地方への移住などの際には、新居の選定とともに現在の家を早急に売らなければなりません。
そんな方のために、家をスムーズに売るコツや不動産会社の選び方などを紹介します。
この記事の目次
家をスムーズに売却するには?不動産会社の選び方とともに詳しく解説
「地方に移住する」「老後を見据えて一戸建てからマンションに移る」などの場合、住み替え先の選定とともに現在の家の売却を進めることになります。そのようなときはできるだけ高額かつ早急に売却して、ローンの完済や住み替え後の生活にあてたいと考える方も少なくないでしょう。
この記事では、そんな方のために、家をスムーズに売るコツや不動産会社の選び方などを紹介します。
家をスムーズに売却するために行うべき8つのステップ
家は、書籍や洋服と違って金額が大きいため、「とりあえず買ってみよう」「買ってから考えよう」といった買主はほとんどいません。築年数や状態、周辺環境によっては、売り出してはみたもののなかなか買主が見つからない…といった事態も十分に考えられます。
不動産を売り出すときの価格は、値引きを想定して少し高めにつけるのが一般的ですが、売れない期間が長引けばこの価格も見直さざるを得ず、価格はじわじわと下がっていってしまうでしょう。
そのような事態を避け、家をできる限りスムーズに売却するには、「売る」と決めてから引き渡しが終わるまでの一連のスケジュールを決め、計画の進み具合に応じてスケジュールの見直しを図ることが大切です。
具体的には、下記の8つのステップに沿って家の売却を行うのがおすすめです。それぞれ詳しく説明していきます。
ステップ1:家を売る方法を選ぶ
まずは、家を売る方法を選びましょう。一般的に、家を売る方法は、大きく分けると以下の4つが挙げられます。
・仲介
仲介は、不動産会社に依頼して買主を探してもらう方法です。不動産会社は、インターネット広告や折り込みチラシ、店頭広告などを通じて購入希望者を募ります。信頼できる会社を見つけることさえできれば、不動産取引のプロに任せられるので安心です。高く売れる可能性が高い反面、販売までの期間は長くなる傾向があることは覚悟しておきましょう。また、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
・買取
買取再販不動産会社に家を買い取ってもらう方法が、買取です。「築年数が経っていて買主が見つからない」「できるだけ早く売却したい」「購入希望者の内覧に対応するのが面倒」といった場合に有効でしょう。ただし、仲介より売却金額は安く、場合によっては相場の70%ほどの金額まで下がってしまうこともあるため、注意が必要です。
・個人売買
個人売買とは、売主自身が買主を探す方法です。メリットとしては、仲介手数料がかからないため、コスト削減ができる点が挙げられます。一方、売買契約書や重要事項説明書などの必要書類の作成を売主自身が行わなくてはならない点がデメリットです。売主に専門知識がないと正しく書類が作成できず、また何か不具合が発生した場合も予見が難しいためにトラブルも起きやすいという懸念もあります。
ここからは、上記の方法のうち「仲介」を選んだものとして、家の売却において行うべきことを解説します。
ステップ2:自分で売却額の相場を調べる
家を売却する方法を決めたら、次は自分で売却額の相場を調べます。具体的には、毎年自治体から届く固定資産税・都市計画税の納税通知書に記載された「固定資産税評価額」を確認するほか、国土交通省のウェブサイト「不動産取引価格情報検索」や不動産会社が運営する不動産情報サイトで自分が売却したい家に近い条件の物件を検索すれば売却の相場を調べることができます。
不動産の売却価格は、築年数や立地条件から判断される建物自体の価値に加え、市場の状況、周辺の不動産相場、売却のタイミングによって変動します。
相場を調べながら、「今売ると、だいたいどのくらいの金額になるのか」の目安をつけましょう。相場を知らないまま売却を進めると、高すぎる金額を設定して売れ残ったり、逆に安すぎて買い叩かれてしまったりする可能性があるからです。
不動産会社に仲介の依頼を検討している場合も、あらかじめ売却額の相場を自分で知っておくことで、提示された金額の妥当性を見極める目を持っておくと安心です。
ステップ3:不動産会社に査定を依頼する
次に、不動産会社に査定を依頼します。査定とは、家の条件や特性などから、売却活動開始時の売却金額を決める作業です。
査定には、相場をもとに概算で金額を出す机上査定と、修繕が必要な箇所や日当たりなどを実際に見て金額を出す訪問査定の2つがあります。
