この記事でわかること
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転勤や離婚などさまざまな理由で、マンションの売却を考えることは珍しくありません。
その際、売却を考えているマンションにローンが残っていると売却できるのか不安ですよね。
しかし、残債がある状態でもマンションを売却することは可能です。
そのためにはマンションのローン残債がどれくらいあるかの確認や、不動産会社に査定を依頼していくらで売却できるかを把握し、一括返済できるかを検討しなければなりません。
こちらの記事では、住宅ローンの残債があるマンションの売却方法や流れ、オーバーローンの場合の対処法、売却における注意点についてご紹介していきます。
この記事の目次
住宅ローンの残債があるマンションは売却可能?
住宅ローンの残債がある状況でも、マンションの売却は可能です。
しかし、「アンダーローン」か「オーバーローン」かによって対応が変わってきます。
アンダーローンとは、住宅ローンの残債がマンションの売却額よりも少ないことです。
この場合は、マンションの売却額で住宅ローンを一括返済することができるので問題ありません。
対して、オーバーローンとは住宅ローンの残債がマンションの売却額よりも多いことを指します。
この場合、マンションの売却額で住宅ローンを返済することができないので、特殊な対応が必要になります。
オーバーローンの場合の対処法については後ほどご紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
マンション査定をしてローン残債を返済できるか確認しよう
まずは、住宅ローンの残債を一括返済できるか把握する必要があります。
そのためには、「住宅ローンがどれくらい残っているか」の確認と「マンションがどれくらいの価格で売却できるか」を確認し比較しましょう。
住宅ローンの残債は、融資を受けている金融機関から毎年送られてくる「返済予定表」でチェックできます。
もし、手元にない場合は借り入れた金融機関に依頼して「ローン残高証明書」を発行してもらいましょう。
マンションの売却額を確認するには、不動産会社に査定を依頼する必要があります。
マンションの査定方法には、「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」の2種類があり、それぞれの特徴は以下になります。
査定方法 | 特徴 | かかる期間 | 精度 |
---|---|---|---|
簡易査定(机上査定) | 物件情報を元に過去の近隣取引事例、市場動向などを考慮して査定する方法 | 最短即日~数日 | おおよその価格 |
訪問査定 | 不動産会社が現地調査をおこない、外観や内観、立地条件、周辺環境などを総合的に判断して査定する方法 | 約1〜2週間ほど | より正確な価格 |
ローン残債がある場合、より正確な価格を把握する必要があるため「訪問査定」が欠かせません。
もしくは、いきなり不動産会社の訪問を受けるのは抵抗があるという方は、まずは「簡易査定(机上査定)」でおおよその価格を把握してから不動産会社に訪問査定の依頼をしても良いでしょう。
また、査定額は不動産会社によって異なるため複数社に依頼をし、考慮するのが得策です。
ローンを一括返済できるかに関わってくるので、査定額がいくらになるかは重要なポイントですよね。
そのため、売却を考えているエリアの市場に詳しく、マンション売却が得意な不動産会社を見極めることが大切です。
株式会社じげんが運営する「イエイ」の一括査定は、安心して取引ができる多くの不動産会社から査定を受けることができます。
ぜひご活用ください。
住宅ローンの残債があるマンションの売却方法
住宅ローンの残債があるマンションを売却するには、以下の手順が必要になります。
- 住宅ローンを完済する
- 抵当権を抹消する
マンションを売却するには、抵当権を抹消する必要があり、抵当権を抹消するにはローンの完済が必要条件になります。
「抵当権」とは、住宅ローンを借りる際に、債務者(ローン契約者)に対して債権者(金融機関・保証会社)が不動産を担保として設定し、債務不履行時には債権者が優先的に弁済を受けられる権利のことです。
先述した「アンダーローン」の場合は、売却額でローンの完済ができるため、マンションの売却が可能になります。
また、売却額がローン残債に足りなかった場合も、自己資金によって返済ができればマンションの売却は可能です。
この場合、「繰り上げ返済」を行うことになります。
繰り上げ返済とは、残っている住宅ローンを前倒しでまとめて返済する方法です。
その際、残りの元金にかかる金利もかかりません。
住宅ローンを完済したら、抵当権を抹消しましょう。
原則として、抵当権を抹消しなければ不動産会社を売却することはできません。
また、ローンの完済後に金融機関が自動的に抹消してくれるものではないので、自分で申請が必要になります。
抵当権の抹消は以下の手順で行います。
- 金融機関から完済書類を受け取る
- 管轄の法務局を調べる
- 抵当権抹消申請書をダウンロードし、記入する
- 法務局で抵当権抹消登記の申請を行う
- 法務局から登記完了証を受け取る
抵当権抹消の手続きは司法書士や専門家に依頼することが一般的になります。
司法書士への報酬は、代行を依頼する司法書士によって異なりますが、おおよそ1.5万円前後かかるでしょう。
ローン残債のあるマンション売却の流れ
