中古マンションを売却する際、よく2LDKは1LDKや3LDKなどよりも売りにくいという話を耳にします。なぜ2LDKは売りにくいと言われているのでしょうか。 それは中古マンションの購入層と関係があります。そこで、2LDKが売りにくいといわれる理由について説明し、マンションを上手く売却する方法についても解説していきます。

2LDKのマンションが売りにくい理由

2LDKのマンションが売りにくいと言われる理由について、2LDKは1人で住むには広すぎ、3人以上の家族で住むには狭すぎるので、マンション購入者のなかで2LDKを希望する人は決して多くありません。この需要の低さが2LDKは売りにくいといわれる原因となっています。

2LDKを購入するのは主に2人で住もうと考えている人たちにあります。2人暮らしといっても、今後家族が増える可能性のある新婚カップルなどが買い替え前提で購入することは少ないため、子どもをつくる予定のない夫婦などのDINKS子育ての終わった老夫婦などが主な購入層です。

また、結婚する予定のない独身者が1人で住むためにマンションを購入することもありますが、これらの人たちは1LDKを選ぶことも多くなっています。これらが2LDKのマンションが売れないと言われている要因です。

2LDKは子どもをつくる予定のない夫婦や子育ての終わった老夫婦などが主な購入者

2LDKのマンションでも価値がある場合の要素

売りにくいと言われている2LDKマンションですが、一定の層には需要があるため、購入する層に見合ったアピールポイントや売り出し方を把握しておくことが重要です。
そこで2LDKマンションにおいて、どのような要素がアピールポイントになってくるか解説していきます。

駅近で利便性が高い

2LDKマンションの購入層は交通の利便性を重視する傾向があります。DINKS世帯(共働きで子どもをつくらないことを決めている夫婦)は通勤利便性を重視する傾向にあるため、駅近であるかどうかは資産価値に大きく影響します。

一方、3LDK以上の間取りはファミリー層が購入します。ファミリー層は交通利便性よりも生活空間のゆとりや子育てのしやすさなどを重視する傾向があるため、最寄り駅からの距離が離れているような物件でも一定のニーズはあります。

もちろん、ワンルームマンションや1LDKのような単身者向けのマンションでも交通利便性や買い物の便利さなどは重視されます。2LDKマンションの立地条件はこれら単身者向けマンションに求められる立地条件に比較的近く、3LDK以上のマンションで重視される立地条件とは異なることに注意しなければなりません。

ただ、2LDKマンション自体の供給は少ないため、駅近物件や商業地に近いなど利便性が高いエリアにある物件であれば人気が集中することも考えられます。
逆に、駅から遠く買い物なども交通機関を使わないとできないような地域にある場合、人気は薄くなり同じ地域の3LDK以上のマンションよりも極端に売りにくい物件になってしまうこともあるのです。
駅近の2LDK

周辺環境がよい

高齢夫婦の場合も、体への負担を考えたり免許を返納していたりすることなどから交通利便性や生活利便性を重視します。
よって徒歩圏内にスーパーやコンビニ、医療施設などがあり、周辺環境がよい場合は、2LDKのマンションにおいてもアピールしやすいポイントとなるでしょう。

また今後も超高齢社会が進むにつれて、利便性の高いマンションへの需要は更に高まると考えられています。

サービスルームやウォークインクローゼットがある

マンションでは収納が充実しているかどうかは重視されるため、余裕のあるウォークインクローゼットがあるような場合は資産価値が高くなります。押し入れやクローゼットなどが不足すると居住空間が圧迫されてしまい間取り通りの使い方ができなくなってしまうからです。

また、2LDKの中にもサービスルームがあるものもあります。不動産広告では2LDK+Sなどと表記されるものです。サービスルームは建築基準法上「居室」として認められないため、広告での表記で3LDKとはできず2LDK+Sとされているものですが、実際に見てみると居室と変わりがないように見えることもあります。

ただし、電話回線やテレビのアンテナなどが引かれていない場合や、エアコン用のスリーブがない場合もあります。このような場合は普通の部屋として使いにくいこともありますが、普通の部屋とほとんど変わらず使えるような設備がそろっているものもあります。

このようなサービスルームがある場合には、実質的に3LDKとして使用することが可能であるためファミリー層が購入候補に入れる可能性もあります。したがって、2LDK+Sの間取りでサービスルームを居室として使えるような場合は、2人暮らしの人もファミリー層もターゲットになるため、比較的売りやすい物件になることもあります。

また、2LDKのマンションの広さは一般的に50平方メートル程度ですが、2LDKの中では比較的人気の高い対面型キッチンを備えているようなものは60平方メートル程度の広さが必要です。もちろん価格の問題はありますが、2LDKの中ではこのような広さに余裕があるものに人気が集まります。

ウォークインクローゼットは資産価値がある

管理体制が整っている

共有部分の清掃や点検が行き届いているか、ゴミ出し等の運用は整っているかといったマンションの管理体制は、マンション売却において重要なポイントです。管理体制が整っていないとマンションの資産価値を落としてしまうことにも繋がりかねません。セキュリティ面は整っているか、管理費は見合った金額なのかなどを日頃から気にしておくとよいでしょう。

一括査定サイトを利用して相場を確認しよう

マンションの売却を進めるにあたっては、まず自分のマンションの相場価格を把握することから始めましょう。相場を知れば安すぎる価格で手放してしまって損をしてしまうことも、逆に過剰に高い価格を夢見てがっかりしてしまうということもなくなります。
相場価格を知るには一括査定サイトを利用して、不動産会社に価格の査定を依頼してみることがひとつの方法です。

