不動産の売却を検討したら、まず当該不動産の査定をしてもらわなければなりません。その際、できるだけ高い査定価格を出すためにはどうすれば良いでしょうか。不動産の査定価格に影響する要素はたくさんあります。今回は、そんな不動産査定で知っておきたい重要なポイントについてまとめてみました。

立地が査定に与える影響とは

中古住宅や中古マンションの査定には、さまざまな要素が影響してきます。ちょっとした違いで査定価格が大きく変わってくることもあるので、実際に専門業者に査定してもらう前に注意点を確認しておいてください。

まず、立地について見ていくことにしましょう。

たとえば、駅から近い物件と遠い物件では、近い物件のほうが立地条件的に優れているといえます。また、マンションであれば、眺望の良い立地と良くない立地なら、前者のほうが高い評価を得ることができます。さらには、当該物件が将来的に発展しそうなエリアにあるかどうかどうかも重要なポイントです。

立地条件は査定額に大きく影響する

このように中古物件を手放す場合、立地条件は大きく査定価格に影響を与えます。もちろん、立地条件は自分でどうにかできる項目ではありません。

ただ、たとえば車移動が当たり前の地域については、近くに駐車場があるかどうかが査定価格に影響を与えます。そのため、敷地内に車を駐車できる場所がない場合は、近くに月極駐車場がないか探しておいてください。近隣に駐車場があるかどうかで査定価格も変わってくるので、自分でも駐車場を探しておければ査定価格アップの材料として利用できます。

耐震構造と築年数にも要注目!

立地条件のほかにも、さまざまな要素が査定価格に反映されます。たとえば、周辺環境です。物件の周辺に便利なお店やスーパーがあるかどうか、また学校や幼稚園などの施設が近くにあるかどうかも重要なポイントです。

周辺環境も影響する

幹線道路近くに物件がある場合は、騒音なども査定に影響を与えます。また、物件の状態や築年数も忘れてはなりません。とりわけ耐震構造が整備されているかどうかは大きなポイントになります。東日本大震災が起きた後は、特に耐震構造が査定に与える影響が大きくなっています。手放そうとしている物件の耐震構造がどうなっているか、きちんと確認しておくようにしましょう。

一方、築年数は耐震構造とも関連がある項目です。築浅の物件のほうが安全性は高いと見なされるので、築年数が浅いほうが査定価格も高くなる傾向にあります。また、築年数は間取りや設備の観点からも見逃せません。古い物件のなかには、導線が確保されておらず使い勝手が良くない物件がよくあるからです。

古い物件の場合、リフォームやリノベーションをしてから売り出したほうが高い利益を得られることもあるので、耐震構造とともに築年数にも注目しておく必要があります。

管理や修繕の状況も査定に影響を与える

築年数の古い物件でも、管理や修繕が行き届いていれば高い査定価格を勝ち取れる場合もあります。逆に、築浅の物件でも、ずさんな管理体制で建物の状態が悪ければ、当然のごとく査定価格も下がってしまいます。このように、管理や修繕は査定価格に大きな影響を与えます。

とりわけ中古マンションの売却においては、一戸建てと違って管理費や修繕積立費が毎月徴収されています。こうした月々の諸費用がしっかり管理され、また運用されていれば、査定価格にも良い影響をもたらしてくれるでしょう。一方、これらの費用がどのように管理・運用されているか不明瞭な場合、査定価格が下がってしまう可能性も十分にあります。

それは、メンテナンスの不備を意味することにもなるでしょう。管理費や修繕積立費がしっかり管理・運用されているかどうか審査するため、過去の修繕工事などの履歴やマンションの管理規約なども査定の対象になります。ですから、管理組合や管理会社の状況にもしっかり目を配っておく必要があるのです。

日頃の行いが査定価格をアップさせる!

中古物件の査定価格を上げるために、不動産の立地条件を変更したり、周辺環境を動かしたりするようなことはできません。しかし、物件の管理をしっかり行うことは誰でもできるはずです。常日頃から自分の物件をどのように扱っているか、これも査定価格に少なからず影響してきます。

たとえば、台所の水回りが汚れているとします。そうした汚れを残したまま、物件の査定をされると価格も下がってしまいます。こびりついた汚れはそう簡単に取ることはできませんから、日頃からどう物件を扱っているかが査定に大きな影響を与えるのです。

不動産を売りに出そうと考えるなら、日頃の物件の使い方には特に注意するようにしてください。水回りをこまめに掃除したり、臭いが付くので室内でタバコを吸わないようにしたりなど、ちょっとした心がけが査定を左右します。また、建物の中だけでなく、物件の周りのことにも気を使うようにしましょう。

中古物件を売却する場合、住みやすさや暮らしやすさも査定に反映されます。

たとえば、周辺の住民と関係が悪かったら、暮らしやすい住宅とはいえなくなってしまうでしょう。マンションであれば、住民同士の交流が査定をアップさせる条件になることもあります。住民同士の仲が良いといことは、その物件が暮らしやすい物件であることの証明にもなるからです。こうした周辺住民との関係性は一朝一夕に形成できるものではありません。

つまり、建物の使い方と同じで、日々の積み重ねが大切だということです。

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査定の依頼は複数に!一括査定を利用しよう

査定依頼は複数社に!

より高値で中古物件を売却するためには、当該物件の査定相場を正確に把握することが重要です。そのためにも、査定を依頼する場合、複数の不動産会社に査定してもらうのが鉄則です。実際、査定をする業者によっては、査定価格が1割以上違うということも珍しくありません。

不動産の場合は、扱う金額が非常に大きくなります。たった1割違うだけで、その差が数百万円になることも多々あります。また、査定の依頼を1社だけに限定してしまうと、それぞれの査定価格を比較検討することもできなくなってしまいます。比較検討して初めて正確な相場を把握でき、売却する際の妥当な金額も知ることができるので、査定を依頼するときは複数の業者にお願いするようにしましょう。

ただ、複数の業者に査定を依頼すると、時間も労力も無駄に浪費してしまいます。そこでおすすめなのが、ネットを使って一括査定するという方法です。一括査定を利用すれば、複数の業者に査定依頼を出す手間が省けるので、査定にかかる時間を大幅に減らすことができます。

一括査定で相場が把握できたら、販売を仲介してくれる不動産会社を探しましょう。査定の相場が把握できているので、その相場を参考にしながら仲介業者を探してみてください。ただし、不動産売買の仲介業者は、必ずしも大手のほうが物件を高く売れるわけではありません。販売力や宣伝力は大手のほうが強いですが、小さな仲介会社でも地域密着型の会社であれば独自の販売網で売り出せる場合もあります。

どちらが優れているかということは一概に断定できないため、不動産会社に査定依頼をする際は大手会社と地域密着型の双方に連絡するのが良いでしょう。

まとめ

身近なところからコツコツと!

 不動産の売買では、査定価格が必ずしも販売価格になるわけではありません。査定価格よりも高値で売れることもありますし、逆に査定価格より安く買いたたかれてしまうこともあります。しかし、高い査定価格をつけてもらえれば、それは販売価格にも強い影響を与えることは確かです。

そのためにも、自分でできることからコツコツと始めてみてください。こまめに掃除して状態をきれいにするだけでも査定価格は上がります。ちょっとした心がけが大きな結果につながるので、まずは物件の管理など身近なところから始めてみましょう。