家やマンション・土地など不動産を売却する際にかかってしまう費用はどれくらいでしょうか?項目別にまとめ、参考金額を上げて分かりやすく説明していきます。
この記事の目次
どんな場合でもかかる不動産売却の諸費用
実は不動産の売却額がそのまま手取り額という訳にはいきません。
不動産を売却すると発生する税金や諸費用を差し引いた金額が手取り額になります。 一般的には買う時ほどはかからないという印象があると思いますが、売却取引の際、普段接することのない税金や言葉が多いのでここで解説していきたいと思います。
どんな場合でもかかる不動産売却の諸費用一覧
1.印紙税
これは皆さんも普段、ちょっとした買い物をした時に領収書なんかに印紙を貼られていることがあると思います。
例えば、ブティックで3万円のバッグを買った時、領収書には200円の収入印紙が貼られています。 これと同じように不動産を売るあなたが、例えば持っている土地を2,500万円で売った場合にも、1万円の印紙税を払って印紙を貰い契約書に張り付けが必要になります。
つまり、バッグも土地も印紙代(印紙税)は売った側が負担することになる訳です。
2.仲介手数料
厳密にいえば必ずかかるものではありません。でもほとんどの場合、売却時に自分自身でその売却物件を買える方々を探すのは困難です。 売却する場合にはほとんどの方が不動産屋さんへ行き、相談の上仲介をお願いすることになります。
そうすることによってあなたの物件は、売却物件(売り物件)として業者間で物件情報が発信され、物件を購入したいさまざまな方に紹介され、成約へと導かれるのです。
その際、仲介業者とは「媒介契約」というものを交わします。この「媒介契約」には3種類あり
2.専任
3.一般
という1から契約を交わす仲介業者に依存度は高い順になっています。
全て媒介契約なので基本的には仲介販売する事には変わりはありませんが、不動産流通機構(レインズ)「「Real Estate Information Network System」」というところに契約対象の不動産を
◇専任媒介は7日以内
◇一般媒介は任意
という具合に登録する必要があります。
余談ですがこの不動産流通機構(レインズ)「「Real Estate Information Network System」」は1988年からスタートした不動産仲介業者のネットワークで、インターネットが一般的になる1994年頃よりずっと前から仲介業者はパソコンでこのネットワークを使って全国の物件を検索し、情報交換していました。
なのでどの不動産仲介業者でも、同じ物件の情報を持っているのです。 ただし3種類の「媒介契約」にある通り、任意〜5日間の未登録の時期があり、実はこの期間に仲介業者は何とか決めたい(売りたい)のです。
なぜなら自社の顧客に『Hotな情報』として買っていただければ、売主も買主も自社の顧客なので、両方のお客様から手数料をいただける【両手】の取引が出来るのです。 これをレインズに登録すると、当然ながら物件情報を共有します。
つまり、この物件に他社の営業がお客様を紹介し(客を付けるという意味で客付け業者という)成約すると、この物件の登録をかけた仲介業者は売主である片方からだけしか手数料が入らず、【片手】の取引になってしまいます。
なので不動産仲介業者は「媒介契約」を交わした1週間が最も仕事をしてくれる時期と言えるということです。 少し話がそれましたが、このような販売促進活動や、成約時の契約書作成、重要事項説明調査、書類作成と買い主への説明等に対して仲介手数料が発生します。
仲介手数料は商法の宅地建物取引業法という法律で定められた上限でしか発生しません。 仲介手数料の上限は売買価格の3%+6万円に消費税と決められています。
場合によって必要になる費用
不動産売却の場合、上記の様に必ず発生してしまう費用以外にもお金がかかってしまう場合があります。
場合によってかかる不動産売却の諸費用一覧
例えば、売却益が出た場合や、不動産の状態や条件によっては必要になる費用をまとめて解説していきます。
1.抵当権抹消登記費用
売却物件を担保にお金を借りていた場合、売却物件を購入する時に購入物件を担保にして住宅ローンを組んでいることは珍しくなく、まだ返し終わっていないということが良くあります。
