都市計画で定められた用途地域は全部で13種類あり、そのうち住居系の用途地域は8種類です。なかでも利便性の高い住居地域として第1種中高層住居専用地域があります。そこで、この記事では第1種中高層住居専用地域で家を持つ魅力やどんな規制があるかを詳しく紹介します。

第1種中高層住居専用地域の特徴

第1種中高層住居専用地域
■中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
■高層建築物を建てても、人が生活するうえで環境が損なわれないように考慮されている地域

一般的に第2種と名称がつくエリアより厳しい制限が設けられている
◇低層住居専用地域のような絶対高さ制限がない
◇容積率に応じて4階建て以上の中高層マンションの建築が可能
◇病院や500平方メートルまでの店舗も建築することもできる

※低層住居専用地域では病院は建てられない
(店舗も2階建て以下で床面積が150平方メートル以下の小規模なものが建てられるだけ)

中高層住居とは

中高層住居と一口にいっても、なんとなくイメージは湧くものの、明確な定義がわからないという人もいるでしょう。

どれぐらいの高さや何階建てからが中高層になるのか、場面によって多少定義が違うこともあります。たとえば、中高層の建物や工作物を建築する際には、日照や通風の環境をめぐって紛争が起こることもあり、各自治体の条例で中高層建築物の定義が決められているのです。

そうした条例で中高層建築といえば、原則高さ10mを超えるもので、第1種および第2種中高層住居専用地域では軒の高さが7mを超えるもの、または3階建て以上になっています。

一方、国土地理院が中高層建物として地図記号で表す場合は、3階相当の高さ10m以上で、建物の短い方の一辺が25m以上あるものです。

ただ、用途地域の第1種中高層住居専用地域で定義される「中高層住居」は、それほど細かく定義されているわけではありません。一般的に3階建て以上の集合住宅を指し、主にマンションが中高層住宅として認識されています。

戸建住宅を中心とした住宅街を整備したい場合は、高い建物が建ってしまうと環境が整いません。一方で、マンションのような中高層住居を建てながら生活環境を保護する地域を造っていくために、第1種中高層住居専用地域が設けられているのです。

地域内に建築できる建物

地域内に建築できる建物

第1種中高層住居専用地域で建築可能なもの
■住宅
3階建て以上のマンションなどが多く建てられている地域ではあっても戸建住宅も建築することが可能

寄宿舎や下宿として利用される建物

■公共性の強い建築物
図書館・病院・公衆浴場・老人ホーム

■さまざまな教育施設
幼稚園・小学校・中学校・高校・大学・専修学校

■店舗
床面積が500平方メートルまでならば大丈夫⇒建てられる店舗のバリエーションが広い
たとえば
銀行・理髪店・日用品販売店舗・物品販売店舗
など日常生活で利用することが多いお店も地域内に建てることが可能

■喫茶店や飲食店
家の近くに外食できる店舗もあるということ

※基本的に工場は建てることができない
ただし
パン屋・菓子屋・洋服屋のような職種の場合
◇2階以下
◇作業場の面積が50平方メートル以下
など、条件をクリアしていれば建てられる建物もある

第1種中高層住居専用地域の建築制限

建ぺい率
■30~60%

ある程度中高層の建物が建てられる地域ではあるが
◇近接商業地域の建ぺい率60~80%
◇商業地域の建ぺい率80%
まで許されていることに比べると、やはり住居専用地域として建築制限が厳しくなっている
容積率
■100~500%
商業地域が最高1300%まで認められていることに比べて厳しく制限されている
斜線制限
■道路斜線制限
道路の日照や通風を確保するために設けられる

■隣地斜線制限
建物と建物の間に空間を取り、隣地の日照や通風を確保するためにある

■北側斜線制限
北側に位置する隣地の日照を確保するために設けられている

の3つとも適用される地域
道路斜線制限
適用距離20~35m
勾配1.25または1.5で算出
隣地斜線制限
隣地との境界線上に
立ち上がり20mまたは31m
勾配1.25または2.5
北側斜線制限
立ち上がり10m
勾配1.25で設定して考える

現地の環境を確認してみよう

第1種中高層住居専用地域は良好な住環境で利便性もいい

第1種中高層住居専用地域は、中高層のマンションなどが良好な住環境のなかに建っていることが特徴的です。それでいて、生活に必要な店舗や学校などもある程度は立地しています。そのため、ゆったりとした環境の中で生活を送りたいけれど、近所には買い物ができる店舗や外食できる飲食店もあって欲しいという人におすすめの用途地域です。

ただし、実際にどのような街並みが広がっているかは、行ってみないとわからないこともあるでしょう。そのため、まずは現地に足を運び、その地域の様子を見て実際の環境を把握することが大切です。

まとめ

第1種中高層住居専用地域は住みやすい環境と、スーパーマーケットなどの利便性を両立したとてもよい環境です。

しかし、実際の街並みは見てみないとわからないことも多いので住むことを決める前に一度は足を運ぶことをおすすめします。