この記事でわかること ・ペントハウスの定義や特徴 |
「ペントハウス」と聞くと、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか?
映画やドラマで描かれるような、都会の高層マンションの最上階にある豪華な空間でしょうか?
あるいは、広々としたルーフバルコニーで優雅なひとときを過ごすライフスタイルでしょうか?
このような憧れを抱く一方、「ペントハウスとは実際にはどんな住まいなのか」「普通のマンションの最上階とは何が違うのか」と疑問に思う方も多いはずです。
また、「住んでみたいけれど、自分には向いているのだろうか」「価格帯はどれくらいなのか」といった具体的な点に関心を持つ方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、そんな「ペントハウス」に関する疑問を解消します。
ペントハウスの定義や特徴、住むうえでのメリット・デメリット、さらに、どんな人に向いているのかまで、分かりやすく解説していきます。
憧れのペントハウスについて理解を深め、あなたの理想の住まい探しの参考にしてくださいね。
この記事の目次
ペントハウスとはどんな住居?
まず、「ペントハウス」とは具体的にどのような住居を指すのか見ていきましょう。
一般的にペントハウスとは、「マンションやホテルなどのビルの最上階に設けられた、特別な仕様を持つ豪華な住戸」を指します。
単に最上階にあるだけでなく、他のマンションの住戸と比較してグレードの高い設備や内装を設けられている点が特徴です。
ただし、これは主に欧米などの海外で使われる意味合いです。
日本では、建物の屋上に設置された小屋や設備室(エレベーター機械室、階段室、倉庫など)を指して「ペントハウス」と呼ぶこともあります。
この場合、必ずしも住居とは限りません。
また、これらの意味でのペントハウスは、前述した豪華な住戸としてのペントハウスと区別するために、「塔屋(とうや・とうおく)」と呼ばれることもあります。
本記事では、主に前者の「豪華な住戸としてのペントハウス」を中心に、その特徴やメリット・デメリットを深掘りしていきます。
ペントハウスの主な特徴
豪華な住戸としてのペントハウスには、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?
物件によって仕様は異なりますが、多くのペントハウスに共通して見られる主な特徴についてご紹介します。
一般的に、ペントハウスには以下のような特徴が見られます。
・専有面積が100平米以上あるため広々としている
・ルーフバルコニーがついている
・他の住戸にはない素材や設備が使われている
・専用のエレベーターや廊下が設けられていることがある
・特別な間取りになっている
・最上階のフロア全てを占有しているケースもある
これらの特徴が組み合わさることで、ペントハウスは他にない特別な居住空間となっているのです。
ペントハウスにはこんな魅力が!メリットをご紹介
ペントハウスは、その特別な存在自体が大きな魅力と言えるでしょう。
そして、その魅力は特徴だけでなく、実際に住むことで得られる多くのメリットにも表れています。
ここからは、ペントハウスに住むことで得られる主なメリットを具体的にご紹介します。
メリット① 希少性の高さがステータスになる
ペントハウスを設けている建物は限られており、その希少性は非常に高いと言えます。
そのため、必然的に価格も高額になり、誰もが簡単に住めるわけではありません。
このように限られた人だけが手にできる特別な空間であるため、ペントハウスに住むこと自体が一種のステータスとなり、社会的信用や高い満足感につながるでしょう。
メリット② ハイグレードな設備が充実している
前述の通り、ペントハウスには、他の住戸にないような充実した設備が設けられています。
例えば、ジェットバスやサウナ、複数のバスルーム、トイレなどが設けられていることがあります。
物件によっては、プライベートプールなど、一般的な住戸では考えられないような特別な設備を持つこともあります。
また、最上階という特性を活かして、メゾネットタイプにしたり、天井を高くしたりするケースも少なくありません。
こうしたハイグレードな設備は、上質な暮らしを求める方のニーズを十分に満たしてくれるでしょう。
メリット③ プライバシーが守られる
マンションなどの最上階に設けられているペントハウスは、多くの場合、フロアに1戸またはごく少数の住戸にしか設けられていません。
そのため、他の居住者の気配を感じにくく、高いプライバシーが確保されます。
