この記事でわかること

  • 不動産売却を依頼する業者を選ぶためのコツ
  • 大手不動産会社と地元の不動産会社の特徴
  • 不動産売却を依頼する業者を選ぶ際にやるべきことや注意点

これから不動産を売却しようと考えている方の中には、「売却を依頼する不動産会社はどこがいいのだろうか。」と、業者選びに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

大切な資産である不動産を売却するのであれば、信頼できる不動産会社に依頼したいですよね。

本記事では、不動産売却を依頼する際の業者選びのコツ選ぶ際にやるべきこと注意点について詳しく解説します。

この記事を通して、信頼できる不動産会社を見つけるための知識を得て、スムーズな売却を目指しましょう。

この記事の目次

不動産売却を依頼する業者選びの重要さとは

不動産売却を依頼する業者を選ぶイメージ

不動産を売却する際、依頼する不動産会社を選ぶことは非常に重要です。

その理由は、不動産会社が売り出し価格の査定をするほか、購入希望者の集客や内覧、交渉や売買契約までの手続きをすべて、売主であるあなたに代わって進めるからです。

これらの手続きを安心して任せるためには、信頼できる不動産会社を選ぶ必要があります。

さらに、売主としては、不動産をできるだけ高く、良い条件で売却したいですよね。

そのためには、買主のニーズだけではなく、売主の要望もしっかりとヒアリングし、できる限り有利な条件で仲介してくれる不動産会社を見つけることが大切です。

もし不動産会社選びを怠ってしまうと、スムーズに売却が進まなくなるだけでなく、売主が損をするリスクも生じます。

こうしたリスクを避け、できるだけ安心して不動産を売却するためにも、信頼できる不動産会社を選ぶことは重要なことであると言えるのです。

不動産売却はどこがいい?信頼できる業者を選ぶコツ

不動産売却はどこがいい?信頼できる業者を選ぶコツのイメージ

安心して不動産売却を進めるためには、不動産会社選びが重要です。

ここでは、信頼できる不動産会社を選ぶコツについて紹介します。

以下の7つのポイントを見極めることで信頼できる業者を選ぶことができます。

  • 売却実績が豊富か
  • 売却したい不動産がある地域に詳しいか
  • 親身になって対応してくれるか
  • 「宅建士」の資格を持っているか
  • 広告活動に力を入れているか
  • 査定額の根拠を明確に示してくれるか
  • 囲い込みをしないか

これらの点が具体的にどのようなことなのか説明をしていきます。

売却実績が豊富か

不動産を売却する際は、売却実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。

不動産会社には、大きく分けて「賃貸仲介」「売買仲介」の2種類があります。

中には賃貸仲介をメインとしている業者が売買仲介をおこなっている場合がありますが、不動産を売却する際は売買仲介を専門としている業者に依頼することをおすすめします。

その理由は、売買仲介を専門とする業者のほうが、売却実績が多く、売却に関する専門知識を豊富に持っており、手続きをスムーズに進めやすい傾向があるからです。

売却実績が豊富かどうかは、不動産会社のホームページなどから確認できます。

また、余裕があれば、あなたが売却したい物件と同じタイプの物件の販売実績があるかどうかもチェックしておくと良いでしょう。

不動産会社によっては、「戸建物件の売却が得意。」「土地の売却が得意。」など、得意分野が異なります。

そのため、たとえば戸建物件の売却を検討している場合は、戸建物件の売却実績が豊富な業者を選ぶのがおすすめです。

このように、あなたの物件に近い物件の売却実績が豊富な業者であれば、専門知識を活かしてより効率的に売却を進めることができるでしょう。

売却したい不動産がある地域に詳しいか

売却したい物件がある地域に詳しい不動産会社を選ぶことも非常に重要なポイントです。

大手や全国展開している不動産会社を見ると、「スムーズに売却が進みそう。」と感じるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

その不動産会社が売却したい物件の地域について詳しくない場合、納得のいく売却活動ができない可能性もあるからです。

不動産の売却は、地域ごとの不動産の需要によって大きく左右されます。

例えば、不動産の種類や売り出し方、そしてその地域で売れやすい物件の傾向などによって、売却の成功が変わってくるのです。

地域に詳しい不動産会社であれば、「このエリアではこうした不動産が人気。」など、地域特有の需要を的確に把握しているため、スムーズに売却を進めることができるでしょう。

