この記事でわかること

  • 古家付き土地は買取がおすすめな理由が分かる
  • 買取に適しているのはどんな古家か分かる
  • 古家付き土地の買取の手順が分かる

親から相続したり、誰も住まなくなったりした、古家付きの土地を売却したいと考えている方もいるのではないでしょうか?

古家付きの土地を売却するなら、買取がおすすめです。

この記事では、なぜ古家付きの土地は買取がおすすめなのかや、買取の手順などについて解説しています。

・古家付きの土地を今すぐにでも売却したい
・買取とはどのような方法なのか知りたい
・古家付きの土地を売却する際に気を付けるべきことを知りたい

という方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。

古家付き土地とは?

古家付き土地のイメージ画像

古家付き土地とは、土地として売り出しているけれど、その土地に築20年以上の資産価値のない古家が残っている状態のことを表します。

なぜ、古家付きの土地で売るのかというと、売却しにくい古家を売るための不動産会社の手法の一つだからです。

このような物件の場合、解体費用などを踏まえて安く売り出されていることがあります。

そのため「古家付き土地」として売り出すことで、土地を探している人や、古家をあえて購入し自分好みにリノベーションしたい人の目にとまりやすくなり、買い手のつきにくい、古家が売れやすくなる効果があるのです。
 

古家付き土地を売却するなら買取がおすすめ

古家付き土地を売却するなら買取がおすすめのイメージ画像

不動産を売却する方法には、仲介と買取の2つの方法がありますが、古家付きの土地を売却したいと考えている方は、不動産買取がおすすめです。

ここでは、なぜ不動産買取がおすすめなのか、その理由をご紹介します。

【不動産買取がおすすめな理由】
・売却までに時間がかからないから
・費用を安く抑えることができる
・放置空き家のリスクを防げるから

【仲介とは?】

不動産会社に仲介を依頼し、第三者へ売却すること

・買主:一般の個人
・購入目的:居住用
・成約:平均で半年~3ヶ月(長期化する恐れもある)

【買取とは?】

不動産会社に直接買い取ってもらうこと

・買主:不動産業者
・購入目的:リフォーム等を行い再販する事業目的
・成約:数日~1週間前後

売却までに時間がかからないから

一つ目の理由は成約までに時間がかからないということです。

古家付きの土地は、住宅部分の老朽化が激しく、住むのが難しいことが多いです。

そのため、そのまま売却しても買い手が付かないことが多く、成約までに長期化してしまう恐れがあります。

一方で不動産会社に買い取ってもらう場合だと、数日〜1週間前後で売却することが可能です。

売却までの手間や時間がかからないことが、買取をおすすめする理由の一つです。

費用を抑えることができる 

古家付きの土地の場合、そのままではなかなか売れないため、古家を取り壊して土地として売却するか、または大規模なリフォームを行う必要も出てきます。

しかし、解体費用やリフォーム費用を回収できるほど高く売れるという保証もありません。

一方で、買取の場合だと解体やリフォームなどを行わず、そのままの状態で買い取ってもらえます。

このように、無駄な費用をかけずに売ることができるのも買取がおすすめな理由の一つです。

放置空き家のリスクを防げるから

二つ目の理由は、放置空き家のリスクを防ぐことができるということです。

先ほども紹介した通り、古家付きの土地の場合、なかなか買い手がつかないことが多く、成約までに時間がかかってしまいます。

その間、定期的に家の管理を行う必要もありますが、遠方に住んでいるとなかなか家の管理ができないという方も多いと思います。

しかし、長期間空き家を放置したままにしていると、罰則や罰金を請求されてしまう恐れがあるのです。

そのため、成約までに時間がかからない買取の方がおすすめと言えるのです。

空き家を長期間放置してしまうと、どんなリスクがあるのかは、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

参照:放置空き家を現金化!買取で得られるメリットやリスク回避の方法を徹底解説!

買取に適しているのはどんな古家?

買取に適している古家のイメージ画像

古家といっても状態はさまざまだと思います。

ここでは買取に適しているのがどんな古家かをご紹介します。

【買取に適している古家】
・再度家を建てるのが難しい土地
・欠点を抱えている土地(土壌汚染や道路より低い土地など)
・複数人で共有している土地
・個人が購入しないような広い土地

買取に適している古家は、家を取り壊した後に再度その場所に建てるのが難しい土地です。

例えば、隣の土地との高低差があったり、がけ条例※1の制限を受ける土地などがあります。

また、土壌汚染や個人が購入しないような広い土地の場合も、買い手がなかなか付きにくいので、買取の方がおすすめです。

さらに、複数人で共有している土地の場合、全員の意見が一致していないと、売却はできません。

売却活動では、買主から値下げ交渉などが行われることもあり、その都度全員の同意を得る必要があります。

そのため、買取の方がスムーズに売却でき、おすすめです。

※1がけ条例とは

「がけの上や下に建築する場合の制限のこと」
各自治体が、がけ崩れによる地盤沈下や土砂崩れによる危険を回避するために規制を定めている。
条例の内容は各自治体によって細かく異なる。

古家付き土地買取の手順とは?

