用地仕入とは、物件(土地や建物)の仕入のことをいいます。仕入対象となる物件は、マンション業者では「マンション用地」、建売会社では「建売用地」、中古住宅の買い取り業者であれば「中古住宅」です。

不動産仲介会社においては、売買物件や賃貸物件の媒介を意味します。

不動産販売会社

マンション開発業者や、建売業者が利益を生み出すためには、まず用地仕入れが必要になります。この用地仕入れは、不動産ビジネスにとって入口にあたりますが、もっとも重要なポイントです。

いかに良い場所の土地を仕入れ、かつコストも条件も良いかどうかを見極めなければなりません。この判断を見誤ると、大きな損失につながります。そのため、用地の獲得には情報収集や法律的な条件などもよく検討したうえで進めます。

本来であれば、土地の情報を手に入れてから取得の意思決定をするまで、相当の時間を要したいところですが、当然良い土地は、どの不動産業者も狙っています。そのため、用地取得にはスピードも重要視されます。

また、不動産会社が他の業種ともっとも大きく違うのは在庫の扱いです。多少時間が経過しても腐ることはありませんし、流行が過ぎて売れなくなることはありません。また、管理は必要ですが倉庫なども必要ないため、固定資産税など他にお金がかかりません。

しかし、借入をして仕入れてきたような物件を長く持っておくことは、大変なリスクです。放っておくと、資金ショートを起こす可能性があるのです。また、不動産価値は突如下落するというリスクもかかえています。

そういった意味で、用地仕入れというのはとても難しいものなのです。

仕入れ方法とは?

仕入れには情報収集が大事

情報収集

用地仕入の方法としては、仕入れ営業をかけて土地情報を仕入れるところから始まります。土地情報を集めるには、地道な作業が必要です。基本的には、不動産屋回りや電話営業です。不動産売却を検討している方にも、どんどん営業をかけていきます。

資金力がある不動産業者は、競売や公売でどんどん入札を行っていくようです。他にも、銀行が資金回収のために抵当にいれている土地の売却物件なども、仕入れの対象になります。

いずれにしても、利益確保のためにいかによい物件を仕入れることができるのか、不動産会社もこの情報収集に力を入れます。

情報の検討

次に、集めた情報から中身を選別していく作業を行います。場所や価格などを検討し、法律や条例などを見て、購入したい物件として問題がなければ、現地調査をします。

現地調査

用地仕入をする方向で検討に入った物件については、利便性や環境なども配慮しながら現地調査を行います。

用地仕入れ

現地調査によって問題がなければ、いよいよ仕入段階となります。良い物件は当然、他社との競争も激しいため、交渉や駆け引きが必要です。

以上が、おおまかな流れとなります。

不動産賃貸業者 

土地や建物を購入する販売業者の他に、不動産賃貸・仲介業者でも「仕入」という言葉を使います。不動産の賃貸仲介業の「仕入」とは、空き部屋を確保することです。

つまり大家と媒介契約することです。

不動産賃貸業者の仕入れとは空き家確保

これも、時間がかかる上、労力が必要な仕事です。

手始めは、空き部屋情報収集から始まるわけですが、「カーテンがかかっていない」「ガス会社や電気会社の案内がドアノブにかかっている」「郵便受けにチラシがいっぱい」など地道に歩き回りながら探し出すのです。

まとめ

 不動産を扱う業者は、売買にしても仲介にしても、仕入れた物件がどれだけの価値を持つのかを見極める「目」が必要です。不動産業界で、この用地仕入れに携わる人は「花形」と言われています。