不動産を売却しようと考えたとき、最初に直面するのが「自分の家はいったいいくらで売れるのか?」という疑問です。
不動産には定価がないため、納得のいく売却計画を立てるためには「査定」が欠かせません。
しかし、初めて売却を経験する方にとっては「しつこい営業電話がかかってくるのではないか」「査定額はどうやって決まるのか」「安く買い叩かれないか」といった不安も多いはずです。
特に2026年現在の不動産市場は、金利動向の変化やエリアごとの価格二極化が進んでおり、適切な査定と信頼できるパートナー選びがこれまで以上に重要になっています。
本記事では、不動産査定の基本から具体的な流れ、査定時に見られるポイント、損をしないための鉄則をわかりやすく解説します。
さらに、安心して相場を比較できるおすすめの不動産一括査定サイトもご紹介します。
これから本格的に売却を進めたい方はもちろん、まずは自分の資産価値を把握したいと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
不動産査定とは?基礎知識と3つの方法

不動産査定とは、所有しているマイホームや土地が「今、いくらで売れそうか」という予測金額を算出することをいいます。
中古車やブランド品を買い取り店に持ち込む際、まず買取価格を出してもらう手順と似ていますが、不動産の査定は少し性質が異なります。
不動産査定で提示される金額は、過去の成約事例や周辺相場をもとにした「売却予想価格の目安」であり、その金額での売買成立を保証するものではありません。
不動産市場は需要と供給のバランスで変動しやすいため、実際の売却価格とは差が生じるケースも珍しくありません。
そのため、査定額はあくまで「現時点で売り出した場合の基準値」として捉えておくことが大切です。
最終的な売り出し価格は、査定の結果を参考にしながら売主自身が決定します。
相場からかけ離れた高値を設定すると買主が現れず、逆に安すぎると手元に残る資金で損をしてしまいます。
納得のいく価格設定を行い、スムーズな取引を実現するためにも、1社だけに頼るのではなく複数の不動産会社に査定を依頼して、慎重に判断しましょう。
不動産会社が無料で査定を行う理由
不動産査定は、基本的にどの不動産会社に依頼しても無料で行うことができます。
「後から高額な費用を請求されるのではないか」「無料なのは何か裏があるのではないか」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、正当な理由があります。
不動産会社が無料で査定を行う理由は、「仲介手数料」の仕組みにあります。
仲介手数料は、売買契約が成立した際に売主や買主から不動産会社へ支払われる、いわゆる「成功報酬」です。
どれだけ熱心に営業活動や査定を行っても、売買が成立しなければ、不動産会社は手数料を受け取ることができません。
また、宅地建物取引業法において、不動産会社が売買に関して受け取れる報酬は仲介手数料のみと上限が定められており、通常の査定業務に対して別途料金を請求することは禁止されています。
不動産会社にとって無料査定は、売主との信頼関係を築き、自社で売却を任せてもらう(媒介契約を結ぶ)ための営業活動の一環です。
査定を依頼したからといって、その会社と必ず契約を結ばなければならない義務はありません。
対応の丁寧さや提案内容をじっくり見極める機会として活用しましょう。
【2026年最新】今、査定を受けるべき市場動向
不動産の価値は、物件そのもののスペックだけでなく、社会全体の経済情勢や市場環境にも大きく左右されます。
2026年現在は、金利政策の転換やエリアごとの「価格の二極化」が鮮明になっており、査定を受けるタイミングとして非常に重要な局面を迎えています。
近年の市場動向として、特に注目しておきたいポイントは以下のとおりです。
・金利動向の影響:住宅ローン金利の先行きを見据え、早めに購入を決めたい駆け込み需要がある一方で、借入可能額の変化から慎重に様子見をする買主が増えています。
