マンションなどの不動産を売却する理由はさまざまです。自分と同じような理由の人は居るのか、ほかにどのような理由があるのか気になるでしょう。また、売却理由により査定や売却価格に影響があるかを知りたい方もいるのではないでしょうか。今回はよくある売却理由や理由によって売却価格に影響してくるのかといった点について解説していきます。

家の売却でよくある理由は?

買主も気になる家の売却理由

家の売却理由は様々ですが、一般的によくあげられるのはどのような内容でしょうか。ここでは売却の理由例を具体的に紹介します。自分の売却理由に当てはまるという場合も多いでしょう。

家族構成がかわり住み替えをしたい

長いあいだ住んでいると、子どもが成長したり、子どもの数が増えたりすることがあるでしょう。子ども部屋を作りたいけれど部屋が足りない、子どもが増えたことでもう少し広いところに住みたいなどの理由で間取りが使いにくくなったと感じる場合があります。

さらに、ひとり暮らしを見越して購入したマンションが、結婚を機に2人で住むことになったが手狭に感じることがあります。結婚を機に売却をすることもあるでしょう。

家族構成の変化に伴い、住み替えが必要になるというパターンは売却理由としては一般的です。

仕事を退職、子どもの独立

売主が退職すると地方でゆっくり生活してみたい、故郷に戻りたいなどの理由により家を売却することがあります。また遠方へ移転するという理由以外にも、売主の高齢化により、一戸建ては維持管理が大変と感じる場合があります。

具体的には、子どもが社会人になり独立したことがきっかけで、夫婦2人では広い家が必要ないため、一戸建てを売却して管理が楽なマンションを購入したいという希望を持つ人もいます。

通勤・通学、転勤のため

通勤・通学、転勤のために売却

売主がほかの都道府県に転勤になってしまい売却をしなければならないことがあります。また子どもの通学や、売主の転職や職場の移転などの事情により、移動時間が大きく増えてしまうために住み替えを希望することがあります。毎日のことなので、長時間通勤や通学を避けるために売却を検討する可能性があるでしょう。

仕事や学校の都合などが売却理由になるケースも多いです。

資産整理、相続

資産整理、相続のために売却

複数の家を所有している場合には、一定のタイミングで売却を検討することがあります。また、親から家を相続したためにその家を売却する可能性もあるでしょう。相続税対策を含めて資産整理を行うための売却があります。

ただし、相続した家がなかなか売却できない場合もあります。これは売却理由が相続であるからではなく、家の状態が古いことが原因と考えられます。購入後に大規模なリフォームや修繕が必要な場合はそれなりの対策が必要でしょう。

査定が高く出たので売り時と感じる

不動産価格は、売却時期により変動します。需要が高い時期に売却を検討していると、査定評価額が高くなることがあるでしょう。今が売り時と感じて住み替えを検討する人もいます。

売りたくなくても売らなければならない理由もある

家の売却理由には、売りたくないけれど売らざるを得ないというネガティブな理由の場合もあります。具体的にはどのような状況なのでしょうか。

住宅ローンを支払えない

住宅ローンを支払えないため売却

売主の経営していた会社の状況が悪化したり、勤務先の会社の都合で予期せぬ退職をしたりすることがあります。さらに、病気などで仕事を続けられなくなることもあるでしょう。
購入当初は十分にローン支払い能力があっても、将来の経済状況は誰にも予想できないものです。

そのため、毎月の住宅ローンの支払いが難しくなり、やむを得ず売却をする場合があります。

家を売却して現金化する必要がある

離婚時の財産分与や新たな事業を始めるために、まとまった資金が必要になることがあります。
そのため、家を売却し資金調達をするのが売却理由である場合があるでしょう。

そのほかにも、借入していた金銭の支払いのためにお金が必要になるケースがあるでしょう。

周辺環境の問題

周辺環境が合わなかったため売却

実際に住んでみると、周辺の治安がよくないため子育て環境にはあまり適さないという理由で売却することがあります。さらに、人によっては騒音や特定の施設などが気になってしまい、売却を検討することもあるでしょう。

