マンション売買を成功させるには、不動産会社に仲介を依頼するのがおすすめです。しかし、不動産会社には悪徳な商法で自分たちの利益だけを考えて動くところも少なくありません。この記事では、悪徳業者を避けてマンション売買を行うためのコツを紹介していきます。
この記事の目次
どうして不動産会社に頼むとメリットがある?
「不動産会社を利用すると余計な料金が発生する」「そもそも不動産会社って信用できない」などの理由で、マンション売買を自力で行おうとしている人もいるでしょう。法律上、売主と買主が直接的に取引を行っても何の問題もありません。しかし、不動産会社のメリットを知っておけば、マンション売買はよりスムーズかつ安全に成立するのです。
買主を見つける期間が早くなる
まず、不動産会社を利用すると買主を見つけるまでの期間が早くなります。不動産会社は、「レインズ」と呼ばれる不動産流通標準情報システムを共有しています。レインズは、不動産取引においてほとんどの業者が閲覧する基本的なシステムです。そのため、不動産会社を通してマンションを売りに出すと、レインズに掲載してくれるので買主がすぐ名乗り出てくれるのです。
また、有名な不動産会社になれば買主からの注目度も高く、宣伝効果も得られるでしょう。
トラブルを事前に防ぐ
次に、不動産会社を利用すると「買主とのトラブル」を防げます。不動産取引は、原則として「自由契約」であり、売主と買主の了解さえあればどんな取引条件も有効です。しかし、自由契約がかえって両者の水掛け論を呼び、支払い方式や瑕疵の修繕について責任を押しつけあうケースが出てきます。不動産会社を通して正式な契約書を交わしておけば、売主と買主の争いは減るでしょう。
そのほか、売買に関するアドバイスを聞けるのも不動産会社を利用するメリットです。
まずは一括査定で不動産会社を選ぼう
不動産会社を利用するといっても、この世には大小含めて数え切れないほどの不動産会社があります。マンション売買に慣れていない人は、どの会社に依頼するのがベストなのか判断がつきにくいでしょう。そこで、おすすめしたいのが「無料一括査定サイト」です。
「査定」とは、不動産会社が物件を調査し、適正な売却価格を算出する行為です。しかし通常、査定を行ってもらうには特定の会社と契約し、有料サービスを選ばなくてはいけません。「実態のわからない不動産会社とは契約したくない」という売主のために、無料一括査定サイトでは物件情報を入力するだけで複数の不動産会社から返答をもらえます。
しかも、査定にかかる時間が短いのも大きな魅力です。無料一括査定サイトは、不動産会社の比較検討にぴったりであり、複数の査定を見比べるとマンション売却価格の相場が把握できます。査定のなかでも、「価格」「根拠」ともに納得できる会社と契約を結べば、会社選びで失敗する確率は下がるでしょう。
ただし、一括査定サイトはあくまで入力情報にしたがった「簡易査定」です。物件を直に調査する「訪問査定」を経て、価格が変動する可能性があります。また、一括査定サイトでは競合他社よりも目立つために、多くの会社がやや高値で査定を行っています。ですから、価格だけで不動産会社を決めないようにしましょう。
気になる業者は「免許番号」と「行政処分歴」をチェック
すぐに契約せずにまずは業者をチェック
気になる不動産会社を見つけても、すぐに契約しないほうが無難です。必ず担当者とコンタクトを取り、信用できる相手かどうかを見極めましょう。
会社の実績
不動産会社は、マンション売買におけるパートナーです。「とにかく物件が売れればなんでもいい」というスタンスが垣間見えるようなパートナーとは、組まないほうが得策です。そして、会社の実績についてもリサーチを徹底します。口コミサイトなどもある程度参考になりますが、投稿者の多くは匿名なのですべての情報を鵜呑みにはできません。
免許番号の有無
信用度の高い情報としては、不動産会社の「免許番号の有無」が挙げられます。不動産取引を行うために、民間業者は免許を取得しなくてはいけません。「問題なく免許を取得できた」との証明が免許番号です。会社のホームページを見れば免許番号は確認できます。無免許の不動産会社とは契約しないよう注意しましょう。
行政処分歴
そして、過去に問題を起こしたことがないか、「行政処分歴」も調べておくのがおすすめです。「誇大広告」「不正契約」などの問題があった不動産会社は、高確率で営業停止などの行政処分を受けています。国土交通省地方整備局、都道府県庁に行けば行政処分のデータベースが閲覧可能です。
また、国土交通省のホームページからも行政処分を受けた業者の一部が検索できるので、積極的に利用しましょう。
仲介手数料の仕組みは要注意!
不動産会社は、マンション売買において「仲介手数料」で利益を出します。仲介手数料は、物件に対して買主が見つかり、取引が成立してはじめて支払われる「成功報酬」です。そのため、多くの不動産会社は、どんな物件に対しても親身になって営業活動を行ない、買主を探してくれます。
ところが、仲介手数料について売主とトラブルを起こす会社も少なくありません。不動産会社を選ぶときには、仲介手数料の仕組みも確認しておくと無難でしょう。
まず、仲介手数料には上限があります。400万円を超える物件では「売却価格×3パーセント+6万円」が仲介手数料の上限です。上限はあくまで上限であり、会社によってはさらに安い手数料で取引を請け負ってくれます。
しかし、なかには「上限価格」を「法定価格」と言って「手数料として絶対にこれだけは支払ってください」と要求してくる会社もあります。手数料を上限価格に設定するのは違法でないものの、「法律で決められている」とするのは嘘なので注意しましょう。
また、仲介手数料に広告料などの「経費」を上乗せしてくる会社も見られます。不動産会社が使った経費は原則として契約者に請求できません。しかし、契約内容に特別な記述があれば、法的に認められることもありえます。売主は不動産会社との契約内容をしっかりと読み込み、少しでもおかしい点を感じたら解消されるまで契約を結ばないようにしましょう。
大手の会社が必ずしも優れているとは限らない
不動産会社を選ぶにあたり、「知名度」や「実績」はとても重要です。知名度がある会社は、それだけ買主からの注目度も高まります。また、実績を重ねている会社は、それだけ能力がそなわっているといえます。そのため、「知名度も実績もある大手は中小企業よりも優れている」と思い込みがちです。
しかし、必ずしも中小企業が大手に劣っているとは言い切れないので、規模以外の基準でも不動産会社を選ぶようにしましょう。確かに、大手だとたくさんの買主を集めてくれます。しかし、だからこそ「早く売る」ことを優先して、売主の希望を聞き入れてくれない会社も少なくありません。
また、ほとんどの不動産会社は「レインズ」に物件情報を掲載して営業活動を行なっています。レインズは、会社の規模に関係なく情報を掲載できるシステムなので、宣伝力においては「大手が中小企業よりも圧倒的に有利」と限りません。中小企業が掲載した情報でも内容が良ければ、優良な買主が名乗りを挙げてくれるでしょう。
それに、地域密着型の中小企業は、大手では確立できていないネットワークを持っている場合があります。特定地域に限定して、大手以上に信用度を得ている中小企業も珍しくないのです。
中小企業は、大手以上に価格交渉などの相談がしやすいのもメリットです。大手の良さと中小企業の良さを見比べて、自分にとって理想的な不動産会社と出会いましょう。
まとめ
自分に合った不動産会社を見つけよう
不動産会社を利用すると、満足できるマンション売買が実現しやすくなります。そのためには、自分に合った会社を選ぶ努力を徹底しましょう。「実績」「信頼性」「特定地域での密着度」など、さまざまな面から検討すれば理想の不動産会社を見つけられるでしょう。