この記事でわかること
相続などがきっかけで空き家を所有しているけど「売却するのも大変そう」と思い、売却に踏み込めない方もいるのではないでしょうか。
しかし、空き家を放置すると、維持管理に苦労したり、使っていないのに税金を支払い続けることになったりするなど、あなた自身や家族の大きな負担となってしまいます。
さらに、近隣トラブルや法改正による罰則など、予期せぬリスクに見舞われることも少なくありません。
こうした負担や将来のリスクを軽減するためにも、できるだけ早めに空き家を売却することをおすすめします。
本記事では、空き家の売却方法や売却時にかかる費用・税金、税制優遇制度、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説します。
空き家売却の基本的な知識をしっかりと理解し、売却を前向きに検討していきましょう。
この記事の目次
空き家問題の現状と売却の必要性
日本国内における空き家の数は年々増加傾向にあり、社会的な問題として広く取り上げられています。
空き家の売却を検討する前に、まずは日本が抱える空き家問題の現状を正しく把握しておきましょう。
以下は、2024年4月に総務省が公表した、1978年から2023年にかけての空き家の推移を表したグラフです。

出典:「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果 」-総務省
この調査結果によると、2023年の空き家数は900万戸に達し、過去最多を記録していることが判明しました。
これは、30年前である1993年と比較すると約2倍も増加している計算になります。
こうした現状を受け、国や自治体では空き家の増加を防止する取り組みや法規制を急速に強化しています。
特に2024年4月からは「相続登記の義務化」がスタートし、正当な理由なく名義変更の手続きを怠った場合には10万円以下の過料が科されるようになりました。
もはや空き家は、ただ持っているだけで不利益を被る時代になっているため、早期の売却手続きが必要とされています。
相続登記とは?義務化で罰金10万円!?自分でやる手順と費用を徹底解説
空き家を売却せず放置するリスク

先述のとおり、近年空き家は全国的に増加しており、国全体としても深刻な問題として取り上げられています。
活用する予定がないにもかかわらず、空き家を売却せずに放置し続けると、経済的・法的にさまざまなリスクが生じます。
具体的には、以下のような点が挙げられます。
・固定資産税を支払い続けなくてはならない
・固定資産税の軽減措置が受けられなくなる
・近隣住戸に迷惑をかける可能性がある
・不法侵入など犯罪のリスクが高まる
・資産価値が下がる
特に注意したいのが、固定資産税の大幅な増額リスクです。
適切な管理が行われていない空き家は、自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定される可能性があります。
指定を受けて勧告がなされると、それまで適用されていた土地の固定資産税を最大6分の1に減額する軽減措置(住宅用地の特例)が解除され、税負担が実質最大6倍に跳ね上がってしまいます。
また、空き家を放置することで、自分だけが大きな負担を抱えるだけでなく、倒壊や害獣の発生などによって周囲の人たちにも迷惑をかけてしまう可能性もあります。
こうしたリスクを防ぐためにも、活用予定のない空き家を所有した場合は、速やかに売却手続きを進めるようにしましょう。
空き家を売却するメリット
空き家を早期に売却することによって、放置に伴うさまざまなリスクやストレスを一挙に解消することができます。
具体的なメリットについて、事前にしっかりと把握しておきましょう。
主な売却メリットとしては、以下の3点が挙げられます。
・経済的な維持コストを完全にゼロにできる
・管理の手間や近隣からのクレームの不安から解放される
・現金化することで、親族間での遺産分割がスムーズになる
空き家を所有していると、毎年の固定資産税の支払いだけでなく、定期的な換気や草刈りのための交通費、修繕費といったコストが永続的にかかります。
売却して手放してしまえば、これらの出費や管理の義務は一切なくなります。
また、不動産のままでは分けにくい遺産も、売却して現金化することで、兄弟姉妹間で1円単位まで平等に分配できるようになり、親族間の不要なトラブルを未然に防ぐことが可能です。
空き家を売却する5つの方法

空き家を売却するための方法は5つあります。
空き家の構造や状態、立地条件、さらには「価格」と「スピード」のどちらを重視するかによって最適な売却方法が変わるので、ご自身の物件にはどの方法が適しているか考えてみましょう。
