不動産の売却をする方にとって重要な不動産価格は、過去からの推移や数々の要因によって今後の予測が可能です。

本記事では、2023年最新の不動産価格の推移をもとに、今後の動向について解説します。

日銀の政策や社会情勢などが複雑に絡み合い、今後の不動産価格は決まります。

下落が予想されるポイントとあわせて、売却のタイミングを把握しましょう。

全国の不動産価格の推移

不動産価格の推移のイメージ

土地・戸建て・マンションともに、全国の不動産価格は上昇傾向です。

国土交通省が2023年10月に発表した次の不動産価格指数では、2010年の不動産価格を100として、不動産の価格がどのように推移しているのかを把握できます。

2013年よりマンション価格大幅に上昇。2013年は1.9倍ほど増加。2020年からは住宅地と戸建ての価格も上昇。2010年と比べると最大で1.2倍の増加。

引用:国土交通省「不動産価格指数(住宅)(令和5年7月分・季節調整値)」

2013年よりマンションの価格は大幅に上昇しており、2023年では1.9倍ほど増加しています。

2020年からは住宅地(土地)と戸建ての価格も上昇しはじめ、2010年と比べると最大で1.2倍ほどの増加です。

住宅総合で見る不動産指数が上昇しはじめた要因は、2020年に蔓延し新型コロナウイルスが大きく影響しています。

【最新版】不動産価格の推移をグラフで解説

不動産価格の推移のイメージ

具体的にどれくらい不動産価格が上昇しているのかを把握するため、首都圏における土地・戸建て・マンションそれぞれの価格の推移を解説します。

首都圏における土地の価格推移

首都圏における土地の価格推移をみていきましょう。

2023年に公益財団法人東日本不動産流通機構が発表した「首都圏不動産流通市場の動向」では、土地の成約状況から価格の上昇具合が確認できます。

2003年から2022年の約20年間で土地の単価は2009年頃に一旦下落。2017年頃より上昇。2015年は19.07万円/㎡。2022年には23.47万円/㎡となっている。

引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2013年度・2022年度)」

2003年から2022までの約20年間で土地の㎡単価をグラフ化すると、2009年頃に一旦値下がったものの、2017年頃より再び上昇をはじめました。

2015年は19.07万円/㎡でしたが、2022年には23.47万円/㎡となっています。

たとえば、150㎡の土地であった場合、2015年には2,860.5万円で売却できたであろう土地が、2022年には3,520.5万円で売却できる計算です。

首都圏における戸建ての価格推移

首都圏における中古戸建ての価格推移を見ていきましょう。

2023年に公益財団法人東日本不動産流通機構が発表した「首都圏不動産流通市場の動向」では、戸建ての成約状況から価格の上昇具合が確認できます。

2009年頃より戸建て一軒あたりの成約価格は値下がり。2015年頃から再び上昇。さらに、2021年頃を境に戸建ての価格は急速に上昇。


引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2013年度・2022年度)」

2009年頃より戸建て一軒あたりの成約価格が値下がりしはじめたものの、2015年頃から再び上昇しはじめました。

さらに、2021年頃を境に、戸建ての価格が急速に上昇しています。

2013年では2,920万円が成約時の目安だった住宅価格は、2022年では3,753万円となり、800万円ほどの増加となりました。

首都圏におけるマンションの価格推移

首都圏におけるマンションの価格推移を見ていきましょう。

2023年に公益財団法人東日本不動産流通機構が発表した「首都圏不動産流通市場の動向」では、中古マンションの成約状況から価格の上昇具合が確認できます。

2003年から2022年までの20年間で中古マンションの単価は2009年頃一旦下落。2011年頃再び上昇。2003年の㎡あたりの成約価格は30.75万円。2022年は67.24万円と倍以上に増加。


引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2013年度・2022年度)」

2003年から2022までの約20年間で中古マンションの㎡単価をグラフ化すると、2009年頃に一旦価格は下がったものの、2011年頃を境に再度上昇をはじめました。

2003年の㎡あたりの成約価格は30.75万円でしたが、2022年には67.24万円と倍以上に増加しています。

もともと地価の高い中心市街地にタワーマンションなどが多く建設された背景もあり、マンションの成約価格も上がったと推測されます。

不動産の価格を自分で調べる方法

不動産価格を自分で調べる方法のイメージ

最新の不動産価格を調べる方法は次の2通りあり、それぞれ特徴が異なります。

  • 不動産価格指数:不動産の特性別に価格を調べられる
  • 公示地価:おおまかな傾向から今後の価格を予測できる

不動産価格指数は時とともに移り変わる価格を把握でき、公示地価は地点ごとの㎡あたりの価格を把握できます。

どちらも国土交通省が公表しています。

不動産の売却時には高く売れるタイミングがあるため、売りどきを予測したいときはチェックするとよいでしょう。

>> 不動産の実勢価格とは?調べ方や公示価格との違いを解説

2024年以降はどうなる?不動産価格の動向を予測

2024年以降の不動産の動向のイメージ

2024年以降の不動産価格はどうなるのか、動向を予測するためのポイントは次の通りです。

  • プラスポイント①テレワークの普及で中古戸建ての需要が高い
  • プラスポイント②築年数が経った中古物件でも売れやすい
  • マイナスポイント①住宅ローンの固定金利が上昇している
  • マイナスポイント②住宅ローン控除率の減少した
  • マイナスポイント③ウッドショックにより住宅価格が上がった