・エリアごとの価格二極化:利便性の高い都市部の駅近マンションや再開発エリアの価値が堅調に推移する一方、郊外や築年数の経過した物件は買主の選別が厳しくなっています。
・省エネ性能の重視:省エネ基準への適合状況や住宅の断熱性能が、資産価値や査定額に直接反映されやすくなっています。
過去の古い相場感のまま売却を進めると、売り時を逃したり、相場より大幅に安く手放してしまったりするリスクがあります。
最新の市場動向を反映した査定を受けることで、所有する不動産が市場でどう評価されているのかを正確に把握することが賢い売却の第一歩となります。
不動産査定の3つの方法

不動産の査定方法には、「AI査定」「簡易査定(机上査定)」「訪問査定」の3つがあります。
これらは精度や結果が出るまでの所要時間が異なるため、売却の検討度合いや目的に応じて使い分けることが大切です。
それぞれの特徴と選び方を解説します。
AI査定
AI査定は、不動産会社の担当者を通さず、蓄積された膨大な取引データをもとに、人工知能が自動で査定額を算出する方法です。
サイト上の入力フォームに物件の所在地、広さ、構造、築年数、地域などを入力するだけで、数秒から数分で概算価格を確認できます。
多くのサービスでは電話番号などの個人情報を入力せずに利用できるため、「まずは周囲に知られず、おおまかな相場を把握したい」という検討初期段階の方に最適です。
ただし、AI査定は室内の傷み具合やリフォーム履歴、日当たりや眺望といった「個別のコンディション」までは考慮できません。
算出される金額はあくまで目安として留めておきましょう。
簡易査定(机上査定)
簡易査定(机上査定)とは、不動産会社の担当者が物件データや周辺の成約事例、最新の市場動向をもとに計算して査定額を算出する方法です。
Webサイトの入力フォームや電話、メールなどで物件情報を送るだけで依頼でき、早ければ当日、遅くとも数日以内に結果が届きます。
実際に現地を訪れるわけではありませんが、地域の需給バランスや市場の動きを加味して算出するため、AI査定よりも実態に近い相場感を掴むことができます。
「本格的に売却するかは未定だが、プロによる現実的な査定額を知りたい」という場合に利用するのがおすすめです。
訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に現地を訪れ、室内の状態や設備の劣化具合、敷地の境界や周辺環境などを細かく確認した上で正確な査定額を算出する方法です。
現地調査には30分から1時間程度の立ち会いが必要となり、役所調査や権利関係の精査も行うため、結果が出るまでに1~2週間程度かかります。
手間と時間はかかりますが、3つの中で最も精度が高く、実際の売り出し価格に直結する査定結果を得ることができます。
本格的に売却活動を始める際には、必ずこの訪問査定を受ける必要があります。
まずは簡易査定で複数の不動産会社を比較し、信頼できそうな2社から3社を選んで訪問査定を依頼する進め方が効率的です。
【比較表】自分に合った査定方法はどれ?
3つの査定方法の違いを一覧表にまとめました。
ご自身の現在の検討段階に合わせて、最適な方法を選んでみてください。
| 項目 | AI査定 | 簡易査定(机上査定) | 訪問査定 |
|---|---|---|---|
| 精度 | △(過去データによる目安) | ○(プロによる相場算出) | ◎(実地調査に基づく高精度) |
| 結果が出るまでのスピード | 即時~数分 | 即日~3日程度 | 1~2週間程度 |
| 立ち会いの要否 | 不要 | 不要 | 必要(30分~1時間程度) |
| 個人情報の入力 | 原則不要 | 必要(メール・電話など) | 必要(詳細な連絡先・住所) |
| おすすめの人 | 相場を誰にも知られず調べたい人 | 複数社の査定額を手軽に比べたい人 | 売却の意思が固まり具体的に動きたい人 |
まずはAI査定や簡易査定でおおまかな価格を把握し、売却の現実味が増した段階で訪問査定へ進むことで、無理のない納得のいく売却準備を進めることができます。
