不動産投資に関する情報はインターネットや書籍、セミナーなど巷にあふれています。情報がありすぎて、混乱してしまったこともあるのではないでしょうか。不動産投資のやり方はひとつではないため、納得するまで調べ自分に合った投資方法を検討して実践しましょう。

ここでは、不動産投資の基本的な仕組みや気をつけておきたいポイントについて見ていきます。

不動産に投資?どうやって利益を得るの?

不動産投資は最終的に利益を得ることが目的です。そのため、損をする可能性があるリスクの高い投資は避けたいものです。しかし、大きな金額が必要になることも多く実際に投資を始めてみても利益が出ているかどうかわかりにくいでしょう。また、利益が出ているように見えても実際は運用がマイナスだったという可能性もあるので注意が必要です。

不動産投資の利益の得方

不動産投資は、収入はほぼ家賃によるものなのでシンプルですが支出はさまざまなコストや税金がかかります。また、売却時に最終的な利益が決まるので物件購入時から売却まで気を抜かないで注意深くコストを管理する地道な努力が必要になるでしょう。また、投資物件の構造や築年数・ローン利用の有無など、それぞれの物件の状況によって支出の内訳が異なります。

そのため、基本的な知識や仕組みを必ず理解してから始めることが大切です。

不動産投資で知っておきたいインカムゲインとは?

不動産投資の利益が出る仕組みは主に2つあります。ひとつは「インカムゲイン」です。

インカムゲイン
投資用物件を購入後、賃借人から支払われる毎月の家賃収入に注目した投資方法

家賃収入から毎月の固定経費を引いた残りが実際の手取り収入の目安です。そのほかに、突然の出費や税金などの支出などがあるので備えておかなければなりません。毎月の手取り収入から、これらの支出もあわせて引いておくと年間どれくらいの手取りになるか予想がつくでしょう。

「インカムゲイン」は不動産投資を初めて行う場合、特に意識しておきたい基本的な仕組みです。

「インカムゲイン」は毎月安定した家賃収入がなければなりません。入居者が想定通りの家賃で、空室期間がほとんどなく長期間安定して入居し続けていればある程度予想通りの利益を見込めるでしょう。収入源は家賃収入なので、賃借人が退去し空室期間が続いてしまうと収入が途絶えてしまいます。しかし、家賃収入が入らない期間もマンションであれば管理費・修繕積立金を支払わなければなりません。また、固定資産税・都市計画税なども納付するので支出が家賃収入よりも上回ることになるでしょう。

「インカムゲイン」は、いかに空室期間をつくらずにまた家賃を下げずに長期で運営できるかどうかが重要なポイントです。不動産投資を始める人が意識しておきたい「インカムゲイン」の仕組みですが、注意しておきたいポイントはいくつかあります。

まず、家賃収入を得ることが最も大切なので賃貸需要がある地域に投資するようにしましょう。そのため、ある程度人口が多い都市部などで投資を検討してみることが大切です。万が一空室がでても新たな賃借人を探しやすい地域を選ぶとよいでしょう。また、たとえ安定した家賃収入があっても毎月の固定費用が高すぎると手取り収入は低くなってしまいます。

そのため、大規模な修繕が必要になりそうな物件や管理費など毎月の固定費が高い物件には注意しましょう。

不動産投資によるキャピタルゲインとは?

不動産投資のもうひとつの仕組みとして「キャピタルゲイン」があります。

キャピタルゲイン
毎月の家賃収入を得ることはもちろん、投資した物件を売却したときに利益を得ることを主な目的とした投資方法

毎月の家賃収入と投資物件売却時の利益が目的

基本的な「キャピタルゲイン」の考え方として「投資用不動産を安く購入して高く売却すること」と覚えておきましょう。しかし、不動産価格は景気が大きく影響したり、金融機関の融資状況や方針なども影響を受けたりすることがあります。そのため、実際に投資用物件を購入した時点で将来的に購入時よりも高く売れることを確実に予想できる人はそれほど多くないでしょう。

「キャピタルゲイン」は、高く売却できれば大きなリターンを得られます。しかし、自分では安く購入できたと思っていてもそのあとで価格が値下がりを続けてしまうというリスクがあります。

一般的には、購入時から売却までには一定の年数が経過しているため売却価格は下がる傾向にあるでしょう。一部の地域によっては、新しい鉄道の駅ができたり、大規模な開発が進んだりなどの理由で投資用物件が値上がりをするケースがあります。しかし、不動産投資の経験が豊富でなければ最初から「キャピタルゲイン」を狙った不動産投資は難しい可能性が高いです。

特に頭金が少なめで多額のローンを利用して投資用物件を購入してしまうと、想定した価格よりも低く売却することになったときは大きな損失を出してしまう可能性があるので注意しましょう。

インカムゲインとキャピタルゲインのメリット・デメリットは!

インカムゲインとキャピタルゲインのメリット・デメリットって?

