土地を所有している人のなかには、土地を有効活用する方法が見つからずに売却を検討している人もいるでしょう。売却を決めるにあたっては、土地活用のさまざまな方法を検討し、最終的に所有を継続するより売却が有利だと確認することが大切です。そこで、土地活用の方法についてお伝えします。

代表的な土地活用方法は賃貸住宅経営

代表的な活用術は賃貸住宅経営

土地の有効活用には、主に4つの種類があります。

まず、賃貸住宅経営です。

代表的な有効活用方法で、所有している土地に賃貸アパートなどを建設すれば家賃収入を得ることができます。賃貸住宅経営のメリットは3つです。

賃貸住宅経営のメリット
1.定期的な収入源
◇会社の給料や老後の年金に加えて定期的な現金収入が得られて安心

2.ランニングコストの回収
◇土地を所有していることに伴う固定資産税などのランニングコストを家賃収入で回収できる
◇固定資産税の負担が重く不動産を手放したいと考える人にはうってつけ

家賃収入が得られれば固定資産税を賃借人に負担してもらうことが可能になる

3.税金で有利になることも
◇賃貸住宅経営で赤字になった場合は、一定の赤字分をそのほかの所得と相殺できる損益通算を適用して総所得を圧縮できる
◇相続が発生した場合には、土地の相続税評価額を大幅に下げる効果も期待できる

一方、賃貸住宅経営にはデメリットも2つあります。

賃貸住宅経営のデメリット
1.借り入れの負担
◇賃貸住宅建設にあたって借り入れ負担が生じる
◇多額の資金が必要になる場合、すべて自己資金で賄うことができなければ融資を受けることになるのが一般的

返済負担が生じる

2.赤字になる可能性
◇家賃収入で借入金返済額や必要経費をカバーできずに赤字になるリスクがある
◇土地の立地条件次第では賃貸経営に適さず、賃借人を見つけることが困難になる

結果空室が発生してしまい、予定していた家賃収入が得られない

賃貸経営によって赤字が生じて財産が減ってしまう事態になってしまったら本末転倒です。採算検討をしっかり行ったうえで賃貸経営を始めるにようにしましょう。

一部不要な土地がある場合は等価交換も有効

2つ目の土地活用方法は、等価交換方式です。

土地面積が広い場合、一部は売却したいが残りについては土地を活用して収入を得ながら自宅として住み続けたいといったケースもあるでしょう。そういった場合は、等価交換方式を利用した土地活用が適しています。

等価交換方式とは

土地建物セットの所有形態

■等価交換方式
デベロッパーなどが賃貸マンションなどを建設して、その建物と土地の一部を交換する方法

土地の一部を同じ価値の建物と交換することで、「土地だけの所有形態」から「土地と建物セット」の所有形態に変わる

等価交換方式の主なメリットは2つです。

等価交換方式のメリット
1.建物建設資金を調達する必要がない
◇自己資金の投入や建物建設資金調達のための融資を受ける必要がない
◇建設費用はデベロッパーが負担し土地と建物を交換することになる

土地保有者は資金負担をすることなく建物を手に入れることが可能
賃貸マンションの最上階に住み、それ以外の部屋を貸し出すことで賃貸収入が得られる

2.不要な土地を処分出来る
不要な土地を処分できること

相続などで広大な土地を取得し手に余るという場合、実質的に一部売却と同様の効果が期待できる

等価交換方式を利用した土地活用には、デメリットも2つあります。

等価交換方式のデメリット
1.一部手放すことになる
もともと売却を検討していた人にとっては、デメリットにはならない

2.土地を手放しても現金が手に入らない?
等価交換のため手放した土地は建物に変わるため、土地売却によって現金を手に入れたい人には適さない手法と言える

借り入れ余力がある場合は事業受託方式

土地活用方法の3つ目は、事業受託方式です。

■事業受託方式
◇土地を売却しない活用方法

売却した方が有利かどうかについて比較検討する必要ある

事業受託方式には2つのメリットがあります。

事業受託方式のメリット
1.土地活用についてデベロッパーのもつノウハウを活用できる

土地活用のノウハウがない場合は有効的

2.テナントが埋まらないリスクを避けることができる
賃貸収入は一括借り上げの形で受け取れるため、テナントが埋まらないリスクや空室リスクを抑えられる

※ただし、予定通りテナント確保ができない、入居者がいない場合は交渉が発生する可能性がある 賃貸収入のリスクについても知っておく必要がある
事業受託方式のデメリット
◇金融機関からの融資を受けることによって返済負担が生じること
デベロッパー提携の金融機関を紹介してくれるため金利は低めに抑えられる可能性がある