親身になって対応してくれるか

不動産会社を選ぶ際は、担当者の対応にもしっかり注目することが大切です。

不動産の売却には、平均で3〜6ヶ月程かかると言われており、その間、長期に渡る関わりが続きます。

そのため、最後まで親身に対応してくれる担当者を選ぶことが重要です。

例えば、「質問に対して丁寧に回答してくれるか。」「返事が早いか。」「専門的な知識を持っているか。」といった点に注目して担当者を選ぶと良いでしょう。

不動産売却をする方の大半が、不動産に関する知識を持っていないので、しっかりサポートしてくれる担当者を選ぶことで、安心して売却活動を進めることができます。

訪問査定などで対面のコミュニケーションをとる際には、担当者の言葉遣い行動表情などを観察し、信頼できるかどうか見極めるようにしましょう。

「宅建士」の資格を持っているか

安心して不動産を売却するには、担当者の対応や経験だけではなく、専門的な知識があるかどうか見極めることも重要です。

「宅建士(宅地建物取引士)」の資格を持っているか確認することで、その担当者が不動産取引に関する一定以上の知識を持っているかどうかを判断することができます。

宅建士の資格を持っているかは、担当者の名刺に書かれていることが多いので、担当者と打ち合わせをする際などに確認すると良いでしょう。

広告活動に力を入れているか

不動産売却を成功させるためには、物件を売却するための広告活動も重要なポイントです。

例えば、自社サイトだけではなく、不動産ポータルサイトなどにも積極的に物件情報を掲載しているのであれば、より多くの顧客に物件を知ってもらう機会が増えます。

その結果、購入希望者からの問い合わせも増えるため、スムーズな売却が期待できます。

反対に、不動産ポータルサイトなどに物件情報を掲載していない会社だと、物件情報の露出が限られてしまい、売却までに時間がかかる可能性が高まるでしょう。

また、ただ広告を出しているだけではなく、掲載している写真の豊富さ動画の有無魅力的な文章など、顧客の目を引く工夫をしているかどうかも重要な判断基準です。

このように広告活動に力を入れている不動産会社であれば、購入希望者から物件に興味を持ってもらいやすくなり、問い合わせの数も増え、不動産売却の成功率が上がるでしょう。

不動産会社を選ぶ際は、不動産ポータルサイトでその会社名を検索し、他の掲載物件を確認するなどして、広告活動に力を入れているか事前にチェックしておくことをおすすめします。

査定額の根拠を明確に示してくれるか

査定額の根拠を明確に説明してくれるかどうかも、信頼できる不動産会社を選ぶ際の重要なポイントです。

一部の不動産会社では、自社と契約させやすくするために、根拠を示さずに高い査定額を提示するケースもあります。

こうした不動産会社と契約してしまうと、契約後に値下げを要求されてしまうこともあり得る話です。

このようなリスクを避けるためにも、「過去の事例を参考にした査定か。」「どのような理由でその査定額に至ったのか。」をしっかりと説明してくれるかどうかを確認しましょう。

関連記事:不動産査定は「高い」だけで信用しない!仲介業者を見抜くコツ

囲い込みをしないか

信頼できる不動産会社を選ぶには、「囲い込み」をしない業者かどうか確認することも大切です。

囲い込みとは、不動産会社が売主・買主の双方から仲介手数料を得るために、他社の購入希望者に物件を紹介せず、意図的に売却活動を制限する悪質な行為を指します。

囲い込みがおこなわれると、他社から高額の購入依頼があっても断られ、自社内のみで買主を探すことになり、売却までに時間がかかることがあります。

そして、売主がその事実を知らないまま、売却が進まない状況が続くことも考えられます。

こうしたリスクを避け、できるだけ高く早く売却を成功させたいのであれば、売主と買主のどちらか一方だけを仲介する「片手仲介」をおこなう不動産会社に依頼することをおすすめします。

