この記事の概要
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相続などによって取得した土地を売却したいけれど、その方法が分からないという方もいるのではないでしょうか?
また、売却に掛かる費用や税金についても疑問点が多いかと思います。
こちらの記事では、土地売却の流れやかかる費用、税金や節税対策、注意点などをふまえて、高く売却するコツについてもご紹介していきます。
土地売却に対する理解を深めて、疑問点を解決していきましょう。
この記事の目次
土地を売る前にこれだけはチェックしよう
土地の売却活動を始める前にまずはチェックして欲しいポイントがあります。
ここでは、売却前にチェックすべきポイントをご紹介していきますよ。
①名義変更はできているか?
②必要な書類の準備はできているか?
③境界は確定しているか?
①名義変更はできているか?
まず、土地の売却を行う前に名義変更ができているかどうかをチェックしましょう。
チェックすべき項目は、登記簿謄本※の所有者が売主の名義に変更されているかどうかです。
名義が売主以外でも売却はできますが、所有者本人への売却意思の確認や委任状の準備が必要で手間がかかります。
また、買主にとっても所有者が売主以外のよくわからない不動産は、購入を躊躇してしまうことも考えられます。
そのため、土地の売却を考えたらまずは、所有者の名義をきちんと確認しておきましょう。
名義変更は自分でもできますが、手続きが複雑なので、司法書士に依頼するのがおすすめです。
なお、司法書士に依頼する場合、手数料として5万〜10万円程の費用がかかります。
こちらの記事では名義変更の流れや司法書士に依頼する場合のポイントを解説しています。
【登記簿謄本とは?】
法務局で取得できる登記事項証明書と呼ばれる書面のこと。
不動産の所有者や地番、面積などが記載されている。
必要な書類は準備できているか?
必要な書類の準備ができているかも確認しておきましょう。
特に、いつまでには売りたいと期日を考えている場合は、事前に必要な書類を準備しておくことでスムーズに売却活動をスタートできますよ。
最低限、準備すべき書類は以下の3点です。
①実測図(測量図)
②土地を購入した時の売買契約書
③権利書か登記識別情報通知書
①実測図 (測量図)
実測図とは、土地家屋調査士が土地を実際に測量して作成した図面のことです。
なぜ実測図が必要なのかというと、法務局に備え付けられている公図※は、都市部以外は不正確なものが多いからです。
登記上の地積と実際の寸法が異なる場合があるので、測量に基づいた実測図を作成することで、不動産売買がスムーズに行えます。
【公図とは?】
土地の位置や形状を確定するための法的な地図のこと。
明治時代の初期に行われた地粗改正事業の測量によって作成されたもののため、不正確なものが多い。
②土地を購入した時の売買契約書
実際に土地が売れた際に必要になるのが、土地を購入した時の売買契約書です。
土地を売却した翌年には、所得税の確定申告が必要になります。
この所得税の計算には土地を購入した際の売買契約書が必要となるのです。
所得税の計算方法に関しては、下記の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
また、相続などによって土地を取得した場合、売買契約書がどこにあるか分からないという方もいるかもしれません。
売買契約書がなくても所得税の計算はできますが、その場合明確な計算ができずに、実際よりも所得税が多額になってしまうこともあります。
そのため、売却前に余裕を持って売買契約書を探しておきましょう。
境界は確定しているか?
土地の売却にあたって、境界が確定しているかも忘れずに確認しておきましょう。
なぜなら、買主から境界が確定していることを条件にされることも多いからです。
また、引き渡し後のトラブルを防ぐためにも、隣地との境界を確定しておくことは重要です。
土地の境界には、官民境界と民民境界の2つがあります。
官民境界:道路との境である境界のこと
民民境界:隣地との境である境界のこと
この2つはどちらも確定している場合のみ「確定測量図」が存在します。
「確定測量図」がない場合は、境界が確定していない可能性が高いので、売却活動前に境界を確定しておきましょう。
境界を確定するにはどうすればいい?
土地の境界を確定するには、土地家屋調査士に依頼しましょう。
測量士も境界の測量を行うことはできますが、境界確定後の登記はできないため、土地
家屋調査士に依頼する方がスムーズです。
測量方法には、「境界確定測量」と「現況測量」の2種類があります。
「境界確定測量」は隣地所有者の合意の上立会いで行い、費用の相場は40~50万円になります。
「現況測量」は現況の面積を測量するもので、費用の相場は10~20万円程度です。
費用は
・建物が建っているのか
・土地の広さはどのくらいか?