どこに依頼すればいいかわからないときは、「分譲マンション」や「一戸建て」などの物件のタイプや不動産があるエリアを入力するだけで、複数の不動産会社の査定価格が届く一括査定サイトを利用することをおすすめします。
ステップ4:不動産会社を選び、媒介契約を結ぶ
査定額や、やり取りの際の対応などをもとに、信頼できる不動産会社を選びましょう。売却の仲介を不動産会社に依頼する際には、不動産会社が買主と売主の間に入ってもらうために結ぶ契約である「媒介契約」をしなければなりません。
媒介契約には、売主が複数の業者に依頼できる「一般媒介契約」、特定の業者に依頼する「専任媒介契約」、依頼した業者が見つけた買主以外とは契約できない「専属専任媒介契約」の3つがあります。なお、「専属専任媒介契約」を締結した場合、仮に売主自身で買主を見つけることができても、その買主とは契約することができません。この点は、必ず覚えておく必要があります。
例えば、駅近で築浅の家などの物件を売りたい場合には、複数の不動産会社と契約を結ぶことでより良い条件で売却できる可能性が高まるため、一般媒介契約を選ぶのがおすすめです。また、不動産会社に営業活動は任せたいものの売主自身でも買主を探したい場合は、専任媒介契約を選ぶのが良いといえます。もしくは、できるだけ早く売却したい場合や不動産売却の知識が少ないために不動産会社にすべて任せたい場合などは、不動産会社からの手厚いサポートが期待できる専属専任媒介契約を選びましょう。
このように、状況に合った最適な契約を選ぶことが大切です。
3種類の媒介契約についてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。
ステップ5:家を売り出す
不動産会社と媒介契約を結んだら、「売り出し価格」を決めて家を売り出します。不動産会社は、媒介契約期間の上限とされる3ヵ月を目安として、主に以下の売却活動を行います。
・レインズに登録する
レインズ(REINS)は、国土交通大臣の指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムのことです。登録した情報はシステム上で公開され、早期の売買契約成立につながります。
・広告媒体に掲載する
物件の間取りや価格、築年数などの条件を、広告媒体に掲載します。掲載先の例としては、新聞折り込みチラシやウェブサイトなどが一般的です。
・内覧の実施
購入希望者に物件を見てもらう内覧の日時を決め、集客します。内覧は購入の意思決定に大きくかかわるプロセスであるため、売主はしっかりと準備をしておくことが大切です。いつ案內が入るかわからないので、毎週土日はスケジュールを空けておきましょう。
ステップ6:条件交渉をまとめ売買契約を結ぶ
良い買主が見つかったら、条件面を調整して売買契約を結びましょう。契約は一度締結すると簡単には覆せないため、専門用語については適宜確認して、契約書面の細部までしっかり目を通してください。
なお、このとき、手付金として売却代金の5〜10%程度が買主から売主に支払われます。また、契約締結が完了して手付金を受け取ったら、後日の家の引き渡しまでに名義変更に必要となる書類などの準備を進めておくことが大切です。
例えば、あらかじめ登記識別情報があるかなど、引き渡し資料の確認を行っておくと良いでしょう。
ステップ7: 家を引き渡し、決済する
いよいよ引き渡しです。売買契約どおりの日時に引き渡しを行い、決済を行います。また、買主は、この決済日に名義変更に必要な書類を管轄の法務局へ提出し、申請を行う必要があります。
ステップ8:確定申告をする
家の売却が完了したら、売却益にかかる税金を納めるために、引き渡し日の翌年2月16日から3月15日までに確定申告を行いましょう。
家を高く売るための2つのコツ
ここまで家の売却に関する一連の流れについて説明してきましたが、実際に売却を行う際には、誰もが「1円でも高く売りたい!」と思うでしょう。
では、家を少しでも高く売るためにはどのような工夫が必要なのでしょうか?ここでは家を高く売るための2つのコツについて、説明します。
売り出し価格を少し高めに設定する
家を高く売るためのコツのひとつとして、売り出し価格を相場より少し高めに設定することが挙げられます。これは、最初に設定した価格のまま売れる可能性はかなり低いため、後で値下げを行うことをあらかじめ見越しておく必要があるためです。
売主が少しでも高く売りたいと考えている反面、買主は少しでも安く買いたいと考えています。高く売りたいならば一層、売主側の目先の利益だけに捉われることなく、買主側の立場も常に考えながら売却価格を設定することが大切です。
複数社に査定を依頼する
