この記事で分かること
・戸建て査定の基本的な流れ |
子どもの独立や進学などをきっかけに、現在住んでいる戸建ての売却を検討し始める方は少なくありません。
また、老後の資金計画のために、持ち家の資産価値を把握しておきたいという方もいらっしゃるでしょう。
いずれの場合も、まずは不動産会社に「査定」を依頼することが一般的です。
しかし、いざ査定を依頼するとなると、「査定時にはどのようなところを見られるのか?」「査定額はどのように決まるのか?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
また、戸建ての査定額を少しでも高くするためにも、査定で見られるポイントを事前に押さえることが重要です。
本記事では、戸建て査定の基本的な流れや査定時に見られるポイント、さらに査定額の決まり方について詳しくご紹介します。
事前に知識を身につけ、万全な状態で査定に臨みましょう。
この記事の目次
【5ステップで解説】戸建て査定の流れ
戸建て査定とは、売却活動を始める前に、戸建ての資産価値を把握するために行うものです。
資産価値を把握することで、売却の目安を立てられるため、戸建ての売却における重要なステップといえます。
査定は、以下の5つのステップに沿って進められることが一般的です。
ここでは各ステップで何を行うのかを、具体的にご紹介します。
なお、この流れは「訪問査定」を依頼した場合をベースとしています。
ステップ1.査定方法を選択する
戸建て査定の方法には、「AI査定」と「不動産会社による査定」があります。
中でも「不動産会社による査定」は、「机上査定」と「訪問査定」の2種類に分けられます。
これらの査定方法には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
査定方法の名称 | 査定方法 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|---|
AI査定 | インターネット上で物件情報を入力するだけで、簡易的に査定結果を出せる方法 |
・24時間いつでも利用でき、数秒で結果が分かる |
市場の動向などは考慮されないため、価格はあくまで大まかな目安となる |
机上査定 |
不動産会社が物件情報や過去の成約事例、市場動向などをもとに簡易的に査定する方法 |
・不動産会社のWebサイトから手軽に依頼できる |
・訪問査定に比べて精度は劣る |
訪問査定 | 不動産会社の担当者が、実際に現地を訪問して査定する方法 |
・担当者が現地を細かく調査するため、非常に精度が高い |
・結果が出るまでに1~2週間程度かかる ・査定当日は立ち会いが必要 |
戸建てはマンションなどと違い、間取りや内装、劣化状況やリフォーム状況などが物件ごとに大きく異なります。
そのため、戸建ての売却を本格的に決めているなら、精度の高い「訪問査定」を依頼しましょう。
各査定方法について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
ステップ2.不動産会社へ査定を依頼する
査定方法を決めたら、次は不動産会社へ査定の依頼をします。
戸建ての査定では、間口や接道状態、前面道路の種類といった部分もよく見られるため、物件調査に慣れた不動産会社を選ぶことが大切です。
また、不動産会社によって査定額は大きく異なるため、必ず複数の会社に依頼して結果を比較することをおすすめします。
しかし、1社ずつ申し込むと、同じ情報を何度も伝えなければならず手間がかかります。
こうした手間を省き、効率良く査定依頼をするには、「不動産一括査定サイト」の活用が便利です。
不動産一括査定サイトを使えば、一度物件情報等を入力するだけで複数の不動産会社へ同時に査定を依頼できます。
また、不動産一括査定サイトを利用すると、「しつこく営業されるのではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。
当サイトが提供する「イエイ」では、こうした営業電話等をお断りする「お断り代行サービス」も実施しているため、安心して査定の申し込みをすることができます。
ステップ3.訪問日を決めて事前準備を行う
査定を依頼する不動産会社が決まったら、訪問日を決めて事前準備を行います。
訪問日までにしっかりと準備を済ませ、査定当日がスムーズに進むようにしておきましょう。
事前準備については、「戸建ての査定時にやっておくべき4つの事前準備」を参考にして進めましょう。
ステップ4.査定を受ける
不動産会社と取り決めた訪問日を迎えたら、いよいよ査定です。
