この記事の概要
|
土地の売却を行う際は、相場を調べて売却額がどれくらいになるか把握したいですよね。
また、土地の売却にかかる費用と相場を比較して、売却後に手元に残る金額を検討したい方も多いかと思います。
こちらの記事では、土地の売却相場を調べる方法と注意点、土地の売却にかかる費用についてもご紹介していきます。
ぜひ、参考にして土地売却の計画を立てるのに役立ててください。
この記事の目次
土地の売却相場を調べる方法は5つある
土地売却の相場を調べるには、5つの方法があります。
それぞれに分かる相場の内容や精度も変わります。
種類 | 方法 | 分かること | 精度 |
---|---|---|---|
実勢価格から調べる | 近隣にある類似物件の過去の取引事例を参考におおよその相場を算出する方法 | 周辺で実際にいくらで売買取引されているかがわかる | 〇 |
公示価格から調べる | 近隣の公示価格を参考におおよその相場を算出する方法 | 特定地点における周辺の不動産売買取引指標(㎡単価)がわかる | △ |
相続税路線価から調べる | 相続税路線価から実勢価格を逆算する方法 | 接面道路ごとに㎡単価が設定されており、同じ道路に面する土地一帯の相場がわかる | 〇 |
固定資産税評価額から調べる | 固定資産評価証明書に記載された固定資産税評価額から実勢価格を逆算する方法 | 土地ごとで設定されているため、その土地個別の評価額がわかる | 〇 |
査定を依頼して価格を調べる | 土地の条件にあった精度の高い相場を算出する方法 | プロの視点から見積もった今後3カ月で売れる価格がわかる | ◎ |
実勢価格から土地の売却相場を調べる方法
実勢価格から相場を調べるには、売却したい土地と類似した物件の実際の取引事例を参考に算出します。
類似した物件の実際の取引事例を調べるには、国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」で確認することができます。
こちらは、国土交通省が全国の土地売却経験者に実施しているアンケート調査の結果を掲載しており、インターネットを使って誰でも無料で検索・閲覧することができるものです。
不動産情報ライブラリで実勢価格を調べる手順
①まずは、「地域から探したい方へ」をクリックし、調べたい土地の住所を入力します。
②次に左上の「価格情報」をクリックし、表示されたメニューから「不動産取引価格情報」「成約価格情報」を選択し決定します。
③調べたい地域をクリックすると、不動産取引価格情報と成約価格情報が表示されます。
「詳細表示」をクリックすると、事例が一覧で出てきます。
④画面上部の「検索条件設定」から種類や時期の変更ができるので、調べたい土地に近しい条件に絞って検索しましょう。
類似物件を見つけたら㎡単価に、売却したい物件の㎡数を掛け合わせ、おおよその相場を算出します。
売却したい土地の相場=類似物件の㎡単価×売却したい物件の㎡数
公示価格から土地の売却相場を調べる方法
公示価格(公示地価)とは、国土交通省が毎年3月に決定している土地の価格のことを指します。
こちらは、不動産鑑定士が地価公示法に基づいて毎年決まった日(1月1日時点)の参考となる標準地(基準地)の1㎡あたりの価格を判定したものです。
国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」で調べることが可能なので、以下で公示価格を調べる手順をご紹介していきます。
不動産情報ライブラリで公示価格を調べる手順
①まずは、地図からか地域からか探したい方法を選択します。
こちらでは、「地図から探したい方へ」を選択した場合を例にご紹介していきます。
②スマホなどのマップアプリと同じく直感的操作で探せるので、調べたい地域を地図から見つけ出しましょう。
こちらでは、東京都渋谷区の公示価格を例として調べます。
調べたい土地を表示したら、左上の「価格情報」を開き「国土交通省地価公示」にチェックを入れます。
なお、都道府県がまとめている基準地価も一緒に調べられます。
この際、「条件設定」から用途区分や調査年などの必要な条件を設定しましょう。
設定が完了したら決定をクリックすると、地図上に〇印と土地の公示価格情報が表示されます。
