住み替えローンとは、今の自宅を売却しても残債を支払いきれない場合に、その分を上乗せして借り入れできる便利なローンです。
主要銀行ごとの比較、審査通過のポイント、手順やスケジュール調整など住み替えを成功させるコツをご紹介していきます。
この記事の目次
住み替えローンの特徴
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売却
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売却資金で元住宅のローンを完済できない
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住み替えローン利用
住宅ローンは、土地と建物に抵当権を設定するため完済しなければ売却することができません。
普通の住宅ローンは、1棟の担保評価以上のお金を借りることができませんが、住み替えローンは元住宅ローンの残債と新しく購入する住宅の借入、2棟分のローンを組むことが可能なのです。
住み替え手順
住み替えローンを利用する場合
現在の住宅を先に売却する
■買い先行型
新しい住宅を先に購入する
どちらを先行にするのかで、手順が異なります。
売り先行型の手順
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売却活動をする
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住宅を売却する
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新居を探して契約をする
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住み替えローンで決済する
売り先行型の住み替えでは、現在住んでいる住宅の売却が決まってから新居を探します。住宅の売却は、契約が決まって入金がされるまで売却額が定まらないため、安全に進めるのであれば「売り先行型」が良いでしょう。
しかし、売りのタイミングが確定しないため、売却が決まってから欲しい物件を探しても見つからず、妥協しなければならない可能性もあります。
買い先行型の手順
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住みたい物件の購入契約をする
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通常、物件を購入したのと同じ業者に依頼をして売却活動をする
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元の住宅を売却する
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住み替えローンで決済する
買い先行型の住み替えでは、先に住みたい物件を見つけて、契約してから元住宅を売却します。住宅の売却は、最後まで金額が定まらないものなので想定通りの金額で売れない場合もあります。
メリット・デメリット
メリット
◇買い先行型の場合なら欲しいタイミングで新居を購入できる
(人気のある物件は一瞬で売れてしまうので嬉しい仕組み)
◇ローンの残債の返済に充てる予定だった現金を手元に残すことができる
デメリット
(元の住宅ローンの残債も含めたローンを組むことになるため)
◇余計な金利が発生する可能性がある
◇審査が通りにくい
(1棟を担保に1棟+残債の金額を貸し出すことになるため審査が厳しい)
住み替えを成功させるコツ
住み替えで大切なことは、よく計画を練ってタイミングを合わせるということです。住み替えでは、「元住宅の売却」と「新しい住宅の購入」2つ分の手続きを、1日で済ませる必要があります。 また、登記や火災保険・銀行担当者の手続きや、元の住宅の買主と新しい住宅の売主など、作業量も関わる人たちも2倍となるため、金融機関や司法書士・不動産会社の担当者の協力をしっかり仰ぐ必要があります。
主要銀行ごとの住み替えローン比較
三井住友銀行やみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行といった主要銀行では、商品に大きな違いはありません。イオン銀行では、保証料がかからず金利も安く設定されていますが、その分手数料が高く設定されていることがわかります。
シビアな審査を通るには
住み替えローンの、シビアな審査で承認を得るためにはまず金融機関に相談してみるのが一番です。上記の主要銀行や、住んでいる地域または新しく購入する地域の地方銀行なども視野に入れて、相談にいってみましょう。
住み替えローンで注文住宅を建てることは可能か
住み替えローンで、注文住宅を建てることも可能です。
注文住宅の場合、契約から完成まで半年ほどの期間を見ておく必要がありますので、住み替えローンの決済は完成後の引き渡しのタイミングとなります。建物の着工前に土地の持ち主との間で契約を結び、決済をしておく必要があるため「つなぎ融資」と呼ばれるローンを別に組まなければなりません。
着工中に元住宅の売却を進め、建物の完成・引き渡しと同時に住み替えローンの決済をすることになります。
まとめ
住宅ローンを組んで住み替えする場合、通常であれば元々の住宅ローンを完済しない限り新しい住宅を購入できませんが、住み替えローンはその条件に囚われることなく住み替えを可能にしてくれます。
住みたいと思う物件を見つけた場合や、今の住宅を離れなければならない理由がある場合などに有効利用していきましょう。