また、囲い込みを避けるためには、媒介契約を締結する前に担当者に直接確認するのがベストです。

不安があれば一度しっかり質問してみましょう。

不動産売却の依頼を避けるべき業者の特徴

不動産売却の依頼を避けるべき業者の特徴のイメージ

不動産売却を依頼する業者を選ぶ際は、上記で紹介したポイントを押さえることも大切ですが、以下の特徴を持っている業者を避けることも重要です。

  • 査定額の根拠が曖昧
  • 査定報告書などの書類が雑
  • マイナスな面ばかりに注目する
  • 営業がしつこい

これらの特徴を持っている業者への依頼を避けるべき理由について説明をします。

査定額の根拠が曖昧

高い査定額を提示されたとしても、根拠が曖昧な不動産会社に売却を依頼するのは避けたほうが良いでしょう。

前述した通り、一部の不動産会社では、自社と契約させやすくするために明確な根拠を示さずに、高い査定額を提示する場合があります。

こうした業者に依頼してしまうと、契約後に「このままだと売却が難しい。」と言われ、値下げを要求されることもあります。

査定は本来、「この金額なら売却できる。」という裏付けがあって提示されるものです。

そのため、査定の根拠をしっかり説明してくれる業者を選ぶことが重要です。

もしも明確な説明がない場合は、その業者に依頼するのは避けましょう。

査定報告書などの書類が雑

不動産の売却を依頼する際、不動産会社と書類でのやり取りをすることがよくあります。

査定報告書などの重要な書類を受け取った際、誤字脱字が多かったり、印刷が不十分で見切れていたりする箇所があった場合、業者の対応が雑である可能性が高いです。

このようなミスが多い会社は、担当者のチェック体制が不十分であるだけでなく、会社全体の管理体制にも問題があると考えられるでしょう。

また、書類の不備が目立つ会社は、他の業務も同様に雑である可能性があると考えられます。

通常、売主や買主に渡す書類は正確であることが前提ですので、書類に粗雑さが感じられる場合は注意が必要です。

マイナスな面ばかりに注目する

不動産の査定を受ける際、物件のデメリットばかり強調する業者には注意が必要です。

例えば、築年数が古いことや立地の悪さを執拗に指摘する業者は、売主に希望の売却額を妥協させ、査定額を下げるためにあえてマイナス面を強調していることが考えられます。

一方で、デメリットがある物件でも、細かい点をプラスに捉え、ポジティブに評価してくれる業者は、買主に対してもメリットを積極的にアピールしてくれる可能性が高いです。

気持ちよく売却活動を進めるためには、物件の短所だけに注目する業者を避け、長所も含めてバランスよく評価してくれる業者を選ぶことが重要です。

営業がしつこい

不動産売却を初めておこなう場合、業者選びは慎重になっておこないたいものです。

しかし、売却を検討している段階で、しつこく営業をかけてくる業者も存在するのが実情です。

例えば、「大まかな査定額が知りたい。」と査定を申し込んだ際に、業者から返答を急かされたり、「○月までに契約してほしい。」といった要望を押し付けられることもあるかもしれません。

そのような業者は、利益や実績を得ることを優先しているため、安心して不動産を売却したいと考えている売主の気持ちに寄り添っているとは言い難いです。

もし業者からしつこく営業を受けた場合は、メール等で丁重に断り、信頼できる業者を改めて探すことをおすすめします。

大手不動産会社と地元の不動産会社 どちらに依頼すればいいの?

大手不動産会社と地元の不動産会社 どちらに依頼すればいいの?のイメージ

不動産売却を依頼する業者を選ぶ際は、大手と地元の不動産会社の違いについて知ることも大切です。

それぞれの大まかな特徴については、以下の表の通りです。

  メリット デメリット
大手不動産会社
  • 顧客数が多い
  • サービスが充実している
  • 広告活動に力を入れている
  • コミュニケーションが少ない
  • 「両手仲介」になる可能性がある
  • 仲介手数料が値引きしにくい
地元の不動産会社
  • 地域の情報に詳しい
  • 親身になってくれる
  • 「片手仲介」になる可能性がある
  • 顧客数が少ない
  • 認知度が低い
  • 得意・不得意がある