・土地のある場所は都市部か地方か
・既存の境界標はあるのか
などさまざまな条件によって変動するので、前もっていくらぐらいになるのか、相談してみるのも良いでしょう。
土地売却の流れ
ここからは、土地売却の流れをご紹介していきますよ。
手順が分かれば安心して、土地の売却活動を始めることができますよね。
また、こちらの記事では「売主」「買主」別に土地売却の流れについてご紹介しているので、合わせて読むと更に詳しい内容を知ることができておすすめです。
土地の売却における流れは以下の手順で進めていきます。
①事前準備
まず、事前準備として
・希望条件を決める
・相場の確認
を行いましょう。
ローンが残っている場合は、後どのくらい残っているのかを確認しましょう。
その上でいつまでに売りたいのか、また最低でもいくらぐらいで売りたいのかを決めます。
事前に期日や売却価格をイメージしておくと、いざ売却活動を始める際も余裕をもって進めていけますよ。
また、希望の価格を決める際に役立つのが相場の確認です。
売りたい土地の条件に近い取引事例を確認して相場を把握しておけば、売却活動を始めた際に「なかなか売れない」という事態を防げます。
土地の相場の調べ方は下記の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
②不動産会社へ査定の依頼
事前準備が整ったら、不動産会社へ査定の依頼を行います。
査定の方法には、「訪問査定」と「簡易査定」があります。
インターネットを利用し、不動産の情報サイトや国土交通省の土地総合情報システムに必要な情報を入力することで簡単に土地価格を知ることができるのが「簡易査定」のメリットです。
しかし、「簡易査定」は正確性に欠けるためより詳細な価格を知りたい方は、不動産会社が立会いの元行い価格を決める「訪問査定」がおすすめです。
依頼をする不動産会社選びも大事なポイントとなってきます。
真摯に向き合ってくれる不動産会社を見つけることを心がけましょう。
③販売活動
売却価格が決定したら、いよいよ売却活動を始めましょう。
不動産会社がチラシの配布や店頭や情報サイトに物件情報の掲載を行ってくれます。
希望者が募り次第売却する土地の見学が始まるため、雑草を抜くなどして土地をなるべくきれいに整備し、売買契約が締結しやすい環境を整えましょう。
④売買契約
購入希望者が決定したら売買契約を結びます。
不動産会社が購入希望者へ提示する重要事項や契約書に不備がないかあらかじめ確認しておきましょう。
買主と売主が契約書に記名と捺印をし、買主から手付金※を受け取ることで、売買契約が締結されます。
【手付金とは?】
買主から売主へ、どちらかに債務不履行があった場合に備えて事前に支払われるお金のことを指します。
➄決済・引き渡し
売買契約が締結されたら、土地の引き渡し日当日に売買代金や固定資産税などを清算し、決済を行います。
固定資産税は、引き渡し日を基準に日割りで清算金を支払うことになります。
引き渡しが完了したら、その日のうちに土地の名義を買主へ変更しましょう。
これを「所有権移転登記」といいます。
所有権移転登記は買主側も売主側も司法書士が代理で行ってくれます。
司法書士は一般的に依頼した不動産会社が手配してくれることが多いです。
名義変更を提出する際、法務局の窓口が平日の8:30~17:15までとなっているので引き渡しは午前中からなど早めの時間設定になることを覚えておきましょう。
⑥確定申告
土地売却によって売却益が発生した場合は、確定申告を行う必要があります。
確定申告のタイミングは、土地売却をした翌年の2月16日〜3月15日までとなるため、忘れずに行いましょう。
もし期間内に確定申告を行わなかった場合は、追徴課税される可能性もあるため注意が必要です。
確定申告を忘れてしまいそうな人は、税務署に赴くだけでなく、インターネットを利用したe-Taxでも納付が可能なので利用してみると良いでしょう。
