不動産を売りたい場合は、一般的に仲介会社に依頼することになります。しかし、ほとんどの人は不動産の売買になれていないため、いくらぐらいで売れるか心配になる人も多いでしょう。そこで、この記事では不動産の価値を査定するための方法や高く売るために必要なポイントを紹介します。
この記事の目次
訪問査定のメリットとは？
不動産の価値を査定するためには、大きく分けて「訪問査定」と「机上査定」があります。前者は、不動産会社の従業員が実際の不動産を訪問して査定する方法であるのに対して、後者は築年数や立地などの与えられた情報を元に現地へ赴くことなく、書面上だけで査定する方法です。
正確な査定が可能
訪問査定におけるメリットとしては、より正確な査定を期待できるという点が挙げられます。不動産の価値は、築年数や立地だけでなく、建物の外観や内装といった見た目や周辺の道路状況なども考慮して決まるものです。そのため、実際に不動産を訪れてみないとわからない部分も多くあります。
売却価格との差が少ないケースが多い
訪問査定では、対象不動産だけでなく周辺環境をすみずみまで確認して結果を出してくれますので、実際の売却価格との差が少ないケースが多いというのはメリットだといえるでしょう。
直接アピールできる
また、訪問査定では、査定する担当者に依頼主が物件の良い所を直接アピールできるという点もメリットです。
周囲に新しく駅や商業施設ができる予定があるなど、地元の人しか知らないプラスの情報を担当者に伝えることで、査定額のアップが期待できます。これは、築年数や立地などのあらかじめ決まった項目だけで査定する机上査定にはないメリットだといえるでしょう。
訪問査定のデメリットとは？
手間がかかる
訪問査定のデメリットとして挙げられるのは「複数社に依頼する場合は手間がかかる」ということです。不動産のように、一般的に高額なものを売るときは、一社だけでなく複数の会社に査定を依頼したほうが無難だといえます。1社だけしか依頼していないと、その会社が悪意をもって安値で売却してしまう可能性がゼロではないからです。
不動産の売却は、多くの人にとってそれまで大切にしてきた土地や建物を手放すことになるのですから、できるだけ慎重に行うほうがよいでしょう。複数社に依頼するためには、各社ごとに不動産の住所や所有者の氏名、場合によっては売却を検討している理由まで説明しなければなりません。
この作業を査定依頼する業者すべてに行うのは、日常生活で忙しい人にとってはなかなか大変なことでしょう。
時間やお金もかかる
説明する手間だけではなく、複数の不動産仲介会社へ行くための時間や交通費もかかってしまう点もデメリットです。また、訪問査定は結果が出るまでに比較的時間がかかることがあります。対象物件を訪問して「傷や汚れなどがないか」、また「周辺環境はどうなのか」といったことを調査し、整理してから査定を行うからです。
そのため、早期に売却を検討している人にはあまり向いていない査定方法かもしれません。訪問査定を依頼するのは、売却までの期間に余裕があって、できるだけ正確な金額が知りたいという人に向いているといえます。
机上査定のメリットとは？
査定結果を早く確認できる
机上査定のメリットには、「査定結果が出るまでが早い」ということが挙げられます。
机上査定の代表的なものとしては、インターネット上で複数社に依頼ができる「一括査定サイト」があります。そのようなサイトでは、インターネット上で「築年数」や「対象不動産のエリア」「延べ床面積」などの情報を入力してから、数時間で結果がわかる場合もあります。また、その入力情報は、査定依頼をする会社すべてに同じデータが送信されますので、何回も同じ情報を教える必要もありません。
そのため、売却を急いでいて、できるだけ早く仲介会社を見つけたい場合や、日常生活で忙しくて1社ずつ不動産会社へ依頼をかけられないような人に向いている方法だといえるでしょう。
不動産の相場を複数把握できる
さらに、一括査定を依頼するメリットとしては、「対象不動産の相場を把握できる」というものがあります。サイトによっては、一度に5社以上の査定を依頼することもできますので、それらを比較することで大体の相場を知ることが可能です。査定額の相場を知ることで、売却時に起こりがちな値下げ交渉にも対応しやすくなます。
