新築マンションと新築の戸建てはどちらのほうが売りやすいのでしょうか?
修繕費がかからなくて土地が残る戸建ての方が売りやすいのか、あるいは老後や防犯、地震など総合的に考えたときに、マンションの方が売りやすいのでしょうか。
今回はマンションと戸建てはどちらが売りやすいのか?それぞれメリットとデメリットを比較して解説します。
この記事の目次
マンション・戸建てのメリット・デメリット
まずはマンションと戸建てのメリットとデメリットについてまとめてみました。
マンションのメリット
✔利便性が高い
✔階段がなく、老後も住みやすい
✔壁や屋上などを自分でメンテナンスする必要がない
✔セキュリティーが高い
✔ゴミ集積所があるので、ゴミ捨てが楽
✔高層階であれば眺望がいい
✔共用部などの掃除は管理組合がやってくれる
マンションのデメリット
✔修繕費・管理費が毎月かかる
✔固定資産税が高い
✔騒音が気になる場合がある
✔エレベーター待ちが長いことも
✔40年後ほとんど価値がない
✔大規模修繕されるとは限らない
戸建てのメリット
✔犬や猫が飼える
✔子供たちが走り回れる
✔自分好みにリフォームができる
✔室内面積が広い
✔駐車場代がかからない
✔買い物帰りや雨天時の車の乗り降りが楽
✔プライベート性が高い
✔子供に土地を残せる
✔建物が古くなっても土地の価値は下がらない
戸建てのデメリット
✔階段の上り下りがあり、老後生活しづらい
✔屋根や外壁は10年に一度メンテナンスしなくてはいけない
✔決められた曜日と時間にゴミを出さなければならない
✔防犯に気をつかわなければならない
マンションと戸建て 税金や経済面で比較
それでは、①購入時、②購入後、③将来、の3つのフェーズにわけて、どれくらいお金がかかるか比較しましょう。
①購入時のコストを比較
購入時の比較ですと、結論から言えば、金額面ではマンションの方が若干お得と言われています。
物件購入時の諸費用について、新築マンションは物件価格の約3~5%、新築一戸建ては約6~10%と言われています。同じ金額で新築のマンションと戸建てを比較した場合ですと、戸建ての方が若干コストがかかることがわかります。それではコストの内訳で、特に費用がかかってくるポイントを説明します。
・修繕費積立基金(マンションにだけかかるコスト)
マンションにだけかかってくる費用です。こちらは「修繕積立金」とは異なり、新築時に一度だけかかります。
・火災保険(戸建ての方がコストが高い)
火災保険の保険料は、マンションより戸建ての方がコストがかかります。なぜならマンションは建物全体に保険料をかける必要がないからです。そのため戸建ての方が火災保険料が高くつきます。
また、構造の問題でコンクリートづくりのマンションは火事及び火事が原因となる周辺の延焼の可能性が少なく、火災保険料そのものが木造の一戸建てに比べると安くなることがポイントです。
・水道加入負担金(戸建てにだけかかるコスト)
戸建てにかかってくるのが、水道加入負担金です。自宅に水道をひくための費用です。自治体によって金額が大きく異なるのが特徴ですが、10万円~30万円くらいが相場です。ちなみに東京都はこの金額がかかりません。
②購入後のコストを比較
「新築マンション」と「新築の戸建て」を買った場合、購入から30年間で発生する費用について比較します。下記の表は必要となる費用の一覧となりますが、実際にかかる費用は物件の規模や条件によって大きく異なるため参考程度にご覧ください。
戸建て | マンション | |
税金(固定資産税・都市計画税) | ¥3,000,000 | ¥3,600,000 |
保険料 | ¥950,000 | ¥400,000 |
管理費(※1) | ― | ¥4,435,560 |
修繕費用(修繕積立金)(※1) | ¥4,000,000 | ¥4,019,040 |
駐車場代(※2) |
― | ¥3,600,000 |
合計 | ¥7,950,000 | ¥16,054,600 |
(※1)管理費・修繕積立金は東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2021年度)」を参照。
(※2) マンションの駐車場代は月1万円として計算。
固定資産税はどちらが得?
固定資産税は戸建ての方が得です。その大きな理由が、マンションと戸建ての評価額の考え方です。マンションは減価償却期間が47年あるのに対して、戸建ては22年しかありません。減価償却期間が過ぎれば、固定資産税が土地のみに課せられますので、戸建ての場合は22年を過ぎると建物に対しては固定資産税がかからなくなります。
③将来的はどちらがお得?
