マンション売却の手段のひとつに、マンション買取があります。マンション買取は、マンションを売りたい時期が決まっている場合や、早めに売却手続きを進めたい場合にメリットがある方法です。
この記事では、マンション買取と仲介との違いや買取の流れ、おすすめの買取業者、メリットなどを紹介します。マンションの住み替えや売却を検討している方は、参考にしてください。

マンションの売却方法には買取と仲介がある

マンションの売却方法には買取と仲介があるのイメージ画像

マンションの売却方法には、買取仲介があります。

買取とは、不動産の買取や再販を行う不動産会社などに物件を買い取ってもらう方法です。
買取や再販を行う不動産会社に直接依頼する場合と、別の不動産会社から買取や再販を行う不動産会社の紹介を受ける場合があります。
不動産会社から紹介してもらうケースが一般的ですが、近年では、ウェブサイトなどを通じて直接、買取や再販を行う不動産会社に依頼をすることも容易になりつつあります。

一方で、仲介は、不動産会社に依頼してマンションの買主を探してもらう方法です。
ウェブサイトや店舗などに広告を出してもらったり、物件を探している方に紹介してもらったりすることで買主を見つけます。
仲介業務を行う不動産会社を利用してマンションを売却した場合は、仲介手数料を不動産会社に支払わなくてはなりません。

「買取」と「仲介」違い

マンション買取は仲介と比べて、「とにかく早く現金化できる」という違いがあります。

不動産会社との価格交渉が成立すればすぐに契約完了となるため、査定から最短1週間〜1か月ほどの短い期間で売却することができます。

以下は、「買取」と「仲介」の違いを表にまとめたものです。

  買取 仲介
買い手 不動産会社や買取業者 一般的に個人
売却にかかる期間 最短1週間〜1か月ほど 売却まで時間がかかる(平均して約3ヵ月ほど)
売却価格 相場価格よりも安くなりやすい 相場価格で売却しやすい
売却にかかる費用 仲介手数料不要 仲介手数料が発生(3%+6万円)

この他にも、仲介では不動産広告や内覧などの販売活動を不動産会社に依頼し行いますが、買取の場合は不動産会社が直接買い取るため販売活動が不要になるという利点があります。

マンション買取におすすめの業者10選

マンション買取におすすめの業者10選のイメージ画像

数多くのマンション買取業者が存在しますが、それぞれに特徴や強み
が違います。
こちらでは、おすすめのマンション買取業者をご紹介していきますので、自分に合う企業を探す参考にしてください。

おすすめのマンション買取業者は以下になります。

  対応エリア

年間買取
再販戸数

提供サービス

特徴・強み

株式会社レジデンシャル不動産

北海道・東北・中部・関東・近畿・中国・四国・九州

1,352戸 即時買取 2022年のマンション・戸建て買取再販売戸数ランキング1位
支店は全国にあり規模の大きな会社
とくに北関東に強い
株式会社大京穴吹不動産 北海道・東北・中部・関東・近畿・中国・四国・九州 1,152戸

即時買取

買取保証

リースバック

マンションに関する知識や販売実績が豊富
近年は買取に力を入れている
実績や経験豊富な買取業者を探している方におすすめ

株式会社インテリックス

北海道・東北・中部・関東・近畿・中国・四国・九州 1,144戸

即時買取

買取保証

リースバック

2022年のマンション買取再販戸数3位
とくにリースバック事業に力を入れている
扱っているエリアも広範囲で、首都圏を中心に各地のマンションの買取が可能
株式会社イーグランド 北海道・東北・中部・関東・近畿・中国・四国・九州 925戸 即時買取 任意売却や競売物件など債務に困った人を対象にした買取を行っている
難しい売却方法にも対応してくれるのが強み
フジ住宅株式会社 近畿 1,039戸 即時買取 大阪を中心とした関西エリアで買取事業を行っている
関西だけで10年連続年間販売戸数1,000件超を達成
スター・マイカ株式会社 北海道・東北・中部・関東・近畿・中国・四国・九州 1,270戸

即時買取

リースバック

買い取ったマンションのなかで約74%が築20年を超える物件
古いマンションの買取実績が豊富
株式会社長谷工リアルエステート 中部・関東・近畿 964戸

即時買取

買取保証

リースバック

つなぎ融資

マンション施工実績が日本一の企業
マンションについての知識や経験が豊富な企業に買取の依頼をしたい方におすすめ
株式会社未来都市開発 中部・関東・近畿 601戸 即時買取 買い取るマンションやリフォームにこだわっている企業
買い手の96.08%の人が物件の立地・内装に満足していると回答している
グローバルベイス株式会社 関東・近畿 460戸

