不動産を売却する際に、たくさんある不動産会社の中からどのようにして依頼する不動産会社を決めたらいいのか、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

不動産を高くスムーズに売却するには、不動産会社選びが重要です。同じ条件の不動産を売却するとしても、依頼する不動産会社が違えば売却までのスピード感や売却価格などにも大きな差が生じます。

本記事では不動産会社選びのポイントや大手と中小の違い、契約方法の種類や注意点などを紹介します。

不動産会社の選び方で重要な5つのポイント

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不動産会社を選ぶ際に重要なポイントは、次の5つです。

  1. 不動産取引の実績が豊富である
  2. 信頼できる担当者がいる
  3. サービス内容が充実している
  4. インターネット広告が充実している
  5. 査定価格の根拠が明瞭である

それぞれについて詳しく解説します。

①不動産取引の実績が豊富である

ひとくちに不動産会社といっても、専門とする業務や得意分野はさまざまです。

不動産を売却したい場合は、不動産売却の仲介を得意とする不動産会社に依頼しましょう。不動産会社を業務別に分類すると、次の表のようになります。

業務内容 業者の種類
不動産の開発 デベロッパー、ハウスメーカーなど
不動産の流通 ハウスメーカー、不動産仲介業者など
不動産の管理 不動産管理会社など

ただし、不動産仲介業者の中でも、物件の種類やエリアによって得意・不得意があります。

マンションの売買に特化している会社や訳あり物件を得意とする会社、特定のエリアでの実績が豊富な会社など、不動産会社によって強みはさまざまです。

売却したい不動産の種類の取引を得意とし、物件のあるエリアでの実績が豊富である不動産会社を選ぶようにしましょう。


②信頼できる担当者がいる

売却をスムーズに進めるためには、悩みや要望に寄り添ってくれるような信頼できる担当者の存在も重要です。

不動産取引に関する資格や豊富な知識をもった担当者が、細やかな提案をしてくれると安心して取引が進められるでしょう。

また、不動産会社は必ず宅地建物取引士が在籍していなければなりません。店舗のわかりやすいところに宅地建物取引士の氏名と免許番号を掲載しなければならないため、確認しておくと安心です。

専門的な知識があり、顧客目線で丁寧に対応してくれる担当者がいるかどうか、相談の段階から見極めておきましょう。

③サービス内容が充実している

不動産会社を選ぶ際は、提供するサービスの内容を比較することも重要なポイントです。不動産を売却する際には、より魅力的に不動産をPRするための手法を取り入れていたり、売れなかったときの保証が充実していたりする不動産会社に依頼できるとよいでしょう。

サービス内容は不動産会社によって多種多様です。参考までに、一般的によくあるサービスの一例を紹介します。

  • 広告に掲載する写真をプロカメラマンが撮影
  • 荷物の一時預かり
  • 家具や小物で物件を美しく演出して売却活動をするホームステージング
  • 一定期間内に売却できなかった場合の買取保証

上記のサービスはあくまでも一例で、オプションとして利用できる場合や対応不可の場合など、不動産会社によって異なります。サービス内容は不動産会社のホームページに記載されている場合が多いので、事前に確認しておくとよいでしょう。

④インターネット広告が充実している

近年はインターネット検索を利用して不動産を探す人が増えているため、インターネット広告に力を入れている不動産会社であれば、売却がスムーズに進む可能性が高まるでしょう

具体的には、写真を多く掲載したり、動画や360°ビューイングを撮影したりするなど、より多くの情報を提供するよう努めている不動産会社を選ぶのがおすすめです。

不動産ポータルサイトや自社サイトに積極的に物件情報を掲載しているか、掲載している内容は充実しているかなどを事前に確認しておきましょう。

⑤査定価格の根拠が明瞭である

査定価格について根拠のある説明をしてくれるかという点は、適切な不動産会社を選ぶ際の重要なポイントです。査定価格は高ければよいというわけではなく、周辺の取引状況や相場をふまえた適正な価格であることが大切です。