結論から言うと、建物は年々価値が下がっていきますので、築年数が古いマンションや建物に価値はほとんどありません。しかし、戸建ての場合は土地が残ります。大きな周辺環境の変化がない限り、土地の値段は建物のように年々値段が下がることはありません。
老後の面から比較
駅近など利便性が高い場合、老後はマンションの方が住みやすいでしょう。また戸建ては子供が小さいうちはいいのですが、子供が独立した時、夫婦二人で住むには広すぎますし、階段がある家は住みづらいでしょう。
また、戸建てであれば、自宅や庭のメンテナンスを自分たちで行う必要があり、高齢者には負担です。マンションであれば修繕費を払っているので、管理会社が行ってくれます。
年をとると、車の運転もしなくなってくるでしょう。車がないとスーパーや買い物に行けない地域は、高齢者には住み心地がよくありません。
管理や修繕がしっかり行われている場合は、老後はマンションの方が住みやすいでしょう。
地震などの災害が起きた場合を比較
結論を言えば、新築で購入するのなら、東日本大震災レベルの地震がきても、マンションも戸建ても倒壊することはありません。
とは言っても、より地震に対して強い家に住みたいという方は、耐震等級が高い家に住むといいいでしょう。
耐震等級とは?
耐震等級は3段階に分けられており、以下のような基準が設けられています。
耐震等級 | 耐震性能 |
耐震等級1 | 極めて希に(数百年に一度程度)発生する地震に耐えられるもの |
耐震等級2 | 等級1で耐えられる地震力の1.25倍の耐震性能 |
耐震等級3 | 等級1で耐えられる地震力の1.5倍の耐震性能 |
マンションの場合ほとんどが耐震等級1です。その理由はマンションで耐震等級2以上の建物を建てると、戸数を減らしたり、壁を厚くしたりでコストがかかりすぎて採算があわなくなってしまいます。よって世に出ているマンションのほとんどが、耐震等級1なのです。
一方、戸建て住宅の場合は耐震等級のレベルをあげてもマンションほどコストが高くなりませんから、耐震等級が高い家に住みたい方は戸建てが向いているといえます。しかし、耐震等級には落とし穴があります。
耐震等級を高くすればするほど、建物が揺れを吸収しなくなります。すると、揺れが増しますので、家の中の家具が大きく揺れることになります。よって建物が倒壊することはなくても、生存率や大けがをしないか?という観点ではなんともいえません。
震災時におけるマンションのメリット
震災時の一番の不安は、孤独や食料の不安です。ですがマンションの場合は、マンションで対策本部が設置される場合や、備蓄食料の配布がされる場合があります。さらに住民同士で情報を共有しあい、助け合うなど集合住宅の強みが出てきます。
マンション高層階だからといって安全なわけではない
一方、2019年秋に首都圏を直撃した大型台風では武蔵小杉にあるタワーマンション地下の配電盤が浸水し、しばらく電気や水道が使えなくなるといった被害が起きました。
また低層階であればエレベーターが停止した際には階段で移動することもできますが、高層階では階段での移動に限界があることがデメリットです。
他にも免震マンションの場合、あえて大きく揺れることで揺れの衝撃を緩和させます。このため、上層階ほど大きく揺れることになり、家具倒壊などの危険が増します。この部分を払拭するには、免震マンションではなく、制振マンションを選ぶようにしましょう。
災害大国である日本では、何十年に一度と言われる大雨や洪水などの自然災害が毎年のように起きており、マンションの高層階だから必ずしも安全とは言いづらいでしょう。
防犯面で比較
侵入窃盗事件は「戸建て」の方が、圧倒的に多いです。2020年の警視庁調べのデータによると、全侵入窃盗場所の37.0%が戸建てへの侵入になります。一方、共同住宅については3階建以下が9.3%、4階建以上が4.3%となっています。このことから、防犯面ではマンションの方が安全だと言えるでしょう。
マンションでも気を付けて!1階2階、最上階の侵入事件が多い
しかし、マンションだからといって絶対に安心ということはありません。とくに1階や2階であれば、泥棒にとって侵入の難易度は戸建てとそうは変わりません。
またマンション最上階への侵入事件も多く発生しています。なぜならマンション最上階には、富裕層が住んでいる確率が高いことから、泥棒に狙われやすいのです。最上階への侵入手段として、泥棒は屋上からロープで侵入してくるのです。また最上階だと、住民も「ここには泥棒は来ないだろう」と施錠が甘くなるケースがあるのです。
ですから防犯の観点が気になる方は、マンションでも最上階は避けておいたほうが無難でしょう。
まとめ
ここまで様々な観点から一戸建て・マンションのメリット・デメリットについて解説してきました。一戸建てとマンションのどちらが住みやすいかは実際に住む家族構成や環境によって大きく異なるため一概にどちらがいいとは言えません。広い家がいいのか、利便性を重視するのか、住み替えをする可能性があるのか等、優先順位を決めて検討すると良いでしょう。
さらに、実際に売却できるかどうかは信頼できる不動産会社に出会えるかどうかが重要です。信頼できる不動産会社に巡り合えると売却成功への道はぐっと近づくでしょう。
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