それぞれのポイントをもとに、不動産価格への影響を考察します。

プラスポイント①テレワークの普及で中古戸建ての需要が高い

テレワークの普及により中古戸建ての需要が高まっており、戸建て売却価格にプラスに働くと考えられます。

公益財団法人東日本不動産流通機構の発表した「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」で、中古戸建ての成約件数を確認してみましょう。

2020年以降成約物件数、新規登録物件数が上昇しており、戸建ての重要が高くなっている。


引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」

2020年以降、成約物件の取引価格が高くなっており、戸建ての需要が高いのがわかります。

部屋数を確保できる郊外などに戸建てを所有し、働き方を変えたい方が増えているのが要因です。

今後も一定数の需要が見込まれるでしょう。

プラスポイント②築年数が経った中古物件でも売れやすい

築20年以上経っている中古物件でも、1982年1月1日以降に建てられた「新耐震基準」に適合していれば、住宅ローン控除の対象となり、今後も売れやすくなると言えます。

2022年の適用条件が変わる前では、住宅ローン控除を受けられる築20年以内の物件に絞って購入する物件を探す方もいました。

しかし、適用条件が緩和されたため、中古物件が不利とは言い切れないでしょう。

住宅ローン控除は、一定の条件下において、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税や住民税から控除できる制度です。

省エネ性能の高くない一般的な中古物件では、10年間において2,000万円の借入額まで控除可能です。

参考元:国土交通省「住宅ローン減税

ほかにも、2023年度の税制改正では、不動産売買時の登録免許税が2026年3月31日まで軽減されました。

参考元:国税庁「登録免許税の税額表

国の制度を最大限に活用するのは、売主だけではなく買主も同じであると言え、中古物件の需要が増えると予想されます。

>> 不動産を売却した翌年の住民税はいくらかかる?払うのはいつ?