しかし売却によって一括返済した場合、住宅ローンを借りる時に物件に設定した「抵当権」を全額繰上返済で「抹消」する必要があり、これに費用が発生することを一般的に「抵当権抹消登記費用」と言います。
こういった登記手続きは仲介業者に依頼をすれば、管轄の法務局の周辺の司法書士などを紹介してくれるなどの対応してくれます。 内訳は取引額には関係なく、抵当権が設定されている不動産ひとつにつき、1,000円の登録免許税という税金で支払われます。 土地建物両方に抵当権を設定してある場合、ふたつ分で2,000円となります。
また、抹消登記は基本的に司法書士にお願いすることになり、司法書士に払う費用がおおよそ1万円ほどです。 つまり「抵当権抹消費用」は大体11,000円〜12,000円ということになります。
2.住宅ローンの繰上返済にかかる手数料
上記は法務局という役所に、不動産登記上での借入金の清算が終わったという届け出をした様な手続きでしたが、こちらは借入した金融機関に元々の約束とは違う形で借り入れを返済するので、手間がかかります。 言わばその手間賃なのです。
皆さんが必ずしも銀行から借り入れているとは限りません。 繰上返済の事務手数料は一概には算出できませんが、数千円から5万円ほどで収まると思います。 ただ、正確な金額を出す必要が出てきますので、早めに仲介業者に相談して金融機関に問い合わせてもらう事をオススメします。
3.譲渡益(売却で儲かった金額)に発生する課税
売却が成功した際、高額の一時所得を得ます。 この所得については必ず確定申告をしなければなりません。
その場合、物件を購入した時よりも高く売れると所得税と住民税が課せられます。 逆に購入した時よりも低い価格で売却した場合は免税や還付を受けることもできます。
4.その他、不動産の状況によってかかる費用
例えば、売却しようとしている物件が何年も住んでいない築50年の空き家だったとします。 この場合建物の資産価値はなく、あるだけでマイナス要素となってなかなか売却できません。
そんな場合は建物の解体や整地をして土地として売却をした方がより速く、より高く売れる場合があります。 また、中古のマンションの場合なども染みついた臭いや汚れを嫌う方が多く、リフォーム済みの方が同様に良い場合があります。
築5年、ローン残高2800万円のマンションが2800万円で売れた時の費用例
築5年の比較的新しいマンションがローン残高と同じ額で売れた場合の計算をしてみましょう。仲介業者に依頼した、良くあるケースで試算してみます。
当初、購入時3,500万円を25年返済の予定で借入・抵当権を設定し、5年間払いました。 (実際は金利と借入期間の複雑な計算があるので毎月の通常返済の残債とは異なります) 残債が2,800万円として売却価格が2,800万円とすると、
1.どんな場合でもかかる費用として
2.場合によってはかかる費用として
売却価格と同額の2,800万円が残債なので上記の計算で出た費用の約150万円は赤字となり、この150万円がなければ抵当権の抹消ができず、売買契約は成立しなくなってしまいます。
状況にもよりますが、おおよそ残債よりも5%上乗せした価格で売却できれば諸費用は捻出せずに済むことになります。
不動産業者選びは大事
このように諸費用を考えるとマイナスになることが多い不動産売却、上手に売るにはどうすればいいのでしょうか?
売却してもらう際、一般的に不動産業者に依頼することになります。この時不動産選びを、有名なことや売却物件からの近さなどで決める方は多いのではないでしょうか。
ですが、業者選びにより不動産売却価格は左右されます。 不動産業者にも得意・不得意分野が当然あるためです。ただ、日常的に不動産業者と接点を持たない我々にしてみれば、どこの業者がどんなことを得意としているか全く分かりません。
そのため先ずは、査定により高い値を出すところが自信を持っている(得意分野)という判断基準になります。 しかし、1社1社回り査定を依頼するのはなかなかできません。
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