この記事でわかること
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土地を買取で売却することを検討する際、「相場はどれくらいなんだろう?」というのは気になるポイントですよね。
不動産会社を通して買主を見つける仲介に比べて、買取の相場は安くなりやすい傾向にあります。
しかし、その反面すぐに現金化できるというメリットもあります。
土地を仲介ではなく買取で売却したいという方のなかには、何らかの事情を抱えている方も珍しくありません。
こちらの記事では、土地の買取相場についてや調べ方、高く買い取ってもらうコツについても詳しくご紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の目次
土地の買取相場ってどれくらい?
土地の買取相場は、市場価格の6割〜8割程度になります。
市場相場とは、仲介での売却価格を指します。
不動産会社を通して買主を見つける仲介に比べて、買取での売却は安くなりやすい傾向にあります。
安くなってしまうのには、以下のような理由があります。
- 再販にむけて、不動産会社が仕入れ価格を抑えようとするため
- 仲介に比べて価格交渉しにくいから
- 売り手側に事情がある場合、希望の条件が通りにくいため
土地を買取で売却しようと検討している方のなかには、何らかの事情があり「土地を早く手放したい」「早く現金化したい」という方も多いかと思います。
そういった場合、価格面よりも早く売却することが優先されるため、不動産会社の提示した条件をそのまま受け入れることになります。
不動産会社も利益を重視するため、仕入れ価格を抑えようとする傾向があり、売主側が希望する価格交渉に応じる可能性も低くなります。
土地の買取相場を調べる方法
売却を検討している土地の買取相場は、自分で調べることができます。
こちらでは、土地の買取相場を調べる方法とやり方について解説していきます。
土地の買取相場を調べる方法には以下のものがあります。
- 不動産情報ライブラリ
- 固定資産税評価額から算出する
- 路線価から算出する
不動産情報ライブラリ
「不動産情報ライブラリ」とは国土交通省が運営しているサイトです。
こちらでは、実際に取引された不動産の価格を調べることができます。
以下でやり方をご紹介していきます。
①不動産情報ライブラリにアクセスして「地域検索」をクリックする
「地図表示」からでも検索可能ですが、調べたい地域がすでに定まっている場合は「地域検索」の方が簡単に検索することができます。
②調べたい住所や路線・駅名で検索をする
地域を指定するフォームが出てくるので必要項目を入力しましょう。
その後、マップ操作で検索地域を調整ができるため正確に入力する必要はありません。
③「価格情報」をクリックし「不動産取引価格情報」を選択する
画面左上にある「価格情報」をクリックすると価格メニューが表示されるので「不動産取引価格情報」を選択しましょう。
「条件設定」をクリックすれば、検索したい不動産の種類や検索期間も設定することができます。
④取引価格を見たい地域をクリックする
調べたい地域をクリックすると区画が縁どられ取引件数などの情報が表示されるので、「詳細表示」をクリックし取引価格を確認しましょう。
⑤市場価格から買取相場を算出する
売却したい土地と類似する土地をピックアップしたら、坪単価に0.7を掛けて買取相場を算出します。(こちらでは、土地の買取相場を市場価格の7割程度と想定しています)
固定資産税評価額から算出する
固定資産税を支払っている人は、固定資産税評価額から土地の買取相場を算出することができます。
市区町村から毎年4〜6月ごろに「納税通知書」が届くので、そちらの課税明細書「評価額」欄にある「固定資産税評価額」を確認します。
土地を相続したばかりでまだ通知書を受け取ったことがないという方は、その土地の直前の所有者に届いているはずなので確認してみると良いでしょう。
固定資産税評価額は公示価格の7割程度となります。
実勢価格は公示価格の1.1倍程度になることが多いため、ここから逆算すると、以下の式で実勢価格の目安を算出することができます。
実勢価格の目安 = 固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1
