この記事でわかること

・空き家を放置するリスクと、今すぐ行動すべき理由
・手間なく確実に売れる「買取」のメリットと相場
・安心して任せられる買取業者の選び方と、売却までの流れ

相続によって実家を所有したものの、遠方に住んでいたり、多忙だったりする理由から、管理や維持費の負担に悩んでいませんか?

空き家を放置していると、建物の老朽化による危険性や、罰則・罰金の対象になる可能性もあります。

そのため、劣化が進んだ建物は買主が見つかりにくく、どうしたらいいか分からず、困っている方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では「大切な思い出の詰まった家だからこそ、このままではいけない」と感じている方向けに、空き家を手間なく、確実に手放すための「買取」という方法について、わかりやすく解説します。

空き家の買取がどのようなものなのか、その相場や注意点、そして信頼できる専門家を見つけるための方法まで詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

空き家を放置する4つのリスク

空き家を放置する4つのリスクのイメージ

空き家の数は年々増加しており、「空き家問題」は日本の深刻な社会問題の一つです。

総務省統計局の調査によると、空き家数は1978年から2023年までの間に約3.36倍に増加しています。

図2-1 空き家数及び空き家率の推移-全国(1978年~2023年)

出典:「令和5年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)

空き家を放置すると、以下のような深刻なリスクが発生する可能性があります。

金銭的な負担が増える

空き家でも所有している限り、固定資産税の支払い義務があります。

管理が行き届かない空き家が「特定空き家(※)」に指定されると、住宅用地の特例が適用されなくなり、税金が最大で6倍に跳ね上がることもあります。

また、自治体からの命令に従わなかった場合、50万円以下の罰金が発生する可能性もあるため注意が必要です。

※:特定空き家とは?
以下のような状態の空き家のことを指します。
・今にも倒壊しそうな状態の空き家
・ごみが放置され悪臭や害虫が発生したりしている状態の空き家
・建物に落書きがあったり窓が割れていたりしている空き家
・動物などが住みついている空き家

近隣トラブルに発展する

建物の老朽化で屋根瓦や外壁が落下したり、庭の草木が隣家にはみ出したりすることで、近隣住民とのトラブルに発展する恐れがあります。

場合によっては、損害賠償を請求される事態になる可能性も否定できません。

建物の倒壊や火災のリスクがある

管理が行き届かないと建物の劣化が急速に進み、地震や台風で倒壊するリスクが高まります。

また、不法侵入や放火の標的となるリスクもあり、近隣にまで被害が及んでしまう可能性も否定できません。

資産価値が下落する

一度空き家として放置してしまうと、建物の劣化は急速に進行します。

その結果、不動産としての価値は刻一刻と失われていくのです。

いざ手放そうと考えた時には、ほとんど価値のない状態になってしまう可能性も否定できません。

空き家の売却は「買取」がおすすめな理由とメリット

空き家の売却は「買取」がおすすめな理由とメリットのイメージ

空き家を売却する方法には「仲介」「買取」の2種類があります。

仲介は不動産会社が買い手を探すのに対し、買取は不動産会社が直接買い取ります。

多忙で時間がない方や、手間をかけずに空き家を整理したい方には「買取」がおすすめです。

主なメリットは以下の通りです。

メリット1.手間なくスピーディーに現金化できる

仲介の場合、買い手が見つかるまでに平均で3~6ヶ月かかる上、内覧対応や価格交渉といった手間が発生します。

一方、買取は不動産会社が直接買い取るため、最短1週間から1ヶ月程度で現金化が可能です。

買取価格が決まれば、5日から1ヶ月程度で売却を完了できるので、手間をかけずに空き家を手放したい方や早く現金化したい方には得策です。

メリット2.余計な費用やリスクを負わなくていい

買取は不動産会社との直接取引のため、成功報酬として支払う仲介手数料はかかりません。

また、買取業者がリフォームや解体を前提に買い取るため、以下のような費用やリスクを心配する必要もありません。

・解体費用
売却後の解体は業者が行うため、解体費用はかかりません。

・残置物処分費用
空き家に不要な家具や家財が放置されていても、無料で処分してくれるケースがほとんどです。
自分で片付けをする手間と、かかる費用(不用品回収の場合20万円ほど、遺品整理の場合は20万~60万円ほど)を考えると大きなメリットと言えるでしょう。

・契約不適合責任
売却後に雨漏りやシロアリ被害などの欠陥が見つかっても、売主が責任を負うことはありません。
空き家に不具合があるか心配な方でも、安心して取引を進められます。

空き家買取の相場はいくら?

