この記事でわかること
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自宅を売却したいと考えているけれど、実際に売却までにどのくらいかかるのか知りたいという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、自宅を売却するまでの「事前準備」「売却活動」「売却後」の流れとそれぞれにかかる期間について解説しています。
また、なかなか家が売れない場合の原因とその対処法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
家の売却期間はどのくらいかかる?
家を売却するとなると、売り出してから成約するまで大体3〜6ヶ月程度かかると言われています。
また、一戸建てかマンションかによっても売却期間は異なり、マンションは3ヶ月程度、一戸建ては6ヶ月程度です。
ですが、築年数や建っている場所によっては、売却期間が1年や2年たってもなかなか売れないという場合もあります。
このように、家の売却は時間がかかるので、余裕をもって準備しておくことをおすすめします。
マンションの方が売却期間が短いのはなぜ?
上記でご紹介した通り、一戸建てよりマンションの方が売却期間は短く、売れやすい傾向にあります。
なぜマンションの方が売れやすいのかというと、主に下記の3つの理由が挙げられます。
- 利便性が良い物件が多い
- 市場の流れが早い
- 築年数が経過しても売りやすい
人気の不動産として利便性の良さが挙げられますが、マンションの場合「駅から近い」などもともと利便性の高い場所に建っていることが多いのが理由の一つです。
また、マンションは一棟あたりの部屋数も多いため、市場の流れが早く必然的に一戸建てより売れやすい傾向にあります。
さらに、一戸建ての場合、築年数が経過するほど、価値が減少するため、売りにくくなりますが、マンションの場合は築年数が経過しても売りやすいという特徴があります。
これは「耐用年数」の違いが関係しているからです。
耐用年数とは?
一般的に建物は、年数が経過するごとに経年劣化などにより、その価値はだんだんと下がっていきます。
この価値が完全に無くなるまでを定めた期間を「耐用年数」といいます。
木造が多い一戸建ての場合、木造家屋の耐用年数は22年ですが、鉄筋コンクリート造りの多いマンションの場合は47年です。
建物の価値が無くなるまでの期間がマンションの場合は47年と長いため、築年数が経過してもマンションの方が売りやすいと言えるのです。
売却までの流れとそれぞれの期間
一戸建て、マンションの売却までにかかる期間をご紹介してきましたが、実際に売却を考え始めてから売れるまでには、いくつかの必要な流れがあります。
まず、不動産会社に査定を依頼したり、実際に購入希望者が現れたら内覧の対応を行ったりといったことが必要です。
ここでは、実際に売却が完了するまでの流れとそれぞれにかかる期間をご紹介していきます。
売却前(期間の目安:4週間程度)
必要な事 |
かかる期間 |
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書類の準備 |
1週間程度 |
査定依頼 |
1~2週間程度 |
不動産会社と媒介契約を結ぶ |
3~5日程度 |
不動産を売却するには、まず必要な書類を準備しておく必要があります。
主に、真正な所有者であることを証明する登記済権利証や物件の間取り図、住民票などが必要です。
また、一戸建てとマンションでは準備する書類も異なります。
それぞれどのような書類が必要なのかや取得方法に関しては、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
不動産売却で必要な書類は主に12種類!一つ一つ分かりやすく解説
必要な書類が準備できたら、実際にどのくらいで売却できるのか、査定依頼を行います。
不動産会社に依頼する場合、「簡易査定」や「訪問査定」などがありますが、まだ売却するか分からない、気軽に査定をしたいという方はデータを入力するだけで手軽に査定額が分かる「簡易査定」がおすすめです。
反対にすでに売却することが決まっている方は、家の状況を見て査定する「訪問査定」の方がより正確でおすすめです。
