家は一生で一番大きな買い物と言われることもあるように、一般の人にとって不動産の売買はそう頻繁に行うものではありません。そのため、いざ不動産を売買しようと思っても、どのようにすればいいのか分からないということもあるでしょう。不動産売買がどのように行われているのかある程度分かっていれば、契約もスムーズに進められるはずです。

そこで今回は、不動産売買の流れについて紹介します。

いろいろある!不動産売却前の流れ

不動産を売却するためには買ってくれる相手を探さなければなりません。しかし、自分で買主を探し出すのはなかなか難しいことです。そのため、売買を仲介してくれる不動産会社にお願いすることになります。不動産会社に売却の相談に行くと、不動産会社は対象となる物件を調査し、どのくらいの金額で売却できるか価格の査定を行ってくれます。
その後、実際に売却を依頼することを決めれば不動産会社と媒介契約を締結します。

3種類ある媒介契約

媒介契約には3種類あり、それぞれ仲介に関する規約が異なっているため注意が必要です。

一般媒介契約は同時に複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことが可能です。そのため、複数の不動産会社で広く売買活動をしてもらえるというメリットがあります。
一方で、専任媒介契約と専属専任媒介契約は決まった1社だけが専任で売却依頼を受け、買主を探してくれるという契約です。1社だけが仲介を請け負っていることもあり、積極的に売買活動を行ってくれることが期待できます。

ただ、万一自分で買主を見つけた場合、専任媒介契約なら自分で見つけてきた買主と売買契約を結ぶことができますが、専属専任媒介契約の場合は自分で見つけてきた買主であっても勝手に契約することができません。それぞれの媒介契約の特徴に注意して、仲介してくれる不動産会社を決めましょう。

不動産会社の作業

仲介を依頼する不動産会社が決まったら、不動産会社は広告を出したり不動産の購入を希望する人に売り込んだりしながら売買活動をしてくれます。時には購入希望者との間で価格交渉が行われ、双方の希望がマッチすればいよいよ売買契約です。

不動産業者は売買活動してくれます

買主との間で不動産売買契約書をかわし、一般的に売買価格の10~20%程度の手付金を受け取って契約が成立します。その後、物件の引き渡し時に手付金の金額を差し引いた残額を受け取り、抵当権抹消や所有権の移転などの登記手続きを行って不動産売却の手続きは終了です。ただ、不動産を売却して利益を得た場合、所得税や住民税などの税金がかかってくるため、後日税金の納付をする必要があります。

購入申込と売買契約は異なる

不動産の購入を希望する人は、まず自分の買いたいと思う物件に対して購入申し込みを行います。購入申し込みは単に購入したいという意思を示すものであるというだけで契約ではありません。売買契約を正式に成立させるためには、売主と買主の間で契約書をかわす必要があります。ただ、売主にも買主にもそれぞれ価格や諸条件で希望もあるでしょう。

購入申し込みと売買契約は異なる

そのため、両者の間で交渉を行いながら、納得した内容で最終合意がなされる必要があります。売買契約はそのあとです。お互いの条件が合意に至ったところで正式に不動産売買契約書が作成され、売買契約を行うことになります。

売買契約をかわす前に確認しておきたいこと

正式に契約するということは、その内容に責任を持つということです。不動産売買契約書を交わして一度買主と契約すると、売却するのをやめたいと思っても簡単に取り消すことはできません。契約で取り決めた内容を履行できない、つまり物件の引き渡しができないとなると、違約金も発生してしまいます。
そのため、内容をちゃんと確認しないで安易に契約をしてしまうことは避けなければなりません。

また、契約の内容が売主の意向に沿ったものになっているかもチェックしておく必要があります。さらに、他に家族がいる場合、売主1人だけで決めてしまうのではなく、家族の意向もきちんと聞かないと後々トラブルになってしまいかねません。正式に売買契約をかわすまでに不満な点はないか、家族全員が契約に同意できているかなどしっかり確認しておきましょう。

売買契約前に必ずある重要事項説明とは?

自分の住んでいた家を売るなど、不動産売買の契約において売主は対象の物件をよく分かっています。しかし、買主は売主と同じように知っているわけではありません。そこで不動産売買契約を行うにあたり、契約が不公平にならないよう買主に対して物件に関する細かい事項や売買契約の条件などを説明します。その内容を文章で記載してある書類が重要事項説明書です。

不動産物件を仲介するにあたり、宅地建物取引士は重要事項説明書を作成して記名・捺印し、売買契約を結ぶ前に買主に対して説明しなければならない義務を負っています。ただ、重要事項説明書は不動産業界に慣れていない人にとっては専門用語のオンパレードです。一度説明を受けたからといって、なかなかすべてを理解するのは難しいでしょう。

買主はコピーをもらって何回も読み込むなどして、理解漏れによるトラブルが起きないように注意しておく必要があります。

【不動産取引で重要!35条書面はどうやって説明するのか?】

不動産売買契約当日の流れ

不動産の売買契約を行う当日は、まず売主と買主の顔合わせが行われ、挨拶するところから始まります。挨拶が済めばいよいよ契約ですが、引き渡しをするにあたって物件に付帯する設備の状況を買主に伝えておかなければなりません。

引き渡しをするにあたって物件に付帯する設備の状況を買主に伝える

特に、建物には附属する給排水設備や電気系統設備をはじめとしたさまざまな設備があるため、引き渡し時にどのような設備があるのかはもちろん、故障や不具合の有無、劣化の状況なども記載した付帯設備表を買主に渡します。引き渡し時の設備の状況を説明しておくことで、引き渡し後のトラブルを防ぐことができるのです。

説明が終わり、売主と買主双方に問題がなければ売買契約書を確認し、記名・捺印して契約します。売主は買主から手付金を受け取り、最後に売却後の流れを確認して終了です。

買主は売買契約後に住宅ローンに申し込み

不動産売買には大きなお金が動き、何千万円になることも多いはずです。購入代金をキャッシュで一括払いできる財力がある人なら、引き渡し時の残金も1回の支払いで済みます。しかし、一般的には金融機関で住宅ローンを申し込んで不動産を購入するという人が多いでしょう。不動産を購入するにあたって金融機関で融資を受けることを前提に不動産売買契約をかわす場合、ローン特約事項を設けて契約書を作成します。

もし住宅ローンが通らなかった場合、売買契約を白紙にしたり契約を解除できたりするという内容です。申し込みをしてすんなり住宅ローンの審査に通れば問題ありませんが、万一通らなかった場合は契約したとしても不動産を買うことは不可能になります。そのため、買主は住宅ローンが通るように不動産売買契約書をはじめとした必要な書類がそろっているか、記入漏れがないかなどに注意して申し込みを行いましょう。

融資が承認されれば後日通知があり、金融機関で金銭消費貸借契約を結ぶことになります。住宅ローンが通れば引き渡し時に融資が実行されます。

まとめ

 不動産売買を行うためにはさまざまな手順を踏まなければなりません。まず、買主は希望に沿う物件を探し、売主は要望に合った条件で購入してくれる買主を探す必要があります。その間を結び付けてくれるのが仲介を行う不動産会社で、物件の調査や価格の査定から、買主探しまでさまざまな売買活動を行ってくれます。

ただ、媒介契約にも3種類があり、どんな仲介業務を行ってもらいたいかで不動産会社の選び方も違ってくるはずです。また、契約は一度取りかわすと簡単にやめることはできません。契約の前後に行うこともたくさんあるため、流れを把握して間違いのないように手続きを進めましょう。