査定にかかる時間は1〜2時間程度であることが一般的です。
物件の状態によっては時間がかかってしまう場合もあるため、スケジュールに余裕を持つことをおすすめします。
少しでも査定時間を短縮したい場合は、ステップ3でも触れたように、事前準備を徹底しておくとスムーズに進めることができるでしょう。
また、査定当日は不動産会社の担当者と直接やり取りすることができる機会です。
疑問点や相談事がある場合は伝えて、担当者が信頼できるか確認しましょう。
ステップ5.査定結果を受け取る
査定が完了したら、その結果を不動産会社から受け取ります。
前述の通り、AI査定や机上査定の場合は、短時間で結果を得ることができますが、訪問査定の場合は、結果を受け取るまでに1~2週間程度かかります。
査定結果を受け取り、査定額に納得できれば不動産会社と媒介契約を締結し、売却活動を進めていきます。
査定を受けた後の流れについては、「戸建ての査定時によくある質問」の「査定後に売却を依頼する際の流れは?」で紹介しています。
あわせて確認しておきましょう。
戸建ての査定で必ず見られる!11個のポイント
戸建ての査定では、これから紹介する11個のポイントが見られ、それらをもとに査定額が算出されます。
各ポイントが査定にどう影響するのかを、一つずつ見ていきましょう。
事前に内容を把握して、しっかり対策を済ませておくことが大切です。
不動産の所有者
訪問査定の際は、売主と登記事項証明書(登記簿謄本)の所有者が同じ人物であるかを確認します。
相続などにより登記事項証明書の所有者が異なる場合は、事前に所有権移転登記を行いましょう。
また、2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続で不動産を取得した場合、取得を知った日から3年以内に申請する必要があります。
これは、2024年4月以前に相続した不動産も対象で、まだ登記が済んでいない場合は、2027年3月31日までに申請しなければなりません。
正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の罰金が科される可能性があるので忘れずに行いましょう。
登記事項証明書(登記簿謄本)とは?
登記事項証明書(登記簿謄本)とは、不動産の所有者の氏名や住所、物件の所在地、権利関係などの登記情報が記載されている公的な書類のことです。
この書類は、法務局の窓口のほか、郵送やオンラインで取得でき、誰にでも内容を確認することができます。(取得時には手数料がかかります)
また、登記事項証明書(登記簿謄本)には以下4種類があるため、取得時には目的に合った種類のものを発行しましょう。
・全部事項証明書 その不動産の過去から現在までのすべての登記情報が記載された書類のこと。 ・一部事項証明書 登記情報の一部のみを抜き出して証明する書類のこと。 ・現在事項証明書 現在の登記情報だけが記載された書類のこと。(過去の所有権や抵当権などは記載されていない) ・閉鎖事項証明書 建物が消滅したり、複数の土地が一つの土地になった場合などの閉鎖された登記情報が記載されている書類のこと。 |
登記事項証明書(登記簿謄本)の見本は、以下をご覧ください。
築年数
査定において、築年数は評価額を左右する重要なポイントです。
特に木造の戸建ては、鉄筋コンクリート造のマンションなどと比べて、築年数が古いほど評価額が下がる傾向にあります。
以下は、国土交通省が公表した、中古住宅の市場価値が経年でどの程度下がるかを表したグラフです。
このグラフからも分かるとおり、建物の価値は築年数が古くなるほど下がる傾向にあります。
また、戸建ての査定では、こちらのグラフの築年数を基準として、以下のように評価されるのが一般的です。
築年数 | 評価 |
---|---|
築10年 | 新築物件の半分程度の評価 |
築15年 | 新築物件の3割程度の評価 |
築20年 | 新築物件の1割程度の評価 |
築22年~築30年 | 「古家付きの土地」と評価されて、建物自体の価値はほとんどなくなる |
築22年を超えると建物自体の価値はほぼなくなってしまいます。
しかし、だからといって全く需要がなくなるわけではありません。
土地自体の価値は経年劣化の影響を受けず、築浅の物件に比べて安く買えることから、築25年までの物件は手ごろな中古戸建てとしての需要があり、売却しやすい傾向にあります。
また、売却時にリフォームを考える方もいるかもしれませんが、購入希望者の中には「あえて古い状態の戸建てを購入して自分好みにカスタマイズしていきたい」と考えている方もいます。