こちらの記事では、土地売却における確定申告の書き方について解説していますので、是非合わせて参考にしてみてくださいね。
土地売却にかかる費用
土地売却には、どれくらいの費用と税金がかかるのか事前に把握して不安を解消しておきたいですよね。
まずは、土地売却にかかる費用についてご紹介していきます。
項目 | 費用 | 詳細 |
---|---|---|
解体費用 | 150万円前後 | 土地に建物が建っており解体の必要がある場合のみ発生 |
測量費用 | 40〜50万円 | 境界確認書面を作成を行う際に土地家屋調査士に支払う費用 |
仲介手数料 | 取引額によって支払う金額は異なる | 不動産会社に査定を依頼し売買契約が成立した時に発生する費用 |
繰り上げ返済手数料 | 5千〜3万円前後 | ローンの返済が残っている場合のみ発生 |
解体費用
売却したい土地に建物が建っている場合は、解体する必要があるためその費用がかかります。
解体費用の相場は、建物によっても異なりますが、だいたい150万円前後と見ておくと良いでしょう。
測量費用
土地売却の準備をする際には、土地を測量する必要があるため境界確認書面を作成を行う際に土地家屋調査士に支払う費用が必要になります。
測量費用の相場は、40〜50万円になります。
仲介手数料
不動産会社に査定を依頼し売買契約が成立した際に発生する費用です。
取引額によって支払う金額は異なりますが、原則として仲介手数料の上限は法律で定められています。
仲介手数料の上限
「取引物件価格×3%+ 6万円+消費税」 |
そのため、取引額が400万円超の場合も上記以上の手数料がかかることはないのでご安心ください。
こちらの記事では、仲介手数料にフォーカスしてさらに具体的な解説をしているのでぜひ参考にしてみてください。
また、土地売却にかかるその他の費用についてもまとめてご紹介しているので合わせて読んでみてくださいね。
繰り上げ返済手数料
ローンの返済が残っている場合は、一括返済する際に金融機関に手数料を支払う必要があります。
目安となる金額は、5千〜3万円前後となります。
土地売却にかかる税金
ここからは、土地の売却にかかる税金についてご紹介していきます。
土地の売却を検討している方は、どんな税金がかかるのかも事前に把握しておくことが大切です。
・印紙税
・抵当権抹消の登録免許税
・譲渡所得に課せられる税金
印紙税
売買契約書に貼って納付する税金になります。
印紙税は、土地の売却価格によって異なるため国税庁のこちらの表を参考にしてみてください。
出典:国税庁ホームページ
抵当権抹消の登録免許税
売却したい土地にローンが残っている場合は、返済を済ませて抵当権を抹消する必要があります。
その際に必要となるのが、抵当権抹消の登録免許税です。
支払う金額は、不動産1件につき1000円になります。
譲渡所得税(所得税・住民税)
土地の売却により、売却益が発生した場合に支払う税金のことです。
所得税と住民税を合わせたものを譲渡所得税といいます。
支払う金額は、売却益の20〜40%程度となります。
土地売却における税金は、それぞれ納税の時期も異なります。
こちらの記事では、納税のタイミングや節税方法についても詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてしっかり把握しておくと、事前に対策をとることができるでしょう。
パターン別土地の売却方法
土地を売却するといっても、その土地が相続で得た土地なのかや、土地の種類によって売却方法は異なります。
ここでは、土地の売却方法をパターン別でご紹介していきますよ。
・築年数の古い建物が残っている土地
・相続した土地の売却
・共有名義の土地の売却
・山林や農地の売却
・貸している土地の売却
・国に不要な土地を買い取ってもらう制度もある
築年数の古い建物が残っている土地
土地に築年数の古い建物がそのまま残っているというケースもあるのではないでしょうか?
