土地の価格が高いのか安いのかを判断するうえで欠かせない指標が「坪単価」です。

坪単価を理解しておくことで、広さの違う土地でも適正な価格かどうかを比較しやすくなり、売却を進める際の大きな判断材料になります。

しかし、坪単価は単に「1坪あたりの価格」を表すだけでなく、計算方法や㎡単価との違い、土地の形状・立地・都市計画法など、価格に影響するポイントを正しく理解しておかないと、実際の土地価値を見誤ってしまうこともあります。

本記事では、坪単価の基本的な意味や計算方法・注意点などをわかりやすく解説します。

これから土地を売却しようと考えている方は、ぜひ坪単価の基礎知識を押さえて、納得のいく価格で取引を進めるための参考にしてくださいね。

坪単価とは?売却で知っておきたい基礎知識

そもそも坪単価とはどのような意味があるのでしょうか?

ここでは、売却で知っておきたい坪単価の基礎知識や、計算方法についてご紹介していきます。

坪単価の意味

坪単価で押さえておきたいポイントのイメージ画像

土地の価格が高いのか安いのかを判断する際に、基準としてよく使われるのが「坪単価」です。

「坪単価」とは、土地価格を「1坪あたりの金額」で示した指標のことを指します。

この坪単価を用いることで、広さの異なる土地でも価格を比較しやすくなるのです。

また、過去の成約事例や、近隣エリアの類似物件の坪単価と照らし合わせることで、「この土地の価格が適正かどうか」を判断する材料にもなります。

そのため、土地の売買を検討する際は、坪単価を把握しておくことが、納得できる取引につながる重要なポイントと言えるでしょう。

坪単価の計算方法

坪単価の計算方法は

「土地の総額÷面積(坪)」

で求めることができます。

坪単価の計算方法のイメージ画像

「土地の総額」とは、仲介手数料や税金などの諸経費を含まない土地そのものの価格のことを指します。

坪単価を正しく算出するためには、土地の総額や面積の情報が正確であることが重要です。

情報が不正確だと、計算された坪単価も適切な判断材料になりません。

また、坪単価はあくまで簡易的な目安であり、土地の形状がいびつだったり、立地条件が良くない場合には、実際の土地の価値が大きく変動することがあります。

近年は「㎡単価」が使われることが多い 

不動産の取引で土地の広さや価格を示す際、近年では「㎡単価(1平方メートルあたりの価格)」が使われることが多いです。

日本ではこれまで土地の面積を「坪」で表す習慣が長く続いてきましたが、世界的には「㎡」が標準です。

そのため、正式な書類や契約書では「㎡」を用いるのが基本となっています。

一方で、広告や営業の現場では、今でも「坪単価」がよく使われています。

これは、坪の方が土地の広さを直感的にイメージしやすく、初心者でも価格感をつかみやすいためです。

たとえば、「この土地の坪単価は50万円ほどです」と言われると、面積に応じたおおよその価格が頭に入りやすくなります。

㎡単価を坪単価に換算する方法

㎡単価 × 3.30578

これは、1坪がおよそ3.3㎡に相当するためです。

例えば、㎡単価が 12万円 の土地の場合、
坪単価は 約39.7万円(12万円 × 3.30578)となります。

上記のように計算することで、坪単価をベースに土地価格の目安を把握することができます。

広告や営業担当者の話を理解したり、土地選びの参考にしたりする際に便利です。

注文住宅の建築費における坪単価とは?

注文住宅でも「坪単価」という言葉が使われます。

これは1坪あたりの建築費を表す指標で、「建築坪単価」とも呼ばれます。

ハウスメーカー間や仕様の比較に使われますが、土地の坪単価とは異なり、単純に比べることはできません。

建築坪単価は一般的に、「本体価格÷延床面積」で算出されます。

しかし、ハウスメーカーによって本体工事に含まれる範囲や、延べ床面積に含まれる部分(バルコニーやポーチなど)が異なるため、計算方法に違いがあります。

そのため、坪単価を比較する場合は、「どこまでを計算に含めているか」を確認することが重要です。

坪単価は、延床面積が広いほど安くなる傾向があります。

理由は、水回りなどの設備費は家の広さに関わらず一定で、広い家では1坪あたりの費用が分散されるためです。

つまり、坪単価は家の広さや仕様によって変わるため、 同じ単価をそのまま適用できるわけではない ことを覚えておきましょう。

全国の坪単価相場を確認しよう

全国の坪単価の相場のイメージ画像

土地の坪単価は、都道府県ごとに大きな差があります。

土地を購入したり売却したりするときは、まず「全国平均の相場」と「自分が気になる地域の相場」を比べることで、おおよその価格感をつかむことができます。

ただし、都道府県ごとの坪単価はあくまで県全体の平均値です。

同じ県内でも市区町村や駅までの距離、周囲の環境によって土地の価は大きく異なる場合があります。

より正確な相場を知りたいときは、条件の近い売出事例を調べたり、不動産会社に査定を依頼したりすることがおすすめです。

全国平均坪単価(2025年):土地価格 32.21万円/坪

都道府県坪単価一覧(2025年)