「訪問査定」の場合、査定結果が出るのに1〜2週間程度かかります。
また、現地調査の時間は物件によって多少異なりますが、大体1〜2時間程度かかるので、スケジュールに余裕をもって依頼しましょう。
不動産査定とは?依頼方法や売却を成功させる2つの注意点を解説
その後、実際に販売活動を依頼する不動産会社と媒介契約を結びます。
この媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つがあり、契約内容が異なります。
それぞれどのような契約内容かについては、下記の記事を参考にしてみてくださいね。
媒介契約は、不動産会社に連絡をしてから大体3〜5日程度かかります。
売却開始(期間の目安:1ヶ月~買い主がみつかるまで)
必要な事 |
かかる期間 |
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内覧 |
希望者がいればその都度 |
条件交渉 |
双方納得のいくまで |
売買契約の締結 |
1~3週間程度 |
売却活動が始まると「実際に物件を見てみたい」といった内覧の希望が入る事があるので、その都度スケジュールを合わせて対応しましょう。
また、購入したいという申し出があった場合に、買主側から条件交渉が行われることもあります。
売主側、買主側、双方納得のいく形で交渉ができたら売買契約の締結です。
この売買契約の締結には、1〜3週間程度かかり、この時買い主から手付金を受け取ることが一般的です。
なお、売却活動にかかる期間は早ければ1ヶ月程度ですが、なかなか売れない場合には半年や1年以上かかることもあります。
売却完了後(期間の目安:1~2ヶ月程度)
必要な事 |
かかる期間 |
---|---|
決済・引き渡し |
1~2ヶ月程度 |
売買契約締結後、引き渡しが完了するまでには、大体1〜2ヶ月程度かかります。
買い主がローンを組む場合、審査が行われますが、この審査にかかる期間は1週間ほどです。
その後、本契約を結び手付金以外の残りの残金を受け取ります。
なお、この本契約は売り主と買い主、不動産会社や金融機関の担当者に同席してもらう必要があるので、日程調整のため1〜2週間ほど先になる場合もあります。
また、売買代金の残金決済と引き渡しは同日に行われることがほとんどです。
家の売却期間が長引くとどうなる?
上記でご紹介した通り、家の売却は長くても半年ほどはかかります。
しかし、なかには1年以上経過してもなかなか売れないケースもあると思います。
そのような場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
ここでは、売却期間が長引いてしまうことで起こることをご紹介していきます。
物件の印象が悪くなってしまう
売却期間が長引いてしまうと、物件の印象が悪くなってしまいます。
今ではインターネットで誰でも簡単に物件の情報を閲覧できます。
そのため、長期間物件の情報が掲載されていると、購入を検討している人にネガティブな印象を与えてしまう恐れもあるでしょう。
さらに、物件の情報は常に新着情報がサイトのトップに掲載されることが多いので、長期間売れないと、物件の情報を見つけてもらいにくいといったデメリットもあるのです。
不動産会社に後回しにされてしまう
売れない期間が長期化してしまうと、不動産会社による優先度が下がってしまう恐れもあります。
通常、不動産会社は複数の物件を扱っているため、早く売れそうな物件の方により注力します。
また、不動産の売却を成功させるには、担当者による営業活動も重要なポイントの一つです。
しかし、なかなか売れないと営業担当者のモチベーションの低下にもつながり、結果として購入希望者に魅力的なアピールができないという可能性も考えられます。
売却金額を下げるしかなくなる
不動産は1年ごとに資産価値が下がってしまいます。
そのため、売却期間が長期化すると、その分物件の価値が低下してしまうので、売却金額を下げるしかなくなるのです。
また、物件を所有しているだけで、固定資産税やメンテナンス費用もかかるため、早く売却したいと、結果的に価格を下げるしかないという事につながる恐れもあるのです。
売却が長引く原因と対策
実際に売却活動を始めてみたものの、半年過ぎても、1年過ぎてもなかなか売れずに困っている方もいるのではないでしょうか?
