この記事でわかること ・一坪=畳2枚分≒3.3平方メートルである |
不動産を探す際、広さの単位である「坪」の感覚がつかめず戸惑った経験はありませんか?
実は「一坪=畳2枚分」という身近な基準で簡単に理解できます。
本記事では、一坪の基本的な広さから、ご家族の人数や生活スタイルに合わせた理想的な住居面積まで、具体例を交えて分かりやすく解説します。
不動産購入をご検討中の方に、ぴったりの住まい選びのヒントをお届けします。
この記事の目次
一坪の広さを畳と平米で徹底解説!基準と換算方法とは?
一坪の面積は畳2枚分の広さに相当し、約3.3平方メートルです。
ここでは、畳の地域別サイズの違いや、平米と坪の換算方法を分かりやすく解説します。
さらに、一坪の広さを実感できる家具配置例も紹介していきます。
一般的な畳のサイズの基準値を理解することで、より正確な空間を把握することが可能になります。
一坪は畳2枚分!身近な例で分かる基本サイズ
先述の通り、一坪の広さは約3.3平方メートルで、一般的な畳2枚分の面積に相当します。
ただし、畳のサイズは地域によって異なるため、正確な換算には注意が必要です。
地域別の畳のサイズについては、以下の通りになります。
畳の種類 | 1畳のサイズ | 2畳(約一坪) |
---|---|---|
京間 (京都や関西地方で使用されることが多い) |
191×95.5cm (1.82㎡) |
3.64㎡ (一坪より大きい) |
中京間 (中京地方や北陸、東北など一部地域で使用されることが多い) |
182×91cm (1.66㎡) |
3.31㎡ (ほぼ一坪のサイズ) |
江戸間 (関東地方および全国各地で利用されることが多い) |
176×88cm (1.55㎡) |
3.11㎡ (一坪より小さい) |
団地間 (地域問わず団地やマンションで利用されることが多い) |
170×85cm (1.45㎡) |
2.88㎡ |
一坪の広さを身近なものに例えると、シングルベッド2台を並べたスペースや、一般的なユニットバスのサイズとほぼ同じです。
また、小型の洗濯機と乾燥機を並べて設置できる広さでもあります。
このように、一坪は日常生活で使用する家具や設備がちょうど収まる実用的な広さといえます。
住宅の間取りを検討する際は、この一坪を基準に必要なスペースを想定すると分かりやすいでしょう。
平米から坪への換算方法
平米から坪への換算は複雑そうに思うかもしれませんが、実は簡単な計算で行えます。
平米を「3.3」で割ると坪数が、坪数に「3.3」を掛けると平米が算出できるので、面積や坪数を求める時に備えて理解しておきましょう。
詳しい計算式は以下の通りになります。
【基本の換算計算式】
平米→坪 | 平米÷3.3 |
---|---|
坪→平米 | 坪×3.3 |
計算例 | 66平米÷3.3=約20坪 |
より正確な坪数が知りたい場合は、「3.30578」を使用します。
また、不動産広告では平米と坪の両方が併記されていることが多いため、これらを見比べることで換算感覚が自然と身につきます。
例えば、25坪の物件を見かけたら「約82.5平米か」と考える習慣をつけましょう。
この換算方法を覚えておくと、物件探しや間取り検討の際に便利です。
物件情報をチェックする時には、自分に合った広さを即座に把握できるようになります。
一坪の広さを実感できる家具の配置例
ここからは、一坪の広さを具体的にイメージするため、家具の配置例をご紹介します。
一般的なシングルベッド(100×200cm)を置いた場合、ベッド本体の周囲に約50cmの余白が確保できます。
この余白は、ベッドメイキングや掃除などの日常的な作業をおこなうのに十分な空間となります。
また、ダイニングスペースとして活用する場合は、2人掛けのコンパクトなダイニングテーブルと椅子を配置できます。
椅子を引いて座る際の動線も確保でき、2人での食事にも適した空間となるでしょう。
さらに、洗面所として使用する場合は、標準的なサイズの洗面台と収納棚を配置できます。
洗面台前での身支度や収納棚の使用にも支障のない実用的な空間を作り上げることが可能です。
家族人数と生活スタイルで選ぶ理想の住居坪数5選
快適な住まいづくりをしたいのであれば、家族構成に合わせた適切な広さを選択することが重要です。
例えば、単身者なら8坪の1K、新婚カップルには15坪の2LDK、子育て世帯には25坪の3LDKというように、ライフステージごとに理想的な住居の広さは変化します。