手を加えずに「古家付き土地」として売却する
解体やリフォームなどは行わず、そのままの状態で売却する方法です。
一般的に、次のとおりに築年数を目安として、売り出し方の名目を検討します。
・築20年以内:中古戸建て
・築20年以上:古家付き土地
日本の木造戸建住宅は築20年を超えると建物としての価値がほぼゼロになるといわれています。
そのため、ある程度築年数が経過している場合は、建物が残っていても「古家付き土地」として、主に土地を探している買主に向けて売り出します。
手を加えずに売却するケースでは、売主側で建物の解体費用を用意する必要がなく、売却が決まるまでの間も固定資産税の軽減措置が維持されるため、手間と初期費用を最小限に抑えて売却が可能です。
少しでも安く戸建てを購入して自分好みにリフォームしたいという買主のニーズにも合致する売却方法です。
解体して更地にしてから売却する
空き家をあらかじめ取り壊し、土地のみの「更地」として売却する方法です。
そのまま売り出すよりも、建物を無くして土地の形を明確にしたほうが、早期に買主が現れる可能性の高いケースにおいておすすめです。
例えば、築年数が非常に古く、雨漏りや壁紙の剥がれなど、建物の状態が著しく悪い空き家の場合は、購入希望者が内見した際に悪い印象を抱きやすく、なかなか購入に至りません。
あらかじめ更地にしておくことで、買主側は購入後の解体の手間や費用負担を心配する必要がなくなり、新築一戸建てを建てたいと考えている購入希望者の購買意欲を強く掻き立てることにつながります。
土地の境界や土壌の状態も確認しやすくなるため、取引がスムーズに進みやすい点もメリットです。
ただし、更地にするためにはまとまった解体費用が必要になるほか、売却が長期化して年をまたいでしまうと、固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、税金が高くなってしまう点には注意が必要です。
リフォームしてから売却する
壁紙や床の張り替え、水回りの交換など、室内を綺麗にリフォームしてから売却するという方法です。
築年数が古い住宅でも、設備が新しく綺麗な状態になっていれば、購入希望者が内覧した際に良い印象を抱くことがあります。
買主側にとっては、購入後にそのまま住み始めることができるため、購入にかかるハードルや手間を大幅に下げることができます。
売却する際は、かかったリフォーム費用を販売価格に上乗せして売り出すことも可能です。
しかし、市場の需要や立地条件によっては、リフォーム費用を全額価格に上乗せして売却することができないこともあります。
その場合、持ち出したリフォーム費用は売主の自己負担となってしまい、最終的な売却利益が減ってしまうリスクがあります。
また、リフォームの工事期間中は売却活動をすることができませんので、余裕を持ったスケジュールを組み立てると良いでしょう。
不動産会社に買取してもらう
市場で一般の買主を探すのではなく、不動産会社に直接買主になってもらい、物件を買い取ってもらう方法です。
空き家をとにかく早く現金化したい、手放したいという場合に最もおすすめな選択肢です。
買取を依頼する場合は、購入希望者を探すための広告活動や内覧対応を行う必要が一切ないため、最短1週間〜2ヵ月程度で売却手続きを完了させることができます。
さらに、不動産会社との直接取引となるため、仲介手数料がかからないという特徴もあります。
売却後は不動産会社が自己負担で解体やリフォームを行うため、室内の家具やゴミを残したままの「現状有姿」で引き渡すことができます。
ただし、不動産会社は再販にかかるコストやリスクを差し引いて買い取るため、売却価格が市場相場の7割から8割程度と安くなってしまうデメリットがあります。
空き家バンクなど不動産マッチングサイトで売却する
インターネット上のマッチングサイトを利用し、売主が自ら空き家の情報や希望価格などの条件を掲載して、個人間で売買相手を探す方法です。
自治体が運営している「空き家バンク(※)」がこちらに該当します。
空き家バンクをはじめとするマッチングサイトでは、一般的な不動産会社では取り扱ってもらえないような、市場価値の低い過疎地の物件や極めて古い空き家でも掲載が可能です。
費用を抑えて探している買主や、地方移住を希望するユーザーに見つけてもらうチャンスが高まります。
ただし、買主からの直接の問い合わせ対応、内覧の段取り、さらには契約書の作成や法的な手続きの多くをご自身、または専門家を探して進める必要があるため、不動産取引の専門的な知識がない方には難易度が高く、取引後のトラブルリスクも高まる点には留意してください。
