もしマンションを売却するなら、できるだけ高く売りたいと考えるものです。マンションの売却価格には相場があり、相場を踏まえて交渉を始めると高く売れる確率が高まります。この記事では、マンション売却価格の相場と価格や査定価格の相場を調べ方、またる方法を解説します。高く売るコツについて説明します。
この記事の目次
マンションの売却価格相場はいくら?
マンション売却相場は下記の通りです。
マンション売却相場 | |
北海道 | 1,711万円 |
東京都 | 3,930万円 |
神奈川県 | 2,684万円 |
愛知県 | 2,072万円 |
大阪府 | 2,332万円 |
広島県 | 2,163万円 |
徳島県 | 1,479万円 |
福岡県 | 1,799万円 |
※データは国土交通省の不動産取引価格情報をもとに表示しています。(データ更新月:2023年5月)
上記の表より、東京都のマンション売却相場が高いことがわかります。その他、神奈川県や大阪府などの都市部についてもマンション売却相場が高くなっていることが分かります。
他の地域の相場を知りたい場合は下記のリンクより都道府県や市町村ごとの売却相場を調べることができます。
北海道・東北 | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 |
関東 | 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県 |
中部 | 愛知県、静岡県、長野県、岐阜県、山梨県、新潟県、富山県、石川県、福井県 |
関西 | 大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県、三重県 |
中国 | 広島県、岡山県、山口県、鳥取県、島根県 |
四国 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 |
九州・沖縄 | 福岡県、長崎県、熊本県、佐賀県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
築年数が経つにつれて価値が下がる
こちらの表は東京都の築年数別・面積別の売却相場価格です。
30㎡以下 | 31〜50㎡ | 51〜70㎡ | 71〜100㎡ | 101㎡以上 | |
築10年以内 | 2,689万円 | 4,919万円 | 6,479万円 | 9,582万円 | 30,864万円 |
築11~20年 | 2,314万円 | 4,336万円 | 5,065万円 | 7,091万円 | 21,787万円 |
築21~30年 | 1,664万円 | 3,575万円 | 4,125万円 | 6,201万円 | 8,682万円 |
築31年以上 | 1,290万円 | 2,565万円 | 3,146万円 | 4,182万円 | 14,835万円 |
中古マンションは築年数が古くなるにつれて、どんどん価格が下がっていきます。築31年を超えると築10年までの価値に比べると約半分の価格になっていることがわかります。
築20~30年ほど経っている場合、リフォームやリノベーションをして売り出すのもひとつの手です。しかし、安く購入し自由にリフォームをしたいと考える買主も少なくないため、慎重に判断する必要があります。また旧耐震基準のマンションは売却額が下がる傾向にあるため1981年5月以前に建築確認を申請しているマンションの場合、注意が必要です。
概ね1982年6月以降の築のものであればほぼ1981年5月以降に建築確認を申請したマンションである可能性は高いです。
ここまでマンションの売却価格の相場について説明してきました。ただし上記はあくまでも参考価格のため、実際の査定価格とは異なります。加えてマンションの売却価格相場は一概にいくらと断言できるものではありません。マンションの価値を算出するためにはさまざまなポイントがあります。正確な価格を知るためには専門家に査定してもらう必要があり、しかも「何に注目するか」によって価格は変わってくるのです。査定の難しさを証明する例が、不動産会社が行っている「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」の違いです。
簡易査定(机上査定)
簡易査定は不動産会社の担当者が実際に物件を訪れることなく、物件のデータや法例に基づいて、売主の物件を査定する方法で、机上査定とも呼ばれています。簡易査定では比較的、査定金額が高額に算出される傾向があります。
訪問査定
訪問査定は実際に不動産会社の担当者が物件を訪れ、細かい部分までチェックして行う訪問査定です。条件を聞くだけでは分からなかった細かい傷や物件の現状が明らかになるため、簡易査定と比べると価格が下がってしまいがちです。
査定では「何を基準にするか」で結果が変わります。立地や間取り、築年数などによって物件の価値は異なるため、相場を全国で統一することは非常に困難です。だからこそ、相場感や相場に対する正しい知識を持っておき、不動産売買の交渉に備えましょう。
マンション売却の相場価格を知るメリットとは?