空き家買取の相場のイメージ

「買取は安くなるって聞くけど、結局いくらで売れるの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。

空き家の買取価格は、一般的に市場価格(仲介で売れる価格)の5〜8割が目安になります。

なぜこれほど価格に幅があるかというと、買取業者が買い取った後の再販にかかるコスト(リフォーム費用、解体費用、販売経費など)を考慮して価格を決めるからです。

空き家の買取相場の調べ方

空き家の買取相場は、以下の方法を使って自分で調べることができます。

方法 内容
不動産情報ライブラリ 国土交通省が運営する、不動産取引の価格や地価の推移などを調べられるWebサービスです。
REINS TOWER 国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しており、実際の成約価格の情報を得ることができます。
不動産ポータルサイト 売り出し中の物件情報を検索し、似たような条件の物件がいくらで売られているか調べます。

ただし、これらの方法で調べられる価格はあくまで目安です。

正確な金額を知りたい場合は、後ほど紹介する一括査定サイトを利用して、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。

空き家の買取相場の詳しい調べ方については、以下の記事も参考にしてください。

空き家を高く買取してもらうコツ

空き家を高く買取してもらうコツのイメージ

先述の通り、空き家の買取は仲介に比べて価格が安くなる傾向にありますが、少しでも高い価格で売却したいですよね。

査定を依頼する際に、以下のようなポイントを意識すると高く買い取ってもらえる可能性が高まります。

複数の業者に査定を依頼する

提示された価格を鵜呑みにせず、必ず3社以上に査定を依頼して比較しましょう。

業者によって得意な物件や評価基準が異なるため、提示される価格に差が出ることは珍しくありません。

また、効率良く複数の業者に査定を申し込むなら、一括査定サービスのご利用がおすすめです。

当サイトが提供する「イエイ」では、物件情報等を一度入力するだけで、複数の不動産会社に簡単に査定依頼することができます。

「何度も査定を依頼するのは大変」「どの不動産会社に依頼すればいいかわからない」とお悩みの方は、ぜひ一度お試しください。

イエイの主な特徴

不動産一括査定・売却なら【イエイ】

査定時に査定額の根拠を尋ねる

不動産会社に査定を依頼したら、なぜその価格になったのか、担当者に具体的な根拠を尋ねてみましょう。

周辺の取引事例や、リフォームにかかる想定費用など、明確な説明がある業者ほど信頼できます。

契約内容をしっかりと確認する

査定額だけでなく、契約書に記載された特約も重要です。

残置物処分や契約不適合責任といった項目がどのように扱われているか、不利な条件がないか確認しましょう。

査定時に物件のアピールをする

少しでも高く評価してもらうためには、以下の要素を意識して業者に物件のアピールをしてみましょう。

これらは買取価格を左右する重要なポイントです。

・立地や周辺環境
駅からの距離や利便性、学校・病院など、周辺環境が整っているほど買取価格は高くなる傾向にあります。

・建物の状態
築年数が古くても、水回りや構造部分がしっかりしているなど、リフォームコストを抑えられる物件は高く評価されます。
できる範囲で掃除や整理をして、物件の印象を良くしておくことも有効です。

・物件の権利関係
共有名義や再建築不可といった法的な問題がない物件は、買取業者にとってリスクが少ないため、スムーズな取引が期待できます。

空き家買取業者を選ぶ際のポイント

空き家買取業者を選ぶ際のポイントのイメージ

空き家売却の成功は、どの業者を選ぶかにかかっています。

ここからは、安心して任せられる、信頼できる買取業者を見つけるためのポイントを解説します。

空き家買取の実績が豊富か

すべての不動産会社が買取に対応しているわけではありません。

新築戸建てや賃貸をメインに扱う不動産会社は、空き家買取の知識が乏しい場合があります。

「空き家買取専門」「中古再生事業」を強みとしている業者を選ぶことで、適正な価格で買い取ってもらえる可能性が高まります。

各社の公式ウェブサイトで、買取実績や事例を確認してみましょう。

地場(売却したい地域)に根ざした業者か

地場の業者は、その地域の不動産事情やニーズを最もよく把握しています。

地域の相場や再販のノウハウにも長けているため、より高い買取価格を提示してくれる可能性が高いでしょう。

そのため、空き家の売却を依頼する際は、あなたが住んでいる場所ではなく、売却したい空き家が建っている場所に近い不動産会社を選ぶことが大切です。

親身に相談に乗ってくれるか

「とにかく早く売ってしまいたい」「思い出の品だけは残したい」など、あなたの事情や希望に寄り添ってくれる業者を選びましょう。

複数の業者に相談し、担当者の対応を比較することで、安心して任せられる「信頼できるパートナー」を見つけることができます。

【補足】悪質な業者を避けるための7つのチェックリスト

不動産会社に空き家売却の相談をする際は、以下のような点にもチェックしましょう。

このチェックリストを使って複数の業者を比較検討することで、安心して任せられるパートナーを見つけられる可能性が格段に高まります。

悪質な業者を避けるチェックリスト

空き家買取の流れと必要な手続き

空き家買取は、主に以下の3つのステップで進んでいきます。

多忙なあなたでも、複雑な手続きに戸惑うことなく、スムーズに取引を完了できるように、その手順は非常にシンプルになっています。

買取の流れ

空き家買取の流れ

1.買取査定を依頼
まずは複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
各社の提示する買取価格や対応を比較検討することが、後悔しない取引の第一歩です。