|
※空き家バンクとは |
売却にかかる費用と税金

空き家の売却時には、売却代金がそのまま手元に残るだけではなく、さまざまな諸経費や国に納める税金が発生します。
あらかじめ売却にかかる費用を正しく把握し、最終的な「手残り額」を計算できるようにしておきましょう。
仲介手数料(買取を除く)
仲介手数料とは、不動産会社による媒介によって売買契約が成立した際、その報酬として不動産会社に対して支払う費用のことです。
不動産仲介会社に依頼して一般の買主に売却した場合のみ発生し、不動産会社による直接買取や、ご自身で見つけた相手との個人売買の際には発生しません。
仲介手数料の上限額は、宅地建物取引業法によって次の速算式のとおりに定められています。
| 売買金額 | 仲介手数料の上限 |
|---|---|
| 200万円以下 | 売買金額×5%+消費税 |
| 200~400万円以下 | 売買金額×4%+2万円+消費税 |
| 400万円以上 | 売買金額×3%+6万円+消費税 |
例えば、仲介会社を通じて空き家を1,000万円で売却した場合の仲介手数料の上限は、以下のように求めます。
| 1,000万円×3%+6万円=360,000円 消費税を足して、396,000円 |
なお、仲介手数料は売買契約締結時に半金、物件の引き渡し完了時に残りの半金を支払うのが一般的です。
解体費用(更地にする場合)
空き家を解体し、更地にしてから売却を行う場合には、建物を取り壊すための解体費用がかかります。
一般的な木造住宅の場合、解体費用の相場は1坪あたり約3万~5万円程度です。
例えば、30坪の空き家の場合、解体費用の総額は約90万〜150万円程度が目安となります。
建物の構造によっても坪単価は異なり、RC造(鉄筋コンクリート)や鉄骨造の建物は、木造住宅に比べて解体に手間がかかるため費用が高くなる傾向があります。
また、建物の大きさや立地、解体業者によっても価格が変動します。
庭木・庭石の撤去、古いブロック塀やフェンスの処分が必要な場合は、これらが付帯工事費用として別途加算される点に注意してください。
国に納める税金
不動産を手放す際には、取引の過程でさまざまな税金が発生します。
空き家売却において支払いが生じるのは、主に「譲渡所得税」「登録免許税」「印紙税」の3種類です。
それぞれの概要をしっかり押さえておきましょう。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、空き家を売却したことによって得られた「譲渡所得(利益)」に対して課される税金(所得税・住民税・復興特別所得税)のことです。
売却価格から、その物件を購入した当時の代金(取得費)と売却にかかった費用(仲介手数料)を差し引いてもなお利益が残る場合のみ課税されます。
譲渡所得税の税率は、対象となる不動産の保有期間によって次のとおりに変動します。
| 税金の種類 | 保有期間5年以下 (短期譲渡所得) |
保有期間5年以上 (長期譲渡所得) |
|---|---|---|
| 所得税 | 30% | 15% |
| 住民税 | 9% | 5% |
| 復興特別所得税 | 0.63% | 0.315% |
| 合計 | 39.63% | 20.315% |
相続によって取得した空き家の場合、所有期間は亡くなった親(被相続人)がその家を購入して所有していた期間をそのまま引き継ぐことができます。
親が5年以上所有していた実家であれば、相続後すぐに売却しても税率の低い「長期譲渡所得」が適用されます。
登録免許税
登録免許税とは、不動産の登記情報を書き換える名義変更の際に課される税金です。
相続した空き家を売却する前には、必ず被相続人からあなたへ名義変更(相続登記)を行う必要があり、その際に登録免許税が徴収されます。
相続登記にかかる登録免許税は、次の計算で求めることができます。
|
登録免許税=固定資産税評価額×0.4% ※固定資産税評価額は、毎年4月頃に送られる固定資産税の納税通知書や、市区町村の役場で取得できる「固定資産評価証明書」で確認が可能。 |
登記手続きを司法書士に依頼する場合、上記の登録免許税とは別に、司法書士への報酬(相場として約3万~12万円程度)が発生します。
印紙税
印紙税とは、売買契約書などの課税文書を作成する際に、書類そのものに対して課される税金です。
売買契約書に記載される金額によって税額が異なり、税額分の収入印紙を契約書に貼り付けて消印することで納税を行います。
詳しい税額については、以下の表のとおりです。
| 売買金額 | 印紙税額 (軽減税率適用) |
|---|---|
