所有している不動産や土地を売却したいと考えたとき、不動産会社から価格査定を受けることから始まります。不動産会社から査定を受ける際は大きく分けて簡易査定(机上査定)と訪問査定の2種類があります。
なかでも簡易査定は実際に訪問することなく売主から提供されたデータだけを基に価格を算出することができ、とても便利でおすすめです。一方で実際に不動産会社が物件を訪問し、より正確な見積もりを算出する方法を訪問査定と呼びます。
査定価格を知るために簡易査定と訪問査定のどちらにすればいいか迷うことがあるでしょう。
今回は、価格査定を依頼するにあたって簡易査定とは何か詳しく解説し、訪問査定との違いや、不動産会社の選ぶ際のポイントについて解説していきます。
この記事の目次
簡易査定(机上査定)とは?
簡易査定とは、不動産会社が売却予定の物件を実際に見ずに、査定価格を算出する方法で、机上査定とも呼ばれています。
実際に物件を見ていないため、価格相場や市場の動向、過去の取引事例などを確認しながら査定価格を算出します。
ここからは簡易査定の方法や流れ、費用はかかるのか、といった点について解説していきます。
簡易査定の方法
簡易査定を依頼したい場合は一括査定サイトの利用をおすすめします。
一括査定サイトはインターネットサイトのフォーム上に該当の物件情報と個人情報を入力すると、一度に複数の不動産会社に査定依頼ができるサービスです。多くの一括査定サイトでは最大6~7社に一括で依頼することができ、地域に根差した地元の会社から大手の会社まで幅広く依頼することが可能です。そして各社の査定価格を比較し、容易に相場感を掴むことができます。
簡易査定の流れ
簡易査定を行う際は売主から提供されたデータをもとに査定価格を算出します。
まずは戸建て・マンションなどの物件種別を確認し、立地・面積・築年数・間取りなど、似たような物件が今いくらで売り出されているのかを調べます。そして、似たような物件が過去にいくらで取引されたのかを調べます。最後に、過去・現在の取引状況を確認して査定額を算出していきます。
簡易査定は依頼すると数日程度で査定結果が届くでしょう。
費用はかかるのか
簡易査定は無料で依頼することができます。
不動産鑑定士に依頼する有料査定は費用が発生しますが、不動産会社が行う簡易査定や訪問査定では料金は発生しません。
尚、売却が完了した際は仲介手数料や登記に関する諸費用などが発生します。
実際のところ簡易査定の結果は、相場も実勢価格も関係なく「売主に、売る気になってもらうための資料送付」に近いと思っておくのが正しい認識です。このような簡易査定から得られた情報を鵜呑みにしすぎないようにしましょう。
簡易査定と訪問査定の違いとは?どちらを選ぶべき?
訪問査定とは?
簡易査定の結果が出揃い、より正確な査定価格を知りたい場合は訪問査定を依頼しましょう。
訪問査定とは、簡易査定で確認したデータを加味しつつ、実際に不動産会社の担当者が訪問し、物件の使用状況や日当たり、周辺環境、リフォームなどの修繕の有無等から見積りを算出する方法です。簡易査定と異なり、実際に物件を見て査定するため、より正確な金額を知ることができます。
しかし訪問査定は自宅に不動産会社の担当者を招くため、どうしても不安に感じる方も多いでしょう。
訪問査定を依頼する不動産会社を選ぶ際は、査定価格の根拠が合理的であり、売主の要望に寄り添った対応をしている会社を選ぶとよいでしょう。
なお、訪問査定の所要時間は約1~2時間程度です。訪問査定を依頼する会社数は、応対の負担なども考え2~3社が目安でしょう。
簡易査定のメリット・デメリット
ここまで簡易査定と訪問査定について解説してきました。ここからは簡易査定を依頼するメリットとデメリットについて解説していきます。
メリット
直接不動産会社と会わずに査定価格を知ることができるという点は、簡易査定の大きなメリットです。まだ売却するかどうかはっきりとはわからない場合に、不動産会社の訪問を受けて査定してもらうのは少しハードルが高いと感じるものです。
また訪問査定の日程を調整するのが難しい方でもインターネットから入力するだけで簡単に査定依頼をすることができます。さらに、一度に複数社に依頼できることから、何度も情報を打ち込む手間を省くことができます。
加えて、早い場合依頼をして数時間以内に査定価格を知ることもできます。この手軽さとスピード感が簡易査定のメリットと言えるでしょう。
ただしあくまで参考価格程度の認識をしておいてください。
むしろ簡易査定の本質は不動産売却をする時の不動産会社選びの資料として活用できるという点がその価値の本質になります。
デメリット
実際に訪問するわけではないので訪問査定に比べて正確な価格を把握することができないのはデメリットです。
簡易査定の結果は参考価格に過ぎないため、売却を前向きに検討している場合は、訪問査定を依頼し、訪問査定の結果を踏まえて売出価格を設定すると良いでしょう。
