家の売却は、人生で何度も経験することではなく、大きな金額が動くため「失敗したくない」「損をしたくない」と考えますよね。
家の売却には、「これだけはやってはいけない」という明確なタブーが存在します。
それを知らずに進めてしまうと、数百万円単位で損をしたり、売却期間が数年も延びてしまったりすることも珍しくありません。
また、2026年の不動産市場は、歴史的な低金利時代の終焉や、環境性能を重視する新しいルール、さらには複雑な税制改正が重なり、以前よりも「やってはいけないこと」が増えています。
この記事では、家の売却で失敗しないために避けるべき「やってはいけないこと」を初心者の方が陥りやすいミス28項目に整理し、分かりやすく解説します。
この記事の目次
【2026年最新】家の売却でやってはいけないこと

家の売却は、人生の中でも非常に大きな取引の一つです。
特に2026年は、金利動向の変化や新しい法規制、省エネ性能への関心の高まりなど、これまでの「当たり前」が通用しない場面も増えています。
こちらでは、2026年最新の家の売却でやってはいけないことをご紹介していきます。
1.相続登記を放置しない
2024年4月から相続登記が義務化され、2026年4月からはさらに「氏名・住所変更の登記」も義務化されます。
これにより、登記情報の不備が売却の直接的な妨げになるリスクが2026年においてより顕著になります。
相続した実家を売る際、名義変更(相続登記)を「売れてからやればいい」と放置するのは危険です。
義務化にともない、名義が正しく変更されていない物件は買主や銀行から非常に厳しくチェックされます。
手続きには時間がかかるため、準備不足のまま売り出すと「買いたい人が現れたのに、名義変更が終わらず契約が流れた」という事態になりかねません。
2.省エネ性能(ZEH水準)への無関心
2025年4月からすべての新築住宅に省エネ基準適合が義務化された影響で、2026年の中古市場でも買い手の「省エネ性能」への関心は極めて高まっています。
省エネ基準適合とは、国が定めた「建物の省エネ性能のハードル」をクリアしているかの判断基準を指します。
主に「断熱性能(冬暖かく夏涼しいか)」と「エネルギー消費量(エアコンや給湯器が効率的か)」の2点が適合しているかを確認しています。
自分の家の断熱性能や、住宅省エネキャンペーン等でのリフォーム履歴を「古い家だから関係ない」と調べずに売り出すのは機会を損失してしまう恐れがあります。
性能を証明できる書類(BELS評価書など)があるかどうか、売り出す前に必ず確認しましょう。
3.「災害レッドゾーン」などの税制改正を知らない
「災害レッドゾーン(災害危険区域など)」とは、土砂災害や洪水などの発生リスクが極めて高く、建物の建築に制限がかかる区域を指します。
2026年度の改正により、この「レッドゾーン」内に新築される家への買い換えは、ローン減税や特例が受けられなくなるなどの制限が強化されています。
売却したい家が「レッドゾーン」に含まれていないか自治体のハザードマップで必ず再確認してください。
もし該当している場合は、一般的な「仲介」では時間がかかる可能性があるため、「業者買取」を視野に入れた戦略変更が必要になることもあります。
4.「金利上昇」による買い手の心理変化を無視する
2026年は、長らく続いた超低金利が変化し、住宅ローン金利の動向に注目が集まっている時期です。
「今まで高く売れていたから、この価格でも大丈夫だろう」という過去の成功体験に固執するのは危険です。
金利が上がれば買い手の予算はシビアになります。
そのため、売り出す前に「今の金利水準で、自分の物件のターゲット層がいくらまでならローンを組めるか」を不動産会社とシミュレーションしておくことが不可欠です。
家の売却準備段階でやってはいけないこと

家の売却を考え始めた際、まず何から手をつけるべきか迷う方は多いでしょう。
じつは、本格的に売り出す前の「準備段階」こそが、売却の成否を分ける最も重要なフェーズです。