ここからは、それぞれの家族人数や生活スタイルに最適な住居プランを、具体的な間取り例や収納アイデアとともにご紹介します。
1. 単身者向け!8坪の部屋で快適に暮らす住居プラン
単身者の方向けに、コンパクトながら必要な生活機能を備えることができる8坪(約26.4㎡)の1K住居プランをご紹介します。
単身者向けの物件は、玄関から室内に入ると、3畳程度のキッチンスペースと6畳の居室で構成される間取りが一般的です。
限られたスペースを最大限活用するため、以下のポイントに注目して家具のレイアウトを考えましょう。
・ベッドは窓側に配置し、壁際にデスクを設置して作業スペースを確保 ・キッチンカウンター下や洗面台下を収納として活用し、生活用品を整理 ・ベッド下収納を設け、季節衣類の収納に対応 |
より収納力を高めるには、壁面収納や折りたたみ式の家具を活用するのが効果的です。
また、バルコニーやベランダがある場合は、室外物干しや趣味の園芸スペースとして活用できます。
この住居プランは、仕事や学業に励む単身者の日常生活に必要な機能を過不足なく備えています。
単身者の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
2. カップル向け15坪の理想的な間取り
同棲カップルや新婚夫婦には、15坪(約49.5㎡)の住居が理想的な広さといえるでしょう。
2LDKの間取りで以下のようなスペースを確保することで、ゆとりのある生活空間を実現できます。
主要スペース | 推奨の広さ |
---|---|
リビング・ダイニング | 15畳(24.7㎡) |
寝室 | 6畳(9.9㎡) |
書斎・趣味部屋 | 4.5畳(7.4㎡) |
水回り・玄関など | 7.5㎡ |
キッチンとダイニングを一体化させることで、調理と食事の空間を効率的に活用できます。
また、カウンターキッチンなら、料理をしながらパートナーとの会話も楽しめるでしょう。
収納は、玄関クローゼットや寝室の壁面収納を設けることで、2人分の衣類や生活用品をすっきりと整理できます。
さらに、将来的な子育てを見据え、書斎は可動式の間仕切りを採用するのがおすすめです。
趣味スペースと子ども部屋の両方の用途に対応できる柔軟性が生まれます。
3. 子育て世帯に最適な25坪の住まい
子育て世帯の標準的な住まいとして、25坪(約82.6㎡)の3LDKは理想的な広さといえます。
25坪の3LDKに住む際は、以下のようにスペースを確保することで、子ども部屋はもちろん、夫婦の寝室も確保でき、ゆとりのある生活空間を作り上げることができます。
主要スペース | 推奨の広さ |
---|---|
リビング・ダイニング | 16畳(26.4㎡) |
子ども部屋×2 | 各6畳(9.9㎡) |
寝室 | 6畳(9.9㎡) |
水回り・玄関・収納など | 26.5㎡ |
LDKは回遊性を重視した配置にすることで、家事の効率化と子どもの遊び場としての活用を両立できます。
キッチンからリビング全体を見渡せる間取りにすれば、常に子どもの様子を確認できるメリットがあるので安心して料理などの家事を進められるでしょう。
4. 4人家族がゆとりを持てる35坪の間取り
4人家族が快適に暮らすのであれば35坪(約115.7㎡)の住まいがおすすめです。
こちらの間取りでは、プライバシーと共有空間のバランスが重要です。
家族が集まるLDKは15畳以上を確保し、各個室は6畳を基準とした4LDKが理想的です。
また、子育て世代に欠かせない収納スペースを設ける場合、以下のポイントを意識して配置すると良いでしょう。
・玄関に1.5畳のシューズインクローゼットを設置 ・一部の居室に1~2畳程度のウォークインクローゼットを確保 ・キッチン横に1.5畳のパントリーを配置 ・2階にファミリークローゼットを設置 |
これらの他にも、3畳以上の洗面所を確保し、洗面台を2台設置することで朝の混雑を緩和することができます。
さらに、脱衣所と分離したランドリースペースを設けることで、洗濯等の家事の効率を高められます。
2階への行き来をスムーズにし、家族の自然なコミュニケーションも生まれやすくするために、リビング階段を採用するのもおすすめです。
子どもの成長も見据え、個室はそれぞれ6畳以上を確保しておくと良いでしょう。
5. 二世帯同居を実現する45坪のスペース配分
二世帯住宅の場合は、45坪(約148.7㎡)の住まいにすることでそれぞれの世帯が快適に暮らすための十分なスペースを確保できます。
特に、玄関と水回りを世帯ごとに設けることで、プライバシーを守ることができます。