このような土地の場合、一般的に2つの売却方法があります。
①古家付き土地のまま売却
②更地にして売却
①古家付き土地のまま売却
メリット |
・解体費用を負担する必要がない ・土地にかかる固定資産税を抑えることができる |
---|---|
デメリット |
・買い手がつきにくい |
古家を解体するとなると、大きさや家の造りによってその費用は異なりますが、決して安い金額ではありません。
そのため、建物を残したまま売却するのは、売主が解体費用を負担する必要がないので、大きなメリットと言えるでしょう。
さらに、住宅が建っている場合は、減税措置が適用されるため、土地分の固定資産税を抑えたまま売却することも可能です。
一方で、建物自体が古いため、買主側からするとフルリノベーションを行うか解体する必要があり、なかなか買い手がつきにくいというデメリットもあります。
また、長期間売れない場合、管理費だけが無駄にかかることや、建物の経年劣化などによって隣家とトラブルになる恐れもあるので、注意が必要です。
古家の解体にかかる費用
造り |
費用(坪単価) |
---|---|
木造 |
2~4万円 |
鉄骨 |
3~4万円 |
鉄筋コンクリート |
4~6万円 |
例:木造2階建て延べ床面積30坪の場合
解体費用は約60万~120万
②更地にして売却
メリット |
・古家付き土地より売却が早いケースが多い ・相場価格で売却できる可能性が高い |
---|---|
デメリット |
・解体費用がかかる ・解体後すぐに売れなければ、固定資産税が高くなる |
更地にして売却する場合、買主側からすると家がすぐに建てられる状態なので、古家付き土地よりもすぐに売れたり、相場価格で売却できる可能性が高まります。
一方で、上記でもご紹介した通り、解体費用は売主側が負担しなければなりません。
また、解体した後にすぐに売れなければ、家が建っている状態より土地の固定資産税が高くなってしまうというデメリットがあります。
解体費用がなく困っている方は、こちらの記事で対処法をご紹介しているので参考にしてみてくださいね。
古家付き土地を更地にしてから売却するか迷っている方は、以下の記事で具体的な解体費用や注意点についてもご紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
相続した土地の売却
相続した土地を売却する場合は、まずは上記でもご紹介した通り、所有者の名義変更を行いましょう。
相続手続きには、戸籍謄本や除籍謄本、住民票が必要となるので、合わせて準備しておくことをおすすめします。
その後の売却の流れは、土地売却の流れと同じです。
なお、相続した土地を売却した場合、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」が適用でき、税金を減額できる可能性があります。
詳しい内容は下記でご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
共有名義の土地の売却
土地を自分一人だけではなく、何名かで共有しているというケースもあると思います。
その場合は自分の「持分割合」※を確認することが必要です。
共有名義の土地の場合、売却方法は下記の3つがあります。
【「持分割合」とは?】
土地の所有権の割合のこと。
法務局で取得できる土地の登記事項証明書に記載されている。
①自分の持分だけ売却する
自分が所有している土地の分だけを売却することも可能です。
ただし、共有持分の一部分だけを所有しても自由に使いにくいため、なかなか売却できないことも考えられます。
そのため、この場合同じ土地の他の所有者間で売買することが多いです。
②分筆して売却する
分筆とは、一つの土地を持分割合に応じて分けることです。
分筆することで、今まで共有で所有していた土地を自分の持分だけ、それぞれ単独で所有することになるため、売却もスムーズに行えます。
③共有者全員の同意を得て売却する
土地の共有者全員の同意を得て売却するという方法もあります。
この場合、実際に売却が確定し契約する際は全員の同席と実印の押印が必要になるという点に注意が必要です。
売主は共有者全員となり、売却した際の利益は持分割合に応じて受け取ることができます。
山林や農地の売却
農地の場合、国の政策の一環にあるため勝手に売却はできません。
農地を売却したい場合は、農業委員会に農地の種類を確認後、売却に許可が必要かどうかを確認する必要があります。
また、農地を購入できるのは地域の農業員会によって許可を受けた農家か農業従事者のみとなっています。
山林の売却方法は、一般の不動産売却と同じです。
ただし、山林の場合、需要が少ないため、なかなか売却できないことも考えられます。
山林を売りたい人と買いたい人のマッチングサイトなどもあるので、活用してみるのもおすすめですよ。
貸している土地の売却
貸している土地を売却する方法は下記の2つがあります。
①借地人が立ち退いた後に売却する
②借地のまま土地を売却する
賃貸中の土地を売却する際は、入居者を強制的に退去させることはできません。
そのため、借地人が立ち退いた後に売却するか、借地のまま土地を売却する必要があります。
借地のまま土地を売却する方法は、購入と同時に買主に、物件の所有権と賃貸契約、入居者などの引継ぎを行います。
国に不要な土地を買い取ってもらう制度もある
相続した土地があるけれど、遠方に住んでおり、管理や売却活動がなかなかできない方もいるのではないでしょうか?
