住宅を建てる際に利用されることが多い「つなぎ融資」。

なんとなくで契約してしまうと思った以上の出費になってしまうかも知れません。

この記事では

  • そもそもつなぎ融資とは何なのか。
  • メリットとデメリット。
  • 融資の申込みから返済まで。
  • そもそもつなぎ融資を受けないで済む方法はないのか

などの皆さんが気になるポイントをわかりやすく解説します。

このページでは住宅を新しく建てる際のつなぎ融資・つなぎ資金について解説しています。

不動産の売却や買い替えの際に使用されるつなぎ融資については以下の記事をご参考ください。
関連記事:不動産売却の”つなぎ融資”とは?メリットとデメリットを解説


そもそも「つなぎ融資」って?

つなぎ融資?と疑問を浮かべる女性


つなぎ融資とは

つなぎ融資とは新しく住宅を建てるときに必要な費用を支払うために受ける融資のことです。

住宅の完成から始まる住宅ローンまでに必要な資金をつなぐ事からつなぎ融資と呼ばれています。

つなぎ融資で受けた資金をつなぎ資金と言います。


つなぎ融資が必要なのはこんな時

つなぎ融資とは住宅ローンまでに必要な資金を工面するためのものと説明しました。

「住宅ローンを支払うのとは別にお金が必要なの?」と思われた方もいると思います。

実は住宅ローンによる融資は家と土地が自分の名義にならないと実行されません。

一般によく利用されるフラット35なら融資実行日が決まっているのでなおさらローン実行日時は厳しいです。

関連記事:フラット35についてプロがわかりやすく解説!


新築で家を立てた場合

  1. 土地の購入
  2. 家を建てる契約が完了した時の手付金
  3. ある程度家が完成したところで払う中間金
  4. 家の完成時に払う残金

と4つの段階でお金を払う必要があります。

ところが住宅ローンが使用できるのは4.家の完成時に払う残金を払い終わった後です。

この1~4にかかる費用をすぐに用意できない時につなぎ融資を利用するわけです。


つなぎ融資のメリット・デメリット

つなぎ融資のメリット

つなぎ融資の最大のメリットは自己資金が少ない人でも家を建てることが出来るようになる事です。

先程も述べたように住宅ローンによる融資を受けることが出来るのはある程度まとまったお金を払ってからです。

つなぎ融資を利用すればそのお金が手元に無くても家を建てることが出来ます。


つなぎ融資のデメリット

手持ちのお金が無くても家を建てられるという大きなメリットがあるつなぎ融資ですがもちろんデメリットもいくつかあります。

つなぎ融資は金利が高い

一般的な住宅ローンに比べてつなぎ融資は金利が高く設定されています。

どのぐらい差があるかというと・・・

  • 住宅ローン:0.5~1.5%(※固定金利と変動金利で異なる)

  • つなぎ融資:3%(※金融機関によって事なる)

関連記事:住宅ローンや併用ローンについて解説

場合によっては6倍近い差が生まれます。

つなぎ融資は金利が高いだけではありません。

10万円以上の手数料に加え、表のように融資金額に応じた収入印紙代もかかります。

融資金額

印紙代

100万超500万円以下

2,000円

500万超1,000万円以下

1万円

1,000万超5,000万円以下

2万円

5,000万超1億円以下

6万円


場合によっては金利とは別に16万円もの費用がかかってしまうわけです。

住宅ローン控除を受けることが出来ない

住宅ローン控除はうまく利用すれば最大で500万円が戻ってくる制度です。
関連記事:減税対策として重要!住宅ローン控除マニュアル

しかしながら住宅ローン控除を受けるための条件には「家が完成して6ヶ月以内に住み始める」というものがあります。

そのため、家が完成する前に融資を受けるつなぎ融資では控除を受けることが出来ません。


つなぎ融資を取り扱っていない銀行もある

つなぎ融資を取り扱っていない銀行があるということも頭に入れておく必要があります。

基本的に住宅ローンと同じタイミングでつなぎ融資も申請するので、もしつなぎ融資を取り扱っていない銀行で住宅ローンを組んでしまうとつなぎ融資だけ別の銀行で組む必要があります。


下記の銀行の住宅ローンは人気ですが、つなぎ融資には対応していないため注意が必要です。

  • じぶん銀行
  • 住信SBIネット銀行
  • ソニー銀行

つなぎ融資の借り入れから返済までの流れ

つなぎ融資の利用は以下の流れで行います。

  1. 各金融機関への申し込みと審査
  2. 審査に合格した場合はつなぎ資金の借り入れを行う
  3. 家を建てるための土地を購入
  4. 着工金を支払い、工事開始
  5. 中間金の支払い
  6. 住宅の完成、残金の支払い
  7. 建物の登記を行う
  8. 住宅ローンの審査合格後、融資を受ける
  9. 住宅ローンで借り入れた資金でつなぎ融資を返済

となります。

つなぎ融資で借り入れた資金は家が完成したタイミングで返済します。

その返済に住宅ローンを使うわけですね。

つなぎ融資の金利と手数料

つなぎ融資の金利が高いのはわかったけど具体的にどのぐらいかかるのだろう?