都道府県

坪単価(/坪)

北海道

17.23万円

青森

7.54万円

岩手

10.99万円

宮城

22.22万円

秋田

7.39万円

山形

9.54万円

福島

9.19万円

茨城

8.07万円

栃木

9.64万円

群馬

9.44万円

埼玉

31.07万円

千葉

31.37万円

東京都

203.24万円

神奈川

76万円

新潟

12.34万円

富山

9.16万円

石川

15.5万円

福井

11.88万円

山梨

7.48万円

長野

9.25万円

岐阜

10.56万円

静岡

21.59万円

愛知

37.48万円

三重

7.77万円

滋賀

13.58万円

京都

75.76万円

大阪

64.98万円

兵庫

40.19万円

奈良

20.42万円

和歌山

11.75万円

鳥取

8.77万円

島根

7.46万円

岡山

18.34万円

広島

37.88万円

山口

10.01万円

徳島

13.19万円

香川

13.59万円

愛媛

17.33万円

高知

19.88万円

福岡

33.81万円

佐賀

8.93万円

長崎

12万円

熊本

15.37万円

大分

14.8万円

宮崎

10.23万円

鹿児島

16.18万円

沖縄

29.76万円

土地の坪単価を自分で調べる方法

土地の坪単価を自分で調べる方法のイメージ画像

土地の坪単価を知りたいときは、自分で調べることも可能です。

ここでは、誰でもできる「土地の坪単価の調べ方」をわかりやすく紹介していきます。

【土地の坪単価の調べ方】
・公的価格を参考にする
・不動産ポータルサイトを参考にする
・複数の不動産会社に査定を依頼する

公的価格を参考にする 

土地の単価を知りたいと考えたとき、参考になるのが公示地価・基準地価・路線価です。

これらはいずれも国や都道府県が公表している公的価格と呼ばれるものです。

それぞれの項目について詳しくご紹介していきます。

ただし、公示価格や路線価は土地価格の目安にはなりますが、実際にその物件が市場で取引された価格とは必ずしも一致しません。

土地の価格は日々変動するため、実際の取引情報を踏まえて判断する必要があります。

そのため、下記で紹介する
・不動産ポータルサイトを参考にする
・複数の不動産会社に査定を依頼する

などの方法についても参考にしてみてください。

公示地価

公示地価は、国土交通省が毎年発表している土地の価格のことです。

不動産鑑定士が選んだ標準的な土地について「1月1月時点の1㎡あたりの正常な価格」を示したものになり、土地を売買する際の相場を把握するための基準の一つでもあります。

また、土地の売買の目安としてだけでなく、固定資産税の評価額を計算する上でも参考にされているなど、多方面で活用されているのです。

公示地価は、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」で自分で簡単に調べることが可能です。

出典:国土交通省ウェブサイト

基準地価 

都道府県が「7月1日時点の土地の価格として」公表しているのが、基準地価です。

この基準地価では、公示地価ではカバーしきれない地点の価格を知ったり、1月1日以降の半年でどのように価格が変動したかを見たりするのに役立ちます。

基準地価も公示地価と同じように、不動産鑑定士が選んだ標準的な土地を評価したものです。

また、基準地価は実際の不動産の取引だけでなく相続税や贈与税の評価額を計算する際の参考に使用されていたりします。

基準地価は、各都道府県のホームページで調べることが可能です。

路線価 

国が公表している地価としては、毎年1度国税庁が公表している「路線価」があります。

道路に面した土地1㎡あたりの価格を示し、公示価格のおおむね8割が目安とされています。

路線価は同じ道路に接する宅地を一定の単価で評価するため、実際の土地ごとの細かな特徴までは反映されないのが特徴です。

奥行や形状の違いを調整するために、奥行補正率や不整形地補正率などを用いて計算します。

市街地では多くの道路に路線価が設定されているため、土地相場を把握する参考になります。

ただし道路の向きや個別の条件で実勢価格は大きく変わるため、あくまで「目安」として利用することが重要です。

公示価格と比較しながら確認すると、より実態に近い価値を把握できます。

不動産ポータルサイトを参考にする 

一般の人が相場を調べる方法として、不動産ポータルサイト※の売出し事例を見るのが手軽です。

近隣の平米単価・坪単価を確認すればおおよその目安はつきます。

ただし、売出価格は実際の成約価格とは異なり、詳細な住所や土地の個別状況が分からないケースも多いため制度には限界があります。

※不動産ポータルサイトとは?
複数の不動産会社が登録し、それぞれの会社の物件情報を掲載しているWebサイトのこと。

複数の不動産会社に査定を依頼する 

より、正確に相場を把握したい場合は、複数の不動産会社に相談するのが有効です。

不動産会社は日々の取引データに加え、レインズ※で成約価格も確認できるため、「このエリアは坪50万円前後」など、より実態に近い相場を教えてくれます。

周辺の成約事例、土地の形状・接道・日当たり・需要などを総合的に評価して査定額が算出されます。

そのため、複数社から査定を取り、説明を比較すれば、より信頼性の高い実勢価格を把握できるでしょう。

複数社から査定依頼を受けたい場合は、ぜひ当サイトの不動産一括査定サービス【イエイ】をご利用ください!