こちらでは、アンダーローンの場合におけるマンション売却の流れについてご紹介していきます。
アンダーローンの場合、マンション売却には以下の手順が必要になります。
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 金融機関に一括返済の連絡をする
- 売却活動を行う
- 買主と売買契約を結ぶ
- 金融機関に決済日を連絡する
- ローン残債の清算手続きと抵当権抹消登記を行う
- 物件の引き渡しと所有権移転を行う
- 利益が出た場合は翌年に確定申告する
不動産会社と媒介契約を結ぶ
まずは、査定を受けた不動産会社の中から仲介を依頼する会社を選び、媒介契約を結びましょう。
媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
一般媒介契約 | ・複数の不動産会社と媒介契約を結べる ・自分で購入希望者を見つけて売買することもできる |
専任媒介契約 | ・1社の不動産会社とのみ媒介契約を結ぶ ・7営業日以内のREINS TOWERへの登録義務がある ・2週間に1回以上、売主へ販売活動報告書の提出義務がある ・自分で購入希望者を見つけて売買することもできる |
専属専任媒介契約 | ・1社の不動産会社とのみ媒介契約を結ぶ ・5営業日以内のREINS TOWERへの登録義務がある ・1週間に1回以上、売主へ販売活動報告書の提出義務がある ・自分で購入希望者を見つけても直接売買契約を結ぶことはできず、媒介契約を結んだ不動産会社を通す必要がある |
それぞれ特徴が異なるため、自身の希望に合わせて選択すると良いでしょう。
基本的に、高い需要が見込めるマンションなら一般媒介契約がおすすめです。
一般媒介契約であれば、複数の不動産会社と契約を結ぶことが可能なので、広く集客をすることができます。
しかし、不動産会社は売主へ販売活動を報告する義務がなく活動の様子が見えにくいため、こちらから積極的にコミュニケーションを取る必要があります。
なかなか買い手がつかなそうなマンションの場合や、1社と信頼関係を築いたうえでじっくりと高値売却を目指したい方は、専任媒介契約か専属専任媒介契約を選択すると良いでしょう。
また、媒介契約を結ぶ際には、売出価格の設定をはじめ、広告の出し方、契約期間、報酬額(手数料)などを決めていきます。
ここで重視すべきなのは、報酬額(手数料)の価格ではなく、しっかりと売却活動をしてくれるかどうかという点です。
業者の実績や口コミ、売却活動内容をしっかり確認し、信頼できる会社を選ぶよう心がけましょう。
金融機関に一括返済の連絡をする
マンションの売却を行うことが決まったら、住宅ローンを借り入れている金融機関に一括返済する予定であることを連絡しておきましょう。
この際、金融機関に必要な書類や手続きなどを事前に確認しておくと良いでしょう。
実際に手続きを行うのは、買主と売買契約を結んだ後になりますが、あらかじめ必要事項を把握しておくとスムーズに進めることができます。
売却活動を行う
不動産会社と媒介契約を結んだら、売却活動が始まります。
広告活動では、不動産会社のホームページやポータルサイトに物件情報が掲載されたり、チラシの配布やポスティング、看板広告などさまざまな媒体で物件の広告掲載が行われます。
購入希望者が現れたら、実際にマンションの内覧を行います。
その際、購入希望者の問い合わせに応じ、内覧日時を調整、質問対応や購入意向の確認、条件面の交渉などの対応が必要になるので、あらかじめ質問に答えられるようにしておくなど準備をしておきましょう。
また、できるだけ高く売却するには、清掃や不良品の処分など行い、購入希望者に少しでも好印象を持ってもらえるよう工夫しておくと良いでしょう。
なお、マンションは共用部分の状態もチェックされるため、内覧当日はエントランスから住戸まで一通り歩きゴミが落ちていないか確認するよう心がけましょう。
買主と売買契約を結ぶ
マンションの買主が決まったら、売買契約を結びます。
その際、売却金額の5〜10%程度を「手付金」として買主から受け取ります。
また、この時点で不動産会社に仲介手数料の半額を支払うのが一般的です。
売買契約書を交わす際は、重要な法的拘束力のある書類なので、内容を一つ一つ確認する必要があります。
契約締結前には、金銭面や期日など記載内容に誤りや漏れがないかをしっかり確認しておきましょう。
売買契約書の主な項目は以下の通りです。
- 売買価格
- 物件の引渡し期日
- ローン残債の精算方法
- 物件の現状に関する覚書(契約時における物件の状態を確認)
- 瑕疵担保責任(契約後に重大な物件の欠陥が見つかった場合の処置)
- その他、各種条件の取り決め
金融機関に決済日を連絡する
買主と売買契約を締結して、決済と引き渡しの日程が決まったら、金融機関に連絡をし住宅ローンの一括返済の申し込みを行いましょう。
住宅ローンの一括返済は、借り入れしている金融機関の担当者が決済と引き渡し時に必要書類を持参し立ち合うのが一般的です。
金融機関によっては、準備に数週間かかるケースもあるため早めに連絡しておきましょう。
ローン残債の清算手続きと抵当権抹消登記を行う
決済日には買主から残代金を受け取り、住宅ローンを一括返済を行います。
その際、ローン残債が完済したことの証明書が発行されます。
この完済証明書は、物件にかかる抵当権の抹消登記を行うのに必要となります。
ローン完済後は、金融機関の担当者が司法書士へ抵当権抹消に必要な書類を引き渡し、法務局にて抵当権抹消登記と所有権移転登記を行います。