そんな疑問にもしっかりと答えます。

つなぎ融資の金利と手数料

注意点について述べた時に「一般的なつなぎ融資の金利は3%」と言いましたが金融機関によって異なります。代表的な銀行の金利をまとめると以下のようになります。


銀行名

金利

楽天銀行

2.63%

ARUHI

3.475%

三井住友銀行

2.475%

(※2019年1月時点での情報です、必ず各銀行でご確認ください)


次につなぎ融資を受けるのに必要な手数料です。

銀行名

手数料

楽天銀行

108,000円(一律)

ARUHI

108,000円(一律)

三井住友銀行

なし

(※2019年1月時点での情報です、必ず各銀行でご確認ください)


つなぎ融資を利用した場合の試算

金利や手数料についての基本的な知識は理解していただけたと思います。

次は具体的な金額とスケジュールで実際どのくらい利息を払う必要があるのか?を一緒に確認しましょう。

今回は次のように注文から半年かけて家を建てる場合に

  • 土地付きの注文住宅を4,000万円で注文
  • 土地代として1,500万円
  • 注文から2ヶ月後に着工金として750万円
  • 注文から4ヶ月後に中間金として750万円
  • 注文から6ヶ月後に残金として1,000万円

を支払う場合を考えます。

1回目の「土地代」は1,500万円を金利3%で180日借りる計算になるので

1,500万円×3%×(180/365)=221,917円の利息

2回目の「着工金」は750万円を金利3%で120日借りる計算になるので

750万円×3%×(120/365)=73,972円の利息

3回目の「中間金」は750万円を金利3%で60日借りる計算になるので

750万円×3%×(60/365)=36,986円の利息

最後の残金を支払うタイミングで住宅ローンの融資が行われるため利息は無し。

利息を合計すると332,875円となります。

また、印紙代の20,000円と手数料の108,000円を合わせると

460,875円がつなぎ融資を利用する場合に増える負担となります。


ろうきんがお得?

ろうきん(労働金庫)会員なのでどうせならそちらでつなぎ融資、住宅ローンを組みたいという人も多いと思います。ろうきんのつなぎ融資の金利はろうきん住宅ローンと同じです。

金利は一律ではなく、地域によって変わるので詳細はご自身が会員のろうきんで確認してください。

また、ろうきんには金利以外にも

  • 審査、利用が柔軟に行える
  • 手数料が少ない
  • 保証料を負担してくれる

などのメリットがあるため、ろうきん会員の方は利用を考えてみるのも良いでしょう。


つなぎ融資以外の選択肢

つなぎ融資以外の方法もあると考える男性

基本的につなぎ融資を利用する場合はしない場合に比べて多くの費用がかかります。そのためなるべくなら利用したくないのが心情です。

というわけでここではつなぎ融資を使わずに新居を建てる方法について考えます。

住宅ローンの分割融資

つなぎ融資以外の選択肢としてまず挙げられるのが住宅ローンの分割融資です。

通常、住宅ローンによる融資は建物の引き渡し時に一括で融資が行われます。

分割融資を利用すると、土地代、工事の着手金など住宅が引き渡される前のタイミングで融資を受けることが出来ます。

ここまで聞くとつなぎ融資と同じなので「どうして分割融資があるのだろう?」と思われた方もいるでしょう。

分割融資のメリットはつなぎ融資と比べて金利が安いことです。

あくまで住宅ローンの一部なので住宅ローンと同じ金利で融資を受けることが出来ます。

また、土地の取得から2年以内に建物を建てて住むなどの条件を満たせば住宅ローン控除も受けることが出来ます。

分割融資に対応していない銀行もあるのでまずは住宅ローンを受けようと思っている銀行に相談してみましょう。


贈与を利用する場合

住宅ローンの融資までの資金を両親、祖父母に出してもらう!という方もいるでしょう。

基本的に親子間といえど110万円を超える金銭のやり取りには贈与税が発生します。

関連記事:不動産の贈与税を詳しく解説してください


しかし、「住宅取得等資金の非課税制度」という制度をうまく使えば最高で3,700万円まで贈与税が非課税になります。

この非課税制度を受けるためには贈与を受けた年の翌年3月15日までに全額を使用して、家を建てそこに住む必要があります。

つまり、2018年の12月に贈与を受けた場合は2019年3月15日までの期間で家を建て、住む必要があるのです。

土地を買って、家を建てて、引っ越しして・・・を数ヶ月でやるのはちょっと大変ですよね。

なので贈与を利用して資金を工面しようと考えている人は受け取るタイミングに気をつけましょう。


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まとめ

つなぎ融資について解説させていただきました。

つなぎ融資には住宅ローンで対応できない住宅建設前の融資を受けることが出来るというメリットがありますが、金利などの諸費用がかかるデメリットもあります。

また、住宅ローンの分割融資などを利用する方法もあるので一度銀行に相談し、最適な融資を受けれるようにしましょう。