土地を売買する際、私道負担について知っておく必要があります。良く知らずに私道負担ありの土地を購入してしまい、後にトラブルになることも少なくありません。経済的な負担が発生する可能性もあるため、注意が必要です。

そこで、私道負担とは何か詳しく解説していきます。

私道負担について

私道負担とは、売買する土地の一部に私道が含まれていることを表します。道路には公道と私道の2種類があり、管理者がだれなのかによって区別されています。

■公道
◇国や地方公共団体が管理する道路のこと
◇道路の所有者が個人でも管理者が公共機関でれば公道として扱われる

■私道
個人や民間企業が所有・管理する道路

私道を造ること自体は所有者の自由ですが、私道を造らざるを得ない場合があります。建築基準法によって

幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していない土地には、建物を造れない

と定められているからです。これを「接道義務」といい、火災や地震などの災害時に救助活動をスムーズに行うために欠かせない規定です。道路が狭くて緊急車両が入れないと、被害が拡大してしまうおそれがあるためです。

私道が必要なケースとは

私道が造られる経緯はさまざまですが、なかでも代表的な事例として

広い土地を分割して売りに出すような場合がある

区画割りの結果、公道に接していない土地ができてしまうと、私道を造る必要性が出てきます。

公道から離れた奥まった土地に建物を造る場合

この場合も私道を造らなくてはなりません。

4メートルの幅を確保するため敷地面積の一部を提供することが求められる場合

建築基準法が施行された1950年以前に造られた私道では、幅が4メートルに満たない場合も少なくないためで、建て替えを行う際には注意が必要です。敷地の境界線を後退(セットバック)させて道路として使う部分を造り、この部分が私道負担となります。

私道負担の範囲を確認しよう

私道負担が付いた土地を売買するときは、敷地面積のほかに私道負担面積やセットバック面積を、明記するよう定められています。

面積を平方メートルで表示する決まりですが、不動産売買の広告などで「私道負担あり」「セットバック要」といった表記をみたら、具体的な面積などの詳細を確認しておくことが大切です。

私道負担ありの土地を購入する場合は、あらかじめその特徴を把握しておく必要があるでしょう。ここでは、主な3つの特徴について詳しくみていきます。

スペースを自由に使えない

私道負担は、道路として利用する目的で確保された部分であるため、建物はもちろん塀や門扉などを設置することができません。万が一の時、緊急車両がスムーズに出入りできることが必要となるため、障害物を置くことも禁止されています。

すなわち、土地購入者の所有物であるにもかかわらず、自由に使えるわけではないのです。

利用できる面積が減る

私道負担の面積は、容積率や建ぺい率の敷地面積には含まれません。

100平方メートルの土地を買っても、20平方メートルが私道負担だった場合、利用できる敷地面積は80平方メートルとなります。

ただし、土地の管理責任はあくまでも所有権を持つ人が担うことになります。

私道負担の内容はさまざま

私道負担の内容は、ケースバイケースで一様ではありません。セットバックによるもの以外で多いのが、「位置指定道路」になっているケースです。

「位置指定道路」とは、都市開発法の、開発許可を受ける必要がない小規模の宅地開発で造られる道路のうち

◇幅が4メートル以上
◇一定の技術的水準に適合
◇特定行政庁から位置の指定を受けた道路

たとえば、土地を区画割りし販売する際に私道を造っても、その道路が建築基準法上の道路として認められなければ、道路に接した土地に建物を造ることができません。

「位置指定道路」は私道ですが、完成後に公共機関に移管されて公道となるケースもあります。

私道負担ありにするメリットとデメリット

私道負担ありの土地には、問題点が少なくないものの、いくつかのメリットが存在します。

私道負担の部分はあくまでも所有者のもの
◇原則として所有者の許可がない人は通行できず、通行料を取るのも自由
◇近隣住民に許可を与える立場となり優位性が担保される
◇私道を閑静で安全な道路にすることもできる
私道の所有者が自身の権利に満足感を得られやすくなる
◇第三者が、私道を通った奥の土地に建物を造りたい場合は、私道の下に水道管などのインフラ設備を敷設しなければならないことがある

◇工事を進めるには、あらかじめ私道の所有者に許可を取るか承諾料を支払わなければならない
土地売却の際には私道部分を含めた売却益が得られる
◇土地に、私道が付いていることを知らずに敷地部分だけを売却してしまうケースは少なくない
◇確認しておく必要がある

次にデメリットについてもみていきましょう。

実際に利用できる敷地面積は減るのに経済的負担が発生する
◇私道負担の部分には、個人の所有物となるため固定資産税が発生する

◇道路の修繕が必要になったときは、所有者が費用を負担しなくてはならない
◇一般的には分割して支払うことになり負担は軽くなるが決めごとがまとまらないなどのトラブルも生まれやすくなる
道路である以上は、他人に通行されることを完全に阻止するのは難しい
◇通行権をめぐって、近隣住民とトラブルになることも珍しくない
◇なかでも、私道負担の土地に複数の共同管理人がいるとやっかい

私道を非課税にするための条件

原則として固定資産税はがかかりますが、公共性が高いと判断され「公衆用道路」として認められると、非課税となるケースがあります。

公衆用道路として認められると非課税となるケースがある「公衆用道路」とは登記簿に記載する地目の一つで、法務局に地目変更登記申請を行うことで変更が可能です。しかし「公衆用道路=非課税」ではありません。一定の条件を満たしたうえで、非課税の対象として認められる必要があるのです。

主な条件
◇道路幅が1.8メートル以上
◇不特定多数の人に利用されている
◇不特定多数の人に利用されている

の3点が挙げられます。

私道を非課税にするための申告が「私道の非課税申請」であり、申請の窓口は市区町村となります。認定基準は、市区町村によって異なり一様ではありません。また、申請には測量図が不可欠なため、土地家屋調査士に作成してもらいましょう。

負担を考慮した土地の売買を!

私道負担ありの土地は、資産価値が低くなりがちなため、銀行から融資を受ける場合は不利になることもあります。

一方、安く入手できることも多く好んで購入したがる投資家もいます。私道負担ありの土地には、ほかの土地にはないさまざまなメリットとデメリットがあるため、しっかり知識を付けてから土地の選定や売却を検討することが大切です。