45坪の住まいで二世帯が暮らす場合は、以下のようにスペースを配分するのがおすすめです。
世帯別の理想的なスペース配分の例
親世帯のスペース | 15坪(約49.5㎡) 内訳例:和室6畳+洋室6畳+水回り |
---|---|
子世帯のスペース | 18坪(約59.5㎡) 内訳例:洋室6畳2室+子ども部屋4.5畳+水回り |
共有スペース | 12坪(約39.6㎡) 内訳例:LDK20畳+収納 |
各世帯の生活空間を明確に分けつつ、広々としたLDKを中心に配置することで、自然な交流が生まれるでしょう。
また、親の将来の介護に備え、廊下幅を80cm以上にし、段差をなくすバリアフリー設計にするのも大切です。
不動産購入で知っておきたい坪単価の正しい計算法
不動産を購入するとき、物件の価格を比較するためには坪単価の理解が欠かせません。
マンションは築年数や階数、戸建ては土地と建物で算出方法が異なり、エリアによって大きな価格差が生じます。
適正な物件選びには、物件タイプごとの坪単価計算の基本と、予算から導く適正坪数の把握が重要です。
ここでは、マンションなどの共同住宅と戸建ての地域別の坪単価相場、坪単価の具体的な計算方法をご紹介します。
ぜひ参考にして、不動産購入時に役立ててみてくださいね。
坪単価のエリア別の相場価格
不動産の坪単価は、エリアや物件のタイプによって大きく異なります。
以下は、政府統計の総合窓口で公表されている「建築着工統計調査 住宅着工統計」の1㎡当たりの工事費予定額をもとにして作成した共同住宅と戸建ての坪単価の相場価格をエリア別に比較した表です。
購入予定の不動産の坪単価がどのくらいになるのか事前に確認しておきましょう。
エリア | 共同住宅(分譲住宅) 坪単価相場 |
戸建て(持家) 坪単価相場 |
---|---|---|
北海道 | 95.7万円 | 82.5万円 |
青森県 | - | 72.6万円 |
岩手県 | 92.4万円 | 75.9万円 |
宮城県 | 105.6万円 | 75.9万円 |
秋田県 | - | 72.6万円 |
山形県 | 82.5万円 | 79.2万円 |
福島県 | 118.8万円 | 79.2万円 |
茨城県 | 89.1万円 | 72.6万円 |
栃木県 | 92.4万円 | 75.9万円 |
群馬県 | 95.7万円 | 75.9万円 |
埼玉県 | 99万円 | 75.9万円 |
千葉県 | 95.7万円 | 79.2万円 |
東京都 | 118.8万円 | 92.4万円 |
神奈川県 | 102.3万円 | 82.5万円 |
新潟県 | 85.8万円 | 79.2万円 |
富山県 | 92.4万円 | 79.2万円 |
石川県 | 108.9万円 | 79.2万円 |
福井県 | 108.9万円 | 75.9万円 |
山梨県 | 13.2万円 | 79.2万円 |
長野県 | 95.7万円 | 85.8万円 |
岐阜県 | 89.1万円 | 82.5万円 |
静岡県 | 89.1万円 | 79.2万円 |
愛知県 | 99万円 | 82.5万円 |
三重県 | 56.1万円 | 82.5万円 |
滋賀県 | 62.7万円 | 75.9万円 |
京都府 | 95.7万円 | 79.2万円 |
大阪府 | 89.1万円 | 72.6万円 |
兵庫県 | 92.4万円 | 75.9万円 |
奈良県 | 105.6万円 | 75.9万円 |
和歌山県 | 39.6万円 | 72.6万円 |
鳥取県 | 79.2万円 | 75.9万円 |
島根県 | 62.7万円 | 82.5万円 |
岡山県 | 85.8万円 | 82.5万円 |
広島県 | 82.5万円 | 79.2万円 |
山口県 | 72.6万円 | 79.2万円 |
徳島県 | 72.6万円 | 75.9万円 |
香川県 | 95.7万円 | 79.2万円 |
愛媛県 | 69.3万円 | 72.6万円 |
高知県 | 69.3万円 | 79.2万円 |
福岡県 | 82.5万円 | 75.9万円 |
佐賀県 | 79.2万円 | 72.6万円 |
長崎県 | 82.5万円 | 72.6万円 |
熊本県 | 92.4万円 | 75.9万円 |
大分県 | 75.9万円 | 75.9万円 |
宮崎県 | 105.6万円 | 72.6万円 |
鹿児島県 | 85.8万円 | 72.6万円 |
沖縄県 | 82.5万円 | 89.1万円 |
