この記事の概要

  • 実家を売却前にまずは遺言書があるか確認する必要がある
  • 実家の売却は状況によって相続前か後に売却した方がいいかが分かれるということ
  • 実家の売却の流れには6つのステップがあるということ

相続した実家を売却したいと考えている方もいるのではないでしょうか?

ですが、実家を売却するにあたって、どのような流れで行えばいいのか、どのような費用が発生するのか分からないという方も多いと思います。

この記事では、実家を売却する流れや発生する税金についてご紹介しています。

また、売却する前に知っておきたい基礎知識や、節税対策についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

【実家売却の前に!】知っておくべき基礎知識

実家売却の基礎知識のイメージ画像

相続した実家があるが、誰も住んでいなく売却しようか迷っているという方もいるのではないでしょうか?

誰も住んでいない家を所有していると、定期的な家の掃除やメンテナンスを行わなければならなかったり、固定資産税が発生したりと、さまざまなデメリットもあります。

ただし、実家を売却するにも、いろいろな手順があり、税金や費用なども発生してしまいます。

そのため、実家をそのまま所有していた方がいいのか、早く売却した方がいいのか、双方のメリット・デメリットをよく考えてから検討することがおすすめです。

また、実家の売却は相続人が複数人いるのか遺言書があるのかなどでも、売却の仕方は変わってきます。

ここでは実家を売却する前に知っておきたい、基礎知識をご紹介しています。

遺言書があるのかを確認する

まず、遺言書が残されているかどうか確認をしておきましょう。

遺言書が残されていた場合、そこに記載されている内容に従って遺産を分ける必要があります。

特に実家を売却する際によくあるトラブルが「売主は誰になるのか?」という問題です。

遺言書に実家の所有者についてもきちんと記載されていれば、そこに記載されている人が所有者になります。

仮に自分が長男であっても、遺言書の所有者に次男の名前が記載されている場合、売主にはなれませんので所有者の許可なく勝手に売却はできません。

万が一遺言書がない場合は、実家の分割方法を決めることが必要です。

分割方法には「現物分割」と「換価分割」の2つがあります。

現物分割:相続財産をそのまま分割する方法。例えば、自宅は長男に、親が残した貯金は次男にといった方法で遺産の分割を行います。

この場合、実家の所有者は一人だけなので、実家を売却する際も大きなトラブルはありません。

換価分割:相続した財産を売却するなどして現金化し、それを相続人に分割する方法です。

相続する対象が現金となるので、公平に分割できます。

ただし、実家を残したいという場合でも、現物のまま相続できないというデメリットもあります。

遺言書があっても意味がない場合がある?

この遺言書ですが、仮に残っていたとしても法的な要件を満たしていないと有効とはならないこともあります。

遺言書には主に「公正証書遺言」と「自筆遺言」の2つがあり、どちらも要件を満たしていれば有効です。

公正証書遺言:公証人が作成する遺言書。

公証役場で、2人以上の証人の立ち会いのもとで、公証人がパソコンで作成し遺言者が署名押印をする。

専門家と話しながら作成するため、スムーズに遺言書を作成でき、公正なものなので後々、遺言書でトラブルが起こることはほとんどありません。

自筆遺言:全文を自筆で書く遺言書。

紙とペンがあれば自分でいつでも作成することが可能ですが、要件を満たしていないと無効になる恐れもあります。

自筆遺言書は法務局などで保管してもらう事も可能です。

相続登記をしておく

誰が実家を相続するのか、遺産分割の話し合いで決まったら、相続登記をしておきましょう。

相続登記とは、実家の名義を親から相続人の子へ変更するための手続きのことです。

実家を売る際は、売主がその不動産の所有者でなくてはならず、相続登記をしていなければ、そもそも売却はできません。

そのため、実家を相続したらまずは相続登記の手続きを行っておきましょう。

相続登記の手続きは司法書士へ依頼することがほとんどです。

また、この相続登記は2024年4月1日以降、遺産分割の日から3年以内に登記するよう、義務化されていますのでなるべく早めに済ませておきましょう。

境界線を確定させておく

実家など古い建物の場合、隣家との境界線があいまいなことが多いです。

そのため、実家を売却する際にこの境界線がトラブルの元になってしまうケースもあります。

実家を売却する前には、境界線をはっきりと確定させておくことが大切です。

境界線は、確定測量士に依頼して隣家と立ち会って確定します。

境界線に関しては下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

参照:隣地との境界紛争を防ぐ!境界標を設置するメリットと方法

実家の売却は相続前と後、どちらが良いのか?