不動産売却の一括査定はどこがいい?おすすめサイト比較

不動産会社によって得意なエリアや物件種別、抱えている購入希望者の層は異なります。
そのため、査定額や販売力には大きな差が生じます。
効率よく複数の不動産会社を比較するためには、一度の入力でまとめて依頼できる「不動産一括査定サイト」の活用が不可欠です。
ここでは、失敗しないサイトの選び方と、安心感や実績に優れたおすすめのサービスをご紹介します。
失敗しない一括査定サイト選びの3つのポイント
数多く存在する一括査定サイトの中から自分に合うものを選ぶ際は、以下の3つの基準を意識しましょう。
・提携会社の質と悪質業者を排除する仕組みがあるか:提携社数の多さだけでなく、独自の審査基準を設けているか、ユーザーからの苦情が多い悪質な業者を排除する体制が整っているかを確認しましょう。
・売りたい物件の種別やエリアに対応しているか:マンションに強いサイト、地方の戸建てや土地に強いサイト、事業用や農地まで幅広く扱えるサイトなど、得意分野を見極めることが大切です。
・営業電話ややり取りへの配慮があるか:一括査定で最もストレスになりやすいのが、申し込み直後の電話対応です。
メール連絡の指定ができるか、万が一の際にお断りを代行してくれる機能があるかなどをチェックしましょう。
おすすめの不動産一括査定サイト5選
利用実績が豊富で、ユーザーへのサポート体制や提携会社の質に定評がある主要な5つのサイトをご紹介します。
各サービスの特徴やおすすめできる人のタイプもあわせて解説しますので、ご自身の物件に合った依頼先選びの判断材料としてお役立てください。
イエイ:営業電話や悪質業者が不安な人向け
当サイトが提供する「イエイ」は、サービス開始から累計利用者数400万人を超える日本最大級の不動産一括査定サービスです。
全国約1,700社の厳選された優良不動産会社と提携しています。
イエイの最大の強みは、ユーザーが最も不安に感じる「しつこい営業電話」や「契約を急かす強引な勧誘」への対策が徹底されている点です。
万が一、しつこい営業電話に困った際や、他社と契約するために断りを入れたい場合でも、専門スタッフが売主に代わって連絡をストップさせる「お断り代行サービス」を利用できます。
また、売主からの評判が悪い不動産会社には契約解除を含む厳しい処分を行う仕組みも導入しているため、初めての方でも安心して利用できる環境が整っています。
マンションや一戸建てはもちろん、地方の土地、空き家、農地、工場など他社では断られやすい特殊な物件種別まで幅広く対応している点も大きな強みです。
SUUMO売却査定:知名度や店舗数の多さを重視したい人向け
株式会社リクルートが運営する「SUUMO売却査定」は、日本有数の知名度を誇る不動産ポータルサイトの強みを活かしたサービスです。
提携店舗数が約10,000店舗超と業界最大級の規模を誇り、全国の大手不動産会社から地域に根付いた街の不動産会社まで幅広く網羅しています。
最大10社まで同時に査定依頼が可能で、多くの選択肢の中から比較検討したい方に適しています。
各社の店舗情報や担当者の顔写真、実際の成約事例や利用者の口コミを事前に確認した上で依頼先を選べるため、透明性と安心感を重視したい方におすすめです。
LIFULL HOME'S:地方物件や匿名査定を試したい人向け
「LIFULL HOME'S」は、全国5,200社以上の不動産会社と提携しており、特に地方や郊外の物件にも強いネットワークを持っています。
大きな特徴として、個人情報を不動産会社に明かすことなくWeb上で概算価格を知ることができる「匿名査定」の仕組みを提供しています。
「まだ売却するか決めていないため、担当者と直接話すのは避けたい」「まずは相場だけ把握したい」という初期段階のユーザーにとって、非常に使い勝手の良いサイトとして評価されています。
HOME4U:セキュリティや運営実績を重視したい人向け
「HOME4U」は、2001年に日本で初めて不動産一括査定サービスを開始した歴史のある老舗サイトです。