この準備期間中に、知識不足からくる誤った判断や、安易な行動をとってしまうと、後々の「売却期間中」に買い手がつかなかったり、「売却後」に思わぬトラブルや金銭的損失を招いたりすることになります。
こちらでは、スムーズな取引を実現するために、売却準備中に「これだけは避けてほしい」やってはいけないことを分かりやすく解説します。
1. 相場を調べず、いきなり査定依頼をする
自分の家の価値を知るために「まずはプロに聞こう」と、何の知識も持たずに査定を依頼するのは避けましょう。
不動産の価格には定価がありません。
相場を知らない状態で査定結果を受け取ると、その金額が「妥当なのか」「安すぎるのか」の判断が全くつきません。
悪意のある業者が、契約を取りたいがためにわざと高い金額を提示したり、逆に早く売り飛ばすために安すぎる金額を提示したりしてもそれを見抜くことができないのです。
自分で相場を調べる際は、以下の方法で調べることができます。
| 方法 | 特徴 | 使い方 |
|---|---|---|
| 不動産情報ライブラリ | 実際に取引した人へのアンケートを基にしたデータです。 | 種類(マンション・土地など)と地域を選んで検索。詳細な番地までは出ませんが、「〇〇市〇〇町」単位で、駅からの距離や築年数、平米単価がわかります。 |
| REINS TOWER | 不動産業者が使う「レインズ」の成約情報を一般向けに加工したものです。 | 直近1年間にそのエリアで成約した物件の価格分布がグラフで見られるため、相場感が一目でつかめます。 |
近隣の似たような条件の物件がいくらで売り出されているかを確認し、自分なりに「これくらいかな」という目安を持ってからプロに相談するようにしましょう。
相場の調べ方や築年数、エリアごとの売却相場については以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
2. 1社のみに査定を依頼して決めてしまう
特定の不動産会社1社だけの意見を信じて、そのまま売却を任せてしまうのは非常にリスクが高い行動です。
不動産会社によって「戸建てが得意」「マンションに強い」「そのエリアの成約実績が豊富」など、得意不得意が明確に分かれます。
また、担当者の経験値や人柄も一人ひとり異なります。
1社だけの査定では、その会社が提示した価格がその会社の主観的な判断である可能性があります。
そのため、最低でも3社程度には査定を依頼し、それぞれの会社が提示する金額の差や、その根拠を比較してください。
当サイトが提供する「イエイ」の一括査定であれば、豊富な不動産会社のなかからまとめて査定結果を受け取ることができます。
ぜひ、お気軽にご活用ください。
3. 「査定額が一番高い」という理由だけで会社を選ぶ
査定額が高い会社に頼みたくなるのは当然の心理ですが、じつはこれが最も多い失敗パターンの一つです。
査定額はあくまで「売れる可能性がある予想価格」であり、その金額での売却を保証するものではありません。
中には、契約を結ぶことだけを目的に、わざと市場価格とかけ離れた高値を提示する「高預かり」という手法を使う業者もいます。
高すぎる価格で売り出すと、結局誰からも問い合わせが来ず、数ヶ月後に大幅な値下げを繰り返すことになり、結果として相場より安い価格でしか売れなくなることもあります。
「なぜその金額になるのか」を周辺事例に基づいて論理的に説明してくれる会社を選びましょう。
4.所有物件が「仲介」と「買取」のどちらに適しているか知らない
家を売る方法には、大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類がありますが、それぞれの特徴を知らずに売却を進めるのはNGです。
自分の物件や状況に合わない方法を選んでしまうと、本来得られるはずだった利益を逃したり、いつまでも現金化できなかったりするリスクがあります。
「仲介」と「買取」の違い
まずは、それぞれの仕組みとメリット・デメリットを正しく理解しましょう。

どちらを選ぶべきか?