実家の売却は相続前と後どちらがいいのかのイメージ画像

まだ実家を相続する前ではあるが、売却を考えているという方もいると思います。

では、実家を売却する場合、相続する前と後どちらが良いのでしょうか?

ここでは、相続前と後どちらの売却がおすすめかをご紹介していきます。

相続前に売却したほうが良い場合

相続前に売却したほうが良い場合は、実家の価値が購入時より高額となるような場合です。

なぜならこのような場合、譲渡所得税がかかってしまうからです。

しかし、相続前に売却するのであれば、条件を満たしていれば「譲渡所得の3000万円特別控除」を受けることが可能となります。

そのため、このような場合は相続前の売却がおすすめなのです。

ですが、相続前に売却するとなると、実家に両親がまだ住んでいる場合、新たな移住先を見つける必要なども出てきます。

そのため、家族でよく話し合いをし、どうしていくのが良いかよく考えておく必要があります。

相続後の売却の方が良い場合

反対に、相続後の売却の方が良い場合は、遺産総額が基礎控除を上回る場合です。

遺産総額の基礎控除は【3,000万+600万×法定相続人数】です。

この遺産総額が基礎控除を上回る場合、相続する際に相続税が発生します。

相続税が発生するとなると、相続前に売却した方が良いと考える方もいるかもしれませんが、相続税には軽減できる特例があります。

例えば「小規模宅地」の特例などがあります。

これは高額な税負担により自宅を手放さざるを得なくなる事態を考慮し、遺族や相続人などがそのまま住み続けられる制度です。

したがってこの場合は、売却して現金化するより、不動産のまま保有しておくことで、特例を適用し、相続税を軽減できるのです。

実家はどのように売却すればいい?売却の流れ

実家売却の流れのイメージ画像

実家を売却することになった場合どのような流れで進めればいいのでしょうか?

ここからは、実家を売却する際の流れをご紹介していきますよ。


売却の流れ

  1. 査定をする
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 不動産会社による営業活動
  4. 売買契約を結ぶ
  5. 引き渡しを行う
  6. 確定申告を行う

査定をする

まずは、実家がどのくらいで売却できるのか、査定をしてみましょう。

査定は不動産会社に依頼すれば、無料で行ってもらえます。

この査定を行う際のポイントは、複数の不動産会社に依頼することです。

なぜなら、査定額は各不動産会社で異なるからです。

そのため、事前に相場をある程度把握しておき、不動産会社が提示した査定額と大きな差がないかをしっかりと確認しておきましょう。

相場と大きく違う場合は、不動産会社にその査定額の根拠をしっかりと聞くことも大切です。

自分で相場を調べる場合は、各不動産会社のサイトから、実家と条件が近い物件がどのくらいの価格で売却しているかなどで調べる方法があります。

また、国土交通省の「土地総合情報システム」や「レインズ」などの不動産情報サイトを利用して調べるのもおすすめです。


不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産を売却するには、営業活動や買主との契約締結などさまざまなことを行う必要があります。

そのため、これらの売却活動を不動産会社に依頼することが一般的です。

不動産会社に依頼する際は、媒介契約というのを結ぶ必要があります。

この媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つがあり、それぞれに、売却活動の報告頻度や契約期間などが異なります。

