不動産の売却を考えている人は、売却益に対する税金について正しく理解しておくことが大切です。売却時の税負担がわからなければ投資可能資金を把握したり買換え物件を探したりすることが難しくなるでしょう。

そこで、不動産の売却益に対する税金の基礎知識についてお伝えします。  

高く売れることばかり見ていると痛い目にあうかも

土地や不動産を売却する場合は、できるだけ高い価格で売却したいと考えるものです。住宅を売却したあと買い換える場合は、売却金額が高ければより高い価格の住宅を購入できるようになり、選択肢が増えます。

また、投資用不動産を売却して手じまいする場合も、高い価格で売却できれば最終的な投資利回りは向上しますし、次の投資物件の選択肢も広がります。しかし、高い価格での売却にこだわりすぎると痛い目にあう可能性もあります。

痛い目にあう主なケースとしては2つあります

1つ目は、希望価格が相場よりも高すぎて買手がなかなか現れず売却が実現できないケースです。不動産取引は、株式や中古車などと比較すると流動性が低く、換金までに時間がかかるのが特徴です。そのうえ、売主が相場よりも高い価格を提示すれば一般的なケースよりも売却実現までに時間がかかるのは避けられないでしょう。

結果的に売却できずに価格を下げることになるケースも珍しくありません。

2つ目は、高値で売却できた場合に多額の税負担が生じ、納税できなかったり次の投資や買換えの資金が不足したりするケースです。不動産を売却すると多額の税金がかかる場合がありますので注意が必要です。

売却益とは?不動産の売却で税金が発生するケース

不動産を売却すると税金がかかる場合がありますが、売却金額全体に税金がかかるわけではなく、売却益に対して課税されることになっています。

売却益とは、不動産の売却価格から購入時の価格などを引いたものです。税法上は売却益のことを譲渡所得といい、売却価格である収入金額から取得費と売却時の仲介手数料などの譲渡費用を差し引いて求めます。

不動産を売って税金がかかるケースは、原則として譲渡所得がプラスの場合、つまり売却益が出たときだけで、譲渡所得がマイナスになる売却損のケースでは税負担は生じません。

不動産の譲渡所得に対しては、所得税復興特別所得税住民税が課税されます。不動産の譲渡所得は、書画・骨董など、ほかの譲渡所得や給与所得、事業所得などと合算して総所得金額の一部として税額計算を行うのではなく、不動産の譲渡所得だけで税額計算を行う分離課税方式の対象とされています。

不動産の所有期間によって税率が変わり、売却年の1月1日時点で5年を超えて所有していた場合は所得税等の合計で約20%、所有期間が5年以内の場合は約40%が原則です。

つまり、所有期間5年以内の短期売買で売却益が生じた場合は、売却益の約40%は税金の支払いで消え、約60%だけしか残らないということです。不動産の売却をする場合は、売却益がいくらになってどの程度の税負担が生じるかを事前に把握しておくことが大切です。

マイホームは3,000万円までは特別控除

不動産は使い方によって2つに大別できます

1つは居住用、もう1つは事業用です。

居住用は自己の居住用と賃貸物件とに分かれます。自己の居住用物件は、生活に欠かせない不動産と言えます。売却したら多額の売却益が生じた場合の税負担が大きいと、新しい自宅を手に入れるときに同じ価格の住宅を購入できずに困ってしまう可能性があります。

そのため、税法上は個人が自己の居住用不動産を売却したことによって生じる譲渡所得から3,000万円を特別に控除できる特例が用意されています。正式には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」と言います。所有期間にかかわらず適用を受けられますが、受けるためにはいくつかの要件を満たす必要があります。

1つは自己の居住用住宅の売却であることです。敷地だけの売却は一定の場合を除き認められません。

そのほかにも

  • 前年または前々年に特例の適用を受けていないこと
  • ほかの一定の特例の適用を受けていないこと
  • 売買当事者が親子や夫婦などの親族でないこと

などが要件とされています。

また、この特例を受ける場合は、税額がゼロになる場合でも確定申告をする必要があります。実際に特例の適用を受ける場合は、税理士などの専門家に相談したり自ら税法を確認したりすることをおすすめします。

譲渡所得は分離課税!損益通算ができない

動産の売却益に限らず、個人が得た所得には所得税が課税されます。所得税の課税対象となる所得は譲渡所得や給与所得、事業所得など10個の所得区分に分けて把握することになっていますが、それぞれの所得区分は総合課税とされるものと分離課税とされるものに分かれています。

総合課税とされる所得の代表は給与所得事業所得で、対象となる所得を合算して総所得金額を算出し、そこから所得控除を差し引いた残額である課税総所得金額に対して超過累進税率を適用して税額を計算します。所得税の超過累進税率とは所得が大きくなると適用税率も上がる方式のことで、最低税率5%、最高税率は45%です。

もう1つの分離課税の代表としては、株式不動産の売却益があげられます。総合課税の対象となる各種所得とは「分離」して、株式の売却益や不動産の売却益それぞれ別々に計算して税額を計算します。また、税法上は複数の所得区分の利益と損失を相殺する損益通算が認められる場合があります。

たとえば、事業所得で赤字100万円、給与所得が300万円のときは相殺して給与所得を200万円として税負担を減少させることができます。ただし、不動産の売却益は、そのほかの所得区分の損失と損益通算することは認められず、不動産の売却損を他の所得と損益通算することもできません。

売却価格は減価償却費も念頭に置いて設定を

たとえば、新築時に3,000万円で購入したマンションを、購入後20年経過した時点で売却する場合、購入時価格の3,000万円で売却することは難しいでしょう。

土地の価格が暴騰していれば別ですが、建物部分の価値は時の経過とともに減少していきますので、中古の建物の価格は新品価格よりも低くなるのが一般的です。そのため、中古の不動産を売却する場合は、売却価格の設定をするときに、時の経過による価値の減少を考慮する必要があると言えるでしょう。

この価値の減少は、税法上も減価償却費という形で考慮されることになっています。 減価償却費とは、 時の経過によって失われる経済的な価値を一定の方法で計算した金額のことです。

不動産の譲渡所得は、売却収入から取得費と譲渡費用を引いて計算します。取得費は、土地に関しては手に入れたときの価格と購入手数料などを合計した金額ですが、建物の場合は購入時の価格と手数料等から減価償却累計額を控除することになっています。

購入して20年経って売却する場合は、購入価格から20年分に相当する減価償却費の累計額を引いたものが取得費となります。売却価格の決定時は、税法上の売却益が生じるのかどうかも重要な判断要素となります。売却価格決定を行う場合は減価償却費を考慮することを忘れないようにしましょう。  

【譲渡所得を計算するために必要な減価償却費の計算方法】

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まとめ

不動産の売却益には所得税などが課税されます。一定の要件を満たせば税負担を軽減する特例の活用が認められますが、原則としては売却益のすべてを手にできず、納税分だけ手取りは減少します。そのため、不動産の売却時には税負担を把握しておくことが重要になります。

利回り計算にも関係しますし、買換えをする場合は買い換え資金にも影響します。さらに、売却価格決定にも影響を与えることになります。不動産を売却する見込みがある人は、売却益に関する税金の基本を正確に理解しておく必要があるでしょう。