売却を検討している土地や建物が都市計画事業の計画区域であった場合、売主は購入者に対してそのことを説明する義務があります。とはいうものの、都市計画事業とは具体的にどういうものなのか、今ひとつよくわからないという人も多いでしょう。そこで、都市計画事業についての詳細について詳しく解説します。

そもそも都市計画事業とは

都市計画業は都市計画施設や宅地の整備事業を都道府県都知事の承認のもと行う

都市計画事業とは、都道府県知事の承認の元において行われる都市計画施設や宅地の整備事業のことです。都市計画施設とは道路や公園、水道、下水道など都市計画法第11条に掲げられている都市施設を指します。都市計画事業には大きく分けて「都市開発事業」と「市街地開発事業」の2種類あります。

所有している土地が都市計画事業の区域内に含まれた場合、事業地内での建築、土地の形質の変更等にあたっては都道府県知事や市町村長の許可が必要になります。そのほか、売却に際しても都道府県知事等への届出が必要になり、施工者は土地の所有者はその土地を先買いすることができるようになります。

所有者側から施工者に対して土地の買い取りを請求することができます。また、都市計画事業に基づいた土地の利用や建築物の建築が行われる場合、国土交通省所管の各種補助金が交付されることもあるのが特徴です。

都市計画事業の施工者は、多くの場合市町村などの地方自治体ですが、民間の事業者が地方自治体などから施工を委託するケースもあります。

認可されることで受ける制限とは?

都市計画事業が行われる大まかな流れを確認しておきましょう。

  • 都道府県知事によって都市計画事業の予定区域が選定
  • 都市計画が決定
  • 計画が都道府県知事や市町村長によって認可
  • 公示がなされ実際に工事が始まる

という流れです。

都市計画事業区域の制限

都市計画事業区域で受ける制限は、どの段階にあるかによって異なってきます。

都市計画事業の予定区域として選定されただけの段階では「土地の形質変更」と「建築物の建築、その他工作物の建設」において都道府県知事や市町村長の認可が必要となります。この段階では、非常災害のための応急な措置などの場合には認可は必要ありません。

その後、実際に計画が実行されることが決定すると、施工予定者が決まっていない場合と決まっている場合とで制限内容が変わります。まだ施工予定者が決まっていない場合には「土地の形質変更」と「建築物の建築、その他工作物の建設」において認可が必要となるだけでなく、非常災害のための必要な応急措置として行う行為についても認可を受ける必要があります。

しかし認可がおりない場合も

一方、施工予定者が決まっている場合には認可の必要はありません。

都市計画事業が計画倒れにならず、実際に工事が開始されると建築制限はさらに厳しいものになります。というのは、「土地の形質変更」と「建築物の建築、その他工作物の建設」に加えて「5トンを超える物件の設置または堆積」についても認可が必要になるためです。

さらに非常災害のための必要な応急措置として行う行為の場合も認可を受けなければならなくなります。

都市開発事業は3種類ある

都市計画事業のなかでも、都市開発事業は「民間開発事業」と「都市開発事業」「都市開発施設特許事業」の3つに分けることができます。

民間開発事業

民間開発事業は、国土交通省による市街地のまちづくり活性事業です。この事業は「民間都市開発の推進に関する特別措置法」に基づいて行われます。この場合の民間事業者には、国や地方自治体のほか、特別な法律によって設立された法人を除くすべての法人が含まれます。

都市開発事業

都市開発事業は、道路や公園、水道などの整備に関する事業です。原則として2,000平方メートル以上の区域がこの事業の範囲となります。

都市開発施設特許事業

都市開発施設特許事業は、都市計画施設のうちで都道府県知事の認可を受けて建設される事業です。都市計画施設とは、道路や公園といった都市のインフラとして欠かせないもののほか、学校や病院、火葬場などが含まれます。

市街地開発事業とは

市街開発事業では地方公共団体などが公共施設や住宅地などの整備を行う

市街地開発事業とは、都市計画法12条1項に基づき地方公共団体などが公共施設や住宅地などの整備を行うものです。市街地開発事業には7種類あります。最も一般的なものとしては「土地区画整理事業」が挙げられるでしょう。

新都市基盤整備事業は大都市やその周辺の都市における人口集中と宅地需給の緩和を目的として行われる事業です。工業団地造成事業は、都市圏の均衡や近畿圏において工業団地の造成を都市計画事業として行うものを指します。

住宅に対する需要が著しく多い地域においては新住宅市街地開発事業が行われることがあります。この事業は1ヘクタールあたり80人から300人を基準とし、6,000人から1万人が居住することができる地区を形成するというものです。実際の適用例としては多摩ニュータウンや千葉ニュータウンなどが挙げられます。

そのほか、都市再開発法に基づいた市街地再開発事業や大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法に基づく住宅街区整備事業もあります。密集市街地整備法に基づき、火災などの災害を防ぐ目的で行われる防災街区整備事業も市街地開発事業のひとつです。