NTTデータグループが運営しており、長年の実績に基づいた強固な情報セキュリティ体制と個人情報保護の信頼性に定評があります。
提携社数は約2,500社に厳選されており、悪質な業者を排除する独自のパトロール体制が機能しています。
個人情報の管理に不安がある方や、長年の運営実績に裏打ちされた安心感を求める慎重派の方に選ばれています。
すまいValue:都市部で大手不動産会社に絞りたい人向け
「すまいValue」は、三井不動産リアルティ、住友不動産ステップ、東急リバブル、野村不動産ソリューションズ、三菱地所ハウスネット、小田急不動産の大手不動産会社6社が共同で運営する査定サービスです。
国内トップクラスの仲介実績を誇る大手6社に絞ってまとめて査定依頼を出せるのが唯一無二の特徴です。
大手ならではの強力な顧客ネットワークと広告販売力を背景に、早期の成約と精度の高い査定が期待できます。
都市部の駅近マンションや築浅戸建てなど、資産価値の高い物件をできるだけ有利な条件で売却したい方にとって、外せない選択肢といえます。
【比較表】人気不動産一括査定サイト5選の特徴一覧
主要5サイトの特徴を比較表にまとめました。
売りたい物件の所在地や種別、ご自身の希望に合わせて活用してください。
| サイト名 | 特徴 | 提携会社数 (2026年現在) |
同時査定依頼数 | 対象の物件種別 | 対応エリア | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| イエイ | お断り代行・悪質業者を排除する仕組みあり | 約1,700社 | 7社 | 一戸建て、マンション、アパート、土地、ビル、工場、倉庫、店舗、事務所、農地、山林など | 全国 | 営業電話を避けたい人、地方物件や特殊物件を売りたい人 |
| SUUMO売却査定 | 店舗数・情報量業界トップクラス | 約2,000社(10,000店舗超) | 10社 | 一戸建て、アパート、マンション、土地 | 全国 | 実績や口コミを見て自分で依頼先を選びたい人 |
| LIFULL HOME'S | 匿名査定が可能、地方にも強い | 約5,200社 | 10社 | 一戸建て、マンション、土地、倉庫・工場など | 全国 | 営業電話なしで相場を見たい人、地方の物件を売りたい人 |
| HOME4U | NTTデータグループ運営の老舗 | 約2,500社 | 6社 | 一戸建て、アパート、マンション、土地、ビル、店舗・事業所・倉庫など | 全国 | セキュリティ重視の人、実績豊富な老舗を使いたい人 |
| すまいValue | 大手不動産6社が共同運営 | 6社(792店舗) | 6社 | 一戸建て、アパート、マンション、土地、ビルなど | 全国※一部地域除く | 都市部の物件を大手不動産会社に任せたい人 |
各サイトにはそれぞれ強みがあります。
都市部の物件であれば「すまいValue」と「イエイ」を組み合わせるなど、大手と地域密着店の両方から査定を取ることで、より精度の高い相場を把握できるようになります。
不動産売却の査定で損をしないための5つの鉄則

査定を受けるにあたって、予備知識を持たずに不動産会社の提示額を鵜呑みにしてしまうと、後から売れ残ったり想定外の出費が発生したりして後悔することになりかねません。
ここでは、査定を依頼する前に必ず押さえておくべき「損をしないための5つの鉄則」を解説します。
「高額査定=高く売れる」は罠!釣り査定に注意する
複数の不動産会社から査定結果を受け取ると、つい最も高い金額を提示してくれた会社に依頼したくなります。
しかし、査定額の高さだけで会社を選ぶのは非常に危険です。
一部の不動産会社は、他社を出し抜いて自社と媒介契約を結びたいがために、相場から大きくかけ離れた非現実的な高値を提示する「釣り査定」を行うことがあります。
不動産会社は買い取りをするわけではなく、あくまで「仲介」として市場で買主を探します。
そのため、高すぎる価格で売り出しても市場で敬遠され、数ヵ月間にわたって反響がないまま売れ残ってしまいます。