このように、「土地が管理されずに放置されたままになること」や「将来所有者の分からない土地が発生すること」を防ぐために、「相続土地国庫帰属制度」という制度もあります。
これは、不要な土地を国が買い取る制度です。
国に買い取ってもらう事ができるので、買主を探す手間や費用を抑えられる反面、引き取ってもらえない土地があったり、負担額が大きいといったデメリットもあります。
「相続土地国庫帰属制度」の詳しい内容は下記の記事でご紹介していますので、気になる方は、合わせてチェックしてみてくださいね。
土地売却の注意点
土地売却においてどのようなことに注意しておけば良いのか、事前に把握しておけばしっかりと対策を打つことができますよね。
以下のようなことに気を付けて売却を行いましょう。
・ローン完済有無をチェックしておく
・契約内容に不適合がないか確認する
・余裕を持った売却活動を行う
ローンの完済有無をチェックしておく
ローンが残っている場合でも土地の売却自体は可能になります。
しかし、土地の売却価格よりも住宅ローンの返済金額が上回る場合は完済のために自己の資金から支払いをしなければなりません。
土地の売却価格で住宅ローンの返済が完済できるかしっかりと計画を立てましょう。
契約内容に不適合がないか確認する
土地の売却が完了した後に、契約内容とは異なる点が見つかった場合は契約不適合として責任を問われる可能性があるので注意しましょう。
売買契約後に発生しそうな具体的な例としては
・「売買契約で定めた面積より実際の面積が小さかった」
・「土壌汚染されていることが判明した」
・「心理的瑕疵となる事件や事故があったのに説明を怠った」
・「地中に埋設物があり撤去しなければならなくなった」
などが挙げられます。
契約不適合な点が見つかると、損害賠償や代金減額を請求される恐れもあるため事前にしっかりと確認しておきましょう。
余裕を持った売却活動を行う
土地の売却活動には平均しておおよそ3ヶ月ほどの期間が必要になると言われています。
焦って売却活動を行い、希望の金額よりも安く売ってしまっては損をしてしまいますよね。
そうならないためにも、余裕を持った売却活動を行うことが大切になります。
しっかりと計画を立てて行動しましょう。
土地売却にかかる税金の節税対策
土地の売却にかかる税金に対して節税の方法があるのなら、なるべく利用して出費を抑えたいですよね。
土地売却における節税対策には、以下のようなものがあります。
3000万円の特別控除
土地売却の際に、住んでいた建物を取り壊した場合に適用できる税制上の特例です。
以下の条件を満たしている場合は、譲渡所得から最高で3000万円が控除されます。
ただし、土地のみの売却の場合は適用されないので注意しましょう。
参考:マイホームを売ったときの特例(国税庁)
10年超所有軽減税率の特例
不動産を売却して得た利益には「譲渡所得税」という税金が発生します。
通常、所有期間が10年を超えている不動産を売却する場合、20.315%の譲渡所得税がかかります。
ですがこの「10年超所有軽減税率の特例」を利用することで、以下のように長期譲渡所得の税額を通常よりも低い税率で計算することが可能となります。
参考:マイホームを売ったときの軽減税率の特例(国税庁)
なお、この特例は上記の「3000万円の特別控除」と併用することが可能です。
この特例を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
1.所有者自らのマイホーム(居住用財産)を売却すること 2.売却した年の1月1日において不動産の所有期間が10年を超えていること 3.売却した年の前年や前々年に、本特例を受けていないこと 4.売主と買主の関係が特別な関係でないこと(例:親子、夫婦など) |
相続空き家の3000万円特別控除
相続した空き家を取り壊してから土地の売却を行う場合は、「相続空き家の3000万円特別控除」が適用できます。
適用の要件を満たしていれば、譲渡所得から最高3000万円が控除されます。
適用要件は、国税庁ホームページを参考にしてみてください。
参考:「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(国税庁
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続で土地を取得した場合、相続税を支払う必要があります。
さらに、その土地を売却し利益が出ると、相続税に加えて、譲渡所得税も支払わなくてはならず、負担額がとても大きくなってしまいます。
納税者の負担を軽減するために設けられた制度が「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」です。
相続税を支払った後に土地や建物の財産を譲渡した場合に相続税額のうちの一定の金額を取得費に加算することができるというものです。
取得費に加算することで、通常の譲渡所得の額から一定の額を控除することができます。