土地区画整理事業とは

土地を売却する際、注意しなければならないのが土地区画整理事業です。土地区画整理事業は市街地開発事業のひとつです。一定の区域内の土地について、道路や公園などの公共施設と周辺の宅地等を一体的に整備し、区画を調えます。

主な目的

土地区画整理事業には、民間の施工者や地権者と施工者が共同で設立した土地区画整理会社が施工を行う民間の施行と、都道府県や市町村のほか、国土交通賞などが施工を行う公的施行の2種類があります。最も一般的な例としては、災害の復興を目的としたものが挙げられますが、そのほかにも駅前広場の開発や道路幅員の狭い既成市街地などの場合に適用されることも多いです。

施工完了までが長く大規模

土地区画整理事業の特徴としては、計画の開始から実際に施工が終了するまで長い年数を要することが挙げられます。実際に計画が策定されると、施工の完了まで少なくとも5年から10年はかかります。20年以上の時間を要する大規模な区画整理事業もあります。

そのため、もしも売却を検討している土地が土地区画整理事業の計画区域内であった場合、その土地は将来的に面積が減少してしまう可能性が出てくるのです。また、精算金の徴収や交付といった可能性も出てきます。そのほか、計画区域内であった場合には、すでに説明したように建築制限が発生します。

土地を売却する際には、買主に対してそのことをしっかり説明しておく必要があるでしょう。

【土地売却検討者必見!土地区画整理事業で生まれる保留地とは?】

都市計画道路とは

都市計画道路は既存の道路の拡張や新たな路線を作る際に設定される道路の事業計画

都市計画道路とは、既存の道路の拡張や新たな路線を作る際に設定される道路の事業計画です。

制限があるものの緩和されている地域も

都市計画道路は、まず都道府県や市町村などが計画を打ち出し、その範囲が正式に決定することから始まります。この段階では、仮に所有している土地が計画区域内であったとしても建物を建築して売却することが可能です。ただし、地下室と階数3階以上の部分は設けてはならないという制限があるので注意が必要です。

とはいうものの、バブル崩壊以降は計画が決定していながら実行されないままになっていることも多く、地域によっては建築条件が緩和されている場合もあります。

区域内の場合はきちんと購入者に説明を!

都市計画道路区域は、まだ計画段階の状態であればある程度自由に土地利用することが可能です。しかし、計画が実行段階になれば土地の買収が始まり、建物を新規に建築することもできなくなります。

不動産の売却をする場合、もしもその土地が都市計画道路の区域内に入っている場合には、その旨を購入者に対して説明する必要があります。いつごろ計画決定がなされ、現在の進捗状況はどの程度で、最終的にどのような形状の道路ができるのかということをあらかじめ把握しておくことが大切です。

また、計画の実行が既に決定しているにもかかわらず、そのことを隠したままで売却する、あるいは計画が実行されることはないなどとして購入者を説得することは後々トラブルになる可能性があるので気をつけましょう。

周辺地域が都市計画道路の区域内である場合も説明が必要!

所有している土地が都市計画道路の計画区域内になっている場合、購入者にはその旨を説明しておく必要があります。これは施工期日がすでに決定している場合だけでなく、事業の実施が未定の場合でも変わりません。計画決定から数十年放置されている場合でも、しっかり説明しなければならないのです。

問題は所有している土地の周辺地域が計画区域内であった場合です。売却する側からすると、対象の敷地に影響を及ぼす可能性が低いのであれば説明する必要はないと考えがちですが、その都市計画道路が幹線道路であった場合には騒音などが問題になりますし、高架であれば圧迫感や眺望、日照といった面で問題が起きることがあります。

所有する土地が都市計画道路の計画区域内になっている場合は購入者にその旨を説明する必要がある

周辺地域が都市計画道路の計画区域内であることが、売却する土地の住環境にどれだけの影響を及ぼすかどうかは購入者の主観によると言えます。

とはいうものの、所有している土地からどれだけの距離が離れていれば説明が不要なのかといったことの明確な線引きはできません。購入者とのトラブルを避けるためには、自分の所有している土地だけでなく周辺地域が都市計画道路の計画区域となっているかどうかをあらかじめ把握しておくことが大切だと言えるでしょう。

一般的には、約半径200m圏内について調べておくと安心だといわれています。

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トラブルを避けるためにも専門家に相談しよう!

 不動産の売買に関しては、都市計画法はもちろんのこと、さまざまな法律について把握しておくことが大切です。所有している土地に建物を建てる際にもさまざまな制限がかかってきますし、とりわけその土地が土地区画整理事業や都市計画道路の区域内であった場合には、契約前に購入者に対して正しく説明しておかなければトラブルに発展しかねません。

そのようなことから、所有している土地が都市計画事業の区域内に含まれている場合には、個人間で売買の取引をすることは避けたほうがよいでしょう。まずは信頼できる不動産会社や不動産鑑定士など、専門家に相談するのがおすすめです。