また、媒介契約の中には自分で買主を見つけた場合の売買の有無なども、条件に含まれています。

契約内容によっては、万が一自分で買主を見つけても売買できないこともあるので、どの契約内容にするのかは、条件をよく確認してから決めるようにしましょう。

媒介契約については、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

参照:どれがいい?3種類の媒介契約をプロが徹底解説

不動産会社による営業活動

不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ不動産会社による営業活動が始まります。

基本的に営業活動は不動産会社が行ってくれるので、売主は特に何もする必要はありません。

しかし、興味を持ってくれた方が現れたら、内覧を希望されるケースがほとんどなので、売却活動が始まったら、実家の掃除も始めておきましょう。

特に汚れが目立ちやすいトイレやキッチンなどは念入りに掃除をしておくと、内覧者の評価も上がります。

また、お庭や玄関周りにゴミが落ちていないか、雑草が生えたままになっていないかも、忘れずにチェックしておきましょう。

売買契約を結ぶ

購入希望者が現れたら、買主と売買契約を結びます。

この売買契約では、売主・買主・不動産会社で契約条件や重要事項説明書の確認を行います。

売主・買主が、売買契約書の内容に納得すれば契約書に署名・押印を行い、売買契約の締結となるのです。

また、この際に売主は買主から手付金として、売買代金の一部を受け取ることとなります。

一般的に手付金の額は、売買代金の1割程度が相場とされています。

引き渡しを行う

売買契約の締結が完了したら、残りの売却代金を買主から受け取り、引き渡しを行います。

仮に、実家のローンがまだ残っている場合は、売却代金から残りのローンの返済を完了させましょう。

また、ローンの返済が完了したら、抵当権の抹消登記も忘れずに行っておきましょう。

※抵当権の抹消登記とは
ローンを借りた際、銀行は万が一返済ができなかった場合に備え不動産を担保としており、これを抵当権といいます。

ローンを返済し終えても、不動産登記簿にはこの抵当権が残ったままなので、抹消手続きが必要となります。

なお、抵当権の抹消登記は、手続きが複雑なので司法書士へ依頼するケースがほとんどです。

司法書士への依頼料は、1.5万円〜2万円が相場となっています。

実家の売却でかかる税金とは?

実家の売却でかかる税金のイメージ画像

実家を売却した後には税金が発生します。

ここからは、実家を売却したことでかかる税金がどのようなものがあるのかをご紹介していきます。

実家の売却でかかる税金

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 譲渡所得税
  • 相続税

印紙税

実家を売却する際の流れで、売却が決まったら買主と売買契約書を締結すると紹介しましたが、この売買契約書の作成にかかる税金が「印紙税」です。

印紙税は、売買価格に応じて金額が決められており、収入印紙を郵便局などで購入し売買契約書に貼付します。

支払いのタイミングと支払い期限

支払い先

支払い期限

税務署

印紙を売買契約書に貼り付けることで納付


登録免許税

不動産の名義を変更する場合に必要なのが「登録免許税」になります。

実家の場合、両親のどちらかが名義人になっていることが多いと思います。

その実家を相続したのであれば、「相続登記」の手続きが必要です。

この「相続登記」は【不動産の固定資産評価額の0.4%】の登録免許税が課税されます。

支払いのタイミングと支払い期限

支払い先

支払い期限

法務局

相続登記の手続きの際

譲渡所得税

実家を売却した結果、利益が出たという事もあると思います。

利益が出た場合にかかるのが「譲渡所得税」です。

この譲渡所得税の中には「所得税」と「住民税」が含まれています。

また、この所得税の中には東日本大震災の復興のために設定された「復興特別所得税」も加算されます。

この「復興特別所得税」は所得税の2.1%となっています。

譲渡所得税の計算方法は以下の通りです。

譲渡所得税の計算方法 譲渡価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(一定の場合)=課税譲渡所得金額参照:国税庁ホームページ

支払いのタイミングと支払い期限

支払い先

支払い期限

税務署

売却した日の翌年の確定申告後

譲渡所得税については、下記の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

参照:不動産売却でかかる税金は2つある!節税対策や注意点などを徹底解説!

相続税

実家を両親から相続した場合にかかるのが、相続税です。

この相続税は不動産以外にも相続したものがあれば、その遺産総額から【3,000万+600万円×法定相続人の人数】を引いた額が課税されます。

そのため、遺産した総額が【3,000万+600万円×法定相続人の人数】以内であれば、相続税は発生しません。

支払いのタイミングと支払い期限

支払い先

支払い期限

税務署

  • 相続税申告後に納付書が届いたタイミング
  • 支払い期限は相続開始から10ヶ月以内

実家の売却で利用できる節税対策

実家の売却で利用できる節税対策のイメージ画像

実家を売却する際には、上記でご紹介した譲渡所得税や相続税など、さまざまな税金が発生します。

しかし、これらの税金に対する特例も存在します。

ここからは、実家の売却で利用できる節税対策をご紹介していきますね。

空き家による特別控除

既に両親も他界しており、相続した実家が空き家状態という方もいるのではないでしょうか?