これらの特徴についてさらに詳しく説明をしていきます。

大手不動産会社の特徴

大手不動産会社の特徴として、売買仲介業務だけでなく、幅広く事業を展開していることが挙げられます。

例えば、アパートやマンション、戸建の賃貸仲介業務やリフォーム事業などにも力を入れていることが多いです。

また、これらの事業を分野ごとに子会社として運営しているケースが一般的です。

子会社に分散することで、各分野に特化した専門性を高め、質の高いサービスを提供できる体制を整えています。

そのため、売買仲介や賃貸仲介、リフォームなど、さまざまな事業を一社でまとめておこなっている不動産会社と比べると、知識や実績の差が生まれることがあります。

ここでは、大手不動産会社の具体的なメリット・デメリットについて詳しく紹介していきます。

大手不動産会社に依頼するメリット

大手不動産会社に売却を依頼すると、以下のメリットを受けることができます。

  • 顧客数が多い
  • サービスが充実している
  • 広告活動に力を入れている

●顧客数が多い

大手不動産会社は、全国規模で展開していることが多く、顧客数が非常に多いのが特徴です。

顧客数が多いということは、それだけ物件を購入してくれる買主候補が多いということになります。

そのため、できるだけ早く売却したいと考えている売主にとっては、大手不動産会社を利用することが大きなメリットであると考えられるでしょう。

●サービスが充実している

大手不動産会社は、「ハウスクリーニング」や「インスペクション」などのサービスが充実していることが多いです。

通常、これらのサービスを利用する場合は、個別で手配することが一般的です。

しかし、大手不動産会社に売却を依頼すれば、これらのサービスも無料で受けられることが多く、結果として費用を節約することができるでしょう。

●広告活動に力を入れている

大手不動産会社は、インターネットへの掲載やチラシの配布に加え、テレビやラジオ、雑誌などでも積極的に広告を展開しています。

会社の規模が大きいほど資金力があり、その分、広告活動にも力を入れていると期待できます。

広告活動が活発であれば、それだけ多くの購入希望者に物件を見てもらう機会が増え、売却のチャンスを広げることができるでしょう。

大手不動産会社に依頼するデメリット

大手不動産会社には上記のメリットがある反面、以下のようなデメリットもあります。

  • コミュニケーションが少ない
  • 「両手仲介」がおこなわれる可能性がある
  • 仲介手数料が値引きしにくい

●コミュニケーションが少ない

前述した通り、大手不動産会社は顧客数が非常に多いのが特徴です。

顧客数が多い分、社員一人あたりが担当する案件数も当然ながら増加します。

そのため、売主一人ひとりに十分な時間を割いて対応することが難しくなる可能性があります。

このような点から、担当者としっかりコミュニケーションをとりたいと考えている方にとっては、対応が冷たく感じたり、不満を抱いたりしてしまうこともあるかもしれません。

●「両手仲介」がおこなわれる可能性がある

顧客数が多い大手不動産会社では、売主と買主の両方を自社の顧客から見つけることがあります。

その際、双方から仲介手数料を得る「両手仲介」をおこなう傾向があります。

両手仲介では、売主と買主の利益を両方考慮しますが、買主が購入しやすい条件を優先するため、売主に売却価格の値下げを求められることが多いです。

そのため、できるだけ高く売却したいと考えている売主にとっては、不利に感じることもあるでしょう。

●仲介手数料が値引きしにくい

大手不動産会社は、仲介手数料の値引きが難しく、満額の手数料を請求されることが多いです。

仲介手数料は、宅地建物取引業法によって以下のように上限が定められています。

取引額 仲介手数料の上限
400万円超 取引額(税別)×3%+6万円+消費税
200万~400万円以下 取引額(税別)×4%+2万円+消費税
200万円以下 取引額(税別)×5%+消費税

