地震によるブロック塀倒壊は、早急に対処しなければならない問題の1つです。特に、道路側へ倒壊してしまった場合は、人身に被害が及ぶだけでなく、避難活動や救助活動を妨げてしまいます。そこで、耐震化対策として注目されているのが控壁です。この記事では、ブロック塀の倒壊を防ぐための点検方法や、耐震化するための方法について紹介します。

ブロック塀の耐震化に有効な控壁

ブロック塀の倒壊を防ぐために、有効な対策が控壁です。

控壁とは建築構造の一つで、主壁に対して直角方向に突き出した補助的な壁のことを指します。ブロック塀など強固な支柱を持たない壁の横荷重を受け止め、地震が起きても倒壊しないよう補強するのが控壁の役割です。

頑丈に見えるブロック塀であっても、控壁などで耐震化されていないと、地震が起きた際に重大事故へとつながりかねません。万が一、耐震化を怠った結果、事故が起きた場合は、民法第171条により所有者が損害を賠償する義務が生じます。実際に損害賠償請求は行われた例もあるのです。

2016年4月の熊本地震では、倒壊したブロック塀の下敷きになり、男性が死亡しています。遺族は所有者に賠償を求め、刑事告訴に進展しました。たとえ所有者に過失がなかったとしても、事故に発展すれば所有者の責任となります。

たとえ比較的新しいブロック塀であっても、控壁などで補強されていなければ、早めに耐震化対策を行うべきです。

ブロック塀に関する建築基準法のルール

ブロック塀は大きく分けて、組積造と補強コンクリートブロック造の2種類が存在します。

組積造とはブロックや石材、レンガなどを積み重ねた建造物で、鉄筋が入っていないものを指します。

一方、補強コンクリートブロック造は、鉄筋を入れて補強したうえで、ブロックを積み重ねた建造物です。

コンクリートブロックを使って塀を作る際は、建築基準法施行令の規定にそって作る必要があります。第62条第8項第5号の規定により、1.2mを超えるブロック塀には、3~4mごとに控壁を設置することが義務付けられています。また、ブロック塀の高さは最高で2.2mまでです。ただし、控壁はブロック塀の上部2段分まで下げてもよいとされています。

万が一、控壁などの安全対策をとらなかった場合は、建築基準法施行令違反により罰則が適用される場合があるので注意しましょう。ただし、ブロック塀に関する規定は、1981年に定められたものです。1980年以前に作られたブロック塀には基準に満たないものも多く、その場合は後から控壁を設けるなどの安全対策をとる必要があります。

ブロック塀ではなく、コンクリ―ト板塀という塀もありますが、現在は作られていません。そのため、コンクリート板塀に関する法令や規定は存在しませんが、より安全性の高い塀に作り替えるよう指導される場合があります。

ブロック塀の耐用年数

屋外のブロック塀は、常に外気に晒されています。そのため、雨水が侵入して鉄筋が錆びたり、ブロックやモルタルがひび割れたりなどの経年劣化は避けられません。

まず、劣化が始まった頃によく見られるのが、目地のひび割れやブロック・モルタルの劣化です。さらに劣化が進むと、劣化した部分やひびの隙間から塀の内部へ雨水などが入り込み、鉄筋に錆びが発生します。

錆びが進行すると、鉄筋の体積膨張などにより、ブロックのひび割れがさらに進んでしまうのです。最終的にブロックの表面が剥がれたり、錆汁により塀が汚れたりします。一度劣化が始まったブロック塀は、放置するほど耐力が下がっていくため、早めの対処が必要です。

社団法人日本建築学会の調査では、規定を守って設計・施工されたブロック塀でも、耐久年数は約30年とされています。ただし、設計基準に沿った施工指導が行われるようになったのは、10年前くらいからです。たとえ施工から30年が経過していないブロック塀でも、古いものだと構造規定が守られていない可能性があります。ブロック塀の点検は、施工業者などの専門家に依頼できますが、自己点検も可能です。