マンションの価格査定というと不動産会社の担当者が自宅までやってきて家の中を詳細にチェックし、営業トークをしていくというイメージを持っている人が多いかもしれません。
しかし、一括査定サイトのフォームに物件の情報を入力すれば、不動産会社が現地に赴くことなく査定価格を知ることが可能です。
これは机上査定と呼ばれる方法で、実際の様子を見ることなく行うため、訪問査定に比べて精度が落ちることは否めません。

しかし、マンションの場合は、同じマンションであれば周辺環境や立地条件、共有部分の劣化状況や管理状況は共通しており、居室内や設備の劣化状況も比較的似通っています。そのため、同じマンション内での取引事例があれば価格を推測することは比較的容易です。

したがって、マンションに関しては机上査定であってもそれほど精度が下がることはないでしょう。特に、複数の不動産会社に机上査定を依頼して比較すれば、おおよその相場価格を捉えるのには十分です。

訪問査定で不動産会社の信頼度を確かめる

マンションを実際に売ろうとするのであれば、不動産会社に売却を依頼することになります。不動産会社は物件の販売活動をしたり、購入希望者との交渉をしたり、契約の準備を整えてくれたりするなど、売却活動において重要な役割を果たします。
したがって、売却を成功させるためには信頼できる不動産会社を選ぶことが非常に大切です。

不動産会社選びは、価格査定のためにマンションを訪問してもらった際に判断するのが良いでしょう。不動産会社が実際にマンションを訪れ、各居室内の状況や設備の劣化状況、共有部分や敷地の状況を確認して査定する方法を訪問査定と呼びます。
机上査定を依頼した不動産会社のなかで、査定の根拠の示し方に合理性を感じた会社や、連絡応答の態度に好感をもった会社を選んで訪問査定を依頼します。

訪問査定を受ける前までに、机上査定の結果を踏まえ、マンション価格に関する相場観を養っておき、2LDKならでは売りにくさなども整理しておきましょう。
そして、訪問査定を受けた際に不動産会社の担当者に対して率直に質問をぶつけてみるのです。質問への回答がどれだけ納得できる内容であるのか、また説明にごまかすようなところがなく率直で誠実な印象を受けるかどうかなどを慎重に見極めることが大切です。

高い価格の不動産会社を選べば良いわけではない

また、価格査定の内容についても、単に最も高い価格を提示してきた会社を選べば良いわけではないことに注意が必要です。査定依頼を受けた不動産会社は売却依頼先として自社を選んでもらうために、根拠の薄い高価格を提示してくることもあります。

多くの依頼者が高い価格を目にすると嬉しくなり、その価格で売ってくるのだと考えて依頼してしまうからです。しかし、実際にはどんなに高い価格を提示してきたとしても実際の成約価格ではないことに注意が必要です。
不動産取引では多くの場合値引きの交渉が入ることがほとんどですから、実際は売り出し価格よりも安くなることも多く、提示された価格で売れることを保証するわけではありません。

したがって、提示された価格の高い安いに目を奪われるのではなく、不動産会社の提示する査定の根拠や、売り出し価格の設定と販売戦略の合理性などについて十分注意を払い、納得できる内容を提示している会社に売却を依頼すべきです。

期限がある場合は買取も検討する

売れにくいと言われている2LDKのマンションですが、状況によっては早めに売りたいと考えている場合もあるでしょう。
そのような場合は「買取」を検討することをおすすめします。買取は不動産会社が直接買い取るため、買主を探す必要がありません。

相場より金額が下がってしまう点がデメリットとなりますが、売却が完了するまでの期間は約1か月と早期売却できる点が大きなメリットとなります。売却の期限が決まっている場合には「買取」を検討してみるのも良いでしょう。

まとめ

不動産会社とコミュニケーションを取って納得いく売却を!

不動産会社とコミュニケーションをとりながら売却を進めよう

2LDKのマンションは、中古マンション市場の中では需要が高くないため売却しにくいと言われています。しかし、2LDKマンションでも駅近物件や買い物の利便性が高い物件であれば、DINKS世帯や高齢夫婦世帯にターゲットを絞って売り出すこともできます。また間取りの特徴などを活かして販売活動を行えば思い通りの価格で買主を見つけることも可能です。

マンション売却を成功させるために最も大切なことは、売却のパートナーになる信頼できる不動産会社を見つけることです。
2LDKマンションの購入層を理解し、彼らのニーズを推測した販売活動を行ってくれる不動産会社を見つけることができれば高値売却も夢ではありません。

このような不動産会社を選択するためには、不動産会社とコミュニケーションをとりながら自分自身でもマンションの相場価格を把握することが大切です。そして自分の考えや不安な点を不動産会社にぶつけながら、納得できる売却活動を行いましょう。

一括査定サイトを利用して効率的に不動産会社選びをしよう

不動産売買に関する知識がなく、所有している不動産をどのような方法で売却すればいいかわからないという方は一括査定サイト「イエイ」の利用をオススメします。

イエイ」では、国内主要の不動産会社や地元に強い地域密着の不動産会社などとの取引があり、多様な不動産会社から自身に合う不動産会社を見つけやすいのが利点です。
フォーム内に物件情報を入力することで複数の不動産会社から売却査定金額を確認することができ、簡単に相場を知ることも可能です。また信頼できる担当者が見つかれば、そのまま不動産会社に仲介を依頼することもできるので、安心して売却活動を進めることができるでしょう。

イエイ」を使って効率的に不動産会社選びを行いましょう。