たとえば、高速道路の近くで窓が開けられないためストレスに感じることがあったり、交通量の多い道路沿いで洗濯物があまり干せなくて不便に感じたりすることなども売却理由としてよくあります。

特に購入後の周辺の開発により周辺環境が変化していく場合が多いです。

近隣にトラブルがある

一戸建てによく見られるケースですが、近所の人間関係がうまくいかないと売却理由になることがあります。
近隣の人間関係は大きく影響するものであり、一度トラブルが起きてしまうと、修復が難しいことが多いでしょう。
家自体や立地は気に入っていたはずなのに、実際に生活してみてこんなはずではなかったと感じた売主が家を売却することがあります。

また、もともと関係が良好だったにもかかわらず新たな住民の流入によって変化が起きる場合もあります。

売主の個人的な住み心地

マンションの1階の部屋はメリットとデメリットがありますが、騒音問題や日当たりの面でデメリットのほうを多く感じてしまい、売却を検討する可能性もあるでしょう。
一方で、高層階のマンションを購入したものの、なんとなく落ち着かず、エレベーターが混雑して不便に感じるなどで売却を検討することも考えられます。

このように売主の住み心地が売却理由になることがありますが、このような場合は購入者にとってはメリットになる可能性もあるでしょう。

家の売却理由は買主も気になるもの

家を売却するときは自分が売主です。購入を希望する人は、なぜ売主が売却をするのか理由が気になるものです。特に居住しながら売却をするときは、売主が内覧に立ち合うこともあります。そのため、売却を進める際には、あらかじめ想定される質問に対応できるように売却理由をまとめておくとよいでしょう。

購入希望者が売主に直接質問できることで、売主の印象がよければ購入の後押しができる可能性もあるでしょう。

デメリットをメリットに言い換えて伝える

ネガティブな売却理由は、感じたまま伝えてしまうと購入検討者が敬遠してしまいます。一方デメリットを隠して売却活動を行うと、後々トラブルに繋がりかねません。このような場合デメリットをメリットとして伝えることができないか考えてみるのも一つの手です。

具体的には、繫華街が近く騒がしいと感じた場合には、徒歩圏内に商業施設があって生活するのに便利な場所だと言い換えることができます。反対に周辺にお店がなく、不便と感じる場所については、閑静で生活しやすい場所だと言い換えることができます。

生活環境に対する価値観は人によって様々なので、売主にとってはデメリットと感じることでも、購入検討者にとってはメリットとなる場合もあります。視点を変えて、ポジティブな言い方にできないか考えてみましょう。

不動産会社に全て任せるのも手

ネガティブな売却理由の場合、状況によっては売主が立ち合わず、不動産仲介会社にすべて任せたほうがよいこともあります。なぜなら購入検討者によっては売却理由が気になり購入をためらう原因になることもあるからです。

ローンの支払いが難しい場合や離婚などが売却理由の場合、縁起が悪いと感じてしまう購入検討者もいるでしょう。一方で、同じ売却理由であっても全く気にならないという購入検討者もいます。

売却理由を直接伝えるのになんとなく躊躇してしまうときは、不動産仲介会社の担当者に相談してみるとよいでしょう。特に、購入希望者が内見する際には顔を合わせたり質問を受けたりすることも多いので、事前に想定質問をどう答えるかなどは相談した方が良いです。
不動産を売るのは不動産仲介会社ではなく、売主自身であるため主体的に行動することが望ましいです。

どのような売却理由の場合伝える必要がある?

売却理由は価格に影響するのか?

