マンション売却を成功させるためには、まず購入者が買いたいと思ってくれるように準備をしなければなりません。そのため、内覧に向けて準備することはとても大切です。準備するときに気をつけたいポイントについて知りたい人もいるでしょう。また、なかなか内覧者が現れないことがあります。売却をすすめるために知っておきたい、内覧者を増やす方法についても見ていきましょう。

第一印象がすべて?内覧に向けて重要なことは!

マンション売却で内覧に向けて重要なポイントは第一印象がよいということです。購入希望者は複数のマンションを同時に内覧している可能性があります。そのなかで、一番良いと思われる物件を購入するでしょう。

内覧の準備をしっかりすることが契約につながる

第一印象につながる内覧の準備はしっかりと!

内覧したときに、キッチンの油汚れ、水周りの掃除が行き届いていない、何となく部屋が薄暗いと感じると印象が悪くなってしまうでしょう。その結果、購入の選択肢から外れてしまう可能性が高いです。購入希望者は、立地や価格などの条件を満たしているために、内覧しているということを覚えておきましょう。

基本的な購入条件は満たしているのに、部屋の印象が良くなかったために購入が見送られている可能性があるのはもったいないことです。内覧の準備をしっかり行うことは、マンション売却をスムーズに進めるためにはとても大切なポイントと言えるでしょう。

内覧に向けて大切なことは、とにかく徹底的に室内をきれいにしておくことです。すでに引っ越して空室になっているときは、内覧前に換気をしたり、室内を簡単にチェックしたりするなどで準備しておきましょう。しかし、住みながら売却を進める場合は生活感をなるべく感じさせないように、室内を常に清潔に保っておくことが重要なポイントです。

清潔感がなければ売れない!水周りは特に注意!

内覧時に購入希望者が気になる場所を重点的に掃除しておく必要があります。

一般的にはキッチン、バスルーム、トイレなど水周りの部分が特に気になる傾向があります。水周りは汚れがつきやすい場所であるとともに、掃除が大変な場所でもあります。そのため、なかなか掃除が行き届かない部分でしょう。

しかし、水周りが汚れていると清潔感に欠けてしまうため、購入希望者がそれだけで購入を見送る可能性が高いので注意が必要です。もし、自分で掃除をする時間がとれないときは、プロの業者にお願いすることを検討してもよいでしょう。お金をかけてでも徹底的にきれいにしておくべきと心得ておきましょう。

そこで、自分でできる掃除方法についても紹介します。

キッチンは油汚れを落とす

内覧者が油で汚れたキッチンを見たら、それだけで印象が悪くなる可能性が高いです。日ごろからシンクやコンロは、重曹でスポンジを使って油汚れを落としていきましょう。汚れが落ちたら布で拭き取ります。

バスルームにも重曹

重曹で水周りをキレイに

お風呂はシャンプーや石鹸を使うので、汚れがとても溜まりやすいです。髪の毛も抜けるので排水口の部分もまめに掃除をしなければなりません。また、バスルームの汚れを落とすには重曹を使うとよいでしょう。

さらに、重曹だけでは落ちない頑固な汚れは、酢を使ってみることもおすすめです。時間がないときは、残り湯に重曹を入れて洗面器やお風呂の椅子などを一晩漬けておくだけで、次の日に拭き取れば水垢は落ちます。

また、お風呂の鏡は水垢で曇ってしまうことがあるでしょう。エタノールやクエン酸を使って汚れを落とす、100円均一で曇りを防止する専用スポンジがあるので利用してみてはいかがでしょうか。

頑固な水周りのカビ

バスルームやトイレの壁はカビが発生しやすいです。特にマンションは気密性が高く、水周りに窓が設けられていないケースが多いので換気が難しい場合が多いでしょう。そのため、普段からカビに悩んでいる人は多いものです。カビ取り専用の薬品を使っても、カビが奥深くまで浸透してしまっていると落とすことは困難です。