一方でマンションの場合、その地域で活動している不動産会社であれば、マンション名や部屋番号がわかれば周辺環境やマンション内での希少性なども把握しているため評価が可能です。さらに、マンションは住宅としての性能や劣化の程度もある程度共通しています。
そのため、マンションについては他の不動産に比べて簡易査定の妥当性は比較的高く、利用価値のあるものと言えるでしょう。
簡易査定を上手く利用するためのポイント
1.多くの不動産会社に依頼しよう
机上査定の時点では、後に訪問査定を依頼する不動産会社を絞り込むプロセスとなるため、同時に多くの不動産会社に依頼しても構いません。むしろ、多めの不動産会社に依頼したほうが、様々なタイプの不動産会社について知る機会となり、相場観を養うのには役立つでしょう。
机上査定を依頼する不動産会社の選ぶ際は、少なくとも近隣地域で営業活動を行っている不動産会社を含めるのは必須です。その地域の市場動向や取引事例に精通している可能性があり、そのエリアの購入希望者との接点も多い可能性があるからです。
よって、全国に多くの拠点を持つような大手会社と、地域密着で営業を行っている不動産会社にバランスよく依頼するのがいいでしょう。異なる特色を持つ不動産会社を揃えることで、売却を依頼する際の会社選びの参考になります。
2.正確な情報を入力する
不動産会社は売主から提供された情報を基に査定価格を算出します。よって物件所在地・面積(一戸建ての場合は、土地面積と建物面積の両方)・間取り・築年数・所有者などの物件情報は正確に入力しましょう。また査定結果を受け取れないといったことが発生しないために名前や電話番号、メールアドレスなども誤りがないか確認することが重要です。
また物件の状態や周辺環境は実際に住んでいる人にしかわからない情報です。リフォーム歴や雨漏り・シロアリといった不具合など、事前に知らせておきたいことがあればフォーム内の「要望欄」や「備考欄」に記載しておくとよいでしょう。
さらに簡易査定を依頼する会社の数が多いと、たくさんの電話がかかってくるのでは?と心配がある場合、メールでも簡易査定を受け付けている不動産会社がほとんどですので要望欄に連絡手段をメールに限定したい旨入力しておくとよいでしょう。
3.査定価格が高いという理由だけで飛びついてはいけない
売主としては、査定額の高いところが良い不動産会社だと思う人もいるかもしれません。ですが、査定額が高いところが優良な不動産会社だとは限りません。不動産会社は他の会社を抑えて自社に売却を依頼して欲しいと考えています。そのため、媒介契約締結前だけ高い価格を提示し、実際の売却活動で簡単に値下げを勧めてくる会社もあります。
よって価格の高い不動産会社に依頼をしたのに、結果的に売却できた価格はどの不動産会社が提案した価格よりも安かったということも起こりうるのです。
このようなことが起こらないためにも仲介を依頼する会社を決める際は、単に提示された価格が高い会社に飛びつくのではなく、価格と販売方法の根拠が合理的であり、信頼できる会社に依頼することが重要です。満足のいく売却活動を行うためには担当者とコミュニケーションをとり、単なる人柄だけではなく、売却という目的に照らして信頼できるかどうかを見極めることが大切です。
まとめ
ここまで簡易査定と訪問査定について解説してきました。
簡易査定を依頼する際は、物件情報に加えて物件の状態や周辺環境などより多くの情報を用意して、様々なタイプの不動産会社に依頼することが重要です。
簡易査定の結果が出揃い、更に正確な査定価格を知りたい場合には訪問査定を依頼しましょう。
不動産や土地の価格査定は、単に価格を知るための手段ではありません。実際に売却を依頼する不動産会社を選別するための重要な機会なのです。
そのためにも、自分自身でも査定価格や相場に関心を持つことが重要です。不動産会社の担当者としっかりとコミュニケーションを取りながら、疑問や要望をぶつけましょう。
信頼できる不動産会社を選択できれば、売却成功の可能性は大きく高まるのです。
一括査定サイトを使って効率的に不動産会社選びをしよう
不動産売買に関する知識がなく、所有している不動産や土地をどのような方法で売却すればいいかわからない、どの一括査定サイトを使えばいいかわからない、という方は一括査定サイト「イエイ」の利用をオススメします。「イエイ」では、国内主要の不動産会社や地元に強い地元密着の不動産会社などとの取引があり、多様な不動産会社から自身に合う不動産会社を見つけやすいのが利点です。
フォーム内に物件情報を入力することで複数の不動産会社から売却査定金額を確認することができ、簡単に相場を知ることも可能です。また信頼できる担当者が見つかれば、そのまま不動産会社に仲介を依頼することもできるので、安心して売却活動を進めることができるでしょう。
またイエイには「なんでも相談室」や「お断り代行」など業界屈指のサービスがあり、不安の多い売主を徹底サポートしてくれます。
「イエイ」を使って効率的に不動産会社選びを行いましょう。