「インカムゲイン」のメリット
■家賃収入が安定的に期待できること

■固定支出やそのほかの支出をしっかり把握していれば不動産投資が初めてであっても、十分コントロールが可能

■投資用物件の選択を間違えなければ比較的安定した収入を得られる
「インカムゲイン」のデメリット
■ワンルーム一室のみに投資している場合など、毎月の手取り収入はそれほど大きくはないため、短期間でハイリターンは望めない可能性が高い

■長期間物件を保有しているあいだに物件の価値は下がっていく可能性がある
⇒投資用物件を売却した際に大きく値下がりしてしまうと、地道に得ていた家賃収入分が大きく目減りすることもあるので注意が必要

「インカムゲイン」を目的にした投資は、不動産投資初心者ほどおすすめと言えます。特に都市部で賃貸需要の高いエリアのマンションなどから始めてみるとよいでしょう。マンションは修繕の見込みが立てやすいので、アパートと比較すると収益予想の判断がつきやすいという特徴があります。

「キャピタルゲイン」のメリット
■高く売却できればある程度まとまった収益を見込めること

■不動産投資初心者であってもタイミングよく安く投資用物件を購入できれば、売却益が見込める可能性もある

※ただし、不動産価格が上昇しているエリアは一部の特定したエリアに限られているため、一般的には「キャピタルゲイン」による投資方法は非常に難しい
「キャピタルゲイン」のデメリット
■税金が高い
⇒たとえば、5年以内で投資用不動産売却をする場合、短期譲渡の扱いになり高い税金を支払う必要がある
⇒たとえ売却益が出た物件であっても利益がほとんど残らない可能性が高い

■さらに、売却の際には不動産仲介会社に支払う仲介手数料などが発生するため、値上がり益だけを期待して不動産投資をするのは避けたほうが賢明

「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」は不動産投資の仕組みとして、しっかり理解しておきたい項目です。不動産の価格は需要と供給、景気などさまざまな要因で決まります。また、地域によっては人口が減少しているため将来的に物件の数だけが増えて、入居者を探すのが大変になる可能性もあるでしょう。

そのため、常に満室で経営したい・いくら高く売却したいと思っていても、予想通りにいかないことを想定しておくことが大切です。

それぞれのメリット・デメリットについて知っておくことで、不動産投資におけるリスクを回避しましょう。

不動産投資の仕組み!レバレッジを効かせて利益を得る

「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の仕組みを理解すると、自分に合った投資方法が見えてくるのではないでしょうか。しかし、不動産投資を知るうえで重要なポイントはほかにもあります。

不動産投資ならではの仕組みを上手に利用して利益を拡大するという概念です。不動産投資がほかの投資と違うところは、投資用物件を担保にしながら資産を拡大できる可能性があるということです。金融機関から融資を受けて投資ができるのは、不動産投資ならではのメリットと言えるでしょう。

手持ちの現金が少なくても、最低限の頭金があれば不動産投資はすぐにでも始めることができます。給与など安定した所得が見込める人は、個人の信用力を利用して金融機関から投資用物件を購入するための借り入れが可能です。

まず、投資用物件を1件購入し、安定した家賃収入を得ることから始めてみてはいかがでしょうか。家賃収入をある程度得ることができたらその家賃収入をさらにほかの物件購入に充てていきます。このように、再投資していくサイクルが確立できれば投資用物件を短期間のうちに増やしていくことができるでしょう。

少ない費用を元にレバレッジを効かせることで、将来的には資産を拡大できる可能性があります。所有している物件が1件のときは、それほど不動産投資のメリットは感じられないかもしれませんが、2件・3件と増えていくうちにレバレッジ効果を実感できるでしょう。

しかし、最初の1件目で物件の選択を誤ってしまうと次の物件が購入できないばかりか、最終的に借金だけが残ってしまったという可能性もあるので注意が必要です。そのため、なんとなく儲かりそうだからと安易に決断して金融機関から多額の借入をするのは避けましょう。不動産投資が初めての人は借入をするなら、最悪の状況になったとしても自分で確実に返済できるくらいの金額から始めてみるのもひとつの方法です。

不動産投資もいろいろ!自分に合った投資の仕組みを考える!

不動産投資の対象になる物件はさまざまです。自分にあった物件選びも投資の成功を左右します。

マンションの一室から始める

不動産投資初心者で、都市部で生活している人は近所で投資用物件を探してみるとよいでしょう。何かあればすぐに見に行くこともできますし、土地勘もあるので安心ではないでしょうか。将来複数物件を所有するための最初の1件目として検討してもよいでしょう。

アパート経営

マンションがあまりない地域に住んでいる人は、アパートの投資を検討する方法があります。もともと実家で土地を所有している場合には、アパートを建築しているケースも多くみられます。

戸建て経営

アパートは複数の部屋を所有するので一見投資効率が高そうに感じられます。しかし、不動産投資が初めての人は、一度に複数の部屋を所有するのは大変と感じることもあります。その場合、戸建てを購入して賃貸してみる方法を検討してみてもよいでしょう。

不動産投資を成功させたい!まずは仕組みを知ることが大切!

不動産投資は難しいうえに敷居が高いと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、不動産投資の基本的な仕組みを知っておくことで、どうすれば成功することができるのかリスクを回避することができるのかがわかるでしょう。

不動産投資に興味を持ったら、まず投資用物件を購入し知識や経験を積みながら地道に勉強を続けていくことが成功への近道かもしれません。

しかし、あくまでも投資であることを忘れずにしましょう。