しかし、カビの黒ずみは内覧者にとってはマイナスの印象を与えてしまう可能性が高いでしょう。プロにお任せしてカビ取りをしてもらうことも検討する必要があります。できるだけカビが生えないように、お風呂に入ったらバスルームの壁や天井をシャワーで洗い流しておくことが大切です。

床はシャンプーや石鹸の汚れがたまりカビが生えやすいので、特に念入りに洗い流しておきましょう。

トイレの黒ずみは要注意

トイレの黒ずみは清潔感の欠けにつながる

内覧者がトイレを見て便器やタンクに黒ずみがあればそれだけで清潔感に欠けてしまうので印象はダウンしてしまいます。毎日少しずつ掃除しておくことが大切です。

整理・整頓、忘れていませんか?

内覧の予約が突然入って慌ててしまうこともあるでしょう。部屋の片づけが間に合わず焦ってしまうことを防ぐために、できるだけ不用品は処分しておくことをおすすめします。不用品を処分することで生活感を感じさせず、部屋が広く見える効果も期待できるでしょう。

売却後は引っ越しをしなければなりませんので、少しずついらないものは片づけていくようにするとよいでしょう。

クローゼットの中も忘れずに

クローゼットの中も整理整頓を

また、見落としてしまいがちなのは収納です。まだ使うかもしれないと、不用品を収納に詰め込んでしまうこともあるのではないでしょうか。また、季節の変わり目などは、クローゼットの中を整理できないままになっていることがあります。

内覧者が来たときには、今後生活をするかもしれない場所になるので、収納の広さは気になるものです。収納は見せても大丈夫なように整理・整頓をしておきましょう。せっかく室内がきれいになっていたとしても、内覧者が物でいっぱいになった収納を見てしまうと印象がそれだけで悪くなってしまう可能性もあります。

見られないところだから大丈夫ということはありません。収納は内覧者に見られる場所であり、見てもらいたい場所になるようにきれいにしておきましょう。

自分では案外気づかないもの?臭い対策も忘れずに!

ペットやタバコのニオイも注意

せっかく部屋をきれいに掃除して、収納をすっきりさせたとしても臭い対策をしていないと内覧時の印象が悪くなります。住んでいると慣れてしまっているので、その家独特の生活臭には気づきにくいものです。内覧者が気になる臭いとしてあげられるのは、ペットやタバコなどです。

ペットはシャンプーをまめにすることが大切です。タバコの臭いは苦手な人にとっては、マイナス印象になる可能性が高いため消臭対策を怠らないように注意しましょう。また、カーテンやカーペットはホコリが溜まりやすい場所です。消臭剤を使って臭いが気にならないようにしましょう。

また、エアコンは使用していないあいだにホコリが溜まり、臭いの原因になることがあるためフィルター洗浄をしておきましょう。ベッドのシーツや布団は定期的に丸洗いしておくことも大切です。

キッチンやバスルームの排水管も汚れから臭いを発することがあるためパイプクリーナーを使って掃除しましょう。また、玄関に入って最初に内覧者が見ることが多い場所は靴入れです。換気が難しい玄関であれば、靴の臭いがこもりやすく気になる場合があるでしょう。玄関に消臭剤を置いたり、靴専用の消臭剤を使ったりして臭いを予防することが大切です。

家に入ってすぐに、いやな臭いがしたら内覧者はマイナスのイメージを抱いてしまうでしょう。玄関周りの消臭は特に念入りに行います。

室内の雰囲気づくりは大切!印象のよい家にするには?