根拠もなく相場よりも高額な査定価格を提示された場合、いざ売り出したところでなかなか売れず、最終的には大幅な値下げを提案されるかもしれません。

対して周辺での取引状況をもとに、築年数や面積、立地条件などで類似した事例を交えて査定価格を説明してくれる不動産会社は信頼できるといえるでしょう。

関連記事:家をスムーズに売却するには?不動産会社の選び方とともに詳しく解説

大手不動産会社と中小不動産会社の特徴  

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不動産会社にはさまざまな規模の会社があり、大手と中小のそれぞれにメリットとデメリットがあります。自分に合った不動産会社を選ぶためには、それぞれの特徴を正しく理解しておくことが大切です。

ここでは大手不動産会社と中小不動産会社について、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

大手不動産会社のメリット

大手不動産会社は、ブランド力と一定の信頼感があることが大きな強みです。テレビCMやチラシ、インターネット広告などにより認知度や集客力が高いため、より早く買い手を見つけられるでしょう。

また、大手不動産会社は不動産売却におけるサービスが充実している傾向にあります。ホームステージングやハウスクリーニング、設備の修繕など、売却をサポートしてくれるサービスが充実していると、古い物件でも安心して売却活動ができるでしょう。

大手不動産会社のデメリット

大手不動産会社では、店舗間でスタッフの異動があるため、担当者によってエリアの知見が異なる場合があります。すべてのスタッフが地域の特徴などの情報を十分に理解しているとは限らないと思っておきましょう。ただし、情報の共有やフォロー体制が整っている不動産会社もあるため、実際に相談してみてから判断するとよいでしょう。

また、大手不動産会社は扱う物件数が多いため、需要が少ない物件に対しては売却活動に時間をかけてもらえないケースもあります。なかには自社の顧客リストから売主と買主を見つけ、双方から仲介手数料を得る「囲い込み」をする会社も存在します。囲い込みは売主にとって不利でしかないため、依頼する前に「囲い込みは行わない」か確認しておくとよいでしょう。

中小不動産会社のメリット

中小不動産会社は地域の相場に精通しており、見込み客を抱えている場合も多いことから、地域に密着した売却活動が期待できるでしょう。地域で長く営業している中小不動産会社の場合、地域の特徴や相場などの情報をきちんと把握して適正な価格設定を行える場合が多いです。地域の実情に合った価格設定と売却活動を行えれば、「高すぎて売れない」「安すぎて損をした」といった失敗は少ないでしょう。

また、大手不動産会社では扱ってもらいにくい一見需要が少なそうな物件でも、地域に密着した中小不動産会社であれば売却に応じてもらえることもあります。地元のコネクションや情報網によって、売却成功の期待がもてることもあるでしょう。

中小不動産会社のデメリット

中小不動産会社の中には、大手不動産会社と比べるとインターネットを使った集客を苦手としている会社もあり、宣伝力や集客力は会社によって大きなばらつきがあります。地域に密着した情報量とインターネット広告を駆使して豊富な実績を誇る中小不動産会社もある一方で、店頭に訪れた購入希望者のみを相手にしている会社もあります。

中小不動産会社に依頼する場合は、これまでの実績や営業担当者の対応力などをしっかりと見極めることが大切です。

不動産会社との3つの契約方法

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依頼したい不動産会社が見つかったら、不動産売却における契約方法を正しく理解したうえで契約を締結するようにしましょう。不動産を売却する場合、不動産会社との契約方法には次の3つの種類があります。

  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約
  • 一般媒介契約

ここではそれぞれの契約方法の概要を紹介します。

専任媒介契約

専任媒介契約とは、1社の不動産会社のみに依頼する契約方法です。ただし、不動産会社を介さずに、売主自身が買主を探して直接取引をすることも認められています。

専任媒介契約は、広告費用をかけるなど積極的な売却活動をしてもらいやすいというメリットがあります。また、売主に対して2週間に1回以上の状況報告義務があるため、売主が販売状況を把握しやすいのも特徴のひとつです。

しかし、1社のみに売却活動を任せるため、他社との競争がないことから営業が活発に行われない恐れもあります。依頼した不動産会社の宣伝力や集客力などの力量にも左右されやすい点は、デメリットといえるでしょう。

また、専任媒介契約を締結すると、3ヶ月間は他の不動産会社に依頼できなくなるため、よく検討してから契約するようにしましょう。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、専任媒介契約と同様に1社の不動産会社のみに依頼する契約方法です。しかし、専任媒介契約と違い、売主自身が買主を探して直接取引をすることは認められていません。

