マンションを売買する際は、「高く売りたい」「お得に買いたい」と思いますよね。マンションを買いたい人も売りたい人も、価格推移を参考に、適切なタイミングを見極めたいものです。
本記事では地域別や築年数別のマンション価格の推移や今後の見通し、高く売却するためのポイントを紹介します。
これからマンションを売りたい人も買いたい人も、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
日本におけるマンション全体の価格推移
マンションの価格は、2013年から上昇を続けています。下記の表は、国土交通省が発表している「不動産価格指数」を表にしたものです。不動産価格指数とは、2010年の平均価格を100として算出したものです。
住宅総合も2013年以降は緩やかに上昇しているものの、住宅地や戸建住宅はほぼ横ばいで、2021年以降にやや上昇している状況です。
対してマンションは、他の項目と比べて大幅に上昇しています。2010年から約1.8倍も上昇しており、2023年時点でも上昇傾向は継続しています。このことからも、日本のマンション需要はまだまだ伸びているといえるでしょう。
【地域別】マンションの価格推移
日本のマンション価格は全体的に上昇傾向にあるものの、地域によって推移の傾向はさまざまです。ここでは地域別のマンション価格の推移を紹介します。
首都圏全体
首都圏全体のマンション価格推移は次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度」
首都圏全体では、多少の波はあるものの、全体的には上昇傾向です。2022年6月の価格は4,231万円であるのに対し、2023年6月は4,610万円と、平均価格が1年間で379万円も上昇しています。
首都圏では直近の10年間で一度も価格が大きく下落することなく上昇しており、マンション需要は高まっているといえるでしょう。都市部は人気が高く、地価が上昇していることで、マンション価格も上昇しているといえます。
東京都
東京都のマンション価格推移は次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度」
東京都も価格の波はあるものの、全体を通して上昇傾向です。2022年6月の価格は5,260万円であるのに対し、2023年6月は5,713万円と、平均価格が1年間で453万円も上昇しています。
人気が高い東京都区部に位置するマンションであれば、とくに高値で早期に売れることが期待できるでしょう。
神奈川県・横浜市
神奈川県と横浜市のマンション価格推移は、それぞれ次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度」
神奈川県全体では、緩やかな上昇傾向になっています。横浜市では、2022年6月が3,795万円、2023年6月が3,796万円と、ほぼ横ばいです。不動産取引の閑散期である7〜8月や12月〜1月と、繁忙期である10〜11月や3〜4月とを比較すると、最安値と最高値で500万円以上の差があります。
横浜市は都心部へのアクセスが良く利便性の高い地域であることから、安定かつ上向きな相場が今後も期待できるでしょう。
千葉県
千葉県のマンション価格推移は次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度」
千葉県は、緩やかな上昇傾向になっています。2022年6月の価格が2,499万円であるのに対して、2023年6月は2,725万円と平均価格が1年間で226万円上昇しています。直近の10年間でも上昇傾向にあることから、資産価値が高まっているといえるでしょう。
神奈川県と同様に都心部へのアクセスが良く利便性の高い地域であることから、安定かつ上向きな相場が今後も期待できるでしょう。
埼玉県
埼玉県のマンション価格推移は次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度」
埼玉県は、2022年から2023年は緩やかな上昇傾向にあります。2022年6月の価格が2,664万円であるのに対して、2023年6月は2,890万円と、平均価格は1年間で226万円上昇しています。直近の10年間は価格が大きく上昇しており、人気が高まっているといえるでしょう。
神奈川県や千葉県と同様に都心部へのアクセスが良く利便性の高い地域であることから、安定かつ上向きな相場が今後も期待できるでしょう。
大阪府・大阪市
大阪府と大阪市のマンション価格推移は、それぞれ次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度[全国版]」
大阪府は2022年から2023年はほぼ横ばいで推移していますが、直近の10年間では上昇傾向にあります。大阪市は2022年6月の価格が3,508万円であるのに対して、2023年6月は3,810万円と、平均価格は1年間で302万円も上昇しています。
新築マンションの供給数の増加や中古マンションの需要の高まり、2025年の大阪万博の影響もあり、今後も価格は上昇傾向を続けるでしょう。
愛知県・名古屋市
愛知県と名古屋市のマンション価格推移は、それぞれ次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度[全国版]」
引用:中部レインズ「季刊サマリーレポート(2023 年 7~9 月期)」
愛知県全体も名古屋市も、全体として緩やかな上昇傾向にあります。ただ、不動産取引の閑散期も価格が大きく下がっていないことからも、市場の活発さがうかがえ、今後も安定的な取引が期待できるでしょう。
また、2027年に品川〜名古屋間で開通が予定されているためリニア中央新幹線の影響もあり、沿線付近はとくに価格上昇が期待できます。
福岡県・福岡市
福岡県と福岡市のマンション価格推移は、それぞれ次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度[全国版]」
福岡県も福岡市も直近の10年間では価格が上昇しており、とくに福岡市は大幅に上昇しています。福岡県全体の推移は、2022年〜2023年はほぼ横ばいです。
福岡市の総人口は、市の推計を上回るペースで増加を続けており、2035年頃にピークを迎えると見込まれています。人口増加に合わせて、マンション価格も堅調な推移が予想されるでしょう。
北海道・札幌市
北海道と札幌市のマンション価格推移は、それぞれ次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度[全国版]」
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ サマリーレポート 2022年10月度[全国版]」