古家付き土地の買取の手順のイメージ画像

実際に古家付きの土地を買い取ってもらう場合、どのような手順で行えば良いのでしょうか?

ここからは、古家付き土地の買取の手順をご紹介していきます。

【古家付き土地買取の手順】
①土地の状況を確認する
②不動産会社に買取査定の依頼をする
③買い取ってもらう不動産会社を決める
④売買契約の締結
➄引き渡しを行う

①土地の状況を確認する

まずは、買取を依頼したい土地の状況を確認しましょう。

特に相続などで古家付きの土地を所有している場合、相続手続きが済んでいないことも考えられます。

土地の所有者などを変更していなければ、売却はできないのでまずは所有者の変更が済んでいるかどうか、チェックしておきましょう。

②不動産会社に買取査定を依頼する

土地の状況を確認できたら、次は不動産会社に買取査定を依頼しましょう。

査定は1社だけではなく、複数の不動産会社に依頼することがポイントです。

なぜなら、複数社に依頼することでより高値で買い取ってくれる不動産会社を見つけやすくなるからです。

依頼する不動産会社は

・土地があるエリアの不動産会社
・買取実績が豊富な不動産会社

などがおすすめです。

やはり、土地があるエリアの不動産会社の方がその土地に詳しいので、迅速に対応してもらえることが多いです。

また、不動産会社によっても得意な分野と苦手な分野があります。

例えば、仲介がメインで買取実績があまりない不動産会社に依頼してしまうと、実際の相場よりも低い価格での買取になってしまうかもしれません。

事前に不動産会社のホームページなどで、買取の実績があるかどうかチェックしておきましょう。

不動産査定と買取査定との違い

一般的に不動産会社の査定には、仲介を依頼する不動産査定と、買取を依頼する買取査定の2つがあります。

この不動産査定と買取査定の大きな違いは、その査定額でそのまま売れるかどうかが異なる点です。

仲介を依頼する不動産査定の場合、査定額と実際に売れた時の価格が全く同じというわけではありません。

例えば、3,000万円の査定額で売りに出した場合、買主から値下げ交渉が行われ、実際には2,800万円で売れるという事もよくあるのです。

一方で、買取査定の場合は、不動産会社がこのくらいなら買い取っても利益が出ると判断した価格を売主に提示します。

そのため、2,500万円の査定額を提示された場合、その金額で不動産会社に買い取ってもらえるのです。

なお、買取には即時買取と買取保証の2つがあります。

即時買取と買取保証とは?

即時買取とは、不動産を即時に買い取ってもらう取引のことです。

いったん売りに出してみるわけではなく、最初から不動産会社に買い取ってもらう方向で取引が進みます。

買取保証とは、いったん不動産会社が売りに出し、一定の期間が過ぎても売れない場合に、あらかじめ決めていた価格で不動産会社に買い取ってもらう取引のことです。

不動産を売却する場合、仲介と買取では仲介の方が売却価格は高くなるケースがほとんどです。

そのため、いったん仲介で売りに出し、売れなかった場合に最終的に不動産会社に買い取ってもらう買取保証は理想的な取引と言えます。

ただし、買取保証を行っていない不動産会社もあるので、事前に確認しておくことが大切です。

また、先ほどもご紹介した通り、古家付きの土地はなかなか買い手が付かないことも多いので、少しでも早く売却したいと考えている方は、最初から即時買取の方がおすすめです。

③買い取ってもらう不動産会社を決める

複数の不動産会社から査定を受けたら、実際に買取を依頼する不動産会社を決めます。

不動産買取の場合は、査定額が高い不動産会社を選ぶことで、高値で売却することが可能です。

しかし、他の査定額よりも極端に高額な場合は、後々に不用品の回収費用などで高額な手数料を請求されることもあるかもしれません。

なぜこの査定額なのかなど、疑問に思うことは担当者に聞き、納得した上で不動産会社を決めるとよいでしょう。

④売買契約の締結

実際に買取を依頼する不動産会社が決まったら、売買契約の締結を行います。

売買契約書は不動産会社が作成してくれることがほとんどなので、契約書の内容をしっかりと確認し、契約締結を行いましょう。

また、売買契約の締結の際には、買取金額の5〜10%ほどの手付金を受け取ることが一般的です。


➄引き渡しを行う

売買契約の締結で引き渡し日も決めるので、その日に不動産会社から手付金以外の残金を受け取ります。

また、その日に所有権の移転登記の手続きも行いましょう。

この移転登記の手続きは司法書士に依頼することも可能です。

移転登記に関する詳しい解説や必要な書類については、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

参照:あらかじめ知っておきたい!不動産登記の必要性と手続きの方法

不動産買取にかかる税金

不動産買取にかかる税金のイメージ画像

不動産買取にかかる税金には主に下記のようなものがあります。

・印紙税
・登録免許税
・譲渡所得税(売却で利益が発生した際)

これらの費用に関しては下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

参照:不動産売却でかかる税金は2つある!節税対策や注意点などを徹底解説!