こうしたニーズもあるため、そのままの状態で査定をして売り出した方が、かえって早く買主が見つかるケースもあるでしょう。
境界や越境の確認
訪問査定の際は、土地の境界が確定しているかを確認します。
境界とは、ご自身の所有する土地と、隣接する土地や道路などの境目を指します。
戸建てを売買する場合は、この境目がどこなのかを明確にしておく必要があります。
境界が確定されている場合は、以下のような「地積測量図」が発行されるため、査定時に写しを準備しておくとスムーズです。
また、隣地所有者との間で境界について合意した「筆界確認書」がある場合や、反対に境界が未確定の場合も、その旨を不動産会社に正直に伝えましょう。
境界の確認とあわせて、越境の状態も査定時にチェックされます。
越境とは、ご自身の土地や隣の土地へ、木の枝やブロック塀などが侵入している状態を指します。
この越境の事実を事前に伝えないままでいると、売買契約の成立後に契約不適合責任に問われる可能性もあるので注意が必要です。
木の枝などご自身で対処できるものに関しては事前に解消しておき、ブロック塀などのすぐに対処が難しいものに関しては、どちらの所有物なのか隣地所有者と確認しておくことが大切です。
外観の様子
戸建ての訪問査定では、建物の外観も細かく確認します。
具体的には、主に以下の点を確認し、建物の状態を評価します。
特にシロアリ被害が見つかった場合は、査定額が大きく下がる可能性があるため注意しましょう。
シロアリ被害が見つかった場合はどうすればいい?
シロアリを見つけても、市販の殺虫剤を使って対処するのはできるだけ避けましょう。
殺虫剤には、虫が嫌がる成分が入っていることが多いため、使ってしまうことで完全に駆除しきれず、かえって被害を広げてしまう恐れがあります。
もしシロアリを見つけてしまった場合は、次のような方法で対処するようにしましょう。
【シロアリの数が少ない場合の対処方法】 ・ガムテープや養生テープを貼り付ける ・掃除機で吸い込む ・70度以上の熱湯をかける ・シャワーの水圧で洗い流す 【シロアリの数が多い場合の対処方法】 ・シロアリが発生している箇所にポリ袋をかぶせ、テープで密閉する |
これらの方法はあくまで応急処置です。
被害を根本から解決するためには、専門業者に依頼するのが最も確実です。
室内の様子
外観と同様に、室内の状態も査定時の重要なチェックポイントです。
具体的には、主に以下の箇所を確認します。
・キッチン・浴室・洗面台・トイレなどの水回り
・給湯設備
・床暖房などの冷暖房設備
・クローゼット、押し入れなどの収納設備
・間取り
これらの箇所について、壁や床の状態、住宅設備のグレードや劣化具合を確認し、修繕の必要がないかをチェックします。
また、間取りに関しては、個性的な間取りよりも、生活上の動線が良いかなどの住みやすさが重視される傾向にあります。
日当たり・眺望・風通し
日当たりや眺望、風通しの良し悪しも、査定時に確認する大切なポイントです。
日当たりは、主にリビングといった主要な窓がどの方角を向いているかで評価されます。
一般的に、南向きが最も評価が高く、次いで東、西、北の順番となる傾向にあります。
角地の場合は、南東が高く評価されやすいです。
また、周辺に視界を遮る建物がなく眺望が良い場合は、プラスの評価につながります。
その際、将来的に近隣へ高い建物が建つ計画がないかなど、その眺望が維持される見込みがあるかも含めて判断します。
さらに、窓が対面についているなど、風通しの良い構造や立地の物件も評価が高くなる傾向があります。
騒音・振動・臭い
騒音や振動、臭いの有無といった周辺環境も、査定時にチェックします。
これらは日々の暮らしの快適性に直結するため、査定額に影響を与える場合があります。
例えば、線路や幹線道路に面している物件は騒音や振動が、飲食店や工場などが近隣にある場合は臭いが、それぞれのマイナス評価の要因となることがあります。
ただし、複層ガラスの窓や防音サッシが採用されているなど、建物自体の防音性が高い場合は、そうした評価をカバーできる可能性もあります。
雨漏りや建物の傾き
建物の雨漏りや傾きは「契約不適合」に該当する重大な欠陥です。
そのため、売主は買主に対して、こうした欠陥があることを正直に伝える義務があります。
もし欠陥の事実を隠したまま建物を売却してしまうと、後に「契約不適合責任」に問われ、最悪の場合、損害賠償や契約解除などの責任を負うことになりかねません。
また、これらの欠陥は査定額を大きく下げる原因にもなるため、可能であれば査定前に修繕をしておきましょう。
欠陥を確認するには?