| 10万~50万円以下 | 200円 |
| 50万~100万円以下 | 500円 |
| 100万~500万円以下 | 1000円 |
| 500万~1000万円以下 | 5000円 |
| 1000万~5000万円以下 | 1万円 |
| 5000万~1億円以下 | 3万円 |
2027年3月31日までに作成される売買契約書については、上記表に記載のある「軽減税率」が適用されます。
通常、契約書は売主用と買主用で2部作成されるため、それぞれが1部ずつ分の印紙税を負担します。
売却時に活用できる税制優遇・補助金制度

空き家の売却では、高額になりがちな譲渡所得税や解体費用を大幅に抑えるための公的な特例や補助金制度が用意されています。
これらを賢く活用して、手元に残る金額を最大化しましょう。
相続空き家の3,000万円特別控除
相続した実家(空き家)を売却して譲渡所得(利益)が発生した場合、一定条件を満たすことで、譲渡所得から最大3,000万円までを控除できる制度です。
この特例が適用されれば、多くのケースで譲渡所得税を0円に抑えることができます。
主な適用要件としては、以下の項目が挙げられます。
|
・1981年5月31日以前(旧耐震基準)に建築された建物 ※2024年1月1日以降の譲渡より、売却時に耐震性がなくても「売却後に買主が耐震改修または解体を行う場合」も適用対象となりました。 |
非常に大きな節税効果がありますので、要件を満たしている場合は必ず確定申告時に申請を行いましょう。
参考:「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」-国税庁
相続税の取得費加算の特例
相続や遺贈により取得した土地や建物などの財産を、相続税の申告期限の翌日から3年(相続開始から3年10ヵ月)以内に売却した場合に利用できる特例です。
自分が納めた相続税額のうち、売却した不動産に対する一定額を「取得費」に上乗せして加算することができます。
取得費が増えることで、課税対象となる譲渡所得(利益)を低く抑えることができるため、譲渡所得税の節税につながります。
前述の「相続空き家の3,000万円特別控除」とは併用ができないため、どちらの特例を選択した方が有利になるか、不動産会社や税理士などの専門家にシミュレーションしてもらうことをおすすめします。
参考:「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」-国税庁
10年超所有軽減税率の特例
売却した年の1月1日時点において、所有期間が10年を超えているマイホーム(過去に住んでいた実家など)を売却する場合に、長期譲渡所得の税率を通常よりも抑えて計算できる制度です。
通常、5年超の長期譲渡所得の税率は20.315%ですが、この特例が適用されると、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分についての税率が14.21%(所得税10%・住民税4%・復興特別所得税0.21%)まで軽減されます。
相続した空き家であっても、親の居住・所有期間を合わせて10年を超えており、住まなくなってから3年目の年の12月31日までに売却するなどの要件を満たせば利用可能です。
参考:「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」-国税庁
解体費用の補助金
自治体によっては、地域の安全確保や景観維持を目的に、老朽化した空き家を取り壊す売主に対して解体工事費用の一部を補助する制度を設けている場合があります。
例えば、長野県上田市では、一定の条件が満たされている空き家について、解体工事にかかる費用の2分の1(上限50万円)が補助金として交付されます。
出典:「老朽危険空家解体・利活用事業補助金について」-上田市ホームページ
こうした補助金制度の有無、助成される条件や金額、申請のタイミングは自治体によって異なります。
無駄な支出を抑えるためにも、解体に着手する前に必ず空き家がある市区町村の役所窓口や公式ウェブサイトで確認してください。
空き家売却で失敗しないための7つのポイント

空き家の取引は、通常の住み替えによる売却とは異なり、権利関係や建物の劣化状況など特有のトラブルが発生しやすい傾向があります。
効率良く進めるための7つの重要ポイントを押さえておきましょう。
①名義変更(相続登記)は真っ先に完了させる
相続した空き家を売却する場合、売却活動を開始する前に名義変更の手続き(相続登記)が完了しているかを必ず法務局や登記事項証明書で確認しましょう。
法律上、不動産を売却できるのは「登記簿上の所有者」として登録されている本人のみです。