③地図上に表示されている〇印をクリックすると、㎡あたりの価格が表示されるようになっています。
さらに、「詳細表示」をクリックすると過去の地価や対前年変動一覧などのより詳細な価格情報が表示されます。
相場が調べたい土地にもっとも近いものを見つけ基準地としたら、「価格(円/㎡)」に、売却したい土地の㎡数を掛けて、さらに実勢価格(相場)が公示地価の約1.1倍とされているため、1.1を掛けて売却したい土地の相場を算出します。
売却したい土地の相場=基準地の価格(円/㎡)× 売却したい土地の㎡数 × 1.1
相続税路線価から土地の売却相場を調べる方法
相続税路線価とは、国税庁によって毎年7月に公示される相続税評価額を決めるための土地の単価のことをいいます。
その際、公示されるのはその年の1月1日時点のデータになります。
相続税路線価は、国税庁が提供する「路線価図・評価倍率表」で確認することができます。
路線価図・評価倍率表で相続税路線価を調べる手順
①まずは、トップページの地図から、相場を調べたい土地のある都道府県を選択します。
②次に、目次が表示されるので「路線価図」をクリックします。
③市区町村を選びエリアを絞り込みましょう。
④路線価図が開いたら、土地のある場所を探して路線価を確認しましょう。
土地に面している道路に記載された数字がその土地の路線価になります。
路線価は千円単位で記載されており、820は82万円を表します。
相続税路線価は、公示価格の80%程度とされているため、0.8で割り戻すことで公示価格を割り出せます。
さらに、実勢価格(相場)が公示地価の約1.1倍とされているため1.1を掛けて算出します。
売却したい土地の相場= 相続税路線価 × 売却したい土地の㎡数 ÷ 0.8 × 1.1
固定資産税評価額から土地の売却相場を調べる方法
固定資産税評価額は、自治体から送付される「固定資産税課税明細書」から調べることができます。
こちらは、総務省が定めた「固定資産評価基準」に基づいて、3年に1回その年の1月1日時点の地価を各自治体が4月に公示しているものです。
まずは、「固定資産評価証明書」に記載されている固定資産税額を確認しましょう。
次に、土地の固定資産税額は、公示価格の70%程度とされているため、固定資産税評価額を0.7で割り戻して公示価格を算出します。
さらに、実勢価格(相場)が公示地価の約1.1倍とされているため1.1を掛け相場を算出します。
売却したい土地の相場 = 固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1
査定を依頼して土地の売却相場を調べる
売却したい土地の相場を知るためには、査定を依頼するのが一番確実な方法になります。
それは、土地はそれぞれに形状や傾斜、方角、面している道路など特徴が異なり、それによって相場価格も変わってくるからです。
また、不動産会社によって査定額には差があるため、複数社に依頼をし査定額を見比べましょう。
複数社に依頼をする際は、一括査定がおすすめです。
株式会社じげんが運営する「イエイ」では、安心して取引できる複数の不動産会社から一括査定を受けられるので、ぜひご活用ください。
土地の売却相場を調べるときの注意点
土地の売却相場を調べる際は、以下のような注意点があります。
- 売り出し価格は参考にしない
- 土地の価格は条件によって異なる
- 買取相場は市場相場と異なる
- 土地の売却相場は市況の変化によって変動する
売り出し価格は参考にしない
不動産会社のホームページやチラシに掲載されている売り出し価格は、あくまで売主の希望価格であり、相場より高めに設定されていることがほとんどなので参考にはなりません。
そのため、土地が実際に売却された価格とはことなることも多いため注意しましょう。
土地の価格は条件によって異なる
土地の条件によって実際に売却された価格は異なります。
そのため、自分で相場を調べる際はあくまで参考程度に考えておくと良いでしょう。
また、売りたい土地の価格を想定する際は、土地固有の条件も考慮しましょう。
「プラスの条件」が多い土地は、周辺相場より高く売れやすい傾向にあり、反対に「マイナスの条件」が多い土地は周辺相場より安くなってしまう可能性が高いです。