結果として、販売期間が長期化した末に大幅な値下げを繰り返すことになり、当初から適正な相場価格で売り出していた場合よりも安い価格で手放す羽目になるケースが少なくありません。
提示された金額の高さに惑わされず、「なぜその金額で売れると判断したのか」という根拠を必ず確認しましょう。
査定額だけでなく「手残り金」も確認する
不動産を売却する際、売却代金がそのまま全額手元に残るわけではありません。
売却時にはさまざまな諸経費や税金が発生します。
売却にかかる主な費用には、以下のような項目があります。
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・仲介手数料:不動産会社へ支払う成功報酬(売買価格の「3%+6万円+消費税(※)」が法定上限の目安) ・住宅ローンの完済関連費用:一括繰上返済手数料や、抵当権抹消費用(登録免許税および司法書士報酬) ・契約関係費用:売買契約書に貼付する印紙税 ・建物の状態に応じた費用:古家の解体費用、敷地の確定測量費用、不用品の処分費用など ・譲渡所得税・住民税:購入時より高く売れて利益が出た場合にかかる税金 |
※売買価格が800万円以下の場合は最大33万円(税込)。
住宅ローンの残債がある場合、売却代金でローンを完済できなければ原則として家を売ることができません。
査定を受ける際は、査定額の多寡だけでなく、「諸経費をすべて差し引いた後、最終的に手元にいくら現金が残るのか」を計算してもらうよう担当者に相談しましょう。
査定結果の根拠を複数社で比較して見極める
不動産会社から提示される査定書には、その金額を算出した論理的な裏付けが記載されています。
信頼できる会社かどうかを見極めるためには、以下の3つの要素がしっかりと説明されているかを比較してください。
・近隣の類似成約事例:直近で似た条件(築年数・広さ・駅徒歩分数など)の物件が、実際にいくらで成約したかという客観的なデータ。
・現在売り出されているライバル物件:同じエリアで現在販売活動を行っている競合物件の価格帯と、それに対する自社物件の強み・弱み。
・想定される成約までの期間:その査定額で売り出した場合、おおむね何ヵ月で成約に至る見込みか(一般的には3ヵ月程度が目安)。
これらの項目に対して曖昧な回答しか返ってこない会社や、具体的な事例データを提示できない会社は、営業都合で査定額を吊り上げている可能性があるため注意が必要です。
物件の不具合(瑕疵)や修繕履歴を正直に伝える
「不具合を伝えると査定額が下がってしまうのではないか」と心配し、物件の欠陥を隠したくなるかもしれませんが、これは絶対に避けてください。
売主には、物件の重要な状態を買主に告知する義務があります。
雨漏り、シロアリ被害、給排水管の故障、過去の修繕箇所などを隠して売却すると、引き渡し後に「契約不適合責任」を追及され、損害賠償や修繕費の負担、場合によっては契約解除を求められる恐れがあります。
査定の段階で不具合を正直に共有しておけば、それを前提とした現実的な販売計画や、売主が責任を負わずに済む特約条項の提案を受けることができます。
また、過去に行った外壁塗装や水回りの交換、防蟻処理などのメンテナンス履歴や保証書があれば、積極的に提示しましょう。
丁寧にお手入れされてきた証拠となり、査定における大きなプラス材料となります。
査定を受ける前に自分でも相場を調べておく
不動産会社の提示する査定額が「妥当かどうか」を判断するためには、査定を申し込む前に売主自身で周辺相場を調べておきましょう。
相場を調べる際は、下記のサイトを活用するのがおすすめです。
・不動産情報ライブラリ:実際に取引された過去の成約価格を地図上から簡単に確認できます。
・レインズ・マーケット・インフォメーション:全国で実際に取引された直近の成約事例について、築年数や平米数などの条件をもとに検索できます。
さらに、大手不動産ポータルサイトで近隣の売り出し中の似た物件を検索するだけでも、おおまかな市場の相場感を掴むことができます。
自分の中に基準となる相場感を持っておくことが、不当な安値や高すぎる釣り査定に惑わされないための自衛策になります。