即時買取

リースバック

中古マンションを買取し、リノベーションしたマンションを再販売する事業を展開している企業
築年数は古いが立地のよい良いマンションであれば、グローバルベイスの買取査定がおすすめ
住友林業ホームサービス株式会社 中部・関東・近畿 362戸 買取保証

住み替えを検討している人対象で、自宅の売却を仲介で行い一定期間が経過しても売れない場合、住友林業ホームサービスが買い取ってくれる「住替保証」という保障制度がある

マンション買取業者の選び方

マンション買取業者の選び方のイメージ

マンション買取を成功させるうえで、どの業者を選ぶかというのは大変重要なポイントです。
以下の点を意識して見極めると良いでしょう。

  • 複数の買取業者から見積もりをとり比較する
  • 買取実績が豊富な企業を選ぶ
  • 売りたいエリアに対応している企業を選ぶ
  • 口コミ評価での満足度が高いか確認する
  • 提供サービスが充実しているか

マンション買取の流れ

マンション買取の流れのイメージ画像

 

マンションの買取は1ヵ月程度で完了するのが一般的ですが、具体的にどのようなステップで進めるのでしょうか。ここでは、マンション買取の流れを解説します。

1 不動産会社に査定を依頼する

まずは、マンションの査定を不動産会社に依頼します。

買取か仲介か迷っている方は、両方の見積もりを取ってみるのもおすすめです。
ただし、不動産会社の査定はあくまでも目安です。
必ずその金額で買主が見つかるとは限らない点に注意してください。

なお、不動産会社の査定依頼は、1社だけではなく複数社に対して行うのがおすすめです。
複数の見積もりを比較することで、物件の価値を把握しやすくなります。

また、査定依頼をしても、条件が合わないといった理由で実際の査定に進めない場合もあります。
1社ずつ交渉をしていると時間がかかってしまうため、不動産一括査定サイトなどを活用して効率良く進めましょう。

2 簡易査定を受ける

不動産会社に査定を依頼すると、まず簡易査定が行われます。
簡易査定とは、物件の築年数や間取り、面積、駅からの距離などの依頼時に伝えた情報をもとに行われる査定です。

簡易査定では、マンションのおおよその買取価格の目安がわかります。
しかし、実際に物件を見て査定しているわけではないため、簡易査定によってわかる買取価格は正確な数字ではありません。
簡易査定の金額や、簡易査定時の担当者の対応などを参考に、次の訪問査定に進む不動産会社を決めましょう。

3 訪問査定を依頼する

簡易査定を受け、訪問査定に進む不動産会社を決定したら、訪問査定を依頼します。
訪問査定では、実際に不動産会社の担当者がマンションを訪れて、現地の状況を確認します。
近隣の状況やマンションの設備、室内の様子などを見てもらうことで、より正確な査定が可能になります。

なお、訪問査定には立ち会いが必要です。簡易査定に比べると訪問査定は時間と手間がかかるため、計画的に進めましょう。

また、訪問査定も、複数の不動産会社に依頼するのがおすすめです。訪問査定の金額を比較でき、実際に訪れた営業担当者の人柄や対応の良し悪しも判断しやすくなるからです。

ただし、マンションの買取の場合は、訪問査定をせずに買取や再販を行う不動産会社も多く存在します。
そのマンションでの過去の取引実績も多く、管理組合運営、室内の標準仕様、採光、立地などを不動産会社が十分把握している場合、訪問査定自体を行わないことも頻繁にあります。
不動産会社が再販する際にはリフォームを施してから売り出すため、その場合は行う必要がないからです。

4 不動産会社と詳細について相談をする

各不動産会社が出した訪問査定の結果を比較し、売買契約を締結する不動産会社を決めたら、買取金額や引き渡し日などの交渉を行います。

現在居住中の場合や、荷物が残っている場合は、引越し日や残置物についての打ち合わせも必要です。
また、査定資料の提出と前後して、買取業務を行う不動産会社が直接買取を行う場合は設備の修繕義務などが売主に課せられない旨の条件なども提示されるため、併せて確認してください。