建物にある欠陥を事前に確認するには、「ホームインスペクション」の活用が有効です。
ホームインスペクションとは、ホームインスペクターが、第三者の客観的な立場で、住宅の劣化状況や欠陥の有無、改修すべき箇所などを診断するものです。
これを活用することで、建物の問題点を事前に把握でき、契約不適合責任のリスクを大幅に減らせます。
戸建ての場合、調査費用は5万~7万円程度が相場ですが、物件の広さや調査項目によって変動します。
費用はかかりますが、建物の状態を正確に把握し、安心して売却活動を進めたい方にとって、ホームインスペクションを実施する価値は十分にあるでしょう。
土地の面積や地形、傾斜・擁壁・地中埋設物の有無
戸建ての訪問査定では、建物だけでなく、土地の面積や地形なども詳しくチェックします。
土地の面積は広いほど、地形は正方形や長方形に近い整った形の方が高く評価されます。
一方、三角地や旗竿地、極端に細長い土地などは、建物の設計や利用に制限が出やすいため、評価額が下がりやすい傾向にあります。
また、土地ががけや斜面に面している場合、擁壁(ようへき)の状態も確認します。
擁壁とは、土砂崩れを防ぐために設けられた壁状の構造物のことです。
査定時には、この擁壁が現在の法律基準を満たしているか、十分な強度があるかといった安全性がチェックされます。
さらに、昔の建物の基礎や浄化槽といった地中埋設物の有無も確認の対象です。
地中埋設物も、契約不適合の原因となる重大な欠陥にあたります。
もしこの事実を隠したまま売却すると、契約不適合責任を問われるリスクがあるため、心当たりがある場合は必ず不動産会社に伝えましょう。
周辺道路
物件の周辺にある道路の状況も査定対象となり、特にその道路が法律上の条件を満たしているかをチェックします。
建物を建てられる敷地には「幅員4m以上の道路に対して間口が2m以上接していなければならない」という条件が建築基準法によって定められています。
これを接道義務といいます。
しかし、現存する古い建物の中には、この接道義務を満たしていないケースも少なくありません。
もし前面道路の幅員が4m未満の場合、建て替えの際には、道路の中心線から2mの位置まで敷地を後退させる「セットバック」を行う必要があります。
また、敷地が道路に接している部分(間口)の幅が2m未満の場合、既存の建物を取り壊すと、その土地に新たな建物を建てられない「再建築不可」の物件となってしまうため、評価額に大きく影響します。
接道や再建築不可物件については、以下の記事でも詳しく解説しているのでこちらも参考にしてみてください。
周辺環境
建物や土地そのものだけではなく、周辺環境も査定における重要な評価ポイントです。
周辺環境は、日々の暮らしに便利な施設が充実しているほど、高く評価される傾向にあります。
例えば、以下のような施設が徒歩圏内にあると、プラス評価につながりやすいでしょう。
査定時には、こうした施設の有無だけではなく、物件から徒歩何分かといった具体的な距離や位置も考慮して評価します。
マイナス評価となりやすい周辺環境とは?
