不動産の売却では、売ろうとしている不動産の価値を把握しておくことが大切です。不動産の価値を評価する方法はいくつかありますが、よく使われているのが積算価格です。積算価格の概要や、戸建て・区分マンションごとの計算方法について徹底解説します。積算価格を理解して、戦略的に売却を進めましょう。

積算価格とは?積算価格の他にもある不動産の評価方法

不動産は一つひとつ条件が異なるため、家電や家具など他の商品に比べ評価額を算出するのが難しいとされています。そのため、評価方法は複数用意されています。
最もよく使われているのが積算価格です。

積算価格

積算価格とは、土地と建物の現在価値をそれぞれ評価して合算した価格です。噛み砕いて言うと「現在この土地を購入し、同じ建物を建てるときの費用」を算出する方法です。そのため原価法とも呼ばれています。

積算価格から経年などの減価分を差し引けば、現状に近い不動産価格を算出できます。不動産の評価方法には、ほかにも収益価格(収益還元法)、比準価格(取引事例比較法)があります。

収益価格

積算価格は自分で建物を建てて使用することを想定した計算方法ですが、収益価格は建物を賃貸などに活用して収益をあげることを前提とした計算方法です。そのため、収益価格では対象の不動産に見込まれる純利益と現在価値とを合算します。

比準価格

また、比準価格は近隣の取引事例をもとに不動産価格を算出する方法です。ただし、近隣における過去の取引と現在の不動産売却とでは、立地や需要など条件が異なります。そのため、算出時には必要に応じて、不動産の条件に合わせた補正や修正を行います。
比準価格も自分で建物を建てて使用することを想定しています。

不動産の価値を算出する場合は、これら3つの計算方法を理解して適切なものを選びましょう。

物件購入時に金融機関から融資を受けるのに重要な積算価格

不動産を購入する場合は多くの費用がかかるため、金融機関から融資を受けることが珍しくありません。金融機関から融資を受けるためには、相応の担保が必要であり、購入予定の不動産を担保にすることが一般的です。

融資額を決めるためには担保となる物件の担保価格を把握する必要がありますが、金融機関はその担保価格を算出するために積算価格を基準にしています。金融機関は具体的に、どのように積算価格を算出するのでしょうか。

まず土地に関しては、国土交通省が公表する公示地価や都道府県が公表する基準地価、あるいは国税庁が公表する相続税路線価・固定資産路線価に土地面積をかけて計算します。建物は「再調達価格×延べ床面積×(残耐用年数÷耐用年数)」という式から導きます。

再調達価格

再調達価格とは、同じ建物を新しく立てた場合の価格のことで、建物の構造によってあらかじめ単価が決められています。また、建物は構造によって法定耐用年数が定められています。

そのため、残耐用年数(法定耐用年数−築年数)を耐用年数で割ることで、経年による建物の価値変化を算出するのです。なお、建物が法定耐用年数を超えていれば、無価値とみなされます。そして土地と建物の評価価格を足し合わせることで、積算価格が算出できます。

ただし金融機関の融資では、積算価格の他に近隣の過去の取引事例などさまざまな要素を加味して融資額を決定しています。積算価格は参考程度にとらえるとよいでしょう。

相続税の計算にも使われている積算価格

相続税の計算でも、積算価格が利用されているとみなすことができます。

相続税とは遺産相続を受けた場合に支払う税金です。相続税の対象となる財産は、プラスの財産とマイナスの財産の両方です。プラスの財産とは現金や預貯金、不動産、株式などの価値ある資産のことであり、マイナスの財産とは借金やローンなどの負債資産を指します。

したがって、相続税の対象となる遺産総額はプラスの財産からマイナスの財産と葬儀費用を引いたものになります。この計算方法から分かるように不動産を所有している場合、不動産価格は相続税算出にとって欠かせない要素です。