「仲介」が適しているケース
時間はかかってもいいので、できるだけ高く売りたい場合に向いています。
築年数が浅い、人気エリアにあるなど、一般の買い手が見つかりやすい物件は仲介を選ぶのが良いでしょう。
「買取」が適しているケース
「住み替え先が決まっていて、すぐに現金が必要」「周囲に知られずに早く手放したい」というスピード重視の場合に適しています。
また、築古で汚れが目立つ、事故物件であるなど、一般の人には売りづらい物件でも、業者がリフォーム前提で買い取ってくれるメリットがあります。
不動産会社によっては「仲介」しか扱っていない会社や、「買取」をメインに行う会社があります。
自分の物件がどちらに適しているか判断がつかない場合は、両方の提案ができる会社に相談し、それぞれの査定額や条件を比較することが大切です。
「高く売りたいのか」それとも「早く確実に行きたいのか」、自分の優先順位を整理してから売却方法を決定しましょう。
5. 媒介契約の種類と内容を理解せずに契約する
不動産会社と結ぶ「媒介契約」には、「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類がありますが、これらを理解せず適当にサインするのはNGです。
それぞれの特徴については、以下の図を参考にしてください。

例えば「とにかく広く情報を拡散したい」のに1社専任に絞り込んだり、「手厚い広告サポートを受けたい」のに一般媒介を選んだりすると、売却戦略がチグハグになります。
それぞれのメリット・デメリットを把握し、自分の売却スタイルに合った契約を選ぶ必要があります。
媒介契約については、以下の記事で徹底解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
6. 明確なスケジュールを立てずに売り出す
「いい買い手が現れたら売ろう」という漠然とした考えでスタートするのは危険です。
不動産売却には、準備から引き渡しまで一般的に3ヶ月〜6ヶ月程度かかります。
住み替え(買い替え)を予定している場合、売却時期がずれると「新居の代金が払えない」「旧居と新居のローンを二重で払うことになる」といった事態に陥りかねません。
「いつまでに現金が必要か」「いつまでに引っ越したいか」というゴールを明確にし、そこから逆算して「いつまでに売り出すべきか」という期限を設けることが、精神的・金銭的な余裕に繋がります。
7. 売却にかかる諸費用を把握していない
売却価格がそのまま全額手元に残ると考えるのは、初心者によくある誤解です。
不動産を売るには、以下の表のような仲介手数料、印紙税、住宅ローンの完済手数料、抵当権抹消費用など、多額のコストが発生します。
| 費用項目 | 目安となる金額 | 支払うタイミング | 備考 |
|---|---|---|---|
| 仲介手数料 | (売却価格 × 3% + 6万円)+ 消費税 | 契約時と引き渡し時に半分ずつ | 不動産会社に支払う成功報酬の「上限額」です。 |
| 印紙税 | 1万円 〜 6万円程度(売却額による) | 売買契約書を作成したとき | 売買契約書に貼付する印紙代です。 |
| 登録免許税 | 物件1件につき1,000円 | 引き渡し時 | 住宅ローンの「抵当権」を外すために必要な税金です。 |
| 司法書士報酬 | 1万円 〜 2万円程度 | 引き渡し時 | 抵当権抹消などの登記手続きを代行してもらう費用です。 |
| 一括返済手数料 | 5,000円 〜 3万円程度 | 引き渡し時 | 住宅ローンを完済する際に銀行に支払う事務手数料です。 |
| 譲渡所得税 | 売却益(利益)の約20% 〜 39% | 売却した翌年の確定申告時 | 利益が出た場合のみ発生します。所有期間で税率が変わります。 |
| その他費用 | 数万円 〜 数十万円 | 準備中 〜 引き渡し時 | 測量費用、解体費用、不用品処分、ハウスクリーニングなど。 |
例えば、3,000万円で売れたとしても、仲介手数料だけで約100万円かかる場合があります。
さらに、売却によって利益が出た場合は「譲渡所得税」という税金も考慮しなければなりません。
これらの経費を計算に入れずに資金計画を立てると、売却後に「思ったより手元にお金が残らない」と焦ることになります。
事前に概算の諸費用を計算しておくことが不可欠です。
不動産売却における費用や節税については、以下の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