上記の式で算出した実勢価格の目安に0.7(ここでは買取相場は市場価格の7割と想定)を掛けて買取相場を導き出しましょう。
路線価から算出する
土地の買取相場は、路線価から算出することができます。
路線価は、国税庁による相続税を計算する際に使用される道路の価格のことです。
以下で、路線価から土地の買取相場を算出する方法をご紹介していきます。
①路線価図・評価倍率表|国税庁へアクセスし調べたいエリアを選択する
トップページから相場を知りたい土地が所在する都道府県を選択しましょう。
②財産評価基準書目次の「路線価図」をクリック
「路線価図」をクリックしたら、次画面で市区町村と地名を選択しましょう。
③路線価図を開き、相場をしりたい土地の地図を表示させる
土地に面している道路に書かれている数字がその土地の路線価になります。
路線価は1平方メートルあたりの価格が千円単位で記載されているため、今回の場合の路線価は以下の式で算出します。
路線価=土地が面している道路に書かれている数字×1,000円(1㎡あたり)
④路線価から実勢価格の目安を計算する
算出した路線価から実勢価格の目安を以下の式で計算します。
実勢価格の目安 = 路線価評価額(路線価×面積) ÷ 0.8 × 1.1
⑤実勢価格の目安を土地買取価格の相場に変換する
実勢価格の目安に0.7(ここでは買取相場は市場価格の7割と想定)を掛けて買取相場の価格を算出しましょう。
土地の買取相場を調べる際の注意点
土地の買取相場を調べる方法についてご紹介してきましたが、いくつか注意点もあるので、事前に把握しておきましょう。
土地の買取相場を調べる際の注意点には以下のようなものがあります。
- 相場はあくまで参考として捉える
- 土地の相場は変動する
- 実際に売却する時は不動産会社に査定を依頼する
相場はあくまで参考として捉える
土地の相場価格は、あくまで参考値となります。
なぜなら、実際の土地の周辺環境や土地の状態などを考慮した価格ではないからです。
そのため、あくまでも参考程度に捉えておいたほうが良いでしょう。
また、不動産会社のホームページやチラシに掲載されている売り出し価格を参考にする方もいるかと思いますが、売り出し価格は土地が実際に売却された価格である「成約価格」とは異なるため、相場を調べる際は混同しないように注意しましょう。
土地の相場は変動する
土地の相場は、いつまでも同じ価格ではありません。
国が定めている土地を売買する際に基準となる価格である「公示地価」は毎年3月にその年の1月1日時点の価格が発表されます。
また、9月末には公示地価から半年後の地価を評価する「都道府県地価調査」が発表されます。
土地の売却相場はこの地価に合わせて変動します。
そのため、数年前に調べた相場をあてにして売却活動を始めないように注意しましょう。
実際に売却する時は不動産会社に査定を依頼する
実際に土地の売却を行う際は、不動産会社に査定を依頼し正確な価格を確認しましょう。
不動産会社の査定であれば、最も売却額に近い価格を知ることができます。
しかし、不動産会社によって査定額は異なるので注意が必要です。
1社にだけ依頼をして即決するのではなく、3社ほど複数の不動産会社に査定を依頼して比較すると良いでしょう。
株式会社じげんが運営する「イエイ」の一括査定では、安心して取引ができる多くの不動産会社から一括査定が受けられるので、ぜひお気軽にご利用ください。
土地の査定額が決まるポイント
土地の査定額を決める際、どのような点が影響してくるのか気になりますよね。
土地の査定額が決まるポイントには以下のようなものがあります。
- 土地の面積や形状
- 間口と奥行きの長さ
- 前面道路
- 周辺環境
- 日当たり
- 用途地域
土地の面積や形状
基本的に土地の面積は、広いほど活用できる選択肢が増えるため評価額が高くなる傾向にあります。
しかし、環境などの他の要素も影響するため一概には判断できません。
形状に関しては、正方形や長方形のような使いやすい土地は評価額がが高くなります。
反対に、細長い土地やゆがんだ土地などは活用しにくいため評価額が低くなる可能性があります。
間口と奥行きの長さ
道路に面している部分を「間口」といいます。
間口が広い土地であれば、建物の配置や駐車スペースの自由度が上がるため評価額が高くなります。
また、奥行きと間口のバランスが評価において重要なポイントになります。
例えば、奥行きが広いけれど間口が狭い土地は出入りしにくかったり、建物の設計に影響がでる場合があります。