マンション売却の相場価格を知るメリットはまず、「査定額が適正かどうかわかる」点です。
仲介業者に依頼して不動産売買を行うケースでは、物件の査定から手続きが始まります。不動産会社が査定後に物件の価格を決めて、応じてくれる買主を探すのが一般的な流れです。
ところが売主が相場価格について無知であった場合、物件の価格を安く設定し、大損をしてしまうといったケースがあるでしょう。反対に、相場より高い査定結果に期待して媒介契約を結んだものの、なかなか買主が見つからず、結果的に大幅な値下げを余儀なくされるといったケースもあるでしょう。査定価格が相場からかけ離れていたら、すぐに気づく程度には相場を学んでおきたいところです。
また、相場価格を踏まえておくと売却価格の設定がしやすくなります。買主から価格交渉を持ちかけられても「相場より安くする必要はない」という意識も持てるでしょう。つまり、売主の利益を確保できる範囲内で買主からの要求にも応じられるのです。価格の根拠を買主から聞かれても的確に説明できるので、交渉にまつわるトラブルも避けられます。
マンションの相場価格を調べる4つの方法
それでは実際にマンションの相場価格を調べる方法について説明します。
1.土地総合情報システム
マンション売却の相場価格を調べる方法には、まず「国土交通省の土地総合情報システム」(※1)があります。これは国土交通省のWEBサイトで確認可能です。不動産取引価格や地価の情報が検索できるので、売主にとって参考になります。
2.不動産取引情報提供サイト
次に、「レインズの取引情報検索」(※2)も利用してみましょう。レインズは国土交通省からの指定を受けている機関で、すべての不動産会社が共有しているデータベースです。つまり、不動産会社が査定に利用している情報でもあり、不動産売買における価格の目安が学べます。
3.不動産会社ポータルサイト
「不動産会社のポータルサイト」もチェックしてみましょう。不動産会社によっては、ポータルサイトで相場価格を調べられるサービスを実施しています。あくまでも簡易査定になってしまいますが、おおよその価格を知るためには十分役立ちます。
しかしながら同じマンション内の物件があれば、この金額に合わせないと売れないわけですから、いざ売却するとなれば面積単価的には同マンションの別物件と同じ価格になります。
4.一括査定サイト
そして、「一括査定サイト」もおすすめです。一括査定サイトではWEB上に物件の情報を入力するだけで、複数の不動産会社の査定額が一度に分かるメリットがあります。不動産売買に慣れておらず、どの不動産会社に査定を頼んでいいかわからない場合に便利なサイトです。
多くの一括査定サイトでは最大6~7社に一括で依頼することができ、地域に根差した地元の会社から大手の会社まで幅広く依頼することが可能です。
そして各社の査定価格を比較し、容易に相場感を掴むことができます。また信頼できる担当者が見つかれば、そのまま仲介や買取を依頼することもできるため、スムーズに売却活動を進めることができます。
※1
国土交通省「土地総合情報システム」
https://www.land.mlit.go.jp/webland/
※2
不動産取引情報提供サイト「RAINS Market Information」
http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do
相場の値段よりも高くマンションを売却するコツ
マンションの相場価格を踏まえたうえで、より高く売却するコツを実践してみましょう。最初に「内覧対応」はしっかり行うように意識します。不動産売買ではほぼ確実に買主候補からの内覧申込があります。立地条件がよくても内覧の印象が悪ければ買主を逃してしまいかねません。ここでは相場より高くマンションを売却するコツについて説明していきます。
水回りの掃除
内覧前には隅々まで掃除を徹底しましょう。特に、トイレや洗面所、キッチンなどの水回りに水垢やカビなどの汚れが目立つ場合、しっかり掃除することが大切です。掃除に手が回らない場合、ハウスクリーニングを依頼するのもよいでしょう。
リフォームは慎重に
訪問査定の前に、リフォームなどの修繕をする必要があるか不安に思われる方もいるでしょう。
もちろんリフォームを行うと、見た目の印象が良くなります。しかし費用は高額であり、その費用を回収できるとは限りません。またできるだけ安く買って、自分好みにリフォームしたいという買い手もいます。せっかく行なったリフォームが、買い手にとってはあまり好みではない場合があるので、必ずしもリフォームを行う必要はないでしょう。
インテリアも考えて
また、「インテリアの工夫」も肝心です。整ったインテリアは買主の心象を良くするために役立ちます。清潔感のある壁紙、家具の美しいなどは相場価格以上に物件を魅力的に見せるものです。また、照明の明るさ、色味などもこだわりましょう。
管理の再確認
そして、「普段からのマンション管理」もいざというときに鍵を握ります。マンションを売却する際には売主自身が損傷や汚れを修繕する契約を結ぶことが多くなります。一気に修繕費を支払うと金額はふくらむでしょう。普段から管理をしっかりしておけば修繕費もかからないので売却のコストも減り、利益も上がります。
マンション売却価格を決めるポイントとは?