値下げ交渉のときには、「これ以上は下げられない」というボーダーを自分で定めておくことが肝心です。そのボーダーの設定にあたって、対象不動産の相場を把握しておくことは大切だといえるでしょう。
机上査定のデメリットとは？
査定額と実際の売却価格との誤差が大きい
机上査定のデメリットとして挙げられるのは、「査定金額と実際の売却価格との間に生じる誤差が大きいケースがある」という点です。
机上査定では、実際の物件を確認していないので、建物に傷や修繕すべき箇所があった場合、売却価格は安くなることが多いでしょう。訪問査定をした場合でも、見積もりに誤差が出ることはよくありますが、一般的に机上査定のほうが誤差は大きくなるケースが多いです。そのため、「算定された不動産の価値が高ければ売っても良い」というような気持ちで利用する人には向いていないでしょう。
また、一括査定サイトを利用するうえでは、氏名や住所などの個人情報を教える必要もあります。匿名での依頼は基本的にできませんので、この点からも机上査定は「ある程度売却の意思を固めた人」が利用するほうが良いといえます。
よく知らない不動産にも依頼する点
さらに、一括査定サイトでは複数会社へ気軽に依頼できる点はメリットですが、その反面、普段あまり聞いたことのない会社にも依頼することになります。意図していなくても不動産会社側へ「自分は不動産を所有している」という情報を自ら流すかたちになってしまうため、いくつかの会社から営業電話がかかってくる可能性も高いです。
そのようなわずらわしさを感じる可能性が高いという点も、デメリットだといえるでしょう。
査定担当者のチェック項目とは？
不動産を査定するときのポイントとしては、「築年数の古さ」「内装の状態」「周辺環境」などが挙げられます。
築年数の古さ
築年数は新しければ新しいほど良いのですが、一般的に10年が目安だといわれています。10年よりも新しければ、多少はプラスに査定してくれることもありますが、逆に10年以上経過している建物であれば、その期間だけマイナス査定されることを覚悟しておきましょう。
また、古い建物では耐震基準を満たしているかどうかも大きく影響します。1981年6月に建築基準法が改正されて新耐震基準に移行していますので、建築年がそれより前かどうかで査定価格は変わってくるというのは覚えておいてください。
内装の状態
「内装の状態」については、壁紙のようにすぐ目につくものはもちろん、設備や建具といったものがどの程度傷んでいるかが査定価格に影響します。そのため、建築後にリフォームしたことがあれば査定時に担当者へ伝えることを忘れないでください。
なかには、売却時の価格アップを狙って売却前にリフォームする人もいますが、リフォーム価格以上に査定額が上がるとは限りません。費用対効果を慎重に検討して行うようにしてください。
周辺環境
「周辺環境」については、電車やバスなどの公共交通機関や、スーパーやドラッグストアといった日常生活に役立つ店への所要時間が考慮されます。公共交通機関のなかでも、複数の路線が乗り入れていて利便性が高い駅のそばであれば査定価格がアップしやすいです。
また、不動産のなかには、「お墓がそばにある」「工場が近くて音がうるさい」といった不利な条件のものがあり、どうしても査定価格から引かれてしまいます。そのようなときは、内装をきれいにしたり外壁を塗り替えたりといった他の方法で査定価格を上げる工夫をすると良いでしょう。
まとめ
査定額を上げるために個人で手軽にやれることって？
不動産の価格を知るためには、訪問査定と机上査定の2通りの方法があります。どちらにも一長一短がありますので、自分の状況に合った方法を選ぶようにしてください。また、不動産の価値は「築年数」「内装の状態」「周辺環境」によって大きく影響されます。査定価格をアップさせるために個人でできることは、「内装の状態をできるだけ美しく見せる」ということが一番手軽でしょう。
特に、清潔感や臭いといった部分は査定に大きく影響しますので、普段からこまめに掃除することを心がけてください。できるだけ物件を良い状態にしておいて、納得できる条件で売却できるようにしましょう。
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