この記事でわかること
・リフォームにかかる費用の具体的な内訳
・リフォームする部分別・目的別の費用相場
・賢くリフォーム費用を抑えるための節約するコツ

「そろそろ我が家もリフォームを考えたいけれど、費用が一体いくらかかるのか全く見当もつかない…」

「リフォームは高い買い物だから、絶対に失敗したくない!」

このように、リフォームを検討しているものの、費用面に対して不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

まるでブラックボックスのように感じられるリフォーム費用ですが、ご安心ください。

本記事では、あなたが後悔せずにリフォームを進めるために、費用の内訳や部分別・目的別の相場、さらに賢くリフォームをするための節約術について詳しく解説します。

リフォームにかかる具体的な費用の目安を掴み、安心してリフォーム計画の第一歩を踏み出しましょう。

リフォーム費用の全体像

リフォーム費用の全体像のイメージ

リフォーム費用と一口に言っても、その中身は様々です。

まずは、どのような費用項目があり、それぞれにどれくらいの費用がかかるのか、全体像を把握することから始めましょう。

ここでは、リフォーム費用の主な内訳と、見落としがちな隠れた費用について詳しく解説します。

リフォーム費用の主な内訳

リフォーム費用は、具体的に以下の4つの項目に分類されることが多いです。

1.商品・材料費
キッチン、ユニットバス、トイレといった設備機器本体の価格や、フローリング、壁紙(クロス)、塗料などの内装・外装材の費用です。
リフォーム費用の中で大きな割合を占めることが多く、選ぶ商品のグレードによって価格が大きく変動します。

2.施工費
実際に工事を行う大工や左官職人、塗装職人などの専門職人に支払われる人件費です。
工事の規模や内容、職人の人数、必要な日数などによって変動します。

3.仮設費・解体費
工事期間中に必要な足場の設置や養生(保護シートなどで覆うこと)、既存の設備や内装を撤去・解体するための費用です。

4.諸経費
上記以外にかかる費用のことで、現場管理費(工事の進捗管理や安全管理)、設計デザイン費、書類作成費、廃材処分費、運搬費、業者の事務所経費や利益などが含まれます。
一般的には、工事費総額の10〜15%程度が目安とされています。

これらの費用の内訳を理解しておくことは、業者から提示される見積書の内容を正しく比較検討するための基礎知識となります。

必ず把握しておき、もし不明瞭な点があれば、「施工費について詳細に教えてほしいです」「諸経費には具体的にどのような項目が含まれていますか?」などと質問してみると良いでしょう。

リフォーム時に見落としがちな費用

リフォーム費用を考える際、直接的な工事費以外にも、見落としがちな費用がいくつか存在します。

これらを事前に把握しておかないと、後から思わぬ出費となり、予算オーバーを引き起こす原因になりかねません。

例えば、リフォームの状況によっては、以下のような費用が発生する場合があります。

・設計・デザイン費(大がかりなリフォームをする場合など)
・仮住まいの費用(ホテルの宿泊費やアパートの家賃など)
・トランクルーム費用(家具などを一時的に保管する場合など)
・引越し費用(家具などを運ぶ場合など)
・確認申請手数料(建物を増改築する場合など)
・印紙税(契約書に貼付する際に必要)

また、上記の費用以外にも、工事を開始してから追加費用が発生する場合もあります。

例えば、浴室をリフォームするために既存の浴槽を撤去したところ、壁の内部が湿気で腐食していたり、シロアリの被害が見つかることも珍しくありません。

このような場合、当初の予定にはなかった補修工事や駆除作業が追加で必要となり、費用も別途発生します。

これらの費用は、初めてリフォームをする方にとって見落としやすいポイントです。

もし不安であれば、リフォーム計画の初期段階で、業者に「工事費以外に発生しうる費用はありますか?」と確認し、一覧化してもらうと良いでしょう。

【部分別】リフォーム費用の相場

ここからは、一般的なリフォーム箇所ごとの費用相場をご紹介します。

ただし、これらの金額はあくまで目安であり、ご自宅の状況、選択する素材や設備のグレード、工事の範囲、依頼する業者などによって費用は大きく変動します。

具体的な金額は、必ず複数の業者から見積もりを取って確認するようにしてください。

水回りリフォームの費用相場

水回りリフォームの費用相場のイメージ

キッチンやお風呂、トイレ、洗面所などの水回りの設備は、毎日使う場所であり、リフォームによって生活の快適性が大きく向上します。

そのため、人気の高いリフォーム箇所です。

キッチンのリフォーム費用相場

一般的に、キッチンのリフォームは50万~150万円が相場とされています。

システムキッチンの交換だけであれば、100万円以内が目安ですが、キッチンの位置を移動したり、壁付け型から対面型(アイランドキッチンなど)へ変更したりするような大掛かりなレイアウト変更の場合は、給排水管や排気ダクトの工事も伴うため、100万円以上かかることもあります。