名義人が亡くなった親のままでは、どれだけ良い買主が現れても売買契約や引き渡しを行うことができません。
親族間で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書や印鑑証明書を揃えて、真っ先に所有権移転登記を司法書士へ依頼しましょう。
先述のとおり、放置すると罰則の対象にもなります。
②空き家の状態を事前に確認する
売り出しを始める前には、土地の境界や、建物・設備に不具合がないか、状態を確認しましょう。
空き家の状態を事前に確認しておくことで、購入希望者に対して「どこを修繕する必要があるか」を説明できるようになります。
万が一、欠陥や不具合を隠したまま、あるいは気づかないまま一般の買主に売却してしまうと、引き渡し後に「契約不適合責任(※1)」を追及され、多額の修繕費用請求や契約解除を求められる法的なトラブルに発展する恐れがあります。
また、空き家の状態が著しく悪く、現状の管理状況では倒壊などの危険性があると判断される場合、「特定空き家(※2)」になる可能性があります。
特定空き家となった場合は、更地にしてから売却することを検討しましょう。
|
※1:契約不適合責任とは 例えば、買主が売主から建物を購入した後で、建物が傾いているなどの不具合が見つかったとします。 こうした不具合が売買契約書に記載されておらず、買主も了承していなかった場合、買主は売主に対して損害賠償の請求や契約の解除を求めることができます。 ※2:特定空き家とは |
③解体するかどうかは専門家に相談する
「古い家だから更地にした方が売りやすいだろう」と、自己判断でいきなり解体業者へ発注するのは絶対に避けてください。
まずは不動産会社に相談して判断することをおすすめします。
確かに更地にした方が買主は見つかりやすくなりますが、一度更地にしてしまうと「住宅用地の特例措置(固定資産税の軽減措置)」から外れ、その土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がってしまいます。
もし更地にした後、年をまたいでも売れ残ってしまった場合、莫大な税金負担があなたにのしかかります。
最近では「古い物件を安く購入して、自分好みにリノベーションしたい」と考えている方も増えているため、建物が残った状態のままでも十分に売却できる可能性があります。
④売却スケジュールを立てておく
空き家の売却活動は、通常の駅近マンションや築浅の一戸建て取引よりも買主が見つかりにくく、手続きに時間を要することが多いため、初めから長期戦になることを覚悟してスケジュールを立てましょう。
一般的な戸建ての売却期間は3〜6ヵ月程度ですが、地方や郊外にある古い空き家の場合は、1年以上買い手がつかないケースも珍しくありません。
維持費がかかるからと焦って値下げを繰り返さないためにも、期間に余裕を持った資金計画を立てましょう。
どうしても「今すぐ手放したい」という場合には、仲介ではなく最短1週間前後で手続きが完了する「買取」を選択肢に加えるのが賢明です。
放置空き家を【買取】で現金化!初めてでも安心な相場・売却のコツ・業者選びの全ガイド
⑤売り出し価格は相場より高めに設定する
少しでも高く売りたい、金額を最重要視したいと考えて仲介での売却を選ぶ場合は、実際の希望成約価格よりも「気持ち高め」の強気の価格に設定しておきましょう。
中古一戸建てや土地の売買市場では、購入を希望する買主からほぼ確実に値下げ交渉をされるケースが多いです。
そのため、最初から限界の安値で売り出してしまうと、値下げ交渉に応じる余力がなくなり、せっかくの取引チャンスを逃してしまいかねません。
あらかじめ売り出し価格を高めに設定しておくことで、買主の要望にも柔軟に応じやすくなり、結果として理想に近い金額での成約に至りやすくなります。
⑥残置物の処分は自分で行いコストを削る
空き家の中に残されたままになっている古い家具、家電、生活用品などの「残置物」は、できる限り売主ご自身の整理・分別によって処分を行い、売却コストを削減しましょう。
残置物が大量に残ったままだと、内見に来た購入希望者に「狭い」「汚い」といったマイナスの印象を与えてしまい、購買意欲を低下させます。
これらをすべて業者に丸投げして処分してもらうことも可能ですが、一軒家丸ごとの片付けを依頼すると数十万~数百万円の高額な費用が請求されることがあります。
自分で自治体のゴミ回収やクリーンセンターへ持ち込める小物は少しずつ処分し、業者に頼む分を最小限に抑えるのが節約の大きなポイントです。
空き家売却時に片付けは必要?費用や効率良く進める方法を紹介!