2.売買契約を締結
査定額や条件に納得できたら、いよいよ不動産会社と正式な売買契約を結びます。

3.引渡し・決済
契約内容に基づき、空き家の引渡しを行います。
この手続きと同時に、売却代金が支払われ、取引が完了します。

買取に必要な書類

空き家の買取には、以下の書類が必要となります。早めに準備しておきましょう。

各種書類 書類の説明 取得方法
登記済証または権利証 物件の所有権を証明する重要な書類 不動産取得時に法務局より交付
登記簿謄本(土地、建物) 不動産の登記内容を記録した公的な文書 管轄法務局の窓口で請求
固定資産税納付通知書 物件に関する固定資産税が支払われていることを証明する書類 毎年4~6月ごろに各市町村から送付
登記用印鑑証明書 売却に際して登記手続きを行うために必要な印鑑証明書 役所で取得可能
土地測量図面、境界確認書 土地の形状、面積、境界を正確に示した図面 全国の法務局で取得可能
公図 土地の所在地、地番、地目、境界、面積などの基本的な情報を記載した地図 法務局に保管されている
住民票の写しまたは戸籍謄本 売主の身元を証明するための書類 役所で取得可能
収入印紙 契約書に課せられる税金を支払うために発行される証票 郵便局やコンビニ等で購入可能

この他に、「実印」と「身分証明書」が必要となります。

また、該当する場合は、以下の書類が必要です。

各種書類 書類の説明 取得方法
耐震診断報告書 物件の耐震性能に関する情報を提供する書類 専門の建築士や建築コンサルタントなどが発行
エネルギー性能証明書 物件のエネルギー効率に関する情報を示す書類 住宅性能評価機関やエネルギー性能を診断した専門家が発行

買取時に知っておきたい!必要な2つの手続き

安心して空き家の買取を依頼するのであれば、ただ買取の流れを理解するだけではいけません。

以下の2つの重要な手続きについても、しっかり理解しておく必要があります。

・相続登記
相続などで取得した空き家を売却する場合は、必ず相続登記が必要です。
これは、被相続人から引き継いだ財産の所有者を相続人に変更する手続きで、2024年4月から義務化されています。
各地にある法務局で手続きを行い、所有者をあなたの名義に変更しておきましょう。

・確定申告
空き家売却で利益が出た場合、翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告が必要です。
譲渡所得税を支払う必要が出てくるため、必要書類を準備し、税理士など専門家に相談することも検討しましょう。

空き家買取の注意点

空き家買取の注意点のイメージ

空き家を買取で売却する際には、以下のような注意点があります。

事前に把握し、対策をとりましょう。

・リフォームやハウスクリーニングは不要
・「空き家特例」で税金が安くなることもある
・買取を断られるケースもある

リフォームやハウスクリーニングは不要

空き家の査定を行う前に、「少しでも高く売るために」とリフォームやハウスクリーニングを考えるかもしれませんが、基本的に買取業者はリフォームや解体を前提としています。

そのため、わざわざ費用をかけても査定価格に影響することはほとんどありません

「空き家特例」で税金が安くなることもある

相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たせば、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用できる可能性があります。

これは譲渡所得から最大3,000万円が控除される制度です。

ただし、特例の適用には期限と要件があるため、信頼できる不動産会社や税理士に相談して確認しておきましょう。

空き家特例については、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。

買取を断られるケースもある

買取は仲介よりも柔軟な売却方法ですが、物件の状況によっては買い取ってもらえないケースもあります。

具体的には、以下の状況の物件の場合が該当します。

再建築不可物件
法律上、建て替えができない物件のことをいいます。
具体的には道路に建物の敷地が2m以上接していなければならないという「接道義務」を満たしていない建物が該当します。
こうした物件は、買取業者に敬遠されることがあります。

共有者全員の同意が得られない物件
複数人で空き家を所有している場合、全員の同意がなければ売却はできません。

もし買取を断られても、再建築不可物件に強い専門業者や、共有名義のトラブル解決を得意とする業者も存在します。

諦めずに複数の会社に相談してみることが大切です。

共有者がいる物件の売却については以下の記事でもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

空き家の買取は複数社に依頼をしようのイメージ

多忙なあなたにとって、空き家問題は「いつかやろう」と後回しにしがちな課題かもしれません。

しかし、放置するほどリスクと負担は増えていきます。

「買取」という方法は、仲介よりも売却価格は安くなるものの、手間なく確実に、スピーディーに空き家を現金化できる大きなメリットがあります。

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