バスルームのリフォーム費用相場

バスルームのリフォーム費用相場は50万~150万円です。

ユニットバスから新しいユニットバスへの交換であれば、40万~75万円程度が一般的です。

ただし、在来工法の浴室からユニットバスへ変更する場合や、既存の浴室を解体した際に土台や壁の内部に腐食やシロアリ被害などが見つかった場合は、補修費用が別途必要になることがあります。

トイレのリフォーム費用相場

トイレリフォームは、他の水回りと比べて比較的費用を抑えやすいのが特徴です。

相場としては20万~50万円程度が目安となります。

シンプルに本体の交換のみであれば、11万~20万円程度で済むことも多いです。

ただし、和式トイレから洋式トイレへの変更となると、床や壁の工事も必要になるため、50万円以上かかることもあります。

また、タンクレストイレや高機能なシャワートイレを選ぶと、その分費用は高めになります。

洗面台のリフォーム費用相場

洗面台のリフォーム費用相場は、20万~50万円程度が目安とされています。

洗面化粧台の交換だけであれば、10万~30万円程度で済みますが、洗面室全体の内装も含めて一新する場合は、さらに高額になる傾向があります。

内装リフォームの費用相場

内装リフォームの費用相場のイメージ

リビングやダイニング、廊下など、家の内装に関するリフォームは、住まいの印象を大きく変えることができます。

そして、日々の暮らしの快適性を高める効果も備えています。

リビングのリフォーム費用相場

リビングのリフォーム費用相場は、工事する内容によって費用が大きく変動します。

例えば、6畳程度の部屋の場合、壁紙の張り替えは約5万~7万円、フローリングの張り替えであれば約10万~18万円が目安です。

また、間取りの変更をするような大規模な工事の場合は、100万~300万円程度の費用がかかります。

ダイニングのリフォーム費用相場

ダイニングのリフォーム費用は、壁紙や天井の張り替えや床材の変更の場合、50万円以内が相場です。

しかし、壁材や床材の質によっては高額になるケースがあります。

さらに、前述したリビングリフォームと同様に間取りを変更するような大規模な工事の場合は、100万円以上かかる傾向があります。

廊下のリフォーム費用相場

廊下のリフォームは、壁紙や床の張り替え、手すりの設置などの小規模な工事であれば、20万円以内が相場とされています。

ただし、天井や壁、床などの箇所を全て新しくしたり、収納を設けたりする場合は、さらに高額となります。

階段のリフォーム費用相場

階段のリフォームは、手すりや滑り止めの設置であれば、10万円程度が相場とされています。

ただし、既存の階段の板材を張り替えする工事を実施する場合は30万~50万円程度かかり、幅や勾配を変える大規模な工事の場合は50万円以上の費用がかかる傾向があります。