ただし、状況報告義務は1週間に1回以上と専任媒介契約よりも頻度が高く、より売主が販売状況を把握しやすいというメリットがあります。そのため、専任媒介契約よりも積極的に売却活動をしてもらいやすい場合が多いです。

一方で3ヶ月間は他の不動産会社に依頼できない点や、他社との競争がない点、依頼した不動産会社の力量に左右されやすい点は、専任媒介契約と同様にデメリットといえるでしょう。

一般媒介契約

一般媒介契約は、複数の不動産会社に対して同時に依頼できる点が大きな特徴です。また、売主自身が買主を探して直接取引することも認められているため、他の契約形態と比べて自由度が高いといえます。

一般媒介契約では複数の不動産会社に依頼できるため、買い手の幅が広がるでしょう。さらに不動産会社間の競争意識が生じることで、売却価格が活発に行われる可能性が高い点もメリットのひとつです。

ただし、状況報告義務がないため、それぞれの不動産会社がどのような売却活動をしているのかが見えにくい点はデメリットといえるでしょう。

不動産会社選びで失敗しないための4つの注意点

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不動産売却の際に、不動産会社選びで失敗しないための注意点は次の4つです。

  1. 自分でも価格相場を調べてから依頼する
  2. 査定価格だけで判断しない
  3. 仲介手数料が安すぎる不動産会社には気をつける
  4. 必ず複数の不動産会社を比較する

それぞれについて詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

①自分でも価格相場を調べてから依頼する

不動産会社に査定を依頼する前に自分で売却相場を調べておくと、不動産会社の査定価格が適切なのかを判断する材料になります。

不動産相場を調べるには、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システムである、レインズマーケットインフォメーションを利用するのが方法のひとつです。

また、不動産ポータルサイトなどで似たような条件の物件の価格をリサーチしておくのもよいでしょう。

②査定価格だけで判断しない

よりよい不動産会社であるかどうかは、査定価格だけでは判断できません。査定価格が高いからといってすぐに契約を決めず、査定の根拠を丁寧に説明してくれるか、濁している部分はないかなど、必ず確認するようにしましょう。

査定価格が高いからよいというわけではなく、査定価格の根拠を確認し、サービスが充実しているか、インターネット広告に力を入れているかなど、幅広い視点で総合的に判断しましょう。

③仲介手数料が安すぎる不動産会社には気をつける

仲介手数料が安すぎる、または無料と謳っている不動産会社は、十分なサービスを提供していなかったり、他の部分で必要以上に費用を請求したりすることがあるため注意が必要です。
本来仲介手数料は、不動産売買の仲介業務に対する報酬として不動産会社に支払うものです。仲介手数料は上限額が法律で定められているため、不当に高額な請求をされることはありません。

仲介手数料の安さよりも、担当者やサービスの質を見て不動産会社を選ぶようにしましょう。

④必ず複数の不動産会社を比較する

不動産会社を選ぶ際には、必ず複数の不動産会社を比較してから決めることが重要です。1つの不動産会社の査定価格のみで決めてしまうと、会社としての対応やサービス内容、担当者の人柄などを見極められず、結果的に損をしてしまうこともあります。

複数の不動産会社を比較する際には、不動産一括査定サービスの利用がおすすめです。当サイトの一括査定サービスは、60秒の入力で全国1,700社の不動産会社の中から最大6社にあなたの物件の見積もり依頼が可能です。

複数の不動産会社を比較することで、優良な会社や相性のいい会社に出会える可能性が高まります。不動産売却を考える際は、必ず複数の不動産会社を比較して選ぶようにしましょう。

優良な不動産会社の選び方を知り、スムーズな売却を目指そう

優良な不動産会社を選びスムーズな売却を行うイメージ

不動産売却で損をしないためには、不動産会社選びが重要です。優良な不動産会社を選ぶためには複数の不動産会社を比較することが大切なので、不動産一括査定サービスを利用するのがおすすめです。

信頼できる不動産会社を選び、大切な不動産を納得のいく形で売却できるようにしましょう。スムーズな売却を目指すためにも、当サイトが提供する不動産一括査定サービスをぜひご利用ください。