ここからは、売却期間が長引いてしまう原因とその対策をご紹介していきます。
売りたい物件と不動産会社の得意分野がマッチしていない
不動産会社もさまざまありますが、それぞれの不動産会社ごとに得意分野があります。
例えば、中古の戸建ては得意だけれど、マンション売却はあまり実績がない。
〇〇のエリアには強いが、地方になると弱い。などです。
自分の売りたい物件と不動産会社の得意分野がマッチしていないと、売却期間も長引いてしまう恐れがあります。
対策
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まずは依頼したい不動産会社がどんな物件に強いのか、その会社のホームページなどで販売実績を確認してみましょう。
また、売却したい物件と同じエリアに店舗があるかどうかもチェックしましょう。
やはり同じエリアに店舗がある方が、担当者もそのエリアの特性に詳しいので、売り方を工夫しやすく、スムーズな売却につながります。
さらに、不動産会社選びで見落としがちなのが、大企業や名のある不動産会社だけでなく、小規模の不動産会社も探してみるということです。
小規模の不動産会社の場合、長くその地域に密着し、その地域のことを知り尽くしている経験豊富な不動産会社もあるので、ぜひチェックしてみましょう。
また、査定は複数社に依頼するようにしましょう。
複数の査定額を比較することで大体の相場を知ることができますし、相場よりもかけ離れた額を提示する不動産会社を見極めることもできるからです。
売出し価格が高い
売出し価格を高めに設定している場合も、売却がスムーズにいかない原因の一つです。
今は誰でも、ネットなどから簡単に大体の相場を調べることができます。
そのため、相場より高い場合、例えば「利便性のよい立地に建っている」「築浅物件」など、他と比べて魅力的な条件がなければ、候補からは外れてしまいます。
対策
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売出し価格を設定する際は、事前に大体の相場を把握しておくことがポイントです。
そうすることで、適切な価格設定をすることができるでしょう。
相場を調べる方法は、国道交通省が運営している「不動産情報ライブラリ」や「レインズ・マーケット・インフォメーション」などといった不動産情報サイトから、調べる方法があります。
売却を始めてから3ヶ月以上たっても売れない場合は、価格の設定をもう一度見直してみましょう。
また、買い主側から値下げ交渉をされることも考えられますので、どのくらいまで値下げに応じるのかも、最初に決めておくことが大切です。
内覧に真摯に対応していない
内覧時の対応に問題がある場合もあります。
買い主側からしたら、内覧は物件を決める際の重要なポイントの一つでもあります。
ですが、内覧時に売り主側の対応が悪かったり、日程の調整連絡が遅かったりすると、
それだけで印象が悪くなってしまいます。
家の購入は金額も大きく、慎重になりがちです。
そのため、内覧時の対応が悪いとそれだけで、購入を躊躇してしまう方もいるのです。
対策
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内覧希望の連絡が入ったら、すぐに日程調整などの連絡をいれるようにし、真摯な対応を心がけることが大切です。
また、内覧前には家の掃除も行うようにしておきましょう。
特に水回りは汚れが目立ちやすいので、少しでも好印象をもってもらえるために、家の中や玄関、外回りなどを入念にチェックしておくのもポイントです。
売却のタイミングが悪い
家は1年を通して、売れにくい時期と売れやすい時期というのがあります。
売れにくい時期に売却を開始してしまうと、売れるまでに時間がかかってしまうこともあります。
対策
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家が売れやすい時期は、引っ越しシーズンがおすすめです。
入社や入学、異動などの時期に合わせて、2〜3月または9〜11月頃がおすすめです。
この時期に合わせて売却をスタートできるように、事前に準備しておきましょう。
急いで売却したい場合買い取りも検討しておく
引っ越しなどで急いで売却したい場合は、不動産会社による「買い取り保証制度」も検討しておきましょう。
「買い取り保証制度」とは、一定期間売れなかった場合に、あらかじめ決めていた金額で不動産会社に買い取ってもらうという制度です。
この制度を利用することで、例えば
- 最初の3ヶ月間は通常通りに売却活動を行う。
- その後、売れなかった場合「買い取り保証制度」で買い取ってもらう。
など柔軟に売却活動を行うことができます。
不動産会社に買い取ってもらう場合は、市場の6〜7割程度の値段になってしまいますが、不動産会社による仲介手数料は発生しません。
家の売却にかかる期間を知りスムーズな売却を目指そう
今回は、家を売却するのにかかる期間について解説していきましたが、いかがだったでしょうか?
家は売りに出したら、すぐに売却できるというものではなく、事前準備や内覧の対応、条件交渉など、売却完了までにある程度時間がかかるものです。
また、一戸建ての場合売却までにかかる期間は6ヶ月程度、マンションだと3ヶ月程度かかると言われています。
この期間を過ぎてもなかなか売れない場合は、売出し価格が高かったり、売却の時期が良くなかったりといった原因が考えられます。
担当の不動産会社とうまく連携し、売却の時期や適切な売出し価格の設定を行い、スムーズな売却を目指しましょう。