相続した実家が空き家の状態で売却する場合に利用できる特例が「空き家による特別控除」です。

この控除は、一定の要件を満たしている場合、譲渡所得税から3,000万円までを控除できます。

適用できる要件としては、例えば

  • 被相続人が亡くなった時点で一人暮らしであったこと
  • 被相続人が死亡した日から3年経過した年の12月31日までに売却していること。

などがあります。

参照:国税庁ホームページ

なお、この控除は令和6年1月1日以降の譲渡や相続人が3人以上いる場合は、控除額は2,000万となります。

取得費加算の特例

相続した実家を3年10ヶ月以内に売却した場合、相続税の一部を譲渡資産取得費に加算できる特例です。

譲渡所得税は、売却代金から不動産の取得費や手数料を引いて計算を行います。

実家を相続した場合、この取得費は発生していないので、通常であれば譲渡所得税が高くなってしまいます。

ですがこの特例を活用することで、相続税を取得費として加算する事ができるので、譲渡所得税を抑えることができるのです。


取得費加算の計算方法

取得費加算の計算方法 その者の相続税額×[その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した財産の相続税評価額÷[その者の取得財産の価額]+[その者の相続時精算課税適用財産の価額]+[その者の純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産の価額]=取得費に加算する相続税額

参照:国税庁ホームページ

小規模宅地の特例

土地の評価額を減額できるのが、この特例です。

この特例を利用することで、相続税の節税が可能となります。

相続税は遺産総額によって税額が変わるので、土地の評価額を減額することで、遺産総額も低く抑えることができ、結果的に相続税の節税につながります。

この特例では、例えば賃貸のアパートや貸し駐車場など相続した不動産によって、適用できる限度面積と減額割合が異なります。

実家の場合は

  • 限度面積「330㎡」
  • 減額割合「80%」です。

なお、この特例は「取得費加算の特例」との併用はできません。

そのため、「取得費加算の特例」と「小規模宅地の特例」のうち、どちらにより大きな節税効果があるのかをしっかりと確認してから、どちらの特例を適用するかを決めることがポイントです。

配偶者控除

実家を相続したのが配偶者であった場合に適用できるのが「配偶者控除」です。

この場合、実家以外にも相続した遺産の総額が1億6,000万円以内であれば相続税は課税されません。

その他実家の売却でかかる費用

実家の売却でかかる費用のイメージ画像

実家の売却にかかる費用には登録免許税や印紙税などの税金もかかりますが、その他に発生する費用があります。

ここからは、実家の売却でかかる費用についてどんなものがあるのかをご紹介していきますよ。

不動産会社への仲介手数料

実家の売却を行う際は、売却活動を依頼する不動会社と媒介契約を締結する必要があるということをお伝えしました。

この仲介を依頼する不動産会社には、仲介手数料というものを支払わなくてはいけません。

仲介手数料は各不動産会社によって異なりますが、上限は法律で決められています。

なお、この仲介手数料には消費税もかかるということも覚えておきましょう。

取引金額

上限

200万円以下の部分

5%

200万円超400万円以下の部分

4%+2万円

400万円超の部分

3%+6万円

家具やゴミの処分費用

実家を売却する際は家具や家電などの処分も行わなくてはいけません。

日用品や資源ごみなどは、自治体のゴミ収集の回収日に合わせて捨てれば費用はかかりませんが、大型の家具や家電は処分するにもお金がかかってしまいます。

リサイクルショップで売れる物はお金に替えられますが、そもそも大型で重い物は運ぶのも大変です。

そのため、不用品回収業者に依頼する事もおすすめです。

ただ依頼する場合、回収費用がかかってしまうので、売却する予定が決まったら、スケジュールに余裕をもって、どのくらい処分が必要な物があるのか、処分の方法なども考えておきましょう。

回収費用相場

  • タンス:5千円
  • ベッド:5千円
  • テーブル:4千円


また、実家の物が多い場合は一つ一つの物を単品で処分するよりも、パックで処分を依頼する方が費用を抑えられる事もあります。

例えば

  • 軽トラック1台分だと、1万円~3万円
  • 2tトラックだと、5万円~8万円

が相場となっています。

実家を売却したくない!売却以外の方法

実家売却以外の活用方法のイメージ画像

思い出がたくさん詰まっている実家の場合、売却したくないと思う方もいるのではないでしょうか?

