不動産登記を行う上では、いくらかの登記費用が必要になってきます。

代表的な不動産登記

所有権移転登記
不動産の売買、相続、贈与の登記
所有権保存登記
建物を新しく建築する際の登記
登記名義人表示変更登記
引越などの際に行う登記
抵当権抹消登記
ローン完済後、担保が解消された際の登記
抵当権設定登記
ローンで不動産を購入する際の登記

があり、それぞれで必要な費用の額は異なるものの、基本的に費用の項目に大きな差はありません。
そして不動産の登記費用は以下の2項目に分かれます。

代表的な不動産登記

不動産の登記費用

固定実費
税金や必要書類の取得費用のこと
手数料
不動産登記を依頼する司法書士への報酬額のこと
(もし、自分で不動産登記の手続きを行う場合、この費用はかからない)

(※いずれも呼び方は便宜上の分類で、様々な呼び名があります) では、それぞれの費用について、詳細を解説していきます。

1.固定実費

固定実費とは、その名の通り、基本的に国によって定められているものです。そのため、自分で手続きを行っても司法書士へ依頼するのと費用は変わることはありません。

以下に、代表的な不動産登記に関する固定実費を紹介していきます。

(1)登録免許税

登録免許税法に定められている国へ納付する義務のある税金(国税)のことを指します。一般的なところでは、この不動産登記や登録、特許、免許、許可・認可…などのような登録事項が対象になっています。

納付の方法は収入印紙で、登録の申請を行う際に法務局へと納めます。その税額ですが、税額を決定する要素として挙げられるのが不動産登記の種類・理由、課税標準額、不動産の数などです。例を挙げてみましょう。

所有権移転登記

土地を売買するケース
固定資産税評価額×1.5%
建物を売買するケース
固定資産税評価額×2%
相続するケース
固定資産税評価額×0.4%

というように、その税率は変わってくるのです。

(2)登記簿謄本

別名登記事項証明書とも呼ばれる書類です。この書類は、不動産の権利を確認するために必要な書類です。この費用も印紙を購入し申請することで、1通700円で入手することが可能となっています。

基本的に、ひとつの不動産につき1通の登記簿謄本で問題ないですが、場合によっては複数回、この登記簿謄本を入手するケースもあります。

特に不動産売買売買(=所有権移転登記)の場合、取引に時間がかかるということや、大きな金額が動くことから、入念に権利を確認することが求められるのです。

司法書士に手続きを依頼した場合、現状・取引時・終了後の3段階で取得することが多いようです。まず、現状の権利を確認し、取引当日に変更がないかを確認し、終了後に適切に処理されたかを確認する…というのが一般的な流れだと言われています。

必ず全ての司法書士がこの手順を踏むとは限りませんので、事前に必要な費用として提示された時、確認しておきましょう。

2.手数料

前述の通り、ここで言う手数料とは、基本的に不動産登記を司法書士に依頼した場合に発生する報酬のことを指します。呼び方は様々ですが、基本的に変わりません。

この手数料は固定実費と異なり、流動的な金額で依頼した司法書士事務所の定める金額を支払うことになります。司法書士の報酬については、特に法規で定められているわけではないので、依頼する際に必ず確認・見積もりを取るようにしましょう。

では、具体的な費用としては、どれくらいになるのでしょうか?平均的な費用としては、

所有権移転登記では不動産の相続
9〜10万円
贈与・売買
2〜4万円
所有権保存登記 1〜2万円
登記名義人表示変更登記 1〜2万円
抵当権抹消登記
2〜3万円
抵当権設定登記
3〜5万円

となっているようです。ただ、この費用はあくまでも平均であり、不動産の種類や規模、さらに行政書士の所属する事務所の方針などで変わる可能性があるので注意して下さい。

このように、不動産登記には上記のような内訳があります。ここで注意が必要なのは、行政書士に不動産登記を依頼した場合、これらの固定実費と手数料を一括にして「不動産登記費用」見積もり額を出される可能性があるということです。

前述の通り、不動産登記における司法書士の報酬額は法規に定められている訳ではないので、不動産登記費用の内訳を知らないと「こんな程度か」と安易に受け取ってしまうかもしれません。

あからさまに不当な金額を請求する所はほとんどありませんが、見積もりを取るのであれば、あらかじめその内訳を確認しておくべきでしょう。ただし、とにかく安い事務所へ依頼すれば良いわけでもありません。

大切なことは信頼できる行政書士事務所に依頼することです。

まとめ

不動産登記は不動産取引において重要な作業のひとつなので、信頼関係やしっかりとしたコミュニケーションを構築できる行政書士を探し、パートナーとすることが大切だと考えられます。