あくまでも上限のため、値引き交渉をおこなうことも可能です。

しかし、大手不動産会社の場合、値引き交渉に応じないことが多いのが実情です。

地元の不動産会社の特徴

地元の不動産会社は、大手不動産会社と比べると、規模や資金力が小さい傾向にあります。

しかし、顧客とのコミュニケーションを重視し、親身に対応してくれる業者が多いのが特徴です。

さらに、その地域の情報や特性、不動産の需要なども詳しく把握しているため、地域に根ざしたアドバイスを受けながら、安心して売却を進めることができるでしょう。

ここでは、地元の不動産会社の具体的なメリット・デメリットについて詳しく紹介していきます。

地元の不動産会社に依頼するメリット

地元の不動産会社に不動産売却を依頼すると、以下のようなメリットを受けることができます。

  • 地域の情報に詳しい
  • 親身になってくれる
  • 「片手仲介」がおこなわれる可能性がある

●地域の情報に詳しい

地元の不動産会社は、大手の不動産会社と比較すると、限られた地域のみで営業活動をおこなっています。

そのため、地域に密着した営業を得意としており、その地域に関する詳しい情報を把握していることが多いです。

具体的には、以下のような情報に詳しいでしょう。

  • 地域の物件相場、不動産の市場動向
  • 地域で有名なスーパーやショップ
  • 近隣の病院などの公共施設
  • 小学校・中学校の学区
  • 地域の伝統的なイベント  など