特例を受けるための要件は下記の3つです。
・相続や遺贈によって財産を取得した者
・財産を取得した人に相続税が課税されている
・財産を、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡している
取得費に加算する相続税の計算方法に関しては下記の通りです。
詳しくは国税庁ホームページを参考にしてみてください。
参考:「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(国税庁)
土地を高く売るためのコツ
土地を売却するならなるべく高い金額で売りたいですよね。
こちらでは、より高い金額で土地を売却するコツをご紹介していきます。
・より良い不動産会社に依頼する
・売却に有利なタイミングを見計らう
・売却したい土地を綺麗に整備しておく
より良い不動産会社に依頼する
査定を依頼する際は、複数の不動産会社に依頼するのがおすすめです。
不動産会社によって査定金額は異なります。
そのため、より良い条件で売却を行ってくれる不動産会社を見極めましょう。
判断材料として、自身で相場を調べておくことも重要です。
自分の希望する販売額が相場よりも高いのか安いのか判断しましょう。
また、不動産会社によって得意な分野が異なるため、土地売却が得意な不動産会社を探して依頼をすることも大切です。
売却に有利なタイミングを見計らう
不動産市場は、新生活が始まる少し前の1〜3月に活性化する傾向があります。
なるべく買い手が見つかりやすいタイミングを見計らって売却活動を行うことで、より売却までの期間を短縮し、売れ残りによる値下げのリスクを回避することができます。
また、売却を考えている土地が更地の場合は、物件を建設する期間も含めて売り出し時期を見計らうとなお良いでしょう。
売却したい土地を綺麗に整備しておく
売却活動が始まると購入希望者が見学に訪れることになります。
その際に、雑草やゴミが放置された荒れた環境だと印象を悪くしてしまい売却活動に支障をきたす可能性があります。
もし購入に繋がったとしても、減額交渉をされてしまう場合もあるので、損をしないためにも自分で出来ることはなるべくしておきたいですよね。
売却したい土地は綺麗に整備し、買い手に良い印象を与えられる状態に保っておきましょう。
土地売却で困った!こんな時どうすればいい?
土地の売却を行うにあたって、こんな時どうすればいいのかといった疑問点が出てくる場合もあると思います。
ここでは、土地の売却で起こりがちな困りごとと、その解決法をご紹介していきますよ。
売却したい土地が遠方でなかなか売却活動ができない
売却したい土地が遠方にあり、なかなか売却活動ができない場合は、現地の不動産会社に依頼することをおすすめします。
近くの不動産会社に依頼することも可能ですが、地元の不動産会社の方がその土地のことをよく知っているため、買主を探しやすいというメリットがあります。
どの不動産会社に依頼すればよいか分からない場合は、ぜひ当社のサイト【イエイ】をご利用ください。
【イエイ】では1,700社の豊富な取引実績を持つ不動産会社と連携しており、高い信頼性と透明性で、安心してご利用いただけます。
納得の査定額と、安心できる不動産会社をきっと見つけることができますよ。
共有名義の土地だが、他の所有者が売却に応じてくれない
共有名義の土地を売却したいけれど、他の所有者がなかなか売却に応じてくれないこともありますよね?
その場合、共有物分割請求を行うことをおすすめします。
共有物分割請求とは、現在の共有状態を解消するために、以下の3つのうちのいずれかの方法で共有関係を解消する手続きになります。
①現物分割
②価格賠償
③換価分割
①現物分割
持分に応じて、不動産を現物で分ける方法
500平方メートルの土地を250平方メートルずつAとBでそれぞれに分割し割り当てる
②価格賠償
共有状態をお金によって解決する方法
Aが自身の土地の持分をBに移転し、Bが単独の所有者となる変わりに、BはAに対してその対価を支払う
③換価分割
土地を競売によって売却したのち、その対価を持分に応じて分ける方法
競売で売却する場合は、通常の売却よりも価格が低くなることが多い点がデメリット
土地の状況に応じてスムーズに売却しよう
今回は、土地の売却の流れや費用・税金についてご紹介してきました。
また、パターン別の売却方法でもご紹介した通り、相続した土地や共有名義の土地などその土地の状況によっても売却方法は異なります。
まずは売却したい土地の状況を把握し、その土地に合った売却方法を行いましょう。
そのためには、事前に知識を深めておくことで不安を解消しスムーズな売却活動へと繋がります。
また節税対策や注意点についてもしっかりと把握し、後になってトラブルや後悔に繋がらないよう心がけましょう。
スムーズに土地売却が完了すれば、価格を下げなければならないなどのリスクを回避し、自分の希望する売却価格へと近づけることができます。
以上の点をふまえ、有意義に土地の売却活動ができるように努めていきましょう。