8. 独断でリフォームや建物の解体を行う
「古くて汚いからリフォームしないと売れないだろう」「古い家は壊して更地にしたほうが売りやすいはずだ」と、自分の判断で先に工事を行ってしまうのは非常に勿体ない行為です。
今の不動産市場では、中古物件を安く買って「自分の好きなようにリフォームしたい」という層が非常に増えています。
数百万円かけてリフォームしても、その分を売値に上乗せして回収できる保証はありません。
また、解体して更地にした途端に固定資産税が跳ね上がるリスクもあります。
まずはそのままの状態で査定を受け、不動産のプロから「今のままで売るべきか、手を加えるべきか」のアドバイスをもらうようにしましょう。
9.住宅ローンの残債を正確に把握せずに売り出す
「家を売ったお金でローンを返せばいい」と安易に考え、現在の正確なローン残高を調べないまま売却準備を始めるのは非常に危険です。
ローンが残っている物件を売るには、引き渡し時にそのローンを「一括返済」し、物件にかかっている抵当権(銀行の担保権)を抹消しなければなりません。
もし売却価格がローン残高を下回った場合、その差額を自己資金などで補填できなければそもそも家を売ること自体ができません。
ローンの残債を確認する方法としては、銀行から定期的に送られてくる「返済予定表」を確認するか、ネットバンキング等で最新の残高をチェックするようにしましょう。
家の売却期間中にやってはいけないこと

売り出しが始まると、いよいよ内覧希望者が現れます。
ここで失敗してしまうと、せっかくの売却チャンスを逃し、長期間「売れ残り物件」というレッテルを貼られてしまうリスクがあります。
売却活動をスムーズに進めるために、活動中に避けるべき「やってはいけないこと」を詳しく見ていきましょう。
1.相場を無視した極端な「価格設定」で売り出す
売り出し価格を決定する際、「自分の希望」を優先しすぎて相場から大きく外れた価格を設定するのは非常に危険です。
高く設定しすぎるのはもちろん、じつは低く設定しすぎることも戦略的な意図がない限りは避けるべきNG行動です。
売却価格を相場よりも「大幅に高く」設定する
「少しでも高く売りたい」「値下げ交渉を見越して高めに設定しておこう」という心理から、相場を大きく上回る価格で売り出すのは逆効果です。
現代の買い手はポータルサイトなどで多くの物件を比較しており、相場観に非常に敏感です。
相場より高すぎる物件は、最初から「検討対象外」としてスルーされてしまいます。
その場合、売り出しから時間が経過すると「売れ残り感」が出てしまい、最終的に相場以下の価格まで下げないと売れなくなる可能性があります。
売却価格を相場よりも「大幅に低く」設定する
「早く売りたい」という焦りから、下調べをせずに相場より安すぎる価格をつけてしまうのも、じつはやってはいけないことの一つです。
不動産は数百万円単位の資産です。
相場を知らずに低く設定してしまうと、本来得られたはずの利益をみすみす逃すことになります。
また、相場より不自然に安い物件は、買い手から「事故物件ではないか」「見えない欠陥(シロアリや雨漏り)があるのではないか」と警戒され、逆に敬遠されてしまうことがあります。
2. 室内を散らかったままにして内覧を迎える
内覧(物件見学)は、買い手が購入を決断する最大のポイントです。
それにも関わらず、掃除や片付けを怠ったまま内覧者を迎えるのは絶対に禁物です。
買い手は、その家での新しい生活を想像するためにやってきます。
玄関に靴が溢れていたり、水回りにカビや水垢があったりすると、「この家は大切に扱われていない」「見えない部分も傷んでいるのでは?」と不信感を抱かせてしまいます。
特に、「玄関」「キッチン」「浴室」「トイレ」の4箇所は徹底的に清掃してください。
モデルルームのような完璧さは必要ありませんが、清潔感を出すことが「この家を買いたい」と思わせる最低条件です。
3. 内覧の希望を断ったり、先延ばしにしたりする
「急に言われても困る」「週末は予定があるから」と内覧を断ってしまうのは、非常に大きな機会損失です。
家を探している人は、同時並行で何軒もの物件を比較しています。
「今週末に見たい」という希望に応えられないと、その間に他の物件で決まってしまうことがよくあります。
不動産業界では「内覧の鮮度」が重要視されており、売り出し直後の注目度が高い時期に内覧を断ることは、成約の可能性を自ら捨てているのと同じです。