そのため、間口が広く奥行きが狭めの土地のほうがバランスが良く評価額が高くなります。
前面道路
土地が接している道路の状況も土地を利用する人の利便性を左右するため、査定額に影響します。
幅が広く、歩道があり、完全舗装されている道路ほど評価額が高くなります。
また、2つの道路に挟まれている「二方路地」や、2つの道路でできた角にある「角地」のほうが風通しの良さや日当たりの良さも考慮され、評価が高くなる傾向があります。
なお、前面道路の幅員が4m未満の土地は注意が必要です。
建物を建築する際は、4m(地域によっては6m)以上の道路に2m以上接することが定められています。
そのため、幅員が狭い土地の場合は、土地の一部を道路側に後退させる(セットバック)必要があるため、土地の評価を大きく下げる原因になります。
周辺環境
土地を活用する人の利便性に大きく影響するため周辺環境も査定額が決まるポイントになります。
土地の近辺に駅や商業施設、学校、病院などがある場合は、利便性が高く高評価を得られます。
反対に、産業廃棄物処理施設、下水処理場、墓地、送電線、軍事基地といった嫌悪施設がある場合は、査定額に悪い影響を与えます。
日当たり
日当たりの良さは、多くの買主が気にするポイントでもあるので査定額に影響します。
査定をする際は、近くに高い建物がなく日光がさえぎられていないかや、東側や南側に道路が面しているか、区画の角地で交差する2点に道路が面しているかなどが考慮されるポイントになります。
用途地域
「用途地域」とは、計画的に市街地を形成するために使用用途が決められた地域のことを言います。
一般的に使用用途の制限が緩い土地のほうが評価が高くなります。
例えば、飲食店や大型商業施設が集まる「商業地域」は利便性も高いため、取引価格が高くなる傾向にあります。
反対に、工場が多く学校や病院を建てられない「工業地域」は、取引価格が低くなる傾向があります。
土地を買取相場よりも高く買い取ってもらうコツ
土地を売却する際は、買取相場よりもなるべく高く買い取ってもらいたいですよね。
こちらでは、そのコツについてご紹介していきます。
土地を買取相場よりも高く買い取ってもらうコツには、以下のようなものがあります。
- 買取保証を利用する
- 繫忙期を狙う
- 買取再販実績の豊富な不動産会社に査定を依頼をする
買取保証を利用する
不動産会社の土地買取には「即時買取」と「買取保証」の2つの方法があります。
不動産会社との間で価格が決まり次第、即時に買い取ってもらう「即時買取」に対して、「買取保証」は最初の一定期間は仲介での売却活動を行い、それでも売れなかった場合に不動産会社が買い取るという方法になります。
そのため、仲介でより高く売却できる可能性を残しつつ、万が一のときは買い取ってもらえるという安心感があります。
しかし、買取保証の場合は売却までに少し時間がかかってしまうので、短期間の売却を第一優先にしたい人には不向きです。
もし、売却までに余裕がある場合は買取保証を利用した方が買取相場よりも高く売却することができます。
繫忙期を狙う
不動産市場には繫忙期があります。
繫忙期であれば、土地を欲しいと考える人が増えるため、不動産会社側も、仕入れた土地を比較的売りやすくなります。
このため、買い取りにも積極的になり、査定金額が上がる可能性があります。
不動産の繁忙期は、新生活が始まる新年度を控えた1〜3月頃と異動などが行われる8月頃と言われているので、売却までに余裕がある場合はこの時期に合わせて買取による土地の売却を行うと良いでしょう。
買取再販実績の豊富な不動産会社に査定を依頼をする
買取業者を選ぶ際は、買い取った土地をどのように再販しているのかについて確認しておくと良いでしょう。
買取再販実績の豊富な不動産会社であれば、ノウハウを持っているので、必要以上に買取価格を下げなくても利益を生み出すことができます。
そのため、比較的高く買い取ってもらえる可能性も高くなります。
土地の買取相場を知るには一括査定がおすすめ
土地の買取相場の調べ方や注意点、高く買い取ってもらうコツについてもご紹介してきました。
正しい買取額を知るためや、高く買い取ってもらうには、複数の不動産会社の査定額を比較することが重要です。
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