玄関のリフォーム費用相場

玄関のリフォームは、ドアの交換や内装工事だけであれば、30万円以内が相場とされています。

ただし、グレードの高い製品に変更する場合は、それ以上の費用がかかります。

また、玄関の幅を広げる場合は、30万~50万円かかり、ドアの交換と合わせ収納を設置する工事を実施する場合は、50万円以上かかることが一般的です。

外装リフォームの費用相場

外装リフォームの費用相場のイメージ

外壁や屋根など、家の外装リフォームは、住まいの景観を維持するのはもちろん、雨漏りなどの被害を防ぐこともでき、建物の耐久性を高めるために非常に重要です。

外壁のリフォーム費用相場

外壁のリフォームは、工事の内容によって費用が変動します。

例えば、外壁の塗装の場合は60万~180万円程度、サイディングの張り替えの場合は100万~200万円が相場とされています。

これらの費用は、使用する塗料によって変動します。

屋根のリフォーム費用相場

屋根のリフォーム費用も、工事内容によって費用が変動します。

塗装などの小規模な工事であれば、100万円以内が相場とされていますが、既存の屋根の撤去が必要となる葺き替え工事は、100万~150万円が相場とされています。

そのため、葺き替え工事を実施する場合は、予算を多く見積もると良いでしょう。

【目的別】リフォーム費用の相場

【目的別】リフォーム費用の相場のイメージ

近年では、特定の目的を持ったリフォームへの関心も高まっています。

これらは生活の質を向上させるだけでなく、補助金の対象となることも多いのが特徴です。

ここからは、特に注目されている3つの目的のリフォームの費用相場についてご紹介します。

省エネリフォームの費用相場

断熱性能を高めるリフォームをすることで、外気温の影響を受けにくくなり、大きな省エネ効果が期待できます。

これらのリフォームの費用相場については、以下の通りです。

断熱工事の内容 費用相場(目安)
窓の断熱工事(カバー工法) 17万円~(1箇所)
窓の断熱工事(内窓追加) 8万円~(1箇所)
壁の断熱工事(内断熱) 100万~150万円(120㎡あたり)
天井の断熱工事(解体なし) 7万~20万円(60㎡あたり)

また、省エネリフォームについては、一定の要件を満たすことで、「子育てグリーン住宅支援事業」「ZEH補助金」などの補助金制度を利用できる場合があります。

補助金制度については、以下の記事で詳しく紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

耐震リフォームの費用相場

耐震リフォームを行うことで、建物の構造を強くすることができ、地震などが起きた際、倒壊を防止することができます。

この工事を実施する際は、まず耐震診断を受け、リフォームか建て替えかを決め、その後工事を進める流れとなります。

耐震診断と耐震工事の費用相場については、以下の通りです。

診断・工事内容 費用相場(目安)
耐震診断(木造住宅の場合) 12万~25万円
耐震工事 25万~200万円

耐震工事は、建物の状況や構造によっても工事内容や費用が変わりますので、詳しい費用を知りたい場合は、あらかじめリフォーム会社に問い合わせるようにしましょう。

また、耐震工事についても、国や自治体から補助金を受けられる場合があります。

バリアフリーリフォームの費用相場

お年寄りの方や身体が不自由な方でも、暮らしやすい住まいにするために、バリアフリーリフォームを検討している方も多いでしょう。

バリアフリーリフォームの内容は、トイレの広さの変更や、廊下の手すり設置など、さまざまなものがあります。

代表的なリフォーム内容と費用相場については、以下の通りです。

リフォーム内容 費用相場(目安)
トイレの広さ拡張 15万~30万円
廊下などの手すり設置 0.5~5万円
玄関ドアの変更(開き戸→引き戸) 30万~50万円
玄関の段差解消 20万~30万円

