昔のタワーマンションは、超高級マンションであり芸能人や経営者のようなハイステータスの人だけが住める住宅でした。
1997年に建築規制法の規制緩和から、タワーマンション分譲の大量供給がはじまりました。それから25年、今では一般の人にも手が届く価格となりました。そして、タワーマンションは資産価値が落ちにくいと言われています。
しかし、タワーマンションにみられる、特有の4つの不安要素により、多くのタワーマンションは資産価値を問われており、30年後には大幅に値崩れを起こしていると考えられています。資産価値が高いうちにタワーマンションは早めに売却したほうがいいのかもしれません。その理由について解説していきます。
この記事の目次
タワーマンションの30年後の資産価値は?
立地やブランドからタワーマンションは依然として人気があります。しかし、
「タワーマンションの資産価値は上がるの?下がるの?」
「値崩れせず高値で売却できる?」
といった不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
ここではタワーマンションの30年後の資産価値について解説していきます。
タワーマンションでも値崩れを起こす
マンション売却の鉄則である「立地条件」はタワーマンションにも、あてはまります。例えば、青山・六本木・麻布などの超一等地のタワーマンションであれば、値下がりは考えられません。
しかし、立地条件の悪いタワーマンションであれば、高値での売却が難しい場合があります。なぜならタワーマンションは広い土地が必要となるため、駅から徒歩10分以上かかる場所に建っていることもあります。
こうした立地条件の悪いタワーマンションはシニア世帯にも不人気となり、高値で売却しづらいことがあります。
それでは、タワーマンションが値下がりする4つの不安要素を解説します。
不安要素①タワーマンションの管理費・修繕費がどんどん高くなる
タワーマンションの購入直後の管理費・修繕費は、駐車場も合わせると月々4~5万円程で、住宅ローンと合わせてなんとかやっていけるかもしれません。
しかし、管理費・修繕費は、5年後には2.5倍、10年後には4.8倍とどんどん高くなっていきます。これには、入居当初あまり管理費・修繕費を高くすると買い手がつかないため、段階的に値上げしていくという背景があるのです。
ではなぜタワーマンションの管理費・修繕費は、普通のマンションに比べて高いのでしょうか?
タワーマンションは施工技術としてまだ確立されていない?
タワーマンションはまだ、世の中に現れたばかりの建物であり、施工方法を工夫しながら構築している最中の建物といえます。
高さが200メートルを超えるマンションまでありますが、給水ポンプひとつをとっても、今までのマンションと同じものは使えず特注品が必要になります。しかし、それらの特注品にもいつかは寿命が来るため、修理や交換にもコストがかかるのです。
タワーマンションの外壁塗装のコスト
通常のマンションの外壁塗装であれば、足場を組み職人が塗装をします。しかし、高さが数百メートルを超えるタワーマンションの場合、屋上からゴンドラを使い塗装を行います。
ゴンドラで行う外壁塗装は、極めて効率も悪く工数も多くかかります。またノウハウを持っている業者も少ないのが現状です。
そのため、必然的に外壁塗装にかかるコストは、間違いなく通常の数倍かかります。
不安要素②大規模修繕が行われないから老朽化が進む?
今も建築ラッシュのタワーマンションは数十年後、大規模修繕が必要になります。この大規模修繕は、「共有部分」の重大変更にあたるため、住民の75%以上の合意が必要であることが、法律で定められています。
しかしここで、タワーマンションの住居者構成が懸念要素として出てきます。
上層階と低層階では異なる住民
タワーマンションは、上層階と低層階の値段が異なることからも、違うタイプの居住者が同じマンションに同居していることが見て取れます。
タワーマンションは上層階ほど高額であり、住人の多くは富裕層です。逆に低層階のほとんどが、ローンを払っている世帯です。すると、そこには自然とヒエラルキー構造ができてしまうのが現実です。
つまり、住人同士のライフスタイルや考え方が異なるため、通常のマンションと違いタワーマンションでは、大規模修繕の合意形成が極めて難しくなるのです。
投資目的の人と居住者の考え方の違い
タワーマンションは投資性が高い資産なため、タワーマンションを投資目的に所有している人がいます。一方で居住して生活している人たちもいます。
つまり、ライフスタイルが違えば、修繕の考え方や優先度の考え方は当然異なります。このような観点からも、合意形成が難しくなります。
高層階には中国人が多いタワーマンションも
また、日本のタワーマンションは多くの中国人が買い占めているのが現状で、高層階は中国人が多く所有するタワーマンションも存在します。
そうなれば、合意形成はさらに困難になります。
不安要素③投機性が高い
タワーマンションは投機性が高く、投資家や中国人などの富裕層が多く購入しています。
海外投資家からすると日本の不動産は自国の不動産よりも割安と感じています。海外投資家にとって、日本のタワーマンションは安く買うことができるため、大変魅力的なのです。
このような海外投資家からの人気が、タワーマンションの価格を支えているのも事実です。
相続税の節税対策に使われるタワーマンション
タワーマンションは相続税評価額が実際の時価より、極端に低く算出されるので、相続税対策に使われます。
マンションの相続税評価額は、建物と土地が別々に算出され、土地は戸数で割って算出します。そのため、土地の評価額が下がります。
例えば、タワーマンションであれば3億近い資産でも、価値を6000万円程に小さくみせることが可能なのです。このため多くの富裕層が節税対策として、タワーマンションを購入しています。
しかし、国税局もこういった動きをとらえており、タワーマンションの課税の見直しが行われようとしています。そうなれば、現在マンションを保有している富裕層も、その動きを察知し売却する可能性が高くなります。
不安要素④災害発生時の脆弱性
2019年秋に首都圏を直撃した大型台風では武蔵小杉にあるタワーマンション地下の配電盤が浸水し、しばらく電気や水道が使えなくなるといった被害が起きました。
住民の身体的な安全が守られていたとは言え、災害発生後にエレベーターやトイレが使えなくなるなど住民に大きな精神的負担を与えたことは事実です。
また高層階は地震が起きた時に大きく長い揺れを感じる場合があります。
さらに低層階であればエレベーターが停止した際には階段で移動することもできますが、高層階では階段での移動に限界があることがデメリットです。
災害大国である日本では、何十年に一度と言われる大雨や地震などの自然災害が毎年のように起きており、少なからずタワーマンションの「安全性」という資産価値に影響を与えているのではないでしょうか。
タワーマンションを売るなら今か?まとめ
これらのことから、将来売却を考えているのであれば、今売却を検討するほうが賢明かもしれません。
不動産売却には、タイミングが大事です。今なら、タワーマンションも高く売れるはずです。現在タワーマンションの売却を検討中なら、まずは現在の査定金額を知るところから始めることをおすすめします。
一括査定サービスでは効率よく数社の不動産業者から査定を受けることができます。資産価値が下がらないうちに賢くタワーマンション売却に臨みましょう。