済」の正式な申し込みです。

通常、マンション売却における完済の手続きは、決済当日、銀行の担当者が同席(または裏側で連携)して行われます。
当日は、抵当権抹消に必要な重要書類の受け渡しが伴うため、金融機関側でも綿密な事務準備が必要となります。

ここで注意したいのが、連絡のタイミングです。
金融機関によっては、書類作成や内部処理に1〜2週間以上の期間を要するケースも珍しくありません。
直前の連絡では決済日に間に合わないリスクがあるため、引き渡し日が決まったら即座に担当窓口やコールセンターへ通知しておくのが鉄則です。

ローン残債の清算手続きと抵当権抹消登記を行う

引き渡し当日(決済日)には買主から受け取る売却代金を用いて住宅ローンの一括返済を行います。

振込手続きが完了し、銀行側で着金が確認されると、その場(あるいは後日)でローンが完済されたことを証する証明書が発行されます。
この完済書類は、マンションにかかっている「担保(抵当権)」を外すために不可欠なものです。

ローンが完済されると、金融機関から抵当権抹消に必要な「権利証」や「委任状」などの重要書類が引き渡されます。当日は司法書士が同席し、これらの書類と引き換えに、以下の手続きを法務局へ申請します。

  • 抵当権抹消登記
    銀行の担保権を消す手続き
  • 所有権移転登記
    物件の名義を売主から買主へ移す手続き

多くの場合、銀行の担当者から司法書士へ直接書類が手渡され、そのまま法務局へ向かう流れとなります。

物件の引き渡しと所有権移転を行う

ローンの清算手続きが完了したら、物件の引き渡し所有権移転手続きを行います。

所有権移転手続きの内容は、売主と買主による所有権移転登記、引渡書への署名捺印、鍵の受け渡しなど実地での物件引渡し、買主への重要事項説明になります。

重要事項の説明では、設備の使い方や管理組合状況などを伝えます。
そのため、引き渡す備品や各種書類が欠けることなく揃っているか、事前にチェックリストを作って最終確認を済ませておきましょう。
これらを完璧に整えておくことが、取引を円満に終えるための大切なポイントです。

利益が出た場合は翌年に確定申告する

マンションの売却で利益(譲渡所得)が出た場合、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要があります。

譲渡所得が出たか確認するには、以下の計算式で求めましょう。

譲渡所得=マンションの売却代金−(取得費+譲渡費用)

取得費とは、マンションを取得したときにかかった購入費や仲介手数料などから、経年劣化による減価償却分を差し引いた金額のことをいい、譲渡費用は、マンションを売却する際に支払った仲介手数料や印紙税などの合計金額のことを指します。

上記の計算式でプラスになった場合は、確定申告を行い譲渡所得税を支払いましょう。
譲渡所得税は、マンションを売却した年の1月1日時点の所有期間によって変動します。

所有期間が5年以下 39.63%
所有期間が5年超え 20.315%

また、売却したマンションがマイホームで一定の要件を満たしていれば、「3,000万円特別控除の特例」が適用され、譲渡所得3,000万円までは譲渡所得税が発生しなくなります。

制度の適用要件は、国税庁のホームページで確認できるので、該当するか確かめましょう。
国税庁ホームページ「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

もし、購入時よりも価格が下がってしまい損失(譲渡損失)が出てしまった場合でも、一定の要件を満たせば「損益通算」という特例が受けられます。

これは、売却による赤字をその年の給与所得などと相殺することで、支払った所得税の還付を受けたり、住民税を軽減したりできる制度です。
1年で控除しきれない場合は、翌年以降(最長3年間)に繰り越して控除を受けることも可能です。

詳しい適用要件や手続きについては、ご自身の状況に合わせて国税庁のホームページをご確認ください。

ローン残債があるなら「売り先行」が安心

ローン残債があるなら「売り先行」が安心のイメージ画像

住宅ローンが残っている状態で住み替えを検討する場合、今の家を先に売る「売り先行」と、新居を先に買う「買い先行」のどちらが良いか悩まれるかもしれません。

結論から言えば、ローン残債がある方は「売り先行」を選ぶのが鉄則です。

売り先行のメリット 買い先行のリスク
売却額が確定してから新居の予算を決められるため、資金計画が狂いません。特にオーバーローンの不安がある場合、先に売却額を確定させることで、自己資金をいくら用意すべきかが明確になります。 新居のローンと旧居のローンが重なる「二重ローン」の期間が発生し、家計を圧迫します。また、今の家が予定より安くしか売れなかった場合、新居の支払いが滞る危険もあります。

「家が売れる前に良い新居が見つかったらどうしよう」と不安になるかもしれませんが、まずは「今の家がいくらで売れるのか」の現実的なラインを知ることが、失敗しない住み替えにおいて重要になります。

