マンションを売却するときは、不動産仲介手数料、リフォーム代、引っ越し代などさまざまなお金が別途かかることがあるので注意が必要です。一方で、戻ってくるお金もあります。売却時にお金が思ったより残らなかったということにならないためにも、前もって売却時にどんな費用がかかる可能性があるのか詳しく見ていきましょう。

不動産会社に支払う仲介手数料をチェック!

マンションを売却するときには、ほとんどの場合仲介する不動産会社へ対して売却成立時に仲介手数料を支払う必要があります。売却価格によって仲介手数料の金額が変わりますので、基本的な部分は覚えておくとよいでしょう。

売却が成立したら不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります

不動産会社が得られる仲介手数料の上限は、宅建業法で定められています。「売却価格×3%+6万円×消費税」です。これ以上の仲介手数料を不動産会社から求められることはありません。そのため、事前に計算するとどれくらいの仲介手数料が必要になるのかがわかります。たとえば、3,000万円で売却したマンションであれば、仲介手数料は103万6,800円です。また、売却価格が200万円以下であれば「売却価格×5%+消費税」です。

また、購入時に仲介手数料を支払っていても、売却時にも仲介手数料はかかります。しかし、これらの仲介手数料の計算方法は、あくまでも法律で決められた上限であることに注目です。不動産会社によっては、この金額より安い仲介手数料で済む場合もあります。

また、仲介手数料はマンション売却時の費用としては大きいものなので、状況に応じて不動産業者の直接買取を検討してもよいでしょう。物件売却価格は仲介よりも低く抑えられる可能性が高いですが、買取の場合には仲介手数料を支払う必要がありません。すぐに売却しなければならないときなどは、買取を利用してもよいでしょう。

売却益が出たら譲渡所得申告を!自宅マンションであれば控除を活用!

マンションの売却価格は数千万円になることもあり、売却後に税金をたくさん納めなければならないのかと心配になることもあります。

売却益が出たら譲渡所得申請を!

確かに、売却したタイミングや実際に売却益が出たときには、最大で40%ほど売却価格に課税される可能性があります。その場合には、マンションを売却した次の年の確定申告で譲渡所得税を納めなければなりません。しかし、このようなケースはまれで、譲渡所得税のもとである所得税や住民税は相当の売却益が出ない限り、課税されることはないでしょう。

自宅マンションを売却するときは、「居住用住宅の特別控除」が利用できます。この制度は、仮にマンションを売却したときに売却益が発生したとしても、3,000万円までの売却益に対して特別控除が適用されるので、税金を納める必要はありません。そのため、自宅マンションの場合、1,000万円の利益が出ても2,000万円の利益であっても、税金は納めなくてもよいのです。

また、税金がかかるか・かからないかを判断する簡単な目安としては、購入したマンションの価格よりも安い価格で売却したときには、税金はかからないということになるので覚えておくとよいでしょう。

この場合、確定申告をする必要はありませんが、サラリーマンなどの給与所得者の場合には、確定申告をすることで税金が戻る可能性があります。売却した年の給与所得と、マンション売却による赤字分を損益通算することができるためです。給与所得から売却により赤字になった金額を差し引きます。その分、総合的な所得が少なくなるので、結果的に納める税金が少なくなり税金の還付を受けることができます。

損益通算の方法や要件については自分で調べることもできますが、念のため税務署などに相談してみるとよいでしょう。

【確定申告が必要!マンション売却時にかかる税金】

リフォームや引っ越し費用を確認!

マンションの室内の状態によっては、売却前にリフォームや設備の入れ替えが必要になることがあります。

状態によってはリフォームが必要なことも。。。

必ずリフォームをしなければならないということではありませんが、ある程度室内の状態をきれいに保っておかないと、買い手が見つかりにくくなる可能性があるでしょう。もし、リフォームをすることで売却がスムーズになると判断したときや、高く売却できそうなときは、別途リフォームのための予算を考えておきます。また、買い手が見つかったときには自分の引っ越し費用、新しく購入する家具などの費用も見積もっておかなければなりません。

このようなお金は、事前に余裕をもって準備しておく必要があるといえるでしょう。

そのほかにかかるお金は?

他にもかかるお金

そのほかにも、マンション売却時に必要になる費用があります。

たとえば、不動産仲介会社が売主と買主の間で売却の話がまとまったら売買契約書を作成します。マンションの売却価格に応じて、印紙税を支払わなければなりません。印紙税は、通常は数万円程度の出費であり、不動産仲介業者が印紙を準備してくれることが多いです。

さらに、売却するマンションに抵当権が設定されていれば抹消登記が必要になったり、住所を変更する際に住所変更登記が必要になったりします。自分で登記をすることも可能ですが、司法書士などの専門家にお願いしたほうが安心です。司法書士に支払う報酬金額も確認しておきましょう。

マンション売却時に戻ってくるお金は?

出費だけに目がいきがちですが、マンション売却をすることで戻ってくるお金もあります。

マンション売却で戻ってくるお金もあります!

まず、売却が成立したらマンションを新しい買主に引き渡します。その際、毎月支払っていた管理費や修繕積立金の精算を行います。売主は、前月に次月分を支払うケースが多いので、月の半ばで買主に引渡したときには日割りでお金が戻ってきます。たとえば、マンションの引渡日が20日であるときは、1日から20日までは自分が負担し、21日から月末までは新しい買主が負担することになります。仲介する不動産会社が日割り計算してくれることが多いので、しっかり金額を確認しましょう。

次に、税金の精算です。マンションを所有していると、毎年1月1日時点の所有者に対して固定資産税や都市計画税の納税通知が税務署から送られてきます。所有者が売却する年の固定資産税や都市計画税を納税しますが、年度の途中でマンションを売却する場合には、新しい買主に物件を引き渡した後に日割り計算で買主から精算金を支払ってもらうことができます。この精算金も、管理費や修繕積立金と同様に、仲介している不動産会社が清算を代行してくれるケースがほとんどです。売買契約を結ぶときに金額を確認しておきましょう。

【火災保険ってマンション売却するとどうなるの?】

忘れずに確認しておきたい!そのほかにも戻ってくるお金がある!

住宅ローンの返済途中でマンションを売却することもあるでしょう。

その際、住宅ローンの保証契約を結んでいて、保証料を住宅ローン返済予定期間分一括で支払っていれば、マンションを売却後に保証料の一部が返金されます。返金される金額は、住宅ローンを借りている金融機関によって異なります。忘れずに金融機関へ確認しておくことが大切です。

もう1つ覚えておきたいのは、火災保険料の返金です。保険会社は、マンションを売却したからといって自動的に返金はしませんので、必ず自分で保険会社に申し出る必要があります。30年など長期間で火災保険契約をしていて、一括払いをしている場合もあるでしょう。マンション売却後は、この火災保険を利用することがなくなりますので、利用しない保険期間分は保険会社から返金を受けられます。

マンション売却が完了したら、保険会社への連絡を忘れずにしておきましょう。

マンション売却時にもいろいろお金がかかる!

マンション購入時にはさまざまな費用を支払いますが、売却するときにもお金が必要になります。ただし、仲介手数料は計算式で事前に計算できますし、売却時の金額がわかれば税金の心配はそれほどしなくても問題ないでしょう。

また、戻ってくるお金もあるので、売却後はそれぞれの機関へ忘れないように申し出ることが大切です。