⑦空き家に強い「誠実な担当者」を複数比較で選ぶ
空き家売却の成否を分ける最も重要な鍵は、依頼する「不動産会社の担当者の質」にあります。
会社の規模だけで選ぶのではなく、複数の会社に査定を依頼し、対応をじっくり比較して選びましょう。
不動産会社の中には、新築一戸建ての仲介や都市部マンションの取り扱いばかりが得意で、地方の古い空き家の売却ノウハウや税務知識をほとんど持っていない営業担当者も多く存在します。
当サイトが不動産売却経験者に対して行ったアンケート調査(※)でも、会社選びの最大の決め手として「査定額の高さ」以上に「担当者の誠実さや空き家に関する専門知識の豊富さ」を挙げる声が圧倒的でした。
市場相場を無視した根拠のない高額査定を提示して契約を迫る業者を避け、地域の特性を理解し、実務上のリスクを丁寧に説明してくれるパートナーを見つけることが成功への最大の近道です。
※出典:不動産売却の実態調査|経験者12人の本音から見えた会社選びの決め手や後悔しないための準備
複数の不動産会社に査定を依頼する際は、不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。
当サイトが提供する「イエイ」では、物件情報等を入力するだけで全国1,700社以上の優良業者を比較することができます。
「どこの不動産会社に売却を依頼しよう」とお悩みの方は、ぜひ活用してみてくださいね。
空き家売却の5つのステップ
不動産会社への最初の相談から、物件の引き渡し、その後の税金手続きが完了するまでの一連の大まかな流れを5つのステップで把握しておきましょう。
空き家の売却は、次の流れで進められるのが一般的です。

Step1:査定依頼・不動産会社選び
まずはご自身の空き家が市場でいくらで売れるのか、相場を把握するために不動産会社へ査定の依頼を出すことからスタートします。
物件の基本情報を入力し、複数の会社から「机上査定」や「訪問査定」の結果を取り寄せ、提案内容や担当者の対応の誠実さを比較して、信頼できる1社を厳選します。
不動産売却時の査定で損をしない!流れや見られるポイント・おすすめサイト5選を解説
Step2:媒介契約を締結
売却を依頼する不動産会社が決定したら、売主と不動産会社の間で「媒介契約」を正式に締結します。
媒介契約には、複数の会社に同時に依頼できる「一般媒介契約」、1社のみに絞ってじっくり取り組む「専任媒介契約」などの種類があります。
販売活動の報告義務や特徴を比較し、ご自身のスケジュールに合った契約形態を選びましょう。
不動産の媒介契約とは?種類の違い・選び方・後悔しない会社選びを徹底解説
Step3:物件情報の提供と売却活動
媒介契約を結んだ不動産会社が、レインズ(不動産流通標準情報システム)への登録や、各種ポータルサイトへの物件情報の掲載、チラシの配布などの本格的な販売活動を開始します。
購入希望者から問い合わせが入ったら、実際に現地や室内を案内する「内覧(現地見学)」が行われますので、不動産会社と連携して敷地内を綺麗に保っておきましょう。
Step4:売買契約の締結・物件引き渡し
買主との間で売却価格や引き渡し時期などの条件合意に至ったら、重要事項説明を経て、正式に「不動産売買契約」を締結します。
当日は買主から手付金を受領し、仲介手数料の半金を不動産会社へ支払うのが一般的です。
その後、買主のローン審査期間を経て、残代金の決済、司法書士による所有権移転登記手続き、鍵の引き渡しを行い、売買の手続き自体はすべて完了となります。
Step5:確定申告の準備
空き家を売却した翌年の2月16日〜3月15日の期間中に、必ず税務署にて「確定申告」を行うための準備を進めておきます。
売却によって譲渡所得(利益)が出た方はもちろんのこと、先述した「相続空き家の3,000万円特別控除」などの税制優遇制度を適用する場合も、確定申告は必須となります。
売買契約書や諸経費の領収書、自治体から取得する確認書などの必要書類を大切に保管しておきましょう。
空き家売却のよくある質問

空き家の処分を進めるにあたって、多くの方が疑問に感じるポイントをまとめました。
事前に不安な点をクリアにしておけば、実際の売却手続きも迷わずスムーズに進められます。
田舎の空き家は売却できませんか?