また、バリアフリーリフォームをした場合も、一定の要件を満たすと国や自治体から補助金を受けられる場合があります。

フルリフォームの費用相場

フルリフォームの費用相場のイメージ

間取りの大幅な変更や、内外装すべてを一新するような大規模なリフォームを、フルリフォームと呼びます。

フルリフォームを実施した場合の費用は、200万~1,000万円が相場とされています。

坪単価で見た場合、戸建てのフルリフォームで1坪あたり5万~70万円、マンションのフルリフォームで1坪あたり10万~60万円程度が目安と言われています。

ただし、これはあくまで平均的な数値です。

そのため、解体する範囲や内装・設備のグレード、間取り変更の規模によって費用は大きく変動します。

賢く費用を抑えよう!リフォーム費用を節約する5つのコツ

賢く費用を抑えよう!リフォーム費用を節約する5つのコツのイメージ

リフォームは決して安い買い物ではありません。

だからこそ、少しでも費用を抑えたいと考えるのは当然のことです。

ここからは、予算内で理想の住まいを実現しつつ、賢く節約するためのコツについてご紹介します。

節約のコツ1.優先順位をつける

リフォームを考え始めると、「あれもしたい、これもしたい」と夢が膨らみがちです。

しかし、すべての希望を叶えようとすると、費用は際限なく膨らんでしまいます。

そこで重要になるのが、「何が本当に必要なのか」「何を最も優先したいのか」という優先順位付けです。

優先順位を付ける際には、生活に支障をきたしたり、放置すると大きな問題に発展したりする可能性のある箇所を最優先すると良いでしょう。

また、こだわりの素材を使ったり、特別なデザインを入れたりするものは、予算に余裕があれば検討する、という位置づけが良いかもしれません。

このように計画していくことで、費用を抑えつつ、満足度の高いリフォームを実施することが期待できるでしょう。

節約のコツ2.建材や住宅設備の仕様を見直す

リフォーム費用を抑えるには、使用する建材や住宅設備の仕様を見直すことも重要です。

必ずしも最高級品を選ばなくても、工夫次第で満足度を保ちつつコストダウンを図ることが可能です。

見直す際は、以下の点を意識しましょう。

・設備のグレードを調整する
・特注ではなく既製品を選ぶ
・一部DIYを取り入れてみる
・代替案がないか相談する
  など

ただし、コストダウンを意識するあまり、必要な機能や耐久性を犠牲にしてしまうのは本末転倒です。

どこにお金をかけ、どこを節約するのか、優先順位と照らし合わせながら慎重に判断しましょう。

節約のコツ3.追加費用を防ぐための対策をする

リフォームで最も避けたいのが、予期せぬ追加費用の発生です。

これを防ぐためには、事前の計画と業者との密なコミュニケーションが不可欠です。

業者とコミュニケーションを取る際は、以下の点を意識しましょう。

・初期段階で詳細な計画を立てる
・追加工事の可能性について事前に業者に確認する
・打ち合わせの内容は書面で記録しておく

計画性とコミュニケーションを大切にすることで、予算オーバーのリスクを最小限に抑え、安心してリフォームを進めることができます。

また、業者とのコミュニケーションを大切にするだけでなく、不測の事態に備えて、予備費を確保することも大切です。

予備費は、リフォーム費用の総額の10~20%程度を目安に確保しておくと良いでしょう。

節約のコツ4.複数の業者から見積もりを取得する

複数の業者から見積もりを取得することで、適正価格を見極め、リフォーム費用を比較することが可能です。

特に、小規模のリフォーム会社は、大手の業者と比較すると広告宣伝費などの費用をかけていないため、費用を削減できる可能性があります。

見積もりを依頼する際は、予算を的確に伝え、その予算内でどのようなリノベーションを行うことができるのか、各業者の提案を比較すると良いでしょう。

また、どのようにしてコストを削減しているのかを尋ねることで、信頼できる業者を見極めることもできます。

ただし、見積もりを依頼して、費用を安く抑えられたとしても、リフォームの内容が低下してしまう可能性も否定できません。

納得のいくリフォームを進めるためにも、安さだけで決めず慎重に判断することが重要です。

節約のコツ5.補助金制度を活用する

リフォーム費用を抑えるうえで、ぜひ活用したいのが国や地方自治体が設けている補助金制度です。

これらは原則として返済不要のお金であり、条件に合致すればリフォーム費用の大きな助けとなります。

2025年時点で公表されている補助金制度の例については、以下の通りです。

補助金制度の名称 対象となる工事内容や特徴 補助金額の目安
先進的窓リノベ2025事業 高断熱窓への改修(内窓設置、外窓交換、ガラス交換など)に対して、工事内容や性能に応じて補助金が交付される。 1戸あたり最大200万円
子育てグリーン住宅支援事業 省エネ改修(断熱、高効率給湯器など)やバリアフリー改修、子育て対応改修など、幅広いリフォームに対して補助金が交付される。
「子育て」とあるが、全世帯が対象。
1戸あたり最大60万円
給湯省エネ2025事業 高効率給湯器(エコキュート、ハイブリッド給湯器、エネファームなど)の設置に対して補助金が交付される。
給湯器の種類に応じて補助金額が変動。
1台あたり最大20万円
長期優良住宅化リフォーム推進事業 住宅の性能向上(耐震性、省エネ性、バリアフリー性など)を図り、長期にわたり良好な状態で使用するためのリフォームに対して補助金が交付される。
リフォーム後の住宅の性能などによって補助金額が変動。
1戸あたり最大210万円

これらの補助金制度は、申請期間や予算上限が定められており、情報も頻繁に更新されます。

また、対象となる工事内容や使用する製品の性能にも細かい要件が設定されていることが一般的です。

補助金制度の活用を検討する際は、ご自身のケースで利用できる制度がないか、まずはリフォーム会社や自治体に相談してみると良いでしょう。

また、補助金制度については、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

リフォーム費用を把握して理想の住まいを作り上げよう

リフォーム費用を把握して理想の住まいを作り上げようのイメージ

本記事では、あなたが安心してリフォーム計画を進められるよう、費用の内訳から部分別・目的別の相場、そして費用を賢く抑える具体的なコツまで、詳しく解説してきました。

リフォーム費用は、工事内容や設備のグレード、お家の状況によって大きく変動するため、提示した相場はあくまで目安となります。

実際にリフォームを検討する際は、紹介した費用相場を参考にしつつ、複数のリフォーム会社からご自身の希望に沿った詳細な見積もりを取得し、内容をしっかり比較検討すると良いでしょう。

そして、納得のいくリフォーム計画を立ててくださいね。

これまで紹介した内容を改めて理解して、理想の住まいを作り上げるための第一歩を踏み出しましょう!