不動産売却時の査定で見られる5つの評価ポイント

不動産会社は、どのような基準で物件の価値を評価しているのでしょうか。
訪問査定の際、担当者が細部までチェックしている主な評価ポイントは以下の5つです。
・築年数と建物の構造・耐震性
・室内の設備や外装の状態
・土地の形状や接道状況
・周辺環境や立地
・住宅ローンの残債
どこが見られているかを把握し、査定時の受け答えに役立てましょう。
築年数と建物の構造・耐震性
建物の価値は築年数の経過とともに低下していきますが、建物の構造によって価値の減少の仕方が大きく異なります。
木造の戸建て住宅は法定耐用年数が22年と定められており、一般的に築20年を超えると建物の市場価値はほぼゼロに近い水準まで下落します。
一方、マンションに多い鉄筋コンクリート造(RC造)は、耐用年数が47年と長いため、築20年が経過しても資産価値が維持されやすい傾向にあります。
また、耐震基準も見逃せないポイントです。
1981年6月1日以降の建築確認を受けている「新耐震基準」の建物は買主からの需要が高く、査定でも高く評価されます。
2026年現在は住宅の省エネ性能に対する関心も高まっているため、断熱リフォームの実績や性能証明書がある場合はしっかりアピールしましょう。
室内の設備や外装の状態
建物の日常的な管理状態やメンテナンスの有無は、査定額に影響します。
具体的には、以下のようなポイントを重点的に見られます。

手入れが行き届いていることが伝われば、担当者も「売り出しやすい物件」と判断し、前向きな査定額を算出しやすくなります。
土地の形状や接道状況
戸建てや土地の査定では、敷地のコンディションも大きく影響します。
以下のような特徴を持つ土地であれば、利用価値が高いため高額査定になりやすいです。
|
・正方形や長方形の整形地 |
対して、三角形などの不整形地や、敷地の奥に細い道路が伸びる旗竿地は使い勝手が劣るため査定額が下がる傾向にあります。
さらに重要なのが「接道状況」です。
建築基準法では、家を建てるために「接道義務(幅員4m以上の道路に敷地が2m以上接していなければならない規定)」が定められています。
この基準を満たしていない「再建築不可物件」は、現在の建物を解体しても建て替えができないため、通常の相場よりも大きく評価が下がります。
周辺環境や立地
建物だけでなく、その物件が建っている環境の利便性や住環境の良さも評価軸です。
最寄り駅からの距離だけでなく、急行や快速が停車するか、ターミナル駅へのアクセスが良いかといった交通利便性は価格を大きく左右します。
また、以下のような施設が周辺にある地域は、ファミリー層からの需要が高く、査定でも評価されやすいです。
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・スーパーマーケット |
一方、下記のような施設が周辺にある場合は、購入希望者から敬遠され、査定額が下がる傾向があります。
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・工場 |
住宅ローンの残債
住宅ローンの残債そのものが物件の物理的価値を下げるわけではありませんが、売却計画を成立させる上で不動産会社が必ず確認する項目です。
不動産を売却して買主に所有権を移転するためには、金融機関の抵当権を抹消しなくてはなりません。
そのため、査定額で住宅ローン残債を完済できるか、それとも残債が上回る「オーバーローン」の状態になるかを把握することは必須です。
【図解:オーバーローンとは】

もしオーバーローンになる場合は、手持ちの自己資金で不足分を補填できるか、あるいは「買い替えローン」や「任意売却」などの別の選択肢を検討することになります。
スムーズな売却提案を受けるためにも、ローンの残高証明書などを手元に用意し、残債の正確な金額を担当者に伝えましょう。
不動産売却の査定依頼から売買契約までの流れ
不動産の査定から売却のパートナーを決定するまでは、大きく4つのステップで進みます。