北海道は、2022〜2023年はほぼ横ばいに推移しているものの、直近の10年間の上昇率が他の地域と比べて非常に高いです。札幌市も2022年の1年間はほぼ横ばいですが、新築マンションの供給数が増加していることから、今後も価格が上昇すると考えられます。
また、2030年には北海道新幹線の新函館北斗~札幌間が開業予定であることも影響し、マンション価格は堅調に推移するでしょう。
宮城県・仙台市
宮城県と仙台市のマンション価格推移は、それぞれ次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ 2023(令和5)年06月度[全国版]」
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ サマリーレポート 2022年10月度[全国版]」
東北地方は全体としても直近の10年間は上昇傾向です。宮城県は2022年〜2023年でほぼ横ばい、仙台市も2022年の1年間はほぼ横ばいで推移しています。
2021年までに大幅に上昇したことから現在は高止まり状態といわれていますが、今後は建築コストの上昇などによる価格の上昇圧力がかかっているため、長期的に見ると価格は上昇傾向になると予想されています。
【築年数別】マンションの価格推移
中古マンションは、築年数が経過するごとに価格も下がっていきます。中古マンションの成約価格と築年数の推移は次の通りです。
引用:公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2022年)」
価格の推移を見ると、築20年までは6,000万円台から5,000万円台まで緩やかに価格が低下していきます。しかし、築21年以降は急降下し、築0年の価格と比べると3分の1程度まで下がっています。
上記のような推移であることから、築20年までのマンションは資産価値が高いと評価されやすいといえるでしょう。
マンションの売却を考える際は、より高く売れる築年数を考慮して売却計画を立ててみてください。
マンション価格が上昇する3つの要因
マンション価格が全国的に上昇傾向にあるのは、さまざまな要因が考えられます。ここでは主な要因を3つ紹介します。
住宅ローンの金利変動の影響
日本の住宅ローンは、2016年に日銀がマイナス金利政策を導入して以降、低金利が続いています。金利が下がると住宅ローンの月々の返済額や利息が減るため、住宅ローンが組みやすくなりマンションの購入者も増えます。
「住宅ローンが低金利のうちに購入しておきたい」という人が多いと、マンション価格が高騰していても、需要は落ち込みません。低金利によってマンション需要が増加していることは、マンション価格が上昇している一因であると考えられます。
新築マンションの供給量の影響
マンションを買いたい人の需要に対して供給量が少ないと、価格は上昇します。新築マンションの販売戸数は減少傾向にあるため、獲得競争が生じて価格が上昇することが考えられます。とくに首都圏ではすでに各所でマンション開発が進んでいるため、新しくマンションを建築するための用地の確保が難しい状況です。
新築マンションの供給量が少ないと中古マンションの需要が高まるため、結果的に新築・中古を問わず、マンション価格全体が高騰しているといえます。
インフレーションの影響
インフレによる建築費用の高騰も、マンション価格に影響を与える一因です。ウクライナ戦争や円安の進行、慢性的な人手不足などの影響で、建築工事にかかる費用は現在も高騰し続けています。建築費用が高くなると新築マンションの価格も高くなるため、新築よりも価格の低い中古マンションへの需要が増加します。
また、リフォームやリノベーション工事にかかる建築費用も上昇しているため、新築マンションだけではなく、中古マンションの価格上昇に影響を及ぼしているといえるでしょう。
買い時と売り時はいつ?今後のマンション価格の見通し
今後のマンション価格の推移については、正確に断言できるものではありません。しかし、マンション市場の動向や社会情勢などのさまざまな要因から総合的に考えても、今後「暴落」というほど大きくマンション価格が下落する可能性は低いという見方が一般的です。
今後も上昇傾向が続くとすると、今は買っても問題ないケースが多いといえるでしょう。売り時については、このままマンション価格が上昇傾向であれば、築年数や立地などと総合的に判断することが大切です。
マンションを高く売却する3つのポイント
せっかくマンションを売却するなら、できるだけ高く売りたいですよね。ここではマンションを高く売却するためのポイントを3つ紹介します。
①最新の情報をチェックする
マンション価格は社会情勢を反映しながら推移しているので、常に最新の情報をチェックすることが大切です。インターネットで検索をするとさまざまな情報を得られるものの、なかには情報が古いものもあります。いつ発信された情報なのかを確認し、なるべく新しい情報を得られるようにしましょう。
マンション価格の地域別の推移や金融関係の動向などをチェックしておき、売り時や買い時を自分でも把握しておくことが大切です。
②実績が豊富で信頼できる不動産会社に相談する
マンションを売却するタイミングや価格設定などは、実績が豊富にある不動産会社のほうが適切に判断できるといえます。査定価格だけで決めるのではなく、これまでの実績やスタッフの人柄なども含めて、総合的に判断して不動産会社を選びましょう。
「査定価格が高い」という理由だけで不動産会社を決めてしまうと、「スタッフの態度が悪い」「後になってさまざまな費用を請求された」など、トラブルにつながりかねません。査定価格の根拠を明確に示してくれる、より効果的な販売活動を提案してくれるなど、経験が豊富で信頼できる不動産会社に相談することが大切です。
③一括査定サービスを利用する
信頼できる不動産会社を探す際には、まずは売却したいマンションの価格査定を依頼しましょう。1社ずつへの査定依頼は手間がかかるため、手軽に依頼したい場合は不動産一括査定サービスの利用がおすすめです。
売却したいマンションの価格相場を把握できるほか、不動産会社を厳選するのにも役立ちます。「高く売りたい」という目的に合った不動産会社から複数の見積もりが得られるので、比較しながら検討できます。
マンションの価格推移をチェックして、適切なタイミングで売買しよう
マンションの売買は、価格推移を把握し、最新の情報をチェックしながら総合的に判断することが大切です。自分だけでは不安という場合は、実績が豊富で信頼できる不動産会社に相談してみてください。
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自分に合った不動産会社を見つけて、適切なタイミングでマンションを売買できるようにしましょう。