田舎や過疎地にある古い空き家であっても、売却することは十分に可能です。
ただし、都市部の物件に比べると需要が少ないため、通常の仲介売買では購入希望者が見つかるまでに長い期間を要したり、思うような価格がつかなかったりするケースがあるのは事実です。
また、「隣地との境界線が不明確である」「法律上の制限(再建築不可)がある」といった条件が重なると、さらに難易度が上がります。
一般の買主が見つかりにくい場合は、空き家バンクへの登録や、訳あり物件の再生ノウハウを持っている専門の不動産会社による買取を査定時に相談してみるとよいでしょう。
売却費用を節約できますか?
いくつかのポイントを意識することで、売却した際にかかる費用を節約することができます。
最も効率的なのは、事前の無駄なリフォームを行わないこと、そして室内の家具やゴミといった不用品の片付け・処分を可能な限りご自身やご家族の手で行うことです。
これだけでも業者への外注費を数十万円単位でカットできます。
また、「相続空き家の3,000万円特別控除」などの特例や控除を用いることで、税金を節約することが可能です。
どのタイミングで空き家を売却すればいいですか?
親が亡くなって相続が発生した、あるいは実家が空き家になった段階のタイミングが最適な時期です。
空き家は放置すればするほど、建物の老朽化が進んで資産価値が下落するだけでなく、毎年の固定資産税の支払いや定期的な草刈りなどの維持管理コストが蓄積し続けます。
さらに、国が設けている「相続空き家の3,000万円特別控除」などの減税特例の多くには、相続開始から3年が経過した年の12月末までという厳格な有効期限が設定されているため、タイミングを逃すと大損をしてしまう恐れがあります。
空き家の売却相場を調べることはできますか?
インターネット上に公開されている公的なデータベースや不動産情報ポータルサイトを活用することで、ご自身でおおよその売却相場を調べることが可能です。
主なリサーチ手段としては、次の3つのサイトが挙げられます。
| サイト名 | サイト概要 | 売却相場の調べ方 |
|---|---|---|
|
REINS Market Information |
国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営している不動産情報サイトです。 過去の成約事例を閲覧することができます。 |
①「一戸建て」か「マンション」か物件の種別を選択。 ②地域名、間取りなどの条件を入力。 ③直近1年間の取引価格の確認が可能。 |
| 不動産ポータルサイト (SUUMOやHOME’Sなど) |
現在、市場で実際に売り出し中になっている物件情報が掲載されているサイトです。 | ①空き家のあるエリア、築年数、物件の種別を検索。 (例:東京都品川区・築20年・一戸建てなど) ②該当エリアの売り出し価格の確認が可能。 【注意】掲載されている金額は「希望売り出し価格」であるため、実際の成約時には値引き交渉等によってこれより低い金額で取引されるケースが多いです。 |
| 空き家バンク | 各自治体が運営している空き家のマッチングサイトです。 | ①空き家のあるエリアの空き家バンクにアクセスし、空き家の売り出し情報を検索。 ②近隣の空き家の平均価格を調べることが可能。 |
これらのサイトを活用しながら空き家の売却相場を把握しましょう。
詳しい調べ方については、以下の記事で紹介しているのでこちらも参考にしてみてくださいね。
空き家の売却をどこに依頼するかお悩みなら「イエイ」にお任せ!

本記事では、空き家を売却するための5つの具体的な方法や手順、売却時あるいは引き渡し後に発生する費用や税金、そして損をしないために知っておくべき重要な注意点について詳しく解説してきました。
空き家の売却手続きを成功させるための第一歩は、ご自身の物件の正確な市場価値を知る「査定」からはじまります。
手を加えずに現状のまま古家付き土地として仲介に出すのがベストなのか、あるいは不動産会社に買い取ってもらうべきなのか、適切な判断を下すためにも、まずはプロの視点による複数の査定結果を比較することが不可欠です。
当サイトが提供する不動産一括査定サービス「イエイ」では、全国1,700社以上の優良業者の中から、あなたの空き家がある地域や戸建て取引の実績が豊富な会社を最大6社までマッチングし、まとめて査定結果を比較することができます。
「古い実家だから売れるか心配」「強引な営業電話をかけられたら嫌だ」とお悩みの方もご安心ください。
「イエイ」では、万が一お断りしたい業者がいた場合、あなたの代わりに専門スタッフがサポートするシステムも完備しています。
ぜひ「イエイ」の一括査定サービスを活用し、あなたの空き家を最も高く、安心して任せられるパートナーを見つけて、最善の選択をしましょう。





無料一括査定はこちら