マイナスポイント①住宅ローンの固定金利が上昇している

住宅ローンの固定金利が上がってきている点は、不動産を売却する方にとってはマイナスポイントとなるでしょう。

住宅金融支援機構が発表した、2023年最新のフラット35の借入金利の推移は次の通りです。

2020年4月フラット35の借入金利の最高額2.170%。2023年の11月は3.530%と上昇。

引用:住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移 令和5年11月1日現在」

2020年4月におけるフラット35の借入金利の最高額は2.170%でしたが、2023年の11月では3.530%と上昇しています。

また、多くの金融機関も同様に固定金利の引き上げをはじめました。

しかし、変動金利は依然として低い水準を保っているため、現状として不動産価格への影響は出ていないものの、今後上昇が勢いづくと買い控えが起こる恐れもあるでしょう。

>> マイナス金利は有利?不動産売却への影響を理解しよう

マイナスポイント②住宅ローン控除率が減少した

2022年の税制改正後、住宅ローンの控除率が1%から0.7%に減少し、不動産取得時のマイナスポイントとなりました。

年収800万円の方が5,000万円の認定住宅以外の中古物件を購入し、金利0.5%で返済したケースを計算してみます。

住宅ローンの控除率が0.3%減少すると、13年間で90万円ほど上限額控除額が減ります。

固定金利の上昇とあわせて住宅ローン控除率も減少するとなると、住宅購入をためらうポイントになりかねません。

価格を高くしたままでは、スムーズな売却ができない恐れもあるでしょう。

マイナスポイント③ウッドショックにより住宅価格が上がった

ウッドショックにより住宅価格は上昇を続けており、売却時のマイナスポイントのひとつとなっています。

ウッドショックとは、住宅に使われる輸入木材の価格の高騰です

新型コロナウイルスの影響で郊外での戸建て建築が増加し、世界的に木材の価格が高騰しました。

ウッドショックによって住宅コストが上がり続けると需要が下がり、その後不動産価格の下落する恐れがあります。

不動産価格が決まる4つの要因

不動産価格が決まる4つの要因のイメージ

なぜ不動産価格は上昇傾向にあるのか、不動産価格が決まる要因は次の通りです。

  • 日銀の金利政策
  • 円安による海外投資家の増加
  • 新型コロナウイルス感染症や国際情勢
  • 2025年の大阪万博

それぞれの要因を詳しく解説します。

①日銀の金利政策

世界的にインフレーションは加速していますが、日銀(日本銀行)は低金利政策を継続しているため、現在も不動産価格は上昇しています。

住宅ローンの長期金利が引き下げられたことにより、不動産を所有する方が増加した背景があるためです。

住宅ローン金利は、総支払額に直結します。

長期金利が高かった以前では組めなかった高額な住宅ローンであっても、現在なら支払い可能になるケースも増え、不動産所有のハードルが下がっていると言えるでしょう。

戸建ての所有者が増えたとしても、土地は増えません。

しかし、不動産市場に流入するお金が増えるため、相対的に不動産価格が上昇しているとも考えられます。

②円安による海外投資家の増加

2021年から急速な円安が進み、日本の不動産を購入する海外の投資家たちが増加したことは、不動産価格の上昇につながっています。

次のグラフは、日本銀行の統計データで公表されている、2013年から2023年までの10年間における円のレートです。

2021年を境に休息に円安が進んでいる。2023年以降も続いている。


引用:日本銀行「時系列統計データ検索サイト

2021年を境に急速に円安が進んでいます。

以前より、海外投資家から日本の不動産は注目を集めており、円安が加速したことで投資用物件として購入する方がさらに増加しました。

年々マンション価格は上がっており、国内に住む方の都心にあるタワーマンションの購入は難しくなるケースも増えているでしょう。

しかし、海外投資家への需要が衰えないため、不動産の価値は下がっておらず、今後も上昇すると考えられます。

③新型コロナウィルス感染症や国際情勢

新型コロナウイルス感染症やウクライナ侵略などの国際情勢は、不動産価格に影響しています。

新型コロナウィルスに関しては、直接的な影響は少なくなったものの、リモートワークの増加から郊外に建築される戸建てが増加傾向です。

加えて、円安の影響も相まって建築費が上昇し、新築住宅の購入価格は上昇しています。

また、ウクライナ侵略が原因で海外から輸入する原油や木材の価格などが高騰し、住宅価格が上昇している背景もあります。

新築住宅の購入を諦めて中古戸建てを購入する方が増えており、建築コストの上昇と需要の増加は中古市場にも影響していると言えるでしょう。

④2025年の大阪万博

2025年に開催される大阪万博も不動産価格が上昇する要因のひとつです。

2021年におこなわれた東京五輪では、インフラ整備に伴った経済効果が確認されたとともに、不動産価格が急騰しています。

不動産価格は開催年よりも早い段階で上昇を確認できており、大阪万博でも同じことが起こるのではと予想されます。

【不動産価格の下落】見るべき3つのポイント

不動産価格の下落を見るべきポイント

不動産価格の下落が予想されるポイントは次の通りです。

  • 日銀が利上げをはじめるとき
  • 株価の上昇がストップして暴落がはじまったとき
  • 不動産取引の規制や増税がはじまるとき

不動産価格の推移を把握し、下落前に売却できるように準備を進めましょう。

日銀が利上げをはじめるとき

日銀が利上げをはじめたら、不動産価格が下落していく可能性が高いと考えます。

利上げがはじまると円安やインフレが縮小され、不動産価格に影響するからです。

現在、日銀では50%以上もの国債を保有しています。

しかし、金利を上げてしまうと国債の利払いが増え、社会保障などを増やすなどの政策がとられる可能性もあるでしょう。

利上げは日銀の経営の悪化のほか、国民としてもデメリットが多く、現状を維持するためにもなかなか実行されないのではと考えられています。

株価の上昇がストップして暴落がはじまったとき

株価の暴落がはじまったときは、不動産価格の下落が予想されます。

株価は金利に大きく影響しており、金利が上がることで経済活動が低迷し、企業の業績が悪くなった結果に株価が下がるからです。

不動産価格は株価に連動するように、1年ほどあとに動きが見られます。

2023年12月現在、東京株式市場の株価は依然として上昇を続けています。

金利の上昇も見られないため、2024年いっぱいは不動産価格の下落はないと考えられるでしょう。

不動産取引の規制や増税がはじまるとき

不動産取引の規制や増税がはじまるときは、不動産価格の下落がはじまる可能性が高いです。

1974年には、地価の高騰を防ぐなどの目的で、「国土利用計画法」が制定されました。

1980年代のバブル期にも、不動産の高騰を抑制するために、「地価税」で取引に規制をかけていました。

上記のように国では、不動産価格の高騰を食い止めるための政策をおこなった経緯が過去にあります。

金利を上げなかったとしても、不動産取引に直接影響する政策を今後おこわないとも限りません。

また、増税をはじめるときも不動産価格が暴落する可能性があります。

増税がおこなわれると日銀は国債を返済し、金融政策として金利を上げる可能性もあり、不動産取引に影響すると考えられます。

政府の政策も注意深く把握する必要があるでしょう。

不動産の売却は早めの相談と行動が肝心

不動産の売却は早めの行動が肝心のイメージ

不動産の売却時には、不動産価格の推移を把握し今後を予想することが重要です。

2023年もなお、不動産価格は上昇を続けています。

住宅ローン金利の上昇などの影響で不動産市場の低迷が懸念されるため、日銀の金利政策や株価を注意深く見守る必要があるでしょう。

不動産会社に売却の相談する際は社会情勢の知識をもとに、不動産の売りどきや疑問点を相談しやすい営業担当者であるかも重要です。

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