プラス評価につながる施設がある一方で、反対にマイナス評価となりやすい周辺環境も存在します。
具体的には、以下のような施設が近隣にある場合です。
・風俗店 ・パチンコ店 ・公営ギャンブル(競馬場や競輪場、競艇場、オートレース場など) ・葬儀場、火葬場 ・ゴミ処理施設、下水処理場 |
これらの施設は、住環境として敬遠する人もいるため、不動産評価において「嫌悪施設」と呼ばれており、近隣にある場合は査定額が低くなる傾向があります。
戸建ての査定額が決まる仕組み
戸建ての査定では、基本的に「土地」と「建物」の価値を別々に算出し、それらを合算して全体の査定額を導き出します。
土地は「取引事例比較法」、建物は「原価法」という方法を用いて算出するのが一般的です。
最終的に、算出された価格に地域の特性や市場の需要などを加味して、査定額が確定します。
ここからは、それぞれの算出方法についてご紹介します。
土地の査定額の算出方法「取引事例比較法」
「取引事例比較法」とは、売却したい土地と条件が似ている物件の取引事例を参考にして査定額を算出する方法です。
例えば、査定したい土地と同じ地域にある土地の相場が1坪60万円であれば、その土地も60万円くらいの価値とされます。
また、土地の坪単価は景気によっても変動するため、査定を依頼する時期によっても査定額が大きく異なる可能性があります。
そのため、以前の査定額が低かったとしても、時期を変えて再度査定を依頼すると、価格が上がっているケースもあります。
一度査定したことがある方も、改めて依頼してみることをおすすめします。
取引事例比較法についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
建物の査定額の算出方法「原価法」
「原価法」とは、査定対象の建物を再建築した場合に発生するコスト(再調達原価)を算出し、そこから築年数に応じた価値の減少分(減価修正)を差し引いて、現在の価値を算出する方法です。
原価法では、以下の計算式を用います。
査定額=再調達原価×(耐用年数-築年数)÷耐用年数
例えば、面積が30坪、築10年の木造一戸建てで、再建築した際のコストが坪60万円の場合は以下の通りです。
【ステップ1】再調達原価を求める ※木造住宅の法定耐用年数は22年。 |
原価法の計算についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
戸建ての査定時にやっておくべき4つの事前準備
より正確な査定額を出してもらうためには、査定のポイントを押さえるだけでなく、事前の準備も重要です。
ここからは、戸建ての査定を依頼する前にやっておくべき準備を4つご紹介します。
これから査定を依頼する方は、ぜひ参考にして準備を進めていきましょう。
1.必要書類を準備する
戸建ての査定を依頼する際は、以下の書類を準備しておきましょう。
必要書類 | 書類の内容 | 書類の入手方法 |
---|---|---|
登記済権利証もしくは登記識別情報 | 登録名義人がその土地や建物の所有者であることを証明する書類 | 登記完了時に交付される ※再発行不可 |
固定資産税・都市計画税納税通知書 | 固定資産税や都市計画税の税額が記載された書類 | 所有する土地・家屋の所在地の市区町村から毎年4~5月頃に発送される |
建築確認通知書・検査済証 | 建物が法の定める規定に基づいて建築していることを証明する書類 | 建物の引渡し時に購入者に交付される ※再発行不可 |
測量図・建物図面 | 土地の寸法や建物の形状などが分かる図面 | 法務局へ行く、もしくは法務局のHPにて入手可能(各種証明書請求手続) |
印鑑証明書 | 実印を公的に証明する書類 | 役所や証明サービスコーナーの窓口、もしくはコンビニのマルチコピー機で発行可能 ※査定時は不要な場合も多い |
本人確認書類 | 運転免許証やマイナンバーカードなどの公的な身分証明書 | - |
依頼する不動産会社によっては、上記以外にも書類が必要となる場合があります。
どのような書類が必要なのか、事前に不動産会社の担当者に確認しておくことをおすすめします。
2.自分で相場価格を調べておく
不動産会社が提示する査定額が妥当か判断するためにも、査定を依頼する前にご自身でも相場価格を調べておきましょう。
相場価格は、以下のサイトで調べることができます。
サイト名 | サイトの概要 |
---|---|
REINS Market Information (REINS TOWER) |
国土交通省指定の不動産流通機構が運営している不動産情報サイト。過去の成約価格を確認することができる。 |
不動産情報ライブラリ | 国土交通省が運営している不動産の取引価格、地価公示等の情報を閲覧できるサイト。 |
財産評価基準書 路線価図・評価倍率表 |
国土交通省が公表している路線価図等が閲覧できるサイト。 |
これらのサイトを用いた調べ方については、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
また、当サイトが運営する不動産一括査定サイト「イエイ」のホームページでも各地域の不動産種別ごとの売却相場を紹介しています。
ぜひご活用ください。
3.住宅ローン残高を確認する
査定時には、住宅ローンの残高を不動産会社から確認されることがあるため、事前に把握しておきましょう。
住宅ローンの残高を確認しておくと、売却後に手元にいくら残るのか、あるいは自己資金の持ち出しが必要にならないかを把握できます。
また、残高の把握は、売却の時期や価格を検討するうえでも役立ちます。
住宅ローンの残高は、以下の方法で確認することができます。
・金融機関に確認する
・住宅ローンの返済表や契約書を確認する
・住宅ローンの返済シミュレーションを活用する
これらの方法で査定前に確認しましょう。
4.修繕履歴やアピールポイントをまとめる
リフォームなどの修繕履歴があれば、その内容や時期、費用などをまとめておきましょう。
修繕に関する書類や領収書、修繕前後の写真などを用意しておくと、不動産会社の担当者に正確な情報が伝わりやすくなります。
また、物件のアピールポイントをまとめることも重要です。
例えば、「日当たりが良く洗濯物が乾きやすい」「風通しが良く湿気がこもりにくい」など、実際に住んでいるからこそ分かる魅力をリストアップしておきましょう。
さらに、建物だけでなく、「徒歩で大型スーパーに行けるから便利」「小中学校が近くにある」など、周辺環境や立地の情報も含めると、より説得力が増します。
これらのアピールポイントとあわせて、マイナスな面も正直に伝えることで、「契約不適合責任」に関するトラブルを回避できます。
戸建ての査定時によくある質問
ここからは、戸建ての査定時によくある質問についてご紹介していきます。
疑問を解消してから、査定を申し込みしましょう。
戸建ての査定は無料でできる?