複数社に査定を依頼することも、家を高く売るためのコツです。同じ物件でも不動産会社によって査定額に数百万円単位の差が出ることもあるため、査定は複数社に依頼しましょう。
ただし、査定で提示された金額については、不動産会社が依頼につなげるためだけにあえて高額な値段をつける場合があることを、頭に置いておく必要があります。いくら査定額が高くついても、その金額が相場を大幅に離れてしまっていては、買主はなかなか見つからないでしょう。相場からあまりにかけ離れた金額の場合はその根拠を聞き、返答に納得できるかどうかで依頼する不動産会社を絞り込むことをおすすめします。
家を早く売るための2つのコツ
家を高く売るコツがあるように、家を早く売るコツも存在します。ここでは家を早く売るための2つのコツについて、説明していきましょう。
2月、3月の売却完了を目指す
新年度直前の2月、3月を売却完了時期として設定することは、家を早く売るためのコツのひとつです。2月、3月は、子供の入学や卒業、社内の異動などが決まる時期であり、引越し需要が高いからです。急いで購入したい人も多いため、条件面もあまり妥協せずに済むといえます。
家に買主が見つかるまでには、トータルで半年ほどかかるのが一般的です。例えば、2月、3月の売却完了を目指すのであれば、10月中には売却活動をスタートする必要があるでしょう。その後1月までに売買契約、2月までに決済を行えれば、修繕リフォームを経て3月に買主が入居できるようになります。
価格にこだわりすぎない
家を早く売るためのコツとしては、希望の売却価格にこだわりすぎないことも挙げられます。場合によっては、売り出し価格を状況に応じて適宜変更することで早期売却につながることもあります。「この金額以上で売りたい」といった希望は誰にでもあるものですが、あまりにその価格にこだわり過ぎると、なかなか買主が現れず販売期間が長期化するリスクがあるため、注意が必要です。
不動産会社の選び方
「家を早く売り、かつ高く売る」を実現させるには、先述したコツを実践することはもちろんですが、どの不動産会社を選んで媒介契約を結ぶのか、ということも非常に大切です。
ここでは、不動産会社を選ぶ際の3つのポイントについて説明します。
家の売却が得意な不動産会社を選ぶ
家の売却を依頼する際には、売却実績が豊富な不動産会社を選ぶのがおすすめです。
不動産会社によって、売却や賃貸、管理など、各不動産会社が力を入れている分野はそれぞれ異なります。売却実績が豊富な不動産会社の探し方としては、例えば、不動産会社のWebサイトで実績をチェックしたり、一括査定を依頼した際に直接聞いたりして情報を集めるといった方法があります。
また、売却業を得意とする不動産会社の中でも、「郊外の戸建て」「マンション」「北関東エリア」といったように得意とする物件やエリアはそれぞれに異なります。そのため、売りたい物件の特性や所持している不動産のエリアにマッチする不動産会社を選ぶことで、豊富なノウハウでスピーディーかつ高値での売却をサポートしてくれるでしょう。
担当者の対応が良い不動産会社を選ぶ
不動産会社を選ぶ際には、できるだけ担当者の対応が良い不動産会社を選ぶようにしましょう。担当者からの連絡が少なかったり、連絡が来ても雑な連絡だったりすると、売主にとって大事な資産である家を売るのが不安になってしまうからです。
気持ちよく取引をするためには、担当者は親身になって希望条件に合う買主を探してくれる人が望ましいです。メールや電話の応対の様子、返信の速度、伝えてくれる情報の密度などから総合的に判断して、納得できる担当者に依頼するようにしましょう。
担当者の不動産知識が豊富
担当者の不動産知識の有無も、不動産会社を選ぶ際に重視すべきポイントのひとつです。不動産知識や売買実績が豊富であれば、必要な時に適切なアドバイスが期待できるうえ、不動産情報サイトなどでも上手に家をアピールしてくれるはずです。
また、買主からの値引き交渉にも柔軟に対応し、売主が納得できる落としどころを見つけてくれるでしょう。
担当者の不動産知識は、査定時に家のことについて質問してみたり、宅地建物取引士の資格の有無や経験年数などを聞いてみたりすることである程度把握できます。
家の売却を成功させたいなら、信頼できるパートナー選びを
大事な家を少しでも高く、より早く売却するためには、パートナーとなる不動産会社選びが鍵になります。「家の売却が得意な会社である」「担当者の対応が良い」「担当者の不動産知識が豊富」などの条件にあてはまる不動産会社を選ぶことで、家の売却はスムーズになるといえます。
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