建物の高い場所に設けられているため、外部からの視線を気にする必要もほとんどありません。
また、フロアに他の住戸がなければ、隣人との騒音トラブルなどの心配もないでしょう。
さらに、物件によってはペントハウスの居住者専用のエレベーターや廊下が設けられており、プライバシー性は一層高まります。
このように周囲の目を気にせず、安心して穏やかな生活を送れる点は大きなメリットです。
メリット④ 眺望を楽しめられる
建物の最上階にあるペントハウスなら、眺望を独り占めすることができます。
特に、高い建物であればあるほど、良い景色を見ることができるでしょう。
例えば、都会の夜景などを日常的に楽しめます。
また、晴れた日には山並みを望めたり、夏は花火大会も自宅から鑑賞できたりするかもしれません。
遮るものがない眺望を独り占めできる贅沢は、ペントハウスの大きな魅力と言えるでしょう。
ペントハウスに住むデメリット
多くの魅力を持つペントハウスですが、一方でデメリットも存在します。
ここからは、ペントハウスに住むうえで知っておきたいデメリットについてご紹介します。
「ペントハウスで優雅な生活を送りたい」という憧れだけで判断せず、デメリットもしっかり理解したうえで検討することが大切です。
デメリット① 天候の影響を受けやすい
建物の中で最も空に近い最上階にあるペントハウスは、外部の天候による影響を受けやすい場所です。
例えば、日差しが強い夏場は室温が上がりやすく、逆に冬場は外気の影響で寒さを感じやすくなります。
また、万が一、建物で雨漏りが発生した場合、最上階にあるペントハウスが一番最初に被害を受ける可能性があります。
さらに、強風時には、ルーフバルコニーなどに置いた物が吹き飛ばされてしまうリスクもあります。
このように、天候によって影響が出やすい点はデメリットと言えるでしょう。
デメリット② 災害の影響を受けやすい
天候だけではなく、地震などの災害の影響も受けやすい傾向があります。
例えば、地震が起きた際、建物の最上階は揺れを大きく感じやすいため、小さな地震でも不安を感じてしまうでしょう。
それだけではなく、地震の影響でエレベーターが停止した場合、避難時は階段を使用しなくてはなりません。
災害が多い日本においては、こうした災害時の影響も考慮する必要があります。
デメリット③ 分譲価格や家賃が高くなる傾向がある
一般的に、マンションは高層階になればなるほど、分譲価格や家賃が高額になる傾向があります。
そのため、最上階にあるペントハウスは、その中でも特に高額になると言えるでしょう。
さらに、他の住戸と比べると、専有面積が広く、設備や内装も豪華な仕様になっていることが多いため、一般的な高層階の住戸よりもさらに価格帯が上がります。
また、初期費用だけでなく、管理費なども高額になる可能性があるので、購入を検討する際は、事前にどれくらいの費用がかかるのか考慮しておくことが大切です。
デメリット④ 物件数が少ない
前述の通り、ペントハウスが設けられている物件は少ないため、希少性が高いと言えます。
しかし、その分物件数が少ないということなので、希望条件に合うペントハウスを見つけるには時間がかかってしまう可能性があります。
また、都市部にある新築のペントハウスなどは億単位の価格になることも珍しくなく、一般の市場に出る前に富裕層向けに個別に紹介されるケースも多いと言われています。
そのため、個人で理想の物件を探し出すのは簡単ではありません。
ペントハウスを検討する場合は、高級物件を専門に取り扱う不動産会社に相談したり、新築ではなく中古物件も視野に入れてみたりすると良いでしょう。
ペントハウスの価格相場
ペントハウスの価格は、一般的な住戸と比較して高額になる傾向があります。
ただし、立地や広さ、築年数、設備のグレードなどの要因によって大きく変動するため、一概に「いくら」とは言えません。
ここでは、あくまで目安として、東京都区内におけるペントハウスの価格相場感をご紹介します。
【東京都区内ペントハウスの価格相場(目安)】
価格相場 | |
---|---|
新築物件 | 1億円前後~ |
中古物件 | 5,000万~8,000万円 |
このように、新築のペントハウスとなると、多くの場合、億単位の資金が必要となります。
中古でも高額ですが、新築に比べると価格帯が下がるため、「少しでも価格を抑えたい」と考えている場合は中古を検討するのも一つの方法です。
また、比較参考として、東京都内の一般的な新築・中古物件の価格相場もご紹介します。
価格相場 | |
---|---|
新築物件 | 6,000万円~ |