古家付き土地買取の注意点

古家付き土地買取の注意点

古家付き土地の買取を検討している場合、注意点もあります。

ここでは、どんな注意点があるのか紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

【古家付き土地買取の注意点】
①リフォームや解体は不動産業者と相談してから
②税金の控除特例の期間に注意する
③免責事項を確認しておく

①リフォームや解体は不動産業者と相談してから

買取を検討している場合は、リフォームや解体を自分の判断で行わないようにしましょう。

なぜなら、買取業者によってリフォームを行うのか、解体を行うのか、またはそのまま古家付きの土地として販売するのかは異なるからです。

そのため、買取前に独断でリフォームや解体を行ってしまうと、費用が無駄になってしまう恐れがあります。

また、リフォームや解体が終わるまでは、不動産会社に売却することもできないので、買取までの期間が延びてしまうというデメリットもあります。

事前にリフォームや解体した方がいいのかは、買取業者に相談してから判断することが大切です。

②税金の控除特例の期間に注意する

古家付き土地の買取を考えている場合、税金の控除特例が適用される期間を事前に把握しておきましょう。

不動産を買い取って得た利益には、譲渡所得税がかかりますが、この譲渡所得税には控除特例があります。

これにより、税の負担が大幅に軽減されることもありますが、この特例には期間が決められているので注意が必要です。

そのため、買取を検討している場合は、特例期間も事前に把握しておき、期間内に買い取ってもらえるように早めに行動しておくことをおすすめします。

特例

期間

控除額

マイホームを売った場合の特例

住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで

譲渡所得から最大3,000万円の控除

空き家を売った場合の特例

相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで

譲渡所得から最大3,000万円控除

これらの特例を受ける条件などに関しては、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

参照:不動産売却でかかる税金は2つある!節税対策や注意点などを徹底解説!

③免責事項を確認しておく

不動産の売買では、売主が建物や土地に関する損傷や欠陥を隠したまま売却すると、買主から損害賠償や契約解除を求められることがあり、これを「契約不適合責任」といいます。

そのため、免責事項をあらかじめチェックし、提示することが大切です。

特に、古家の場合、屋根や天井裏の損傷による雨漏りやシロアリによる構造物の腐食など、状態が悪いことも多いので、念入りに免責事項をピックアップしておくことが大切です。

よくある質問

よくある質問のイメージ画像

ここからは古家付き土地の不動産買取に関するよくある質問をご紹介していきます。

どんな内容があるのか、ぜひチェックしてみてくださいね。

不動産買取の場合でも土地の契約不適合責任は発生するものなのか?

上記でご紹介した「契約不適合責任」ですが、不動産会社に買い取ってもらう場合でも、発生することがあります。

ただし、この「契約不適合責任」は絶対というわけではなく、免除や軽減する特約もあり、これらの特約を適用してもいいかどうかは、不動産会社によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

責任を負う期間としては、一般的に引き渡しから2〜3ヶ月間です。

買取の場合でも売主は確定測量をする必要があるか?

土地の境界があいまいだと、買取を行ってくれない不動産会社もあります。

そのため、境界がはっきりと確定している土地であることが望ましいですが、この確定測量には約35〜80万円程の費用がかかります。

そのため、必ずしも売主が行う必要はありません。

そのまま買取を行ってくれる不動産会社もありますので、事前に相談しておくことがおすすめです。

【確定測量とは】

土地家屋調査士が正確な土地の面積を図り、隣家の所有者立ち会いのもと境界を確定させること。

古家付き土地を売却した場合消費税はかかるのか?    

不動産の売却では、建物に消費税が発生し、土地に消費税はかかりません。

また、建物でも個人がマイホームなど事業用ではない建物を売却した場合消費税はかからないのです。

そのため、古家付きの土地を売却した場合も消費税は発生しません。

仮に事業用の古家を売却した場合でも、古家自体に建物の価値がないと判断された場合、消費税はかかりません。

古家付き土地は買取でスムーズな売却を

古家付き土地は買取でスムーズな売却を目指すことのイメージ画像

今回は、古家付き土地の売却は買取がおすすめということについて解説しました。

古家付きの土地は、建物自体に価値がないことも多く、そのままだとなかなか売れませんが、買取の場合だと数週間〜1週間程度と売却までにそれほど時間がかかりません。

ただし、古家なため、建物の損傷が激しいことが想定されるため、免責事項をしっかり確認しておくことや、売却前の解体やリフォームは事前に買取業者に相談するなど注意点もあります。

ぜひ、今回ご紹介した買取の手順や注意点を参考に、古家付き土地でもスムーズな売却を目指しましょう。