内覧する人をできるだけ気持ちよく迎えたいと考えたときに、もう少し工夫して室内の印象をアップさせましょう。

たとえば、新築マンションのモデルルームを見学したことがあればイメージが湧きやすいでしょう。汚れ、生活臭がないだけでなく、何となく心地よい感じがするのではないでしょうか。できるだけこのイメージに近づけるように演出することも大切です。

家の雰囲気がよいと感じることで内覧者も購入したいと感じてもらえることができれば、スムーズな売却を期待できるでしょう。

部屋の温度や湿度

内覧は、夏であればエアコンを使って除湿、冷房をしっかり行いましょう。部屋がきれいでも、じめじめした感じがしたり、内覧中に汗をかいてしまったりする環境であれば居心地はよくありません。

また、冷房前には換気をしっかり行い、空気の入れ替えをしましょう。また、乾燥や寒さが気になってくる季節であれば、加湿器を使ったり暖房を内覧前からつけておいたりすることが大切です。内覧者が落ち着いて見学できる環境づくりに配慮しましょう。

明るい印象にするために、小物や照明を工夫する

間接照明が印象アップに

新築マンションのモデルルームは、とても明るい印象になっています。室内のアクセントに間接照明を上手に利用している場合もあるでしょう。また、照明の色は案外印象を大きく左右することがあります。温かみのある色の電球に変えるだけで印象がアップする可能性もあります。

室内が暗いだけで何となく印象が悪くなるので、内覧時には照明を全部つけてできるだけ明るい室内にするようにしましょう。観葉植物を置くなども好印象につながることがあります。アロマを使ったり、スリッパなどの小物にもこだわったりするのもよいかもしれません。

内覧者が現れた!売主が準備しておきたいこと!

内覧者が現れる前にアピールポイントをまとめましょう

来るべき内覧に備えて、掃除も完璧、雰囲気づくりもできたところで一安心です。しかし、売主が準備しておきたいことがほかにもあります。それは、マンションのアピールポイントをまとめておくことです。

内覧者と直接話をする機会があるかもしれませんし、不動産仲介会社が対応するかもしれませんが、どちらにしても内覧者は住んでみたらどのような感じなのかを知りたいものです。そのため、近所にどのような商業施設があるのかをまとめておきましょう。

生活するにあたり便利だと感じられる情報は内覧者にも喜ばれます。不動産仲介会社は多くの売却物件を抱えていますし、実際に生活しているわけではないので、案外アピールできる情報は限られているものです。売主から積極的に情報提供していくことはとても大切です。

さらに、内覧者は忙しい時間の合間に将来のマイホームを真剣に探しています。内覧の希望が入ったら、できる限り内覧者が希望している日程に対応できるようにしておくと、印象がよいでしょう。何度もリスケジュールされてしまうと、内覧者も都合をあわせるのに苦労してしまいます。いつでも内覧ができる状態にしておくことで、売却活動がスムーズになる可能性が高いことを覚えておきましょう。

内覧者がなかなか現れないのはなぜ?原因をチェック!

内覧対策をできる限り行ったのに内覧してくれる人がいないという問題が発生することがあります。マンション売却にあたり、成約までに必要な内覧数は5件~10件くらいといわれています。地域差もありますので、一概にこれだけの数の内覧があれば必ず成約するというわけではありません。

しかし、内覧を始めてから3カ月経っても、内覧者がゼロの場合は、部屋の状態以外の原因がある可能性が高いでしょう。

まず、最初の一カ月で内覧する人がいない場合には、売却価格をチェックしてみましょう。周辺の同じような築年数や面積のマンションと比較すると、価格が高すぎる可能性が考えられます。不動産仲介会社に相談したり、インターネットで相場をチェックしたりして対策を考えましょう。また、不動産仲介会社がしっかり広告を出しているかどうかもあわせて確認することも大切です。

内覧者を気持ちよく迎えて売却を成功させよう!

 マンション売却は内覧の準備ひとつで売りやすさがかわってきます。室内の掃除を徹底的に行うのはもちろんですが、できる限り内覧者が心地よく感じる空間を提供できるように準備することが大切です。そのためには、室内の雰囲気づくりや、内覧者の希望にすぐに応えられるように売主が協力できる体制を整えておかなければならないでしょう。

また、内覧者が知りたいと思われる情報をまとめておくことも重要なポイントです。