不動産のうち土地の資産価格は、路線価が公表されているかどうかで計算方法が異なります。

相続税路線価が公表されている地域であれば「路線価×土地面積」、相続税路線価が公表されていない地域であれば「土地の固定資産税評価額×地域ごとの倍率」で計算します。

また、建物の資産価格は固定資産税評価額がそのまま適用されます。

固定資産税評価額とは

市区町村が個々の不動産に対して評価した価格です。土地ならば「固定資産路線価×土地面積」、建物ならば「同じ建物を建てるときの費用から経年による減価分を減らした額」です。

このように、土地と不動産の評価額を算出したあと、最終的に両者を足すと相続税における不動産価値が決定します。相続税における不動産評価額の計算の仕組みは、積算価格の算出方法に則っていると言えるでしょう。

戸建ての積算価格を計算してみよう

実際に戸建ての積算価格を計算してみましょう。

積算価格の計算式は

  • 「積算価格=土地の価格+建物の価格」
  • 「土地の価格=公示地価か基準地価か路線価×土地面積」
  • 「建物の価格=再調達価格×延床面積×(法定耐用年数-築年数)÷法定耐用年数」

であるため、それぞれ具体的な数字をあてはめていきます。

まず土地の価格は、土地の形によって計算方法が異なります。角地の場合は「接している道路のなかで最も高額な路線価×土地面積」で出した数値を、さらに10%増しで評価します。たとえば、最も高額な路線価が20万円で、土地面積が100平方メートルだとすると土地価格は「20万円×100平方メートル×1.1=2,200万円」です。

土地が2つの道路に接している場合は「高額な方の路線価×土地面積」のみで計算するため「20万円×100平方メートル=2,000万円」です。土地が1つの道路にのみ接している場合は、接している道路の路線価を土地面積にかけましょう。

続いて建物の計算です。再調達価格は金融機関や地域によって異なりますが、たとえば東京の場合、ある保険会社は鉄筋コンクリート造が約25万円/平方メートル、鉄骨造が約21万円/平方メートル、木造が約18万円/平方メートルと設定しています。また、建物の法定耐用年数は、国税庁が公表している数値を確認しましょう(※1)。

たとえば、鉄筋コンクリート造は47年、鉄骨造は19年から34年(広さによって異なる)、木造は22年です。したがって、たとえば東京で鉄筋コンクリート造、延床面積50平方メートル、築年数17年の場合は「25万円×50平方メートル×(47年-17年)÷47年」となり、797万円となります。最後に土地(路線価20万円の角地の場合)と建物の価格を足して、2,997万円です。

※国税庁
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php

区分マンションの積算価格を計算してみよう

区分マンションの場合も、戸建てと同じように計算していきます。次の区分マンションの積算価格を算出してみましょう。

  • 物件の面積:70平方メートル
  • 建物の敷地面積:1,500平方メートル
  • 区分マンションにおける土地の持ち分:30万分の4,000
  • 築年数:10年
  • 路線価:25万円
  • 再調達価格:25万円
  • 法定耐用年数:47年

この場合、まず土地の価格は「25万円×1,500平方メートル×4,000÷30万=500万円」です。続いて建物の価格は「25万円×(47-10)÷47×70平方メートル=約1,378万円」です。最後に土地と建物の価格を足して、500万円+約1,378万円=約1,878万円が区分マンションの積算価格となります。  

区分マンションの場合は、上記にある「土地の持ち分」など算出方法が複雑な要素があります。そのため、ある程度正確な積算価格を知りたければ不動産会社などの専門家に相談してみると良いでしょう。

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まとめ

不動産売買にあたっては、不動産の価値をしっかり見極めることが大切です。不動産の評価方法には何種類かありますが、融資や相続など幅広い場面で利用されているのが積算価格です。

積算価格は、土地と建物の評価額を足し合わせるシンプルな評価方法です。公的機関や保険会社などが公表している数値と、所有している不動産の情報で大まかな積算価格を算出できるため、不動産売却を検討しているならぜひ計算してみましょう。

もし数値や計算が複雑だ、不明点があるという場合は専門家に相談するのがおすすめです。