物件の引き渡しと所有権移転を行う
ローンの清算手続きが完了したら、物件の引き渡しと所有権移転手続きを行います。
所有権移転手続きの内容は、売主と買主による所有権移転登記、引渡書への署名捺印、鍵の受け渡しなど実地での物件引渡し、買主への重要事項説明になります。
重要事項の説明では、設備の使い方や管理組合状況などを伝えます。
そのため、すべての備品や書類がきちんと揃っているか事前に確認しておきましょう。
利益が出た場合は翌年に確定申告する
マンションの売却で利益(譲渡所得)が出た場合、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要があります。
譲渡所得が出たか確認するには、以下の計算式で求めましょう。
譲渡所得=マンションの売却代金−(取得費+譲渡費用)
取得費とは、マンションを取得したときにかかった購入費や仲介手数料などから、経年劣化による減価償却分を差し引いた金額のことをいい、譲渡費用は、マンションを売却する際に支払った仲介手数料や印紙税などの合計金額のことを指します。
上記の計算式でプラスになった場合は、確定申告を行い譲渡所得税を支払いましょう。
譲渡所得税は、マンションを売却した年の1月1日時点の所有期間によって変動します。
所有期間が5年以下 | 39.63% |
---|---|
所有期間が5年超え | 20.315% |
また、売却したマンションがマイホームで一定の要件を満たしていれば、「3,000万円特別控除の特例」が適用され、譲渡所得3,000万円までは譲渡所得税が発生しなくなります。
制度の適用要件は、国税庁のホームページで確認できるので、該当するか確かめましょう。
国税庁ホームページ「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
オーバーローンの場合の対処法
住宅ローンの残債がマンションの売却額よりも多い「オーバーローン」になってしまった場合の対処法をご紹介していきます。
対処法には、以下のものがあります。
- 住み替えローンを利用する
- 任意売却を利用する
住み替えローンを利用する
マンションの売却と同時に転居先の購入を行う場合は、「住み替えローン」を利用できます。
住み替えローンとは、マンション売却の際に返済しきれなかったローンの残債と転居先の購入資金に上乗せして借り入れることができるローンです。
住み替えローンを利用するには、初期費用としてまとまった額の手数料が必要となることが一般的です。
さらに、引越し費用などの諸費用もかかるため、事前にどのくらいの初期費用が必要なのかしっかりと把握しておくようにしましょう。
また、住み替えローンにはメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・オーバーローンでも売却できる |
・取り扱っている銀行が少ない ・担保価値以上に借りるため、返済リスクが高まる ・売却と購入の引渡日を同日にしなければならない |
住み替えローンは、通常のローンよりも審査が厳しい傾向にあります。
審査では、年齢や年収、現在のローン残高、新たに購入する物件の価格と担保評価額、過去の借入履歴、ローンの延滞記録などがチェックされます。
住み替えローンを利用する際は、くれぐれも借りすぎに注意し、返済計画をしっかりと立てるようにしましょう。
任意売却を利用する
任意売却とは、住宅ローンを借り入れている金融機関の了承を得て行う売却方法です。
通常ローン残債のあるマンションの場合、「抵当権」がついており売却を行うことができませんが、金融機関と交渉をしたうえで抵当権を外して売却することが可能になります。
しかし、債務不履行を犯したことを前提に銀行が合意をして売却する方法のため、ローンは全て免責されるわけではなく、任意売却後に残った残債は原則として返済する必要があります。
また、任意売却には以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・オーバーローンでも売却できる ・競売よりも早く売却でき、一般市場に近い額での売却が期待できる ・所有者の情報が公開されない ・引越し費用の負担軽減になる可能性がある ・売却後に残った残債の返済方法について債権者と交渉することができる |
・ブラックリストに5~7年掲載され信用に傷がつく ・売却後に残債の返済義務がある ・ブラックリストに載るため、新たなローンが組めない ・クレジットカードの利用限度額や更新に一定の支障が生じる |
このように、任意売却にはブラックリストに5〜7年掲載されてしまうという大きなデメリットがあります。
債務不履行を犯したことで信用情報に傷が付いてしまうので、安易に選択せず最終手段として考えるようにしましょう。
マンションのローン残債を確認し査定を依頼しよう
ローン残債があるマンションの、アンダーローンの売却方法とオーバーローンの場合の対処法についてご紹介してきました。
ローン残債のあるマンションの売却は可能ですが、まずはローンの残高と売却額を比較し計画を立てることが重要です。
マンションの査定を依頼する際は、不動産一括査定を利用し、不動産会社を見極めるとよいでしょう。
株式会社じげんが運営する「イエイ」では、複数の不動産会社から一括査定を受けることができます。
15年以上の営業実績で培った優良企業を多くご紹介しているので、ぜひ「イエイ」の不動産売却一括査定をご活用してみてくださいね。