しかし
返済を負担したくない場合は適さない方法

資金負担が少ない定期借地という方法もある

土地活用の4つ目の方法は、定期借地です。

定期借地
◇期限が設けられている土地の貸し付け方式
◇借主が賃貸物件を建設するケースが対象

土地を所有し続けることになりますので、売却した場合との比較検討が必要 売却するよりもメリットが大きいと判断した場合は活用してみましょう。

定期借地で土地活用するメリットは2つです。

定期借地のメリット
1.地代収入
自己資金を投じることなく土地の貸し付けから生まれる地代収入が得られる

◇定期借地契約を行った段階で、借地権設定代として一時金で対価を受け取る方法
◇一時金なしで定期的に地代を受け取る方法
◇両方を組み合わせる方法

など様々ある
いずれにしろ、追加投資をすることなく収入が得られる点が魅力

2.おいおい土地が返ってくる
■普通借地契約の場合
◇すぐに土地を返してもらうことが困難な場合が多い
借りている人の権利を守る必要があるため、貸し付けを辞めることに対して多くの制限がかかっている
■定期借地の場合
原則として契約の更新はない 契約で定めた貸付期間が終了すれば使用できる状態で戻ってくることが期待できる
定期借地のデメリット
賃貸物件を自ら建設して賃貸収入を得る場合と比較すると収入が少なくなる

定期借地の場合は、必要経費がほとんどかからないが、収入も少なくなる点は理解しておく必要がある
土地の利用方法が見つからない場合に、定期借地を利用すると有効的

土地売却を行う場合の注意点

土地の所有を継続して土地活用するよりも売却が有利だと判断した場合は、売却の準備を始めることになります。土地売却にあたっては、3つの点に注意することが大切です。

3つの注意点
1.売却益に課税される税金
◇土地の売却には所得税などが課税される
◇ポイントは所有形態と所有期間
■土地に住宅を建てて住んでいた場合
売却益から一定金額を控除できる特例
■住み換えを行った場合
売却益に対する課税を繰り延べできる特例

などを利用できる可能性がある
■所有期間
※5年を境にして適用される税率が変わることに注意が必要
(短期的な売買は避けるほうがよい)
※5年を超えるか否かで税率が倍も異なる
所有期間5年超
税率:約40%
所有期間5年以内
税率:約20%

※売却を行った年の1月1日で5年を超えるかどうか判定する

2.所有権移転登記
◇所有権移転登記は法務局で行う
◇売却前の登記状態を確認することが大切

相続などで取得した場合
売却前に自らが所有している状態に登記を整えておくことが重要
売却後の移転登記も忘れずに行う
売却後のトラブルを避けるためにも確実に所有権移転登記を済ませることが大切

3.税金・登記以外の費用
売却には税金や登録免許税以外にも費用がかかる
◇不動産業者仲介の場合は仲介手数料
◇印紙代

などさまざまな費用を漏れなく確認し、資金計画をしっかり行ったうえで売却に臨むことが大事

売却する前に有効活用した場合との比較を

地の売却を検討する場合は、事業受託方式、等価交換、賃貸経営、さらには定期借地など、さまざまな土地の有効活用方法と比較して最終的な判断を下すことが大切です。

有効活用することで継続的な収入が得られたり、自己資金を負担せずに建物を手に入れたりできる場合があります。

有効活用よりも売却のメリットが大きいと判断したら、節税余地や登記状況などを確認して、資金計画を作って売却に臨むようにしましょう。