不動産売買の方法はさまざまです。インターネットの普及によって、不動産一括査定サイトでの取引も増えています。しかし、不動産一括査定サイトはメリットだけでなくデメリットもあるので、注意したうえで利用しましょう。どのようなメリット・デメリットがあるのかについて紹介していきます。
この記事の目次
不動産売買の一括査定サイトのメリットとは？
査定申し込みが楽
不動産の一括査定サイトを利用するうえでのメリットとしては、まず「査定申込が楽」である点が挙げられます。「複数の業者の意見を聞きたい」と思っていても、仕事や家事などに追われて「実際に複数の業者へ足を運ぶのは難しい」と考えている人が多いです。そのようなときに、一括査定サイトを利用することで複数の業者へ移動する時間や費用の負担を減らすことができますし、売買したい理由などの同じ話を何度も繰り返す必要もありません。
利用する側としては不動産売買に関する手間を大きく省くことができるでしょう。
複数の業者を比較できる
また、一括査定サイトを利用することで「複数の業者を比較できる」「適正査定額がわかりやすい」といったメリットもあげられます。不動産の売買は高額になるケースが多いので、1社だけに見積もりを任せてしまうと大きな損失を出してしまう危険性があります。その点、一括査定サイトであれば複数の業者へ一度に査定依頼ができますので、その結果を見て見積もりの良し悪しを判断しやすいといえるでしょう。
さらに、複数の業者へ見積もりを依頼することによって適正な相場感覚が身に付きます。適正な査定額を頭に入れておくことで、その後の交渉も有利に進めることができるでしょう。ただし、不動産売買は売り手と買い手が納得しないと契約が成立しません。そのため、必ず査定額が売買価格に結びつくとは限らないので注意が必要です。
また、査定額が思ったより高かった場合でも、周辺相場を確かめてみることをおすすめします。自分が思ったより高い査定でも、実際の周辺相場と比べると低い可能性があるからです。
優良な不動産会社が見つかりやすい
一括査定サイトを利用するメリットには、他にも「相性の良い不動産会社を見つけやすい」というものがあります。これは、利用すると複数の業者から査定についての連絡が入るため、それぞれの業者の担当者を直接比較できるメリットです。不動産売買は条件を満たしてくれる相手が見つかるまで、長い場合だと半年から1年以上かかることがあります。そのような長期間やりとりをするわけですから、できるだけ相性の良い業者と契約した方がストレスを感じることは少ないでしょう。
これも複数の業者と一度に依頼ができる一括査定サイトならではのメリットだといえます。
不動産売買の一括査定サイトのデメリットとは？
質が悪い不動産業者に当たる可能性がある
不動産一括査定サイトのデメリットとしては、「質の悪い不動産業者にも依頼してしまう可能性がある」ということです。一括査定サイトに登録してある事業者の規模や経営方針はさまざまで、中には利益重視型の会社もあります。そのような利益重視型の会社は、スピーディーに売買契約を取り付けてくれることがありますが、そのぶん営業方針が強引なケースもあるのです。
そのような不動産業者に依頼すると営業電話が頻ぱんにかかってきてしまうでしょう。不動産一括査定では複数の会社へ楽に査定を依頼することができる反面、それらの不動産会社がすべて優良な事業者だとは限りません。多少しつこい営業をされる可能性があるということは覚悟して利用しましょう。
また、複数の業者から直接営業電話もかかってきます。一括査定サイトを利用しているということは、少なくとも不動産を売却する意思がある、売却できる物件があるということを自分から不動産会社へアピールする形になります。不動産会社の利益率は高く、その大部分は仲介手数料です。つまり、査定する不動産会社からすると「利益になりやすいお客が自らアピールしてくれた」ということになります。
不動産会社の経営方針にもよりますが、場合によっては繰り返し営業電話をかけてくる業者もいるでしょう。そのようなリスクがあるという点はデメリットです。
全ての不動産会社が登録しているとは限らない
さらに、デメリットとして「すべての不動産会社が登録しているわけではない」ということが挙げられます。一括査定サイトによってはかなりの数の不動産会社が登録していることがありますが、それでも全部ではありません。もしも「以前に仲介してもらって対応が良かった」「自分の周囲で評判がいい」といった理由で頼みたい不動産会社が一括査定サイトに登録していなければ、個別に依頼しに行く必要があります。
少しでもこれらのリスクを減らしたいということであれば、口コミなどを参考に査定を依頼する予定の業者の評判を調べるようにするとよいでしょう。
一括査定サイトの特徴とは？
匿名では原則不可
一括査定サイトの特徴としては「匿名での利用は基本的にできない」という点が挙げられます。
不動産業者が正しい査定をするためには、築年数や構造など物件の造りに関する点を教えるのはもちろん、利用者の氏名や住所なども必要です。対象不動産の面積や担保の有無なども査定価格に影響することがあるため、場合によっては登記を調べる必要があるからです。登記記録の氏名と一括査定サイトの利用者氏名が一致していることで、物件の正式な所有者からの依頼であると確認するためにも氏名は必要となります。
そのため、売却をするのをまだ迷っている段階での利用はあまりおすすめできません。利用するときは売却する意思をある程度固めてからの方がよいでしょう。
短期間での査定
また、「比較的短期間で査定してくれる」という特徴もあります。訪問査定では実際に内覧を行うだけでなく、物件の周辺状況まで調べてから価格を算出するため、結果がでるまでには早くても数日はかかるケースがほとんどです。しかし、一括査定サイトでは申し込んだその日のうちに査定結果がでることもあります。さまざまな事情によって比較的短期間で売却を考えたい人にとっては一括査定の方が助かるといえるでしょう。
広範囲に買主を探し出せる
他にも、「広範囲から買主を探すことができる」という特徴があります。地元の不動産仲介会社だと、多くの場合で地域に密着しており、その場所においてしっかりと仕事をしなければならないという責任感が強いものです。いろいろな手続きを代行してくれたり、売却後のことも見据えたアドバイスをくれたりと助かる反面、どうしても買い手を探す対象が狭い地域になりがちです。
それに対して、一括査定サイトであればより広い地域の不動産業者に対して簡単に査定依頼ができます。「地域のしがらみがない業者に依頼ができる」というのも一括査定サイトの特徴です。戸建て住宅やマンションの売却において、近所で噂が広まると面倒なことになってしまうこともあるでしょう。一括査定サイトで依頼する不動産会社に地域のしがらみはありませんので、事情を説明すれば目立たないように査定や売却の手続きを進めてくれます。
「正式に売却が決まるまでは周辺の人に隠しておきたい」というケースにおいて助かるポイントです。
基本的に匿名で頼むことはできない。
そのかわり早く情報を知りたい人や普段忙しい人、簡単にだいたいの査定価格を知りたい人にはオススメ！
まとめ
不動産一括査定サイトはメリットだけでなく、デメリットもあります。ただし、注意点を認識したうえで上手に活用することができれば、利用者の手間が軽減されることは間違いないでしょう。注意点に対する対策をしっかり練ったうえで利用してみてください。
また、査定を依頼する業者が多すぎると対応するだけで大変です。依頼するのは多くても一度に5社くらいが目安になります。もし、5社の中で納得できる査定がなければ、また別の5社に依頼するというサイクルで、自分に合った不動産会社を探すようにしましょう。
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