全体の流れをあらかじめ把握しておくことで、余計な時間をかけずに落ち着いて売却活動をスタートさせることができます。

STEP1.物件情報を整理して一括査定を申し込む
まずは、所有している不動産の情報を整理した上で、不動産一括査定サイトから査定を依頼しましょう。
申し込みフォームには、物件の所在地、面積、間取り、築年数、売却希望時期などを入力します。
手元に購入時の売買契約書や登記識別情報通知(権利証)などを用意しておくと入力がスムーズです。
ここで多くの方が不安に感じるのが「申し込み後の営業電話」です。
これを防ぐために、申し込みフォームの「備考欄(自由記入欄)」を有効に活用してください。
備考欄に以下のような希望を明記しておくことで、業務中やプライベートの時間を妨げられるリスクを大幅に減らすことができます。
・「平日の日中は仕事中のため、連絡はすべてメールでお願いします」
・「相場把握が目的のため、現段階での電話連絡は控えてください」
・「電話連絡が可能な時間帯は、土日の○時~○時のみとなります」
STEP2.簡易査定やAI査定の結果を比較し、訪問査定の依頼先を絞り込む
簡易査定やAI査定を依頼すると、早ければ即日、遅くても2~3日以内には各社からメール等で査定結果が届きます。
各社から届いた結果を比較する際は、以下の点に着目しましょう。
・各社が提示した査定額
・査定結果の通知スピードと、メール文面の丁寧さや誠実さ
・近隣の成約データや具体的な算出根拠
金額を見るだけでなく、売主の希望に真摯に向き合っている姿勢が感じられる会社を2~3社程度に絞り込み、次の訪問査定を依頼します。
STEP3.訪問査定を受け、査定結果を確認する
訪問査定の日程を調整し、実際に担当者を自宅に迎えて現地調査を実施してもらいます。
当日の訪問査定にかかる時間は1時間程度が目安です。
この際、担当者は部屋の隅々や外回り、周辺の道路環境などを確認します。
立ち会いの際は、住んでいる人にしかわからないアピールポイント(日当たりや風通しの良さ、収納の使い勝手など)をしっかり伝えましょう。
同時に、雨漏りやシロアリ被害などの不具合も正直に伝えます。
訪問査定から1週間前後で、正式な査定結果が届きます。
机上査定の金額からどう変化したのか、その理由を担当者から詳しくヒアリングしましょう。
STEP4.信頼できる不動産会社と媒介契約を結ぶ
届いた査定結果と提案内容を吟味し、最終的に売却活動を任せる不動産会社を決定します。
この会社選びこそが売却の成否を握る最大のポイントです。
査定額の高さだけでなく、「担当者の対応力」「提示された販売戦略の具体性」「査定根拠の説得力」を総合して、最も信頼できるパートナーを選んでください。
会社が決まったら、売却の仲介を依頼する「媒介契約」を締結します。
媒介契約には以下の3つの種類があります。

どの媒介契約が適しているかは、物件の条件や売却希望期間によって異なります。
担当者と相談しながら、最適な契約形態を選んで本格的な売却活動をスタートさせましょう。
不動産査定に関するよくある質問(FAQ)

不動産売却の査定を申し込むにあたって、多くの方が抱く共通の疑問があります。
「売らなくてもいいのか」「営業がしつこくないか」といった不安を解消しておくことで、より心理的なハードルを下げて査定に臨むことができます。
ここでは、不動産売却時の査定で特によくある質問にお答えします。
不動産売却の査定は何社に依頼するのがおすすめ?
机上査定は3~5社、訪問査定は2~3社に依頼するのがベストです。
1社だけの査定では、その金額が相場に対して高いのか低いのかを客観的に判断することができません。
最低でも3社程度を比較することで、所有物件の「現実的な相場の幅」が見えてきます。
ただし、一度に10社など多すぎる会社に依頼してしまうと、メールや電話のやり取りに追われてしまい、比較検討する作業自体が大きな負担になってしまいます。
まずは3~5社程度の一括査定から始めることをおすすめします。
査定前に掃除やリフォームは必要?