ここからは、実家を売却したくない場合の、売却以外の方法をご紹介していきますよ。

賃貸として貸し出す

一番有効的な方法としては、実家を賃貸物件として貸し出すということです。

この場合、家賃収入を得ることが可能です。

仮に実家が遠方の場合でも、業者に管理を委託すれば賃貸として貸し出すことも十分に可能です。

ただし、賃貸として貸し出す際は、ある程度実家のメンテナンスも必要ですし、そもそも需要がなければ、なかなか借り手が現れないといったデメリットもあります。

また、古すぎる場合はリフォームを行わないと、そもそも貸し出せないという事もあります。

リフォーム費用には数百万円かかることもあるので、家賃収入で回収することができるのかどうか、慎重に考える必要がありますよ。

実家を取り壊し土地として活用する

賃貸として貸し出すには、あまり需要が無い場合、実家を取り壊して土地として活用するという方法もあります。

例えば、駐車場や倉庫を設けて貸し出したり、コインランドリーとして活用するといった方法もありますよ。


自分で実家に住む

思い切って自分で実家に住むという方法もあります。

思い出がいっぱい詰まった実家の場合、そのまま自分で住むことで、売却する必要もなくなります。

実家が古すぎる場合、思い出を残しつつ今後も長く住めるように、リフォームやリノベーションをするという方法もありますよ。

遠方に住んでいる場合、退職後に実家に移住したり、別荘として利用したりといった方法もありますので、一度検討してみることもおすすめです。

空き家として放置するのは注意が必要!

空き家放置するのは注意が必要のイメージ画像

実家を売却しようか悩んでいるうちに、空き家としてそのまま放置してしまう、という方もいるのではないでしょうか?

空き家として放置するには、さまざまなデメリットがありますので、注意が必要です。

空き家として放置するデメリット

  1. 老朽化が進んでしまう
  2. 行政からの指導が入る恐れがある
  3. 税の負担がある

老朽化が進んでしまう

空き家として誰も進んでいないと建物の老朽化が一気に進んでしまいます。

特に遠方に住んでいて、定期的な管理やメンテナンスができない場合、老朽化に気づくのも遅れてしまいます。

それにより、いざ貸し出したり売却したりする際に大がかりなリフォームをしなければならないこともあるのです。

空き家として長期的に放置してしまうのは、このように様々なデメリットがある事を覚えておきましょう。

行政からの指導が入る恐れがある

国土交通省では「特定空き家の除去」などを実施しております。

例えば、安全性が著しく損なわれており危険性が高い家や、雑草や立木が建物の壁を覆い放置されている空き家の場合、助言や指導、勧告などを行っております。

実際に助言や指導、勧告などを行政が実施した件数も年々増えており、実家の空き家の管理が十分に行えていない場合、行政から指導が入る恐れもあるのです。

国土交通省による「特定空家等に対する措置状況の表 H27年度は助言数:2,206件だったのに対して、令和元年は5,394と年々助言や指導の件数も増えている
参照:国土交通省

税の負担がある

空き家をそのまま所有していると、税金が発生します。

空き家の場合「固定資産税」と「都市計画税」が発生します。

固定資産税は、住宅や田んぼ、店舗などの償却資産に対してかかる税金の事で、その土地の所有者が資産価値に応じて算出された税額を納める必要があります。

都市計画税は、都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的にした市町村税の事で、市街化区域に土地や家屋を持っている人に課税される税金です。

市街化区域とは、住宅や商業施設などの市街地になっている区域、もしくは自治体が10年以内に優先的に市街地にしていこうと計画している区域のことです。

このように、空き家をそのまま放置している場合、税金が発生するという事も覚えておきましょう。

まとめ

今回は実家を売却する流れや、売却によってかかる税金についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

実家の売却は相続税が発生したり、相続人が誰なのか明確にする必要があったりと、通常の不動産の売却と異なり手続きや費用がかかる事も多いです。

ですが、売却の流れや相続によって適用できる特例などもあるので、事前にしっかりと知識を身に付けておくことで、スムーズに売却することができますよ。