出典:「建築着工統計調査 住宅着工統計(2023年)」-政府統計の総合窓口 ※「1㎡当たりの工事費予定額」に3.3を乗じて坪単価を算出
以上の表の通り、東京都などの都市部の共同住宅では一坪あたり100万円以上の高額物件も多く見られます。
そして、都市部から離れるにつれ価格は下がり、郊外では一坪あたり80万円前後が一般的な相場となっています。
また、交通の利便性や建物の構造、築年数が要因で価格が変動することがあります。
特に築年数による変動は大きく、例えば築20年を超えた木造住宅は価値がほとんどなくなるといわれています。
ただし、定期的に不動産を修繕や設備を更新することで、資産価値を維持することができるので、将来不動産を売却する方や不動産投資をする方は、日ごろからおこなうようにしましょう。
物件タイプ別の注意点も!坪単価の計算方法
坪単価の計算方法には、物件のタイプによって気をつけておくべき点があります。
ここでは、坪単価の計算方法やマンションと戸建ての物件タイプ別の注意点をご紹介します。
坪単価の計算方法は以下の通りになります。
物件タイプ | 計算方法 | 計算時の注意点 |
---|---|---|
マンション | 坪単価=物件価格÷延床面積(※1) | ・専有面積(※2)を基準にして算出する ・バルコニーや共用部分は含まない |
戸建て | 【建物部分の坪単価】 坪単価=建物の本体価格(建築費用)÷延床面積 【土地部分の坪単価】 坪単価=土地の価格÷敷地面積(※3) |
・建物部分と土地部分を別々に算出して合算する |
マンションの坪単価は、物件価格を専有面積で割って算出します。
この際、バルコニーや共用部分は含まれないため、実際の使用面積との違いに注意が必要です。
また、戸建ての坪面積を計算する場合は、土地と建物を分けて計算します。
土地の坪単価は公示価格(※4)を参考に、建物は建築費用から算出します。
より正確な坪面積を求める場合は、築年数による減価償却も考慮して計算に入れましょう。
物件選びの際は、同じエリア内の類似物件の坪単価と比較することで、価格の妥当性を判断できます。
さらに、不動産情報サイトなどに掲載されている相場データを活用すると、より正確に坪単価を比較することが可能です。
※1:延床面積とは? 建物の各階にある床面積を全て合計した面積のこと。 ※2:専有面積とは? マンションやアパートなどの物件で、その部屋の所有者だけが使用できる床面積のこと。 ※3:敷地面積とは? 建物が建っている敷地の面積のこと。 ※4:公示価格とは? 国土交通省が公示している土地の価格のこと。適正な価格で不動産売買をするために役立つ。 公示価格は国土交通省運営の「不動産情報ライブラリ」で調べることが可能。 詳しくはこちらの記事をご参照ください。 |
予算と住宅ローンから導く適正な坪数
住宅購入の予算を決める際は、世帯年収から借入可能な住宅ローン額を算出し、どれくらいの広さの不動産を購入できるか把握することが重要です。
一般的な目安として、世帯年収の5~7倍程度が借入限度額とされています。
また、住宅ローンの返済負担を考慮すると、月々の返済額は年収の25%以内に抑えることが望ましいです。
この基準から、具体的な購入予算と必要坪数を以下のように算出できます。
世帯年収 | 借入可能額の目安 | 購入可能坪数の例 |
---|---|---|
500万円 | 2,400万~3,400万円 | ~40坪程度 |
700万円 | 2,600万~4,700万円 | 30~90坪程度 |
頭金や諸経費を含めた実質的な購入予算を考える際は、物件価格の7~10%程度を諸経費として計上する必要があります。
また、地域による坪単価の違いも大きく、都心部と郊外では価格差が生じる場合もあります。
理想の広さの不動産を購入したいと考えているのであれば、立地条件と予算のバランスを慎重に検討しましょう。
必要に応じて、頭金を増額したり、郊外への住み替えを視野に入れたりすることで、より広い居住空間を確保できる可能性があります。
【まとめ】一坪がどのくらいか理解して住まいづくりを計画しよう
一坪の大きさや平米から坪への換算方法についての基本知識を整理しました。
一坪は約3.3平米で、これは中京間の畳2枚分に相当します。
部屋の広さを比較する際は一坪・畳・平米の3つの単位を事前によく理解し、理想的な広さの目安を知る際に役立ててくださいね。
また、間取りや部屋のレイアウトを考える際にも、これらの換算値を参考にすると良いでしょう。
ぜひ、物件探しや住まいづくりの計画をする時は、本記事で紹介した内容を活用してみてくださいね。