駅の近くにマンションを持っていると、通常は高値での売却が見込めます。しかし、資産価値が高いのなら売らずに持っておき、賃貸に出したほうがお得になる可能性も考えられます。そこで今回は、駅近マンションは売却すべきか賃貸にするべきかを解説していきます。

不動産は売れるときに売るのが鉄則

駅近マンションは、多くの場合資産価値が高くなります。そのため、駅近マンションが余っているケースでは、賃貸に出して毎月収入を得るか、売却してまとまったお金を得るかは悩みどころでしょう。

もしも、現在売りに出してすぐに買い手がつく状態なら、駅近マンションは売却したほうが良いかもしれません。その理由は、不動産が売れるか、あるいは将来的にも現在の価格で売却できるかは、経済の動向と密接に関わっているからです。

つまり、好景気なときには2,000万円で売れる駅近マンションも、今後の景気次第では同じ額で売れるとは限りません。よっぽどそのマンションやマンション周辺に何か魅力的なポイントがない限り、不動産の価値は時間とともに下がっていくのが普通です。

マンションは築年数を重ねる前に、売れそうなときに売却しておくほうが良いのです。

不動産は売れるときに売りましょう

売れるときに売るもう1つの理由は「将来の不透明さ」

駅近のマンションがまだ少なかった時代では、駅に近いマンションには高い資産価値がありました。

しかし、現代では駅から徒歩5分圏内にマンションが建っているのはもはや当たり前で、ターミナル直結の物件までもがたくさん出回っている時代です。駅徒歩3分のマンションを持っていたとしても、利便性の観点から見るとターミナル直結物件には勝てません

人々の価値観はいつも同じではないため、現在人気の駅に近いマンションを持っていたとしても、将来その駅の人気が他の駅に取られる可能性もなくはありません。別の駅が人気になると、人だけではなく繁華街ごとその駅へ移転していく可能性もあるため、利便性の高さが売りの駅近マンションの価値は下がります。

将来どのように社会の価値観が変わっていくのかは予想しにくいため、む予定のないマンションは売却を検討したほうが良いといえるでしょう。

賃貸のデメリットは手間とメンテナンス費用

マンションを売却せず賃貸に出すと、入居者募集やリフォームなど、マンションにかける手間が増えます。管理会社に丸ごと任せるという方法もありますが、その場合はもちろん報酬が発生し、管理会社に手数料を支払わなければなりません。

賃貸は手間とメンテナンス費用がデメリット

それに、駅近だからといって必ず部屋が埋まるとは限りません。少子化の影響もあり、日本では住宅が余っている状態です。たくさん物件を持つ不動産のオーナーでも、入居者を募ったり引き止めたりするための策に苦慮している状態なのです。

したがって、賃貸に出す場合は、周りよりも家賃を下げたり魅力的な設備を導入したりといった策を講じて対抗する必要があります。

入居者が長くいない状態が続くと、マンションの管理費や固定資産税などのお金ばかりが出て行きます。入居者がいたとしても、定着せずすぐに引っ越しをするのであれば、部屋のクリーニング代などがかかっていきます。築年数が高いマンションだとさまざまな設備が老朽化している恐れがありますが、部屋の中で起きた問題を解決するのは部屋のオーナーです。

マンションを賃貸に出すかどうかは、将来的に発生するであろうさまざまなリスクを考慮に入れて検討を行う必要があります。

駅近だからといって必ずしも高い価値があるわけではないことにも注目!

駅近マンションは、駅から徒歩圏内で自宅に帰ることができる利便性の高さが魅力です。しかし、同時に駅に近いことで発生するデメリットも負っています。

たとえば、あまりにも駅に近すぎると音の問題が発生します。線路に近ければ電車の音が気になりますし、大通りに面していれば自動車の騒音が発生します。多少駅から離れていたとしても、繁華街の近くであれば人の話し声などがうるさく感じられることでしょう。駅に近いマンションでは、騒音の問題が朝から夜まで続くため、駅から多少遠くても静かなマンションで暮らしたいという人もいます。そのため、必ずしも駅近マンションはいつでも高値で売れるというわけではありません。

また、駅近マンションは不審者の侵入に気がつきにくく、犯罪に遭ったりトラブルに巻き込まれたりする確率が高いと考えられます。したがって、セキュリティが整っていないマンションでは、たとえ駅近でも魅力を感じられないという場合もあります。駅に近いというのが魅力と考えられている時代では、そういった問題はあまり目立ちませんでした。

しかし、今後人々の価値観が変わり、セキュリティが整っていないマンションの価値が大きく落ちる可能性は否定できません。人々の価値観は変わるということを留意しておいてください。

駅近でも高い価値が絶対的にあるわけではない

意外な駅近マンションの落とし穴

セキュリティも騒音対策も万全で、なおかつ築浅の駅近マンションを持っていたとしても油断できません。今後、駅周辺の開発が進み、その駅周辺のマンションへの需要が高まることは、資産価値を維持していくためには好都合です。

しかし、ここに意外な落とし穴があります。駅周辺が活気付けば、それに伴いたくさんのマンションが駅周辺に建てられるようになります。なかには、所有マンションのすぐ隣に高層マンションが建設されるということもありえるでしょう。

駅周辺の開発の結果、路線価などを考慮したマンションの資産価値は上がったとしても、将来的に日照権やプライバシーを守る権利がほとんど失われているかのようなマンションになってしまう可能性もあるのです。また、今後の社会的ムーブメントによって、駅から遠いマンションがもてはやされるようになるかもしれません。

マンションの資産価値が落ちる落とし穴は意外なところにたくさんあります。現在の所有マンションの資産価値が納得できるものであるなら、資産価値が大きく下落しないうちにできるだけ早く処分の検討をおすすめします。

資産価値が下がりにくい駅近マンションとは

駅近マンションといっても、資産価値が下がりにくいものもあれば下がっていきやすいものもあります。

築年数はどのマンションでも時間を追うごとに増え、マンションの価値を落としていきます。しかし、駅から徒歩1分圏内のマンションでは、価値が下がるどころか経済や社会の動向によっては資産価値が上がることもあるのです。

マンションの価値が上がることもあるというのは、多くのオーナーにとってうれしいニュースかもしれません。しかし、逆にいうと駅近といっても徒歩1分より長いマンションでは、マンションの価値が年々落ちていく可能性が高いことを暗に示唆しています。

中古マンションは、徒歩4分と5分、9分と10分、14分と15分の間に大きな壁があるといわれています。つまり、駅徒歩3分と4分ではそれほどマンションの資産価値は変わらないものの、駅徒歩5分となると価値が大きく下がってしまうことがあるのです。

資産価値が下がりにくい駅近マンションとは?

もしも、今後住む予定のない駅近マンションを持っているのならこのことも頭に入れておき、これからどうすべきかを決める必要があるでしょう。

売れない状態はさらに売れない状態を作る!売却の決断は早めに

駅近マンションといえども、売却がなかなかスムーズにいかないことがあります。

売却が進まないからといって賃貸に出してしまうと、毎月収入が入ってくるものの、建物の築年数はどんどん増えていきます。そのため、さらにマンションが売れにくくなっていき、将来的には販売価格を大きく下げなければ売却できないという可能性も発生してしまいます。賃貸で得られる収入は、マンションの売却額を先食いしているようなものなので、賃貸に出すかは慎重に決める必要があるでしょう。

駅近マンションといえども、今後の資産価値がどう変化するかはわからないため、売却できるのなら速やかに行動することが大切です