これらの相談をする中で、信頼できない、あるいは希望が反映されないなどと感じたときは、訪問査定を依頼した別の不動産会社に相談してみると良いでしょう。
マンション買取は高額な取引であるため、安心して任せられる不動産会社を選ぶことが大切です。

5 売買契約を締結する

条件が確定したら、売買契約の締結に進みます。
この時点では、物件の引き渡しや決済は行われません。

引き渡し日や金額といった契約内容の確認を行い、売買契約書を取り交わします。
一般的に、契約締結時には買取金額の約10%手付金として支払われます。
この手付金は、引き渡しが完了するまで売主が使用せず、適切に保管する必要があります。
契約が確定するまで、しっかりと管理するように心がけてください。

6 買取金額の残額を受け取り、マンションを引き渡す

契約書に定められている引き渡し日に、マンションの引き渡しをします。
このときまでに、残置物の処理やライフラインの手続きなどを完了させておきましょう。

なお、買取金額の残額の支払いも、引き渡しのタイミングで同時に行われます。
支払いが完了したら、不動産会社に鍵を渡します。

マンション買取のメリット

マンション買取のメリットのイメージ

マンションを仲介ではなく買取で売却することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、マンション買取の4つのメリットを紹介します。

短期間で売却できる

仲介に比べて短期間で売却ができることは、マンション買取のメリットのひとつです。
仲介では、売り出し期間が3ヵ月程度、引き渡しまでに1ヵ月程度かかるのが一般的です。
そのため、引き渡し希望日の4ヵ月から半年ほど前には動き出す必要があるでしょう。

一方、買取は1ヵ月程度で手続きをすべて完了させることが可能です。
また、売却するタイミングを売主の都合で決められる点もマンション買取のメリットです。
仲介の場合、買主によって入居を希望する時期が異なります。

また、買主が見つからなければ売り出し期間が長期化するおそれがあるでしょう。
売主の都合に合わせて手続きを進めやすい買取は、住み替えスケジュールに合わせて売却したい方や、買主とのやりとりなしで事務的に手続きを進めたい方、急いで資金調達をしたい方などに適しています。

条件があまり良くないマンションでも売却しやすい

古い物件や事故物件などの条件が良くないマンションであっても比較的売却しやすい点は、マンション買取のメリットといえます。
このような物件は仲介で売りに出してもなかなか買主が見つからない場合が多いです。

しかし、中古不動産の買取や再販を行う不動産会社であれば、多くの場合、買い取ってもらえます。買取や再販を行う不動産会社は最初からリノベーションを前提にしているため、築年数が古くても買い取ってもらえるというわけです。

事故物件については、それぞれの物件の状態などによって対応が変わりますが、まずは相談してみましょう。

売りに出していることを秘密にできる

近所の方などにマンションを売りに出していることを知られたくない場合も、マンション買取であれば、売りに出していることを秘密にできます。

仲介で買主を探すと、不動産会社のウェブサイトやチラシなどに物件情報が記載されるため、所有している物件を売却しようとしていることが知られてしまいます。
売れない状態が長く続くと、売れ残りの物件というイメージがついてしまう可能性もあるでしょう。

一方、買取であれば、売りに出されるのは退去後であるため、周りの人の目を気にする必要はありません。細かな心配をすることなく、気軽に売却できます。

自宅に不特定の内見希望者を招かなくて良い

自宅に不特定の内見希望者を招く必要がないのも、マンション買取のメリットです。

仲介でマンションを売却する場合、内見希望者を招く必要があります。
物件を見せずに売ることはできないため、売りに出した後は不定期に内見希望者の対応を行う必要が出てくるはずです。
希望者と予定を合わせて家に招き入れたり、事前に掃除などを行ったりするのは手間と時間がかかります。

その上、内見希望者がどのような方かは実際に会うまでわかりません。マナー面や衛生面などの考え方が違うといった問題が発生する可能性もあります。
こうした手間などをかけずに売却を進めたい方には、マンション買取が適しているでしょう。

マンション買取のデメリット

マンション買取のデメリットのイメージ

マンション買取のデメリットは、仲介に比べると売却時の価格が低くなるということです。

買取の売却価格は、仲介で売却したときの7割ほどの価格になります。
そのため、住宅ローンの残債やその他の借入れなどの関係でできるだけ高く売却したいという方には向きません。