ブロック塀点検のチェックポイント

ブロック塀の点検チェック

2018年6月21日に、国土交通省から通知された「建築物の既設の塀の安全点検について(国住指第1130号)」には、ブロック塀点検のチェックポイントが案内されています。

ここでは自己点検の際に確認するべきポイントを紹介します。

堀の外観について

まず確認したいのは、塀の外観です。地盤からの高さや厚さを確認します。

塀の高さが2.2m以下なら厚さは10cm以上高さが2~2.2mなら厚さは15cm以上必要です。

塀の高さが1.2m以上の場合は、3~4mごとに控壁があるかを確認します。なお、控壁は塀の高さの5分の1以上突出した構造でなければいけません。

さらに、コンクリートの基礎があるかも確認します。最後に、ブロック塀に傾きやひび割れがないかを確認したら、自己点検は終了です。1つでも不適合があれば、倒壊などの事故を起こす危険があります。早急に専門家へ相談して、改善を行いましょう。

鉄筋をチェックする時のポイント

ブロック塀の外側だけでなく、鉄筋まで確認したい場合は、専門家に相談する必要があります。

鉄筋の状態を見る際にも、いくつかのチェックポイントを押さえておきましょう。まず、鉄筋は直径9mm以上か、縦横に80cm以下の間隔で配筋されているかを確認します。

鉄筋の縦筋が、壁頂部と基礎の横筋にかぎ掛けされているかもよく見ておきましょう。また、塀の高さが1.2mを超える場合、基礎の根入れは30cm以上の深さが必要です。鉄筋の状態を見るには、ブロック塀の一部を壊したり、地面を掘り下げたりしなければならない場合があります。

特に、劣化が進んでいるブロック塀を点検する際は、倒壊などの危険を伴い、絶対に安全とはいえません。点検時には周囲に人がいないか確認しましょう。近隣住民にも、あらかじめブロック塀の点検を行う旨を知らせておくと安心です。

危ないブロック塀を耐震化する方法

建築基準法に適合していないブロック塀を耐震化するには、いくつかの方法があります。

1つは、コンクリート控壁を作ることです。控壁を作るときは、塀の一部分を、壁頂部から基礎部分まで20cmほどの幅ではつりとります。鉄筋をかぎ掛けし、型枠を組んだら、コンクリートを打って完成です。

また、鋼製支柱をたてる方法もあります。あらかじめ鉄工所などで製造した鋼製支柱をブロック塀に設置することで、塀の強度を上げることが可能です。

一例として、まずは塀を挟むようにして表側と裏側に帯鉄を設置し、ボルトで締め付けます。

帯鉄は工場で作った鉄骨を溶接するために必要な部分です。帯鉄と鉄骨を溶接したら、鉄骨の基礎部分に仮枠を組み立てます。その後、コンクリートを打ち込んで施工は完了です。どちらの方法を選んでも、大がかりな工事が必要となります。また、施工後はスペースが狭くなってしまうことも計算しなければいけません。

隣家との境界線上にある塀や、人が入れないほど狭い場所にある塀は、工事そのものができない可能性があります。なお、ブロック塀そのものの劣化が激しい場合は、補強工事だけでなく作り直しも視野に入れましょう。

まずはブロック塀を点検してみよう

 ブロック塀の安心性をチェックするには、この記事で紹介したポイントを踏まえつつ、定期的に自己点検するのが重要です。ただし、塀の外側は目視で確認できても、塀の内部や鉄筋の状態は、自分ではなかなか確認できません。

場合によっては補強工事だけでなく、ブロック塀そのものを作り直さなければならない場合もあります。ブロック塀の耐震化や補強工事にについて、分からないことや不安なことがあれば、早めに専門家へ相談しましょう。

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まとめ

ブロック塀を耐震化するには控壁を作る方法、鋼製の支柱を立てる方法の2つがあります。
また、ブロック塀の外観だけでも目視で点検し、危険がないかを確認することが重要です。