売却期間中だけは、いつ内覧が入ってもいいように、常に部屋を整え、週末の予定を柔軟に調整できる態勢を整えておきましょう。
4. 内覧時に売主がしゃべりすぎてしまう
内覧時、良かれと思って「この家はここが便利で、あそこが自慢で……」とマシンガントークをしてしまう売主様がいますが、これもじつは逆効果になることが多いです。
買い手は、自分のペースで部屋の広さや使い勝手を確認したいと考えています。
売主がずっと横で話し続けていると、買い手は落ち着いて物件を見ることができず、早々に退散したくなってしまいます。
質問されたことには笑顔で丁寧に答え、それ以外は「ごゆっくりご覧ください」と一歩引いて見守るのがコツです。
住んでいる人にしか分からない「周辺環境の良さ(美味しいお店や静かさなど)」は、最後に少し付け加える程度が最も好印象を与えます。
5.販売活動をすべて不動産会社に任せきりにする
「プロに任せているのだから、自分は待っているだけでいい」というスタンスはNGです。
不動産会社の担当者は、同時に何十件もの物件を抱えていることが多く、売主が「任せきり」でいるとどうしても活動が後回しにされたり、形式的な報告だけで済まされたりするリスクがあります。
売主が頻繁に連絡を取り、活動状況に高い関心を示している物件ほど、「早く結果を出さなければ」という良い意味でのプレッシャーが担当者に働きます。
逆に、全く連絡がないと「この売主さんは急いでいないな」と判断され、営業活動の優先順位を下げられてしまうことがあります。
「最近の周辺の成約状況はどうですか?」など、自分から積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
6. 不動産会社からの連絡を放置する
売却活動が始まると、担当者から「内覧の打診」や「活動状況の報告」などの連絡が頻繁に来るようになります。
これを後回しにしたり、無視したりするのはNGです。
不動産会社は、あなたの返信を待っている間に、買い手側(客付け業者)との交渉を進めることができません。
返信が遅いと「売る気がないのかな」と担当者のモチベーションを下げてしまい、結果として自分の物件が後回しにされる原因にもなります。
また、担当者との信頼関係が崩れると、適切なアドバイスが得られなくなります。
メールや電話には迅速に対応し、二人三脚で売却を進める意識を持ちましょう。
7. 相場を無視して頑なに値下げを拒否する
売り出しから数ヶ月経っても問い合わせや内覧がない場合、価格が市場相場からズレている可能性があります。
このとき、担当者からの「価格改定」の提案を頑なに拒否し続けるのも避けるべきです。
不動産には「鮮度」があり、売り出しから時間が経つほど「売れ残り感」が出てしまい、さらに売れにくくなります。
市場の反応(内覧数やライバル物件の動き)を冷静に分析し、必要であれば戦略的に価格を見直す勇気も必要です。
もちろん無理に下げる必要はありませんが、「いつまでに売るか」というスケジュールと照らし合わせ、適切なタイミングで判断を下すことが最終的な損を防ぐことに繋がります。
8. 物件の不具合(欠陥)を隠して売る
「雨漏りしたことがあるけれど、今は止まっているから言わなくていいだろう」「シロアリの被害があったけれど、隠して売ってしまおう」といった隠蔽は、絶対にやってはいけません。
売却後にこれらの不具合(契約不適合責任といいます)が発覚した場合、修理費用の請求だけでなく、最悪の場合は契約解除や損害賠償に発展します。
不具合がある場合は、事前にすべて正直に開示しましょう。
先に伝えておけば、それを踏まえた価格設定にしたり、「現況渡し」として特約を付けたりすることで、売却後のトラブルを防ぐことができます。
正直に話すことが、結果として自分自身を守ることになるのです。
家の売却決定後(契約〜引き渡し)にやってはいけないこと

売買契約を結んだ後は、物件を正式に買主へ譲り渡すための準備期間に入ります。
無事に買主が見つかり、売買契約を締結したからといって、すべてが終わったわけではありません。
じつは、契約から引き渡しまでの「売却後(売却決定後)」の期間も非常に重要になります。
この時期に不適切な行動をとると、せっかくまとまった契約が白紙(解除)になったり、最悪の場合は違約金を支払う事態になったりすることもあります。
最後まで気を抜かずにチェックしましょう。
1.売買契約書の内容確認を怠る
買主が決まり、いざ契約という段階になると安堵感から書類の確認を不動産会社任せにしてしまう方がいます。