売主の家族構成や年齢、経済状況はそれぞれで異なるものです。そのため、売却理由はひとつではなく、いくつかの理由が含まれる可能性もあるでしょう。

売却理由はできるだけ正確に伝えるべきではありますが、ローンの支払いが難しくなった場合や離婚などのネガティブな売却理由の場合、経済的な状況まで詳細に伝える必要はないでしょう。「住み替えるため」や「実家の両親と同居することになったため」などといったやんわりとした理由で十分です。

ただし下記のような状況が含まれる場合は、後々トラブルになる可能性があるため事前に不動産会社や購入検討者に伝えなければいけません。どのような状況か説明していきます。

事故物件の場合

家の中で自殺や他殺などがあった場合は、必ず不動産会社に伝える必要があります。事故物件は購入希望者に必ず伝えることが義務づけられているためです。仮に伝えることを怠ると告知義務違反となり、売買契約解除もあり得るでしょう。

家の欠陥や周辺の環境問題

さらに、購入希望者が購入後に事実を知り、もし知っていたら購入しなかったような理由があるときです。
たとえば、家の構造上に欠陥がある、周辺道路や鉄道の振動・騒音などが気になる、近隣トラブルがある、嫌悪施設がある、といった問題です。このような売却理由に該当するときは、不動産仲介会社にしっかり伝えておかないとトラブルに発展することがあります。

不動産売却で必要な告知書の内容には、告知義務がある内容について記載されているので正しく伝える必要があります。なぜなら、売買契約後に購入者から告知書に記載されている内容と違うなどと指摘された場合は、売主が契約不適合責任に問われる可能性があるからです。

あまり伝えたくない売却理由ほど伝えなければならないので気をつけましょう。

売却理由が売却価格に影響を及ぼすことはある?

売主にとって気になるのは、売却理由が原因で売却価格が安くなったら困るということではないでしょうか。ここまで様々な理由例をお伝えしましたが、売却理由によっては事前に査定してもらった価格よりも値段が下がる場合や売却に時間がかかったりする場合があります。

具体的には売主の離婚や金銭問題、近隣トラブルが売却理由であるときは、一般的には査定価格には直接反映されないでしょう。しかし、このような個人的な事情の場合は売主が売却を急いでいる傾向があります。早く売りたいという心理が働いて時間をかけずに売却することがあるでしょう。
その結果、値段交渉を受け入れて売却成約価格が下がってしまうことが考えられます。

また新婚家庭が住宅購入を検討する場合、離婚が理由の不動産売却は避けられる傾向があるため、売却まで時間がかかってしまうかもしれません。

さらに、売却理由が周辺の治安や騒音、事故物件、嫌悪施設の有り無しなどであるときは、査定価格よりも値段交渉が入りやすく売却成約価格が下がってしまう場合があります。ただし、周辺の治安や騒音などが事前に把握できていればあらかじめ査定価格に反映されていますのでそれほど大きく影響することはないと考えられます。しかし、事故物件である場合は査定時に市場相場よりも大きく下がることが予想され、売却成約価格にも影響を及ぼすでしょう。

このように売却理由によっては、売主と購入希望者双方の心理的な意識が価格や売却期間に影響を及ぼすことがあるということを覚えておきましょう。

まとめ

売却理由をしっかり認識しておこう

家の売却は人生で何度も経験する人はそれほど多くないでしょう。そのため、購入検討者に安心してもらうために、売却理由をどのように説明しようかなどまでは考えがまわらない可能性があります。
しかし、自分が購入検討者の立場になったときに、どのようなことが知りたいかを想像すれば売却理由を的確に伝える大切さに気づくのではないでしょうか。

さらに、売却理由は売却価格や期間に多少なりにも影響を与える可能性があります。
不動産仲介会社に対しても誠実に事情を伝えることが大切と言えるでしょう。
高く売りたいために重要な理由を伝えないと、売却後にトラブルになる可能性があります。売却理由は購入希望者や不動産仲介会社にとっては知りたい項目です。そのため、今一度なぜ売却したいのか理由をしっかり確認しておきましょう。

不動産会社選びが重要

所有している不動産を効率的に売却するには、不動産会社の売り方も重要なポイントです。
その物件にあった販促活動をしているか、売主の希望に寄り添った対応しているかなどといった点は、満足のいく売却活動を行ううえで重要なポイントとなります。

不動産売買に関する知識がなく、所有している不動産をどのような方法で売却すればいいかわからないという方は一括査定サイト「イエイ」の利用をオススメします。

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