売り先行と買い先行については、以下の記事でも詳しく解説しており、ローンが残っている場合についても触れているので、合わせて参考にしてください。

オーバーローンの場合の対処法

オーバーローンの場合の対処法のイメージ画像

住宅ローンの残債がマンションの売却額よりも多い「オーバーローン」になってしまった場合の対処法をご紹介していきます。
対処法には、以下のものがあります。

  • 自己資金(貯金)で不足分を補填する
  • 住み替えローンを利用する
  • 任意売却を利用する

自己資金(貯金)で不足分を補填する

オーバーローンになった際、最も優先して検討すべきなのが、手持ちの現金(自己資金)を充当してローンを完済する方法です。
この方法が、最も堅実でその後の生活に影響が少ない方法になります。
不足分が数十万〜数百万円程度であれば、貯金や親族からの借入などで完済を目指します。

自己資金を検討する際は、「売却後の生活費」を確保できるかを冷静に判断してください。
不足分を補填してもなお、3〜6ヶ月分程度の生活費が手元に残る状態が理想的です。

メリット デメリット
・ブラックリストに載ることがなく、今後のローン利用やクレジットカード作成も制限されない
・借入金を一括で清算するため、以降の利息支払いがゼロになる
・銀行側の承諾を得やすく、通常の売却と同じスケジュールで進められる
・引越し費用や当面の生活予備費まで使い切ってしまうと、売却後の生活が苦しくなるリスクがある
・親族から資金援助を受ける場合、一定額(年間110万円)を超えると贈与税の対象となるため、税理士への確認や「借用書」の作成が必要

住み替えローンを利用する

マンションの売却と同時に転居先の購入を行う場合は、「住み替えローン」を利用できます。

住み替えローンとは、マンション売却の際に返済しきれなかったローンの残債と転居先の購入資金に上乗せして借り入れることができるローンです。

住み替えローンを利用するには、初期費用としてまとまった額の手数料が必要となることが一般的です。
さらに、引越し費用などの諸費用もかかるため、事前にどのくらいの初期費用が必要なのかしっかりと把握しておくようにしましょう。

また、住み替えローンにはメリットとデメリットがあります。

メリット デメリット

・オーバーローンでも売却できる
・自己資金が足りなくても住み替えができる
・ブラックリストにのらない
・売却後に売り物件の残債が残らない

・取り扱っている銀行が少ない
・担保価値以上に借りるため、返済リスクが高まる
・売却と購入の引渡日を同日にしなければならない

住み替えローンは、本来の物件価値(担保評価)を超える金額を貸し出すため、通常の住宅ローンよりも審査が厳格です。
年収や年齢、勤務状況はもちろん、過去の返済実績や新居の資産価値が厳しくチェックされます。

また、借入額が大きくなる分、融資手数料や保証料などの初期費用も高額になりがちです。
引越し費用などの現金支出も重なるため、事前に「いくら現金が必要か」の資金シミュレーションを綿密に行うことが欠かせません。

任意売却を利用する

オーバーローンで完済の目途が立たない場合の苦肉の策として、「任意売却」という選択肢があります。
通常、ローンが残っている物件は銀行の「抵当権(担保)」があるため勝手に売ることはできません。
しかし、返済が困難な事情を銀行に相談し、完済に満たない売却価格であっても例外的に抵当権を外してもらうよう交渉する方法です。

ただし、これはあくまで「返済が滞っている(滞納)」という事実が前提となります。
借金が帳消しになるわけではなく、売却後も残った債務は継続して返済する義務がある点に注意が必要です。

また、任意売却には以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット デメリット
・オーバーローンでも売却できる
・競売よりも早く売却でき、一般市場に近い額での売却が期待できる
・所有者の情報が公開されない
・引越し費用の負担軽減になる可能性がある
・売却後に残った残債の返済方法について債権者と交渉することができる
・ブラックリストに5~7年掲載され信用に傷がつく
・売却後に残債の返済義務がある
・ブラックリストに載るため、新たなローンが組めない
・クレジットカードの利用限度額や更新に一定の支障が生じる

このように、任意売却にはブラックリストに5〜7年掲載されてしまうという大きなデメリットがあります。
債務不履行を犯したことで信用情報に傷が付いてしまうので、安易に選択せず最終手段として考えるようにしましょう。

マンションのローン残債を確認し査定を依頼しよう

マンションのローン残債を確認し査定を依頼しようのイメージ画像

ローン残債があるマンションの、アンダーローンの売却方法とオーバーローンの場合の対処法についてご紹介してきました。
ローン残債のあるマンションの売却は可能ですが、まずはローンの残高と売却額を比較し計画を立てることが重要です。

マンションの査定を依頼する際は、不動産一括査定を利用し、不動産会社を見極めるとよいでしょう。
株式会社じげんが運営する「イエイ」では、複数の不動産会社から一括査定を受けることができます。
15年以上の営業実績で培った優良企業を多くご紹介しているので、ぜひ「イエイ」の不動産売却一括査定をご活用してみてくださいね。