しかし、契約書に記載された一言一句が、売却後のあなたの責任範囲を決定します。
内容を曖昧にしたまま判を押すのは絶対にNGです。
契約書には、物件の引き渡し日だけでなく、「契約不適合責任(隠れた欠陥に対する責任)」の期間や範囲が詳しく書かれています。
例えば、雨漏りやシロアリ被害について「どの程度の期間、修理費用を負担するのか」を正確に把握していないと、引き渡しから数ヶ月後に突然多額の請求が届き、パニックになってしまう恐れがあります。
また、契約書には「特約」としてその取引独自のルールが追加されていることがあります。 「庭の物置は撤去して引き渡す」「エアコンは現状有姿(壊れていても直さない)で渡す」といった細かな取り決めが特約に記載されている場合、これを見落として準備を怠ると、引き渡し当日に「契約内容と違う」として最悪の場合は違約金の支払いを求められることにもなりかねません。
2.契約締結後に、個人の都合で契約内容の変更を申し出る
売買契約書に署名・捺印をした後は、記載されたすべての条件が「確定事項」となります。
契約が終わった後に「やっぱりこうしてほしい」という変更を安易に申し出るのは、重大なマナー違反であり契約違反を問われるリスクもあります。
最も多いトラブルが、「新居の完成が遅れたから、引き渡しを2週間延ばしてほしい」といったスケジュールの変更です。
買主は、契約書に記された引き渡し日に合わせて現在の住まいの解約、引っ越し業者の手配、住宅ローンの実行、転校の手続きなどをすべて分刻みで進めています。
売主側の一方的な都合で日程を動かそうとすると、買主の生活基盤を破壊することになり、損害賠償を請求される事態に発展しかねません。
3.個人の都合で安易に売買契約を破棄する
売買契約を結んだ後に、「やっぱり売るのが惜しくなった」「もっと高く買ってくれる別の人が現れた」といった売主側の個人的な都合で契約を白紙に戻すことは絶対に避けるべきです。
一度正式に契約を交わすと、そこには法的な拘束力が発生するため身勝手なキャンセルは多大な金銭的ペナルティを招きます。
契約から一定期間内であれば、契約を解除すること自体は可能ですが、その場合は買主から受け取った「手付金」をそのまま返すだけでなく、同額の違約金を支払う「手付倍返し」が必要になるため、2倍の金額を支払うことになります。
4. 物件の状態を契約時と変えてしまう
「もう売却が決まったから」と、庭の木を勝手に切り倒したり、備え付けのエアコンを黙って外して持っていったりするのはNGです。
買主は、内覧時や契約時の「今の状態」を前提に購入を決めています。
契約書に記載のない備品を撤去したり、勝手にリフォームや修繕を行ったりすると、契約内容との相違(契約違反)を問われる可能性があります。
もし、撤去したいものや修理が必要になった箇所がある場合は、必ず事前に不動産会社を通じて買主に相談し同意を得る必要があります。
5.引っ越しの準備を後回しにする
「引き渡し日までに間に合えばいい」と、引っ越し準備をギリギリまで放置するのは非常に危険です。
引き渡し日には、現状渡しの場合以外は、部屋の中を完全に空にしておく必要があります。万が一、引っ越しが間に合わず、引き渡し日に荷物が残っていると、買主が入居できず「引き渡し遅延」という契約違反になります。
これにより、買主が手配していた引っ越し業者のキャンセル料や、一時的な宿泊費を請求されるなどのトラブルを招く恐れがあります。
余裕を持ってスケジュールを組み、早めに荷造りを進めましょう。
6.利用できる税金控除を調べないまま納税をする
家の売却によって利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税や住民税が課税されます。
しかし、不動産売却には多くの「特例(控除)」が用意されており、これを知らずにそのまま納税してしまうと、本来払わなくてよいはずの数百万円という大金を失うことになります。
不動産売却時には、以下のような特例(控除)が適用になります。
3,000万円特別控除
マイホームを売却した場合、所有期間に関わらず、売却益から最大3,000万円まで差し引ける特例があります。
これを利用すれば、多くのケースで税金がゼロになります。
しかし、特例には適用条件があるため、詳しく知りたい方は、国税庁ホームページ「No.3302 マイホームを売ったときの特例」を参考にしてください。
特定の居住用財産の買換え特例
新居への住み替えで利益が出た場合に利用を検討するのが「特定の居住用財産の買換え特例」です。