買取価格が低くなる理由としては、不動産業者はマンションを相場よりも低く買取したうえでリフォームをし、再販して利益を得ることを目的としているためです。
リフォーム費用を負担することを加味し相場よりも低い金額で仕入れる必要があります。

また、築年数に関わらず買取価格が低くなるというデメリットもあります。
早期の売却を考えている方は、複数の不動産業者から買取価格の見積もりをもらい比較することも大切です。

マンション買取のデメリットについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

マンション買取の注意点

マンション買取の注意点のイメージ

マンション買取には様々な注意点があります。
注意点を把握し、事前の対策をとることでトラブルを回避しましょう。

マンションの買取における注意点には、以下のようなものが挙げられます。

  • マンションの買取が得意な業者を選ぶ
  • 抵当権の抹消手続きのためローンは完済が必要
  • 引き渡しの条件を確認しておく
  • 不動産会社に買取業者を探してもらう場合は仲介手数料がかかる
  • 必要書類を揃えておきスムーズに進められるようにする
  • 買取勧誘のチラシは実際の価格よりも高くなっている可能性があるためあてにしない
  • 売却益が出た場合譲渡所得税が発生する
  • マンションを売却した翌年2月16日~3月15日の間に確定申告を行うようにする

マンション買取に向いている物件の特徴

マンション買取に向いている物件の特徴のイメージ画像

マンションには、買取に向いている物件があります。
その特徴には、以下のようなものがあるので、売却を考えているマンションと比較してみましょう。

  • 築40年以上のマンション
  • 室内の状態が悪いマンション
  • 心理的瑕疵のあるマンション

先述した、「マンション買取のメリット」でもご紹介したように、築年数が古く劣化が進んでいる物件や事故物件などの心理的瑕疵のあるマンションは、仲介での売却が難しいため買取での売却がおすすめです。
特に、築40年以上のマンションの場合は、税法上、建物の価値を年数で表した数字である「法定耐用年数」がゼロになってしまいます。
老朽化が進んだマンションは、リフォーム費用が多額になるなどのデメリットがあり仲介での売却は困難になります。
その反面、買取の場合は業者がマンションの購入後にリフォーム工事をするため、室内の状態によって査定金額が大きく下がることはあまりありません。
築年数が古い、心理的瑕疵があるなどの物件は買取での売却を行ったほうが良いでしょう。

マンションの買取相場と調べ方

マンションの買取相場と調べ方のイメージ

マンションの買取相場は一般的に市場価格の7〜8割です。
物件の状態によっては、6割ほどまで安い価格に下がってしまうこともあります。
相場を自分で調べることは、買取価格が適切であるかを見極めることにも繋がるので、ぜひ買取を依頼する前に調べてみることをおすすめします。

マンションの買取相場を調べるには、以下の方法があります。

マンションの即時買取って?

マンションの即時買取のイメージ

即時買取とは、買取業者との価格の交渉が完了次第、すぐに物件を買い取ってもらう方法です。
物件を即座に現金化できるため、いち早くお金が必要な方や急な転勤や相続で物件を手放したい方に向いています。
しかし、売却価格が市場の相場よりも安くなってしまうというデメリットもあります。

以下の記事でもマンションの即時買取について解説しているので、自身のケースが即時買取に向いているのか見極める参考にしてください。

マンション買取は不動産会社選びが大切

マンション買取は不動産会社選びが大切のイメージ画像

マンションの買取では、不動産会社から、買取や再販を行う不動産会社を紹介してもらうことになります。
納得できる価格で、希望に合わせた買取方法を柔軟に提案してくれる不動産会社を選ぶことが大切です。
複数の不動産会社に査定を依頼してやりとりをすることで、それぞれの不動産会社の買取金額や対応、誠実さなどがわかります。
安心してマンションの買取を進めたい方には、複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができる不動産一括査定の利用がおすすめです。

株式会社じげんが運営する「イエイ」では、不動産一括査定サービスを行っています。
所有している物件のタイプや場所などの必要ないくつかの情報を入力するだけで、全国1,700社以上の優良業者が算出する売却額を比較でき、わずか60秒で最大7社に依頼することが可能です。

マンション買取をお考えの方は、まず「イエイ」の不動産一括査定サービスを利用して、買取を成功に導いてくれる最良のパートナーを見つけましょう。

イエイの不動産一括査定サービス