不動産会社が行う戸建ての査定は、無料で依頼できます。
どの不動産会社に依頼しても無料ですので、複数の会社に依頼して査定額を比較することをおすすめします。
査定が無料で受けられる理由は、以下の記事で解説しているのでこちらも参考にしてみてください。
戸建ての査定は匿名でできる?
不動産会社によっては、匿名で査定を依頼することも可能です。
上記でも紹介した「AI査定」であれば、個人情報を入力することなく、物件情報のみでAIが自動的に査定額を算出します。
ただし、AI査定は机上査定や訪問査定と比較して精度が低いため、正確な査定額を求めている場合には不向きです。
不動産鑑定士による有料査定との違いは?
不動産会社が行う無料査定とは別に、国家資格を持つ「不動産鑑定士」が実施する有料の査定も存在します。
有料査定(不動産鑑定)の依頼が推奨されるのは、主に以下のようなケースです。
・法人間で不動産取引を行う場合
・裁判を伴うトラブルがある場合
したがって、「家を売却したい」などと個人での不動産売買を考えている場合は、無料査定で十分と言えるでしょう。
無料査定と有料査定の違いをより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
査定後に売却を依頼する際の流れは?
査定結果に納得ができたら、不動産会社と媒介契約を締結し、売却を依頼します。
一般的に以下の流れで進めていきます。
売却する戸建ての状態などによっても異なりますが、成約するまでに3~6ヶ月程度かかることが一般的です。
詳しい流れについては、以下の記事で紹介しているので、売却することを検討している方は参考にしてみてください。
売却予定がないけど査定だけ受けることはできる?
売却予定がなくても、現時点での資産価値を知るために査定を依頼することは可能です。
実際に査定を依頼した結果、提示された査定額を参考に、売却しないと判断するケースも珍しくありません。
また、複数の会社に査定を依頼し、そのうちの1社とだけ媒介契約を結ぶことも一般的な流れです。
このように、売却の意思が固まってなくても査定の依頼は問題ありませんので、まずは所有している戸建ての価値を把握するために、一度依頼してみるのも良いでしょう。
ポイントをしっかり押さえてから戸建ての査定を依頼しよう
本記事でご紹介したように、戸建ての査定を依頼する際は、事前に流れやチェックされるポイントを把握しておくことが、評価額のアップにつながります。
また、査定をスムーズに進めるためには、事前の準備も欠かせません。
そして最も重要なのが、査定を1社だけでなく、複数の不動産会社に依頼することです。
査定額は不動産会社によって異なるため、必ず複数社を比較し、ご自身の戸建て売却を安心して任せられるパートナーを見極めましょう。
納得のできる査定額を得られたら、本格的な売却活動への一歩を踏み出してください。
当サイト「イエイ」は、東証プライム上場の株式会社じげんが運営する不動産一括査定サイトです。
運営実績15年の信頼と、独自の厳しい基準をクリアした優良な不動産会社のみと提携しています。
複数の会社へ一度に査定依頼ができるため、初めて査定を依頼する方や、どの不動産会社に頼めばよいか分からない方は、ぜひ「イエイ」の無料一括査定をお試しください。