これは、一定の条件を満たせば「今回の売却でかかる税金を、将来その買い換えた家を売る時まで先送りにできる(繰り延べ)」という制度です。
詳しくは、国税庁ホームページ「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」を参考にしてください。
10年超所有の軽減税率
マイホームを10年以上所有している場合、さらに税率が低くなる特例があります。
これは「3,000万円特別控除」と併用できるため、利益が大きい場合には絶大な節税効果を発揮します。
詳しくは、こちらの国税庁ホームページ「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を参考にしてください。
取得費加算の特例
相続した不動産を売却する際、多くの人が直面するのが「相続税も払ったのに、売却益にも所得税がかかる」という二重の負担感です。
これを軽減してくれるのが「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(取得費加算の特例)」です。
詳しく知りたい方は、国税庁ホームページ「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を参考にしてください。
「売却損」が出た場合も控除がある
「家が安く売れて損をしたから、税金は関係ない」と考えるのもNGです。
マイホーム売却で損が出た場合、その損を他の給与所得などから差し引いて、所得税を安くできる「損益通算」という特例があります。
これも申告しなければ受けられず、還付されるはずのお金を受け取り損ねることになります。
詳しく知りたい方は、国税庁ホームページの以下のページを参考にしてください。
- No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
- No.3392 「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の対象となる「譲渡資産」及び「特定譲渡」とは
7.売却後の「確定申告」を忘れる・怠る
「不動産会社に仲介してもらったから、手続きは全部終わった」「利益が出ていないから申告は不要だろう」という思い込みは非常に危険です。
不動産を売却した翌年には、必ず確定申告の要否を確認し、必要な手続きを行わなければなりません。
これを怠ると、大きな金銭的損害を被るだけでなく、税務署からのペナルティを受けることになります。
これまで紹介した「3,000万円特別控除」や「10年超所有の軽減税率」などは、すべて「確定申告をすること」が適用の絶対条件です。
たとえ計算上は税金がゼロ(非課税)になるケースであっても、申告を忘れた瞬間に特例を受ける権利を失い、本来払わなくてよかったはずの多額の譲渡所得税を請求されることになります。
また、税務署は登記情報などから不動産の売却を把握しています。
申告期限(売却した翌年の3月15日)を過ぎても放置していると、税務署からお尋ねが届き、本来の税金に加えて「無申告加算税」や「延滞税」という重い罰則金が上乗せされます。
そのため、確定申告を怠ったり忘れないように注意しましょう。
家の売却で後悔しないためには正しいパートナー選びが重要

家の売却における「やってはいけないこと」を28項目にわたって解説してきました。
2026年の不動産市場は、金利の上昇や新しい登記ルール、省エネ性能の重視など、これまでの常識が通用しない複雑な局面を迎えています。
多くの項目があり不安に感じられたかもしれませんが、これらすべての根底にある「最大の失敗」は「知識不足のまま、一社の言いなりになって進めてしまうこと」です。
不動産売却を成功させるためには、自分の家の適正な価値を知り、信頼できるパートナー(不動産会社)を見つけるようにしましょう。
「まずはいくらで売れるのか知りたい」「信頼できる会社に相談したい」とお考えなら、株式会社じげんが運営する「イエイ」の一括査定がおすすめです。
厳選された全国の優良不動産会社の中から、あなたの物件に最適な会社を最大6社までピックアップでき、ネットで簡単に無料で査定依頼が完了します。
複数社を比較することで、「やってはいけないこと」を回避し、最高の結果を引き出す準備が整います。
大切な資産である家を最高条件で売却するために、まずは一括査定から一歩を踏み出してみませんか?




無料一括査定はこちら