【イエイ】では、所有している物件の情報を入力するだけで複数の会社に簡単に査定依頼ができます。

「売却を検討している家の査定を依頼したい」という方は、ぜひ【イエイ】を活用して、安心して任せられる不動産会社を探してみてくださいね。

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※レインズとは?
不動産会社だけが使える物件情報のこと。
全国の不動産会社が売却物件・購入希望者情報を共有するためのネットワークで、国土交通省が指定した期間が運営している。

坪単価を見る際に気を付けること 

坪単価を見る際に気を付けることのイメージ画像

上記では自分で土地の坪単価を調べる方法をご紹介しましたが、坪単価を見る際に気を付けておくべき事もあります。

ここでは、坪単価を見る際に気を付けた方がいいことをご紹介していきますよ。

【坪単価を見る際に気を付けること】
・土地の形や周辺状況による価格の違い
・地盤の強さ
・都市計画法上の制限

土地の形や周辺状況による価格の違い 

土地の坪単価は、土地の形や周辺環境によって大きく変わります。

例えば、きれいな四角形の整形地は家を建てやすく、土地を無駄なく利用できます。

そのため、人気が高く価格も比較的高めになる傾向があります。

一方、形がいびつな土地は使える面積が限られ、建物を建てにくいため、価格が下がりやすくなります。

また、道路に面している土地はアクセスや利用のしやすさから評価が高くなる傾向がありますが一方で、道路に接していない袋地の場合は利用に制限があるため、坪単価は低めになりがちです。

そのため、土地の広さが同じであったり、近隣のエリアにある土地でも上記のような条件によって、土地の価格には差が出てしまう場合もあります。

土地の評価が高くなるケース

・整形地
・道路に面している土地

 土地の評価が低くなるケース

・いびつな土地
・袋地

 地盤の強さ 

土地を売却する際に、気を付けたいのが「地盤の弱さ」です。

もし地盤が弱い土地だと、家を建てる前に土地の強度を高めるための「地盤改良工事」を行う必要がでてきます。

その場合、工事費用が追加で発生するので、買主から土地の価格交渉が入る可能性もありますし、なかなか売れないという事態にもなりかねません。

土地の地盤を調べたい場合は「地盤調査」を専門業者に依頼することで、正確に調べることができます。

都市計画法上の制限 

土地の価格を大きく左右する重要な要素の一つが「都市計画法(法律上の制限)」です。

都市計画法とは、国や自治体が街づくりや土地の利用を計画的に進めるための法律です。

この法律により、その土地に「どんな種類の建物」を「どのくらいの大きさ」で建てられるのかが、細かくルールで決められています。

これにより、土地の売却に以下のような影響が出る可能性もあります。

①土地の利用目的が狭まる

 ・住宅、商業私設、工場など、土地に建てられる建物の種類が制限される場合があります。

 ・例:住宅しか建てられない地域に工場を建てることはできません。

②建物の高さや建ぺい率に制限

・建物の大きさや形を制限するルールがあります。

 

・例:高さ制限や敷地の何%まで建物を建てられるか(建ぺい率)など。

③売却価格や需要に影響することも

・利用できる建物の種類や規模によって、土地の価値や買い手の希望が変わります。

 

・都市計画法で制限されている土地は、建物の自由度が低いため価格が下がる場合もあります。

【売却前に確認しておきたいこと】
・土地がどの用途地域に属しているか
・建ぺい率・容積率・高さ制限などの規制
・道路や建築制限があるかどうか

これらを事前に確認することで、売却価格や購入希望者への説明がスムーズになります。

坪単価は価格の妥当性を判断する重要な指標

坪単価は価格の妥当性を判断する重要な指標であることのイメージ画像

土地の売却や購入を検討するうえで、「坪単価」は価格の妥当性を判断する重要な指標です。

坪単価を知っておくことで、異なる広さの土地でも比較しやすくなり、売却価格が適正かどうかを見極める材料になります。

ただし、坪単価はあくまで目安であり、土地の形状・接道・用途地域・周辺環境などによって実際の価値は大きく変わります。

そのため、坪単価を見るときは

・土地の広さや整形/不整形
 ・道路付け、周辺環境
 ・公示地価や路線価との比較
 ・地域ごとの相場差

などを総合的に判断することが大切です。

また、公的価格や不動産ポータルサイトを参考にすると概算の相場はつかめますが、実際の成約価格とは差がある場合もあります。

より正確な価格を知りたい場合は、複数の不動産会社に査定を依頼し、説明を比較することが最も確実です。

当サイトが提供する不動産一括査定サービス【イエイ】なら、物件情報を入力するだけで複数社から査定を受けられ、実勢に近い坪単価や売却額が分かります。

土地の売却を少しでも検討している方は、ぜひ活用して信頼できる不動産会社を見つけてみてくださいね。
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