ただ売却活動を進めるだけではなく、こうした地域特有の情報も活用したうえで売却価格などが決められるので、より納得できる不動産売却を依頼することができるでしょう。

●親身になってくれる

地元の不動産会社は、大手の不動産会社と比較すると、抱えている案件数が少ない傾向があります。

そのため、不動産会社の担当者と密接にコミュニケーションをとることができるでしょう。

良好でかつ円滑なコミュニケーションを築くことで、担当者とも気軽に相談しやすくなり、不動産の売却を安心して進めることができます。

また、大手の不動産会社で売却を断られてしまった場合でも、地元の不動産会社であれば引き受けてくれる可能性があります。

「なかなか売却が進まない。」と感じた場合は、地元の不動産会社に相談し直してみるのも良いでしょう。

●「片手仲介」がおこなわれる可能性がある

前述した通り、大手の不動産会社では売主・買主の双方から仲介手数料を得る「両手仲介」をおこなう傾向がありますが、地元の不動産会社ではあまりおこなわれません。

地元の不動産会社では、売主もしくは買主のどちらか一方から仲介手数料を得る「片手仲介」がおこなわれることが多いです。

両手仲介の場合、買主が物件を購入しやすくするために、売却価格の値下げを実施するなど売主が不利になってしまうケースが少なくはありません。

しかし、片手仲介の場合は、売主・買主がそれぞれ違う不動産会社に取引を依頼するので、売主の利益を考慮した取引を進めてくれます。

そのため、売主だけが不利になりにくい取引を実現しやすいのです。

地元の不動産会社のデメリット

大手の不動産会社と同様に、地元の不動産会社にもデメリットがあります。

具体的にどのような点がデメリットと感じやすいのか説明をしていきます。

  • 顧客数が少ない
  • 認知度が低い
  • 得意・不得意がある

●顧客数が少ない

大手の不動産会社は、全国各地に拠点があるため、全国に顧客がいます。

一方、地元の不動産会社は、限られた地域にしか顧客がいないため、大手と比較すると顧客数がかなり低い傾向にあります。

顧客数が少ないということは、その分買主の候補が少ないということになるため、売却できるチャンスが少なくなります。

そのため、できるだけ早く買主を見つけたいと考えている方には、地元の不動産会社に依頼するのはあまりおすすめできないでしょう。

●認知度が低い

店舗数の少ない地元の不動産会社は、大手の不動産会社と比較すると認知度が低い傾向にあります。

大手の不動産会社は、規模だけでなく、その分豊富な資金も多く持っています。

そのため、広告宣伝にも力を入れることができ、多くの買主に知られる機会が増え、認知度も高くなる傾向があります。

一方、規模が小さく資金が限られている地元の不動産会社は、広告宣伝にかけられる予算が少ないことが多いです。

そのため、いくら地域密着で親身な対応を売りにしていても、買主に知られる機会が少ないと、スムーズな売却は難しいかもしれません。

●得意・不得意がある

大手の不動産会社が、戸建やマンション、売却や賃貸など、各事業を偏りなく得意分野として伸ばせるのは、会社の規模の大きさや人材の多さが関係しています。

それに対して、地元の不動産会社は限られた人材で複数の事業を分担しておこなうことが多く、その結果、対応できる案件が限られてしまう可能性があります。

このような背景から、地元の不動産会社では、担当者によって得意分野や不得意分野が生じることがあります。

例えば、一戸建の売却を検討しているにも関わらず、マンションの売却を得意としている担当者に依頼すると、売却が思うように進まないということもあり得る話です。

「一戸建の売却をスムーズに進めたい。」などといった希望がある場合は、得意分野がはっきりしている大手の不動産会社に依頼するほうが良いでしょう。

不動産売却を依頼する業者を選ぶ際にやるべき3つのこと

不動産売却を依頼する業者を選ぶ際にやるべき3つのことのイメージ

不動産売却を依頼する際は、業者選びをすることが非常に重要です。

しかし、よりスムーズに売却活動を進めるのであれば、以下の3点も必ずおこないましょう。

  • 自分でも売却相場を調べておく
  • 机上査定と訪問査定の違いを理解する
  • 複数の業者に査定を依頼する

これらの重要性について詳しく説明をしていきます。

自分でも売却相場を調べておく

信頼できる不動産会社を見つけるためには、まず自分で売却する物件の相場を調べておくことが重要です。

売却相場を把握しておくことで、不動産会社から提示された査定価格が適正かどうか判断することができます。

これにより、最初に高額な査定を提示しておいて後から値下げを要求するような不動産会社を見分けることができ、安心して依頼できる不動産会社を見つけやすくなるでしょう。

自分で売却相場を調べる際は、主に以下の方法を用いるのが一般的です。

  • 不動産流通機構が運営している「REINS TOWER」内にある「REINS Market Information」で調べる
  • 国土交通省が運営している「不動産情報ライブラリ」で調べる
  • SUUMOやat homeなどの不動産ポータルサイトで調べる

これらの媒体で都道府県や不動産の種別、条件などを絞り込むことで、売却予定の物件に似た物件の成約価格を簡単に知ることができます。

どの方法も手軽に調べることができるため、不動産会社を選ぶ際に合わせて活用するようにしましょう。

関連記事:マンションの売却価格の相場と調べ方を解説!高く売るコツとは?

机上査定と訪問査定の違いを理解する

不動産会社に査定を依頼する前に、査定方法を理解することも重要です。

実は、不動産会社による査定方法は、「机上査定」「訪問査定」の2種類があります。

それぞれ特徴があるため、あなたのニーズにあった方法で依頼するようにしましょう。

査定方法 特徴 メリット デメリット こんな方におすすめ!
机上査定 過去の取引事例や不動産の立地などのデータを参考にして査定額を算出する方法
  • 即日〜数日で査定が完了する
  • 近隣住民に物件を売却することが知られない
  • 大まかな価格しか把握することができない
  • やたら高額な金額で査定する業者も存在する
  • すぐに査定額が知りたい方
  • 大まかな金額が知りたい方
訪問査定 不動産会社の担当者が訪問して、不動産の状況や周辺状況などを直接調査して査定額を算出する方法
  • 正確な査定額を把握することができる
  • 担当者と直接コミュニケーションがとれる
  • 査定が完了するまで1週間程度時間がかかる
  • 近隣住民に物件を売却することが知られてしまう可能性がある
  • 正確な査定額が知りたい方
  • 売却前にしっかり不動産会社を見極めたい方

関連記事:不動産査定とは?依頼方法や売却を成功させる2つの注意点を解説

複数の業者に査定を依頼する

不動産会社への査定は1社でも可能ですが、査定額や担当者の対応を比較するために、複数の業者に依頼することをおすすめします。

不動産会社による査定額は、業者によって大きく差が出ることもあります。

これは、各不動産会社が持つ査定基準や得意とする地域、見込み顧客の有無が異なるためです。

複数の不動産会社を比較することで、売却予定の物件がどの程度の価格で売れるのか、大まかな相場価格を知ることができます。

その相場をもとに売却価格を設定することで、納得できる売却活動を進めることができるでしょう。

また、査定額だけではなく、不動産会社の担当者の対応を見極めることも可能です。

複数の不動産会社と連絡を取ることで、「この担当者は親身に対応してくれる。」「この担当者はレスポンスが遅い。」などと判断できるため、安心して任せられる不動産会社を見つけやすくなります。