大がかりなリフォームは不要ですが、水回りの掃除や片付けは行っておくことをおすすめします。
不動産会社の担当者は物件の構造や立地、築年数を重視して査定するため、数十万円から数百万円をかけて表層的なリフォームを行っても、その費用分を査定額に上乗せして回収できるケースはほとんどありません。
一方で、室内の生活感や整理整頓は担当者の心象にプラスの影響を与えます。
特に水回り(キッチン、浴室、トイレ)を清潔にしておくだけで、「これまで大切に維持管理されてきた物件」という印象を与え、前向きな評価に繋がりやすくなります。
査定だけ依頼して売らなくても大丈夫?
まったく問題ありません。
査定を依頼したからといって、必ず売却活動に進まなければならないという義務は一切ありません。
実際に査定結果を確認した上で、「手残りが思ったより少ないので今は売らない」「あと数年は住み続けてから再検討しよう」と判断される売主はたくさんいらっしゃいます。
不動産の査定は、大切な資産の現在の価値を確かめるための手段です。
将来のライフプランを立てるための情報収集として、気軽に活用していただいて構いません。
査定結果が出るまでにかかる期間はどれくらい?
査定の方法によって大きく異なります。
それぞれの目安となる期間は以下のとおりです。
・AI査定:入力完了後、数秒~数分
・簡易査定(机上査定):申し込みから即日~3営業日程度
・訪問査定:現地調査から1週間~2週間程度
住み替えの期日が決まっているなど売却を急いでいる場合は、早めに簡易査定を依頼し、迅速に対応してくれる会社へ訪問査定の日程を打診しましょう。
査定後のしつこい営業電話を止めるにはどうすればいい?
曖昧な返事をせず、「他の会社と契約したので、今後の連絡は不要です」とはっきり伝えることが最も効果的です。
不動産会社の担当者は、見込み顧客であると判断している間は連絡を続けますが、すでに他社と契約が成立したとわかれば、それ以上の連絡を諦めます。
着信拒否や居留守を使うと、状況を確認するためにかえって連絡が長引くことがあるため、断りの意思を明確に伝えましょう。
もし、自分で直接断るのが苦手な方や、それでも連絡が止まらない場合は、当サイト「イエイ」が提供している「お断り代行サービス」の利用をおすすめします。
専門スタッフがあなたの代わりに不動産会社へお断りの連絡を代行します。
これにより、心理的なストレスを感じることなく、自分に最適な不動産会社選びに集中することが可能になります。
匿名や電話なしで査定を受けることはできる?
相場を把握する程度であれば可能です。
個人情報を明かさずに査定額を知りたい場合は、匿名査定機能や、各社が提供するAI査定シミュレーションを利用すれば、電話番号を登録せずに概算価格を確認できます。
ただし、これらは過去の取引データをもとにした簡易的な算出に過ぎないため、実際の成約価格とは開きが生じやすい点に注意が必要です。
精度の高い簡易査定や訪問査定を受けたい場合は、一括査定サイトの申し込み時に備考欄へ「連絡はメールのみ希望」と明記することで、電話対応の負担を最小限に抑えながら査定結果を受け取ることができます。
【まとめ】複数社の査定を比較して安心できるパートナーを見つけよう

不動産売却を成功させるための第一歩は、現在の正しい市場価値を把握し、信頼できる不動産会社を見つけ出すことです。
査定を成功に導くための要点を振り返りましょう。
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・査定額はあくまで売却目安であり、成約を保証する金額ではない ・「一番高い査定額」に惑わされず、提示された根拠と手残り金を確認する ・査定方法の特性を理解し、机上査定から訪問査定へと段階を踏んで進める ・1社だけで即決せず、必ず複数の不動産会社を比較検討する |
不動産会社によって、得意なエリアや物件種別は異なります。
最初から1社に絞り込んでしまうと、相場より安く買い叩かれたり、販売力不足で売れ残ってしまったりするリスクが高まります。
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大切なマイホームを納得のいく価格で手放すために、まずは「今の家がいくらになるのか」を確かめることから始めてみてはいかがでしょうか。










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