まずは高めの価格設定で様子を見る
マンション売却価格の設定にはコツがあります。安く売却して損をしないためにも、手順を意識して売却価格を決めていきましょう。もし売り急いでいない場合、最初は高めの売り出し価格で様子を見るのが基本です。もし内覧申し込みがなければ、2カ月程度で価格を下げましょう。
ただし、同じマンション内に売却物件が存在しない場合に限ります。他物件が割安で売られていた場合、それに合わせないと全く見てもらえないので足並みを揃えることは大事です。
また、高額の売却価格に対して価格交渉を求めてくる買主もいます。交渉については積極的に応じ、妥協点を探るのがおすすめです。なお、最初から安く設定しすぎると、それ以上下げられなくなり価格交渉にも応じられません。もともと高く設定しているのなら、多少は値下げを受け入れても損にはならないでしょう。むしろ、価格交渉は必ずあることを前提にして最初の価格を決めるのが肝心です。
よくあるトラブル
仲介業者と売主の間でよく起きるトラブルが「適正価格」をめぐる言い争いです。高く売って儲けを出したい売主と、値段を下げて契約期間内に買主をつけたい仲介業者とで意見が分かれますことがあります。そんなときは仲介業者としっかり話し合い、どうしても納得がいかないなら業者を変えるのも一つの選択肢です。
売れないときは買取を検討する
どんなに待ってもマンションが売れない場合はあります。対策として買取についても覚えておくといいでしょう。仲介の場合、不動産会社が買主を見つけていましたが、買取では不動産会社が買主となってマンションを売却してしまう取引方法です。
デメリット
マンションを買い取った業者は、買手を見つけて買取価格以上の価格で転売します。不動産会社にとっては仲介業よりも多くの利益を出せるシステムではあります。ただし、売主にとっては仲介売却の約8割程度の値段になってしまうのがデメリットです。
新築など、本来なら高く売れるはずの不動産物件なら、買取にしてしまうことで売主が損をする恐れが出てきます。買取を決断する前には慎重に考えましょう。
メリット
一方、買取のメリットとしては売却までのスピードと確実にマンションを売れる点です。
仲介の場合、売却が完了するまでに半年ほどの期間がかかると言われていますが、買取の場合1~3か月での売却が可能です。このスピード感がなによりのメリットと言えるでしょう。マンションは時間が経過するほど価格が落ちる傾向があり、あまりにも売却まで手間取りそうなら買取にした方がいいともいえます。たとえば、築年数の古い物件や事故物件は待っていてもなかなか売れにくいです。
物件の種類によっては、確実に売却できる買取に切り替えることを検討してみるのもひとつの手段でしょう。
近年はマンション相場そのものも上がっているので相場の8割とはいえ、納得できる価格で収まる可能性もあるので遠慮なく聞いてみましょう。
【中古マンションが売れない今すぐ手を打つべきポイントはこれ!】
まとめ
不動産売買では相場価格の把握が重要です。不動産仲介業者に査定をしてもらえば売却価格の目安はわかりますが、実際より高く査定される場合もあります。査定を営業活動の一環と捉えている業者は、高額を提示して媒介契約を結びたいと考えるからです。そのため、仲介業者の査定額が必ずしも相場に準じているとは限りません。
マンション売却の相場価格は、売主自身が査定前に調べておくのがおすすめです。業者が行った査定の正確性を判断できますし、優良な仲介業者を見つけるための基準にもなりえます。不動産売買に挑むなら売主も業者に頼るばかりでなく、自分自身でも積極的に調べて行動するように意識しましょう。
一括査定サイトを利用して効率的に不動産会社選びをしよう
不動産売買に関する知識がなく、所有している不動産をどのような方法で売却すればいいかわからない、どの不動産会社を選べばいいかわからない、という方は一括査定サイト「イエイ」の利用をオススメします。
「イエイ」では、国内主要の不動産会社や地元に強い地域密着の不動産会社などとの取引があり、多様な不動産会社から自身に合う不動産会社を見つけやすいのが利点です。
フォーム内に物件情報を入力することで複数の不動産会社から売却査定金額を確認することができ、簡単に相場を知ることも可能です。また信頼できる担当者が見つかれば、そのまま不動産会社に仲介や買取を依頼することもできるので、安心して売却活動を進めることができるでしょう。
またイエイには「なんでも相談室」や「お断り代行」など業界屈指のサービスがあり、不安の多い売主を徹底サポートしてくれます。
「イエイ」を使って効率的に不動産会社選びを行いましょう。