中古物件 | 3,500万円~ |
一般的な物件と比較しても、ペントハウスがいかに高価格帯であるかがわかります。
【補足:賃貸の場合】 物件によっては、賃貸として市場に出ることもあります。 都内のペントハウスを賃貸する場合、月額50万~100万円程度、あるいはそれ以上になることも珍しくありません。(一般的な物件の賃貸相場は10万円程度~) 賃貸の場合も、ペントハウスは特別な物件と言えるでしょう。 |
ペントハウスはどう探す?検索方法や物件例
先述の通り、ペントハウスは物件数が限られています。
そのため、探すのが難しいと感じるかもしれませんが、実は簡単に探すことができます。
不動産情報サイトなどの検索フォームに「ペントハウス」や「高級マンション」などのキーワードを入力し、賃料の下限を高めに設定して検索することで、候補が見つかる可能性があります。
また、必ずしも不動産情報サイトに掲載しているとは限らないため、不動産会社に直接相談するのも有効です。
この際、高級物件を専門的に取り扱う不動産会社に相談してみると、希望する条件の物件が見つかる可能性が高まるでしょう。
参考として、以下にペントハウスの住戸を持つ東京都内の高級マンションの例をご紹介します。
どのようなマンションにペントハウスが存在するかの参考にしてみてくださいね。
・東京ツインパークス RIGHT WING(港区) ・中目黒アトラスタワー(目黒区) ・プレミストタワー 白金高輪(港区) ・パークタワーグランスカイ(品川区) ・パークホームズ渋谷松濤(渋谷区) |
ペントハウスはどんな人に向いている?
ペントハウスでの暮らしは魅力的ですが、必ずしもすべての人にとって快適とは限りません。
ここでは、どのような人がペントハウスでの生活に向いているのか、実際にペントハウスを購入している層やライフスタイルについて探っていきます。
憧れだけで決めて「思っていた生活と違った…」と後悔しないためにも、ご自身に本当に合っているかどうか、じっくり見極めてみましょう。
ペントハウスの購入層
前述の通り、ペントハウスは価格が非常に高額なため、必然的に十分な資金力を持つ富裕層が中心となります。
例えば、資産家や投資家、芸能人やスポーツ選手などの著名人が挙げられます。
さらに、近年では円安などを背景に、中国本土や香港の中華圏の富裕層からの需要も増えていると言われています。
どんなライフスタイルの人にフィットするのか?
ペントハウスの特徴から踏まえると、以下のような志向やライフスタイルの人であれば、ペントハウスの暮らしがフィットしやすいと言えるでしょう。
・充実した設備のある家で快適に暮らしたい人
・広い部屋でゆったりと暮らしたい人
・自宅から花火大会などのイベントを楽しみたい人
・プライバシーが確保された空間で落ち着いて暮らしたい人
・周辺の騒音や視線などを気にせず静かに暮らしたい人
このような希望をお持ちの方であれば、ペントハウスでの暮らしを通じて、高い満足度を得られる可能性が高いです。
こんな人はペントハウスに向いてないかも
一方で、以下のような方は、ペントハウスでの暮らしが向いていないかもしれません。
・経済的に余裕がない人
・高い場所が苦手な人
・外出する機会が多い人
・災害時できるだけ安全を確保したいと考えている人
もしペントハウスが合わないかもと感じても、魅力的な住まいは他にも数多くあります。
例えば、著名建築家やデザイナーが手がける「デザイナーズマンション」や、築年数が経過しても人気のある「ヴィンテージマンション」なども良いでしょう。
ご自身の価値観に本当に合う住まいは何か、ペントハウスだけにこだわらず、広い視野で探してみることをおすすめします。
理想の暮らしを実現できる、満足のいく住まいを見つけてみてくださいね。
ペントハウスを検討する際はメリットやデメリットを知ることが重要
本記事では、ペントハウスの特徴やメリット・デメリット、価格相場、そしてどのような方に向いているかまで解説してきました。
ペントハウスは、素晴らしい眺望や充実した設備、高いプライバシー性など、他の住戸にはない多くの魅力を持ちます。
一方で、天候や災害の影響を受けやすい点や費用が高額であること、物件数が少ないなどといった考慮すべき側面もあります。
憧れのペントハウスでの暮らしを検討する際には、こうしたメリットとデメリットの両方をしっかりと理解し、ご自身の予算やライフスタイル、価値観と照らし合わせたうえで、本当に自分に合っているか慎重に見極めることが重要です。
本記事で得た情報が、あなたの住まい選びの参考となり、後悔のない決断をするための判断材料となれば幸いです。