不動産売却を依頼する業者を選ぶ際の注意点

不動産売却を依頼する業者を選ぶ際の注意点のイメージ

不動産売却を依頼する業者を選ぶ際には、以下の2点にも必ず注意しましょう。

  • 業者によって仲介手数料が異なるのを理解しておく
  • 専任媒介契約・専属専任媒介契約のみを提案する業者には注意する

これらの点をなぜ注意しなくてはいけないのか、説明をしていきます。

業者によって仲介手数料が異なるのを理解しておく

不動産を売却する際、買主が見つかると、その買主と売買契約を結びます。

契約が成立すると、売主が不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。

不動産売買における仲介手数料の上限は以下の通りです。

  • 400万円超の場合…取引額(税別)×3%+6万円+消費税

  • 200万〜400万円以下の場合…取引額(税別)×3%+2万円+消費税

  • 200万円以下の場合…取引額(税別)×5%+消費税

このように上限は定められていますが、下限は定められていないため、不動産会社によって手数料が異なります。

必ず不動産会社と契約する前に、手数料はどれくらいになるのか確認しましょう。

また、手数料が低いからといって、必ずしも良いというわけではありません。

「どんなサポートをして、そのサポートに対してどれくらい手数料がかかるのか」と考慮して、契約する不動産会社を選ぶことが大切です。

関連記事:家や土地・マンションなど不動産売却の仲介手数料を詳しく解説します

専任媒介契約・専属専任媒介契約のみを提案する業者には注意する

信頼できる不動産会社を見つけたら、まず媒介契約を結ぶ必要があります。

媒介契約とは、不動産会社が物件の買主を探すためにおこなう売却活動に関する契約のことです。

媒介契約には以下3つの種類が存在します。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

このうち、「一般媒介契約」は複数の業者に仲介を依頼することができる契約方法です。

一方、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」については、1社の不動産会社としか契約することができないので注意が必要です。

不動産会社の中には、売主・買主の双方から仲介手数料を得るために、囲い込みをして、自社で売買を完結させようとする業者も存在します。

そのためには、1社だけと契約することができる専任媒介契約や専属専任媒介契約のほうが、不動産会社にとって都合が良いのです。

こういった理由から、わざと専任媒介契約や専属専任媒介契約のみを提案する業者もいるのが実情です。

「必ずこの不動産会社に任せたい。」という場合であれば別ですが、よほどのことがない限りは、「一般媒介契約」で契約することをおすすめします。

また、媒介契約の詳しい概要については、以下の表にもまとめましたのでこちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

  一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
売却を依頼する不動産会社の数

複数社

※1社でもOK

1社 1社
不動産会社の活動報告の義務

なし

※報告を求めることは可能

2週間に1回以上

文書または電子メールで報告を受ける

1週間に1回以上

文書または電子メールで報告を受ける

レインズへの登録義務

なし

※登録は可能

締結の翌日から7日以内 締結の翌日から5日以内
媒介契約の期間

無期限

(一般的には3ヶ月以内)

3ヶ月以内 3ヶ月以内

関連記事:早く売るなら専属専任媒介?事情に合わせた媒介契約の選び方

【まとめ】安心して不動産売却するには業者選びが非常に重要!

安心して不動産売却するには業者選びが非常に重要のイメージ

スムーズな不動産売却を進めるためには、まず信頼できる不動産会社を選ぶことが非常に重要です。

そのためには、売却の実績や知識、担当者の対応などといったポイントに加え、大手と地元の不動産会社の特徴を理解したうえで選びましょう。

また、査定方法を理解したり、自分で物件の相場価格を調べることで、よりスムーズに売却活動を進めることができます。

しっかりと情報収集をおこない、自分に最適な不動産会社を見つけてください。

また、「どうしても不動産会社が決まらない…。」という方は、当サイトが運営する不動産一括査定サービス「イエイ」を利用してみるのもおすすめです。

「イエイ」は、1700社以上の優良業者と提携しており、あなたが信頼できると思える担当者や不動産会社を見つけることができるでしょう。

これから本格的に不動産売却を始める方は、ぜひ活用を検討してみてくださいね。