プラスの条件 | マイナスの条件 | |
---|---|---|
土地の面積 | 周辺の土地と同じくらいの面積がある | 周辺の土地と比べて面積が広すぎたり、狭すぎる |
土地の形状 | 整形地に近い土地 | 三角地・台形地・旗竿地・長すぎる長方形など活用しにくい土地 |
接面道路 | 道路に接している土地の面積が広い | 道路に接している土地の面積が狭い |
土地の角地・中間画地 | 角地 | 中間画地 |
土地の日当たりや風通し | 良い | 悪い |
買取相場は市場相場と異なる
不動産会社が土地の再販を目的に、直接買い取ることを「買取」といいます。
不動産会社を通して、購入希望者を探し売却を行う「仲介」と比べて、土地を早く現金化することができるので「買取」を検討する方も多いかと思います。
しかし、買取相場と市場相場は異なるため注意が必要です。
買取業者の利益率は一般的に10%〜20%です。
そのため、買取価格は市場相場の9割〜8割となります。
買取相場を調べたい場合は、「買取相場=市場相場×0.8」で計算するようにしましょう。
土地の売却相場は市況の変化によって変動する
売却したい土地のあるエリアの交通機関の開発が進んでいたり、周辺にショッピングモールがあるなど、今後需要が高まりそうなエリアは売却相場も上がる可能性があります。
そのため、土地の売却相場は市況の変化によって変動する傾向にあります。
土地の売却価格を予想する際は、周辺の環境や景気の変動も考慮して検討すると良いでしょう。
土地の売却にかかる費用と税金
土地の売却相場を参考に、売却したい土地の売却価格を予想したら、売却にかかる費用と税金を照らし合わせて手元にいくら残るのか検討したいですよね。
土地の売却にかかる費用と税金を以下の表にまとめました。
ぜひ、今後の計画に役立ててください。
【土地の売却にかかる費用】
項目 | 詳細 | かかる費用 |
---|---|---|
測量費用 | 土地の「地積測量図」や「境界確認書面」の作成を依頼した土地家屋調査士に支払う費用のこと | 40万~50万円 |
仲介手数料 | 「仲介」で土地の売却が成立した際に不動産会社へ払う手数料のこと 「買取」で土地を売却した場合は不要 |
取引物件価格 × 3% + 6万円 + 消費税 |
解体費用 | 土地に建物が建っており解体が必要な場合に発生する費用のこと | 建物の種類によってことなるが150万円前後 |
繰り上げ返済手数料 | 住宅ローンが残っている場合、繰り上げで返済する際に金融機関に支払う手数料のこと | 5,000~3万円前後 |
【土地の売却にかかる税金】
項目 | 詳細 | 金額 |
---|---|---|
抵当権抹消の登録免許税 | ローンが残っている場合に、返済を済ませ抵当権を抹消する際にかかる税金のこと | 不動産1件につき1000円 |
譲渡所得税(所得税・住民税) | 土地の売却により、売却益が発生した場合に支払う税金のこと | 売却益の20〜40%程度 |
印紙税 | 売買契約が成立した際に契約書に貼って納付する税金のこと | 土地の売却価格によって異なる |
<印紙税にかかる金額>
出典:国税庁ホームページ
土地の売却にかかる費用と税金について詳しく知りたい方は、以下の記事でもご紹介しているのでぜひ参考にしてください。
土地売却で高く売るコツって?売却の流れや費用・税金についてもご紹介
土地の売却相場を知るには一括査定がおすすめ
土地の売却における相場を調べる方法には、さまざまな手段があります。
しかし、あくまで大まかな相場であり、必ずしも売却価格と同じになるとは限りません。
自分で相場をもとに売却価格を想定したら、実際に査定を依頼して確実な価格を把握したほうが良いでしょう。
その際、複数社に依頼をし自分で調べた相場と比較をして決断することが大切です。
複数社に依頼をする際は、一括査定がおすすめです。
株式会社じげんが運営する「イエイ」では、複数の不動産会社から一括査定を受けることができ、15年以上の営業実績で培った安心して取引できる企業をご紹介しています。
不動産会社の依頼先をお探しの